【ご来場・自宅での鑑賞 ありがとうございました】大空襲イヴ
Aga-risk Entertainment
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2011/03/18 (金) ~ 2011/03/21 (月)公演終了
満足度★★★
笑いを生み出す手腕に感服
「この人たちも翌日には…」という感慨はほとんど無く(爆)、いくつもの歯車たちを見事なまでに食い違わせて笑いを生み出す手腕に感服。
また、このような状況下につき装置、照明、衣装など最小限にとどめてあとは演技で補う「想像力刺激演劇」で見せる心意気やよし。
紅い華のデジャヴュー
東京ストーリーテラー
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2011/03/10 (木) ~ 2011/03/21 (月)公演終了
満足度★★★
懐かしく観る
南方の民間伝承のような物語、以前「6C祭」で観た時のことなど懐かしく思い出しつつ観る。
黒い紗幕で表現した岩肌や打ち寄せる波の跡が残る砂浜(あるいは波そのもの)を想起させる床の模様など舞台美術も◎。
Around my world~私の中の斉天大聖《《全日程終了!ありがとうございました!》》
GAIA_crew
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/03/17 (木) ~ 2011/03/21 (月)公演終了
満足度★★★
「フツーに面白い」レベル
漢方薬局店主が実は…な設定、二段にした舞台の使い方、憑かれた者と憑いた者の台詞・動作がシンクロする演技、衣装・メイク、そして物語、と個々は良く出来ているのにそれらが集まった全体が「フツーに面白い」レベルなのが何とももどかしい。
カラスの国
サスペンデッズ
シアタートラム(東京都)
2011/03/17 (木) ~ 2011/03/23 (水)公演終了
満足度★★★★
夢の中のようなシュールな感覚
控えめな照明によって様々な表情を見せる装置から舞台となる「宿」が自ら意思を持ち、各人物に「忘れていたこと」「忘れてはいけないこと」を思い出させようとしているかに見えてくるのが舞台表現の妙。
また、全体的に夢の中のようなシュールな感覚に仕上がっているのも好み。
ラブリー、ラブリー! 【3/21 18~追加公演決定。当日券あります】
てにどう
シアター711(東京都)
2011/03/16 (水) ~ 2011/03/21 (月)公演終了
満足度★
過度の期待が裏目に
高圧的で傲慢、喚き立てるばかりで感情移入しにくい主人公が、友人を陥れてまで保身を図るのは致命的。
また、その友人がそこまで主人公に尽くす理由も見えず、半ばにして醒めてしまう。
勝手にレイ・クーニーばりのファルスを期待したのが失敗の素か?
ホテルロンドン
国分寺大人倶楽部
王子小劇場(東京都)
2011/02/23 (水) ~ 2011/02/27 (日)公演終了
満足度★★★★
冒頭からいきなり R-15(笑)
ラブホテルの3つの部屋(うち1室は管理用に使われている)での一夜を描いた作品、初見であった昨年10月の『ストロベリー』同様にかなり写実的な印象。(部分的にはコミカルであったりいかにもフィクションであったりはするが)
まず、印象的なものを列挙すれば…
・若いシゲル(加藤岳史)と人妻カスミ(清水久美子)のジェネレーションギャップならびにシゲルの「甘えっぷり」
・高校時代の担任セジマ(信國照彦)と訪れた短大生ハルカを演ずるハマカワフミエの「19歳ぶり」と、その部屋に呼ばれたフィリピーナのマッサージ嬢ジニーを演ずるえみりーゆうなの「カタコトの日本語」
・ロンドンにいる筈のアズマ(東谷英人)が帰国していたばかりか指輪を贈られて号泣するピンク(佐賀モトキ)の「オトメ心」
ピンクの場合はそこまでがはすっぱに見えるだけに実は純情可憐なオトメ、なギャップにかなり心を揺さぶられる。
先日の『ロクな死にかた』でもそうだったし、最近は ♪じゅんじょなオトメご~ころ~ (はぁと)(はぁと)(はぁと)♪ 系に弱いのか?(爆)
また、台詞の音量、照明のトーンとも控え目で「深夜」の雰囲気が非常によく出ており、そこで交わされる会話(特にピロートーク的なもの)もリアル。
なんでも会話の一部は河西主宰の実体験からのものだそうで、そりゃあリアルなワケだ。(笑)
その会話に出てきた
カスミ「ねぇ、この曲なんだっけ?」
シゲル「別れの曲?」
カスミ「それじゃなくて…」
シゲル「じゃあ月の光?」
を受けて、後で「月の光」「別れの曲」「トロイメライ」を順に流すのもイイし。
さらにネタがネタだけに眼福多し。(爆)
ってか、冒頭からいきなり R-15 的だったりして。
これ、中高生に20円(!)で見せてイイのか?(笑)
偽善者日記
荒川チョモランマ
一心寺シアター倶楽(大阪府)
2011/03/05 (土) ~ 2011/03/06 (日)公演終了
満足度★★★★
コロリと騙される快感
いくつかのツッ込みどころはあれど見せ方やアイデア、演技など随所にキラリと光るものがあるなかなかに良くできた家族の物語……と思って観ていたが、終盤のコペルニクス的転回に仰天。
タイトルの意味を探りながら観ていた大半の時間を返せェ!(笑)
『ハコネコ』
ポムカンパニー
遊空間がざびぃ(東京都)
2011/03/16 (水) ~ 2011/03/20 (日)公演終了
満足度★★★
「ダーク」ではなかった
事前に「ダーク」との感想を目にしたが、ある台詞から早い段階で状況を読むことができ、是枝裕和監督の『WonderfulLife』(あるいはディッケンズの「クリスマス・キャロル」)の変奏として安心して観る。
とはいえ大半を占めるシリアスな状況には胃が痛くなるような気も。
解ける/恍ける
セカイアジ
OFF OFFシアター(東京都)
2011/03/17 (木) ~ 2011/03/21 (月)公演終了
満足度★★★
千差万別の見方がありそう
謎が謎を呼び多くは謎のまま終わるスタイルで解釈の余地が非常に大きく十人十色どころか千差万別の見方がありそう。
その一方でタイトルに含まれるトボけた笑いもあり、全体の印象は洋モノを翻案した昼メロの如し。
それは鯉幟柄を配した古風な(元?)喫茶店を表現した美術の影響も大きいか?
愛する生活REMIX
武田浩介作演出作品
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2011/03/16 (水) ~ 2011/03/20 (日)公演終了
満足度★★★
捨ててしまったものでもまた拾えばいい
現実パートは会話を筆頭に非常にナマナマしいが、心象的なパートのシュールさと「余白」部分の大きさから観る時のコンディションによって印象が異なりそう。
で、震災から間もないという状況ゆえ、ねっとりとした不安感に包まれるが、「捨ててしまったものでもまた拾えばいい」(大意)という終盤の台詞に救われる。
凄い金魚
ラッパ屋
座・高円寺1(東京都)
2011/03/10 (木) ~ 2011/03/21 (月)公演終了
満足度★★★★
初演に思いを馳せる
前作『YMO』とはかなり異なるのも道理、15年前に初めてラッパ屋に接した時の作品。
しかしこうして改めて観ると喜劇としての完成度も高く、三十代半ばにしてこれを書いた鈴木聡の才能に感服。
また、当時は今よりずっと若かったメンバーの演技に思いを馳せる。
夏への扉
演劇集団キャラメルボックス
ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)
2011/03/05 (土) ~ 2011/03/27 (日)公演終了
満足度★★★
駆け足的な印象が払拭できず
レトロSF+ヒューマンドラマというお得意パターンの1つではあるが、2時間余の尺におさめたために駆け足的な印象が払拭できないのが残念。
一方、キーパーソン(?)的なアレをあんな表現にして一部ストーリーテラーの役割も担わせたアイデアは◎。
人形の家・解体
月蝕歌劇団
ザムザ阿佐谷(東京都)
2011/03/15 (火) ~ 2011/03/17 (木)公演終了
満足度★★★
闇鍋の如き取り合わせの妙
タイトルに「解体」と謳う通り原典の面影は無きに等しく登場人物に名を残すのみだが、二組のノラとヘルメルの関係性や、昼メロ系から古典的心中もの、歌謡芝居に有名マンガ家トリビュート(?)までごった煮どころか何が出て来るかわからない闇鍋の如き取り合わせの妙は面白い。
ヒミツきち【12日・13日・14日上演します!!!】
劇団SHOW&GO FESTIVAL
OFF OFFシアター(東京都)
2011/03/09 (水) ~ 2011/03/14 (月)公演終了
満足度★★★★
ラストの仕掛けは圧巻
題材選定やキャラクター造形が巧みで、いかにも美術準備室な装置と上手に劇中登場する絵画を展示した美術も見事な上にラストの仕掛けは圧巻。
が、程よい110分におさめるべく1.2倍速で間をとらない会話が多くせわしない印象になったのが珠に疵。
ヘッドライン×デッドライン
劇団東京都鈴木区
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2011/02/22 (火) ~ 2011/02/23 (水)公演終了
満足度★★★★
コミカル・サスペンス
コミカルな前半とスリリングな後半との対比が鮮やか。
また、後半でローカル局ならではの機動性が描かれる場面を、小劇場ならではの表現(映像で言えばマルチスクリーン的)で見せるのが小気味よい。
祖国へ
昭和芸能舎
SPACE107(東京都)
2011/02/22 (火) ~ 2011/02/27 (日)公演終了
満足度★★★★
「旧き佳き時代」?
昭和43年の東京の下町を舞台に「旧き佳き時代」を描くかと思わせ、しかしそれはあくまで「日本人にとって」であり、在日には決して佳くはなく…どころか40年近く経った今でもそうなのでは?と気付かされる。
38度線に関する台詞には泣かされた。
東京バーグ2【全日程完売・当日券キャンセル待ち】
円盤ライダー
東京バーグ(東京都)
2011/02/10 (木) ~ 2011/02/28 (月)公演終了
満足度★★★★
基本設定のみ踏襲した新機軸
続編ながら「パート2」にありがちな1作目の焼き直し的な安易なものではなく、基本設定のみ踏襲して新機軸を打ち出す、いわば「パート3」的なストーリー。まるで別の脚本家が書いたような感覚?
一気にこんな展開にして、もしも第3作を創るんならどうするんだ?などと余計な心配までしてしまう…(笑)
舞台版『千年女優』(大阪凱旋公演は5/11)
TAKE IT EASY!
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2011/02/17 (木) ~ 2011/02/21 (月)公演終了
満足度★★★★
非常に見事
現実、回想、映画内のシーンがシームレスに繋がるアニメならではの表現にピスタチオ手法がマッチしている上に映画ネタや笑いも盛り込み、さらにある場面では全員がどの役もこなせることを見せるなど相乗効果+αで非常に見事。
また、LOTUSをモチーフにした美術も○。
ただ、定刻を15分近く押しての開演について一言も触れないのはいかがなものか?
コーヒーが冷めないうちに
チーム1110 舞台美術部
萬劇場(東京都)
2011/02/18 (金) ~ 2011/02/20 (日)公演終了
満足度★★★★
やはり好きなタイプ
4編から成る連作短編集。第1話で基本形を見せた後の3編それぞれ異なるバリエーション、というスタイルが巧み。
また、第3話を挟む形で配置し、内容もそれまでの逆パターンとした第4話のアイデアもイイ。
怪物-カイブツ-
ブラジル
駅前劇場(東京都)
2011/02/13 (日) ~ 2011/02/20 (日)公演終了
満足度★★★★
これから子を産む母の不安と期待
基本的にはコメディタッチのホームドラマ(?)ながら、時々ブキミな部分もあり、しかしその本質は「これから子を産む母の不安と期待」。それをこんなカタチで表現するのはさすが。3人目の子供がやがて生まれるアン山田ならではか?(もしや最初の子供の時からあたためていたテーマ?)
タイトルの「怪物」は「生まれてきた子供」よりもむしろ周囲の人間たちな感じで、拡大解釈をすればどんな子供であろうと護ろうとする母やそんな風に子供を産む女性も含まれるかも…というのは男性目線か?
それにしても辰巳智秋を「あの役」にするとはスゴい発想。しかし「無垢」な感じがイイ。まさに彼ありきの作品と言えようか。
そんな芝居を創り出したアン山田も怪物、とか?(笑)
ということで、事前の評判「何を言ってもネタバレ」「2時間超(この日のこの回は実測135分)の長さを感じさせない」に大いに納得。