じべ。の観てきた!クチコミ一覧

2741-2760件 / 4325件中
【公演終了】B203【ご来場有難う御座いました】

【公演終了】B203【ご来場有難う御座いました】

早稲田大学演劇倶楽部

早稲田大学学生会館(東京都)

2011/01/14 (金) ~ 2011/01/17 (月)公演終了

満足度★★★

おバカなところ、好きだなぁ
近未来、懲役100年を超えるような受刑者たちの地下収容所での物語…ではありながら、ナンセンスコメディ系。
なんたって受刑者にサル(しかもサルがサルの着ぐるみをかぶっている設定!)やロボット(Q-10風?(笑))がいるし、看守長の肩にとまっているトリも人間の大きさになって出てきたりするし、そういうおバカなところ、好きだなぁ。

一方、S気味の女性看守と受刑者たちの関係に『カッコーの巣の上を』(または『…巣をこえて』)を連想。終盤、「大阪LOVER」が止まらなくなるあたりなんて『カッコー…』第1幕ラストを彷彿とさせるし…って深読みか?(笑)

そうして迎えるラスト、地震によって閉じ込められた面々が光を見つけて脱出するシーンで客席(前部2段)が「十戒の海」状態になろうとは…。
2列目センターにいて、座る時に「この金具、なんだろ?」と思っていたのがそういう風に作用するとはねぇ。

また、日替わりゲストの21期生が、+1の目崎主宰、ろりえの奥山主宰、タイタニックゴジラの高木主宰など、そうそうたる顔ぶれ…。いやはや恐れ入りました。

23分後

23分後

innocentsphere

吉祥寺シアター(東京都)

2011/01/15 (土) ~ 2011/01/23 (日)公演終了

満足度★★★

複数の流れが関連付くまでチョイ長
以前よりも笑える部分が多いことを意外に思いながら観ていると、接点のない複数の物語が併行して進み、それらを「一体どういう関係?」と訝っていたが…(以下ネタバレ)

ネタバレBOX

…終盤、ベートーヴェンの交響曲第9番第4楽章(当日パンフにヒントがある)が流れる(with 経過時間投影)と、ドミノ倒しの如くそれぞれがつながって行くシカケで、やっと「なるほど」。
がしかし、23分に収めようとしたため強引な部分(爆弾ネタとか)もある上に、曲の最後で大団円かと思いきやさらに続くのはちょっとキレがよろしくない。

また第九に至るまでのそれぞれのストーリーに接点がないほど急に関連付く面白さ・意外性があるのもよくワカるが、それが長いともどかしく冗長に感じられてしまう面もあり、諸刃の剣。

一方、バタフライエフェクト(もしくは風が吹けば桶屋が儲かる)的連鎖をふまえて最終場で出てくる「ため息をつくと世界のどこかで戦争が起こるかもしれない」なんてセリフが良いし、その前のクライマックスでの夫婦・親子など家族愛もイイので、これはこれでアリか?
ドリルチョコレート「テスタロッサ」

ドリルチョコレート「テスタロッサ」

MCR

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/01/07 (金) ~ 2011/01/16 (日)公演終了

満足度★★★★

やはり観た甲斐はあった
会話が実によく出来ていてあー言えばこー言う風にポンポン弾んでテンポ良く、時間の経つのがアッと言う間。(上演時間75分だし(笑))
で、良く計算されていながらも一部即興の要素もあるらしく、共演者が顔を背けて何とかガマンしながらもついに耐え切れずに吹いてしまうなんて1コマも…もちろん客席大ウケ。

そうして迎える三者三様の結末も上手く、やはり観た甲斐はあったなと。

メタファンタジア[眠りの森の・・・]Ver.6

メタファンタジア[眠りの森の・・・]Ver.6

楽園王

タイニイアリス(東京都)

2011/01/13 (木) ~ 2011/01/16 (日)公演終了

満足度★★★★

Ver.7 もいつか観たい
8年前に Ver.5 を観て、5~6年前には戯曲も読んでいたものの、かなり記憶が薄れていて結末などは完全に忘れていたので新鮮な気持ちで観る。
結果、135分の長尺も苦にならないほどに楽しむ。

まず、最近(ってかここ数年?)と比べて笑える部分が多く、意外と言えば意外。
また終盤の衝撃の真実に一瞬、「じゃあアレは何なのさ?」と思うもののすぐに「あぁ、あっちも自分の死を受け入れることができずにいたのか」と納得。
このあたりが実に上手い。死を受け入れることができない2人の物語を併行して語っていたなんて騙し上手!(笑)

あと、「夢十夜(第一夜)」「浦島太郎」「クロノス・ジョウンターの伝説」などを勝手に連想したりして観るのもまた楽しからずや。

なおこの日、マチネ、ソワレの両方で「雨に降られた相手に傘をさしかける」「教室の席に白い菊の花を飾られる」状況が出てきてその偶然にビックリ!

キョム!【公演終了しました。ご来場ありがとうございました!!】

キョム!【公演終了しました。ご来場ありがとうございました!!】

悪い芝居

駅前劇場(東京都)

2011/01/14 (金) ~ 2011/01/16 (日)公演終了

満足度★★★★

各人物の心情が痛いように伝わる
路上生活者たちが暮らしている廃劇場に男女の刑事が現れ、路上生活者・松本が撲殺された件について事情聴取を始め…な物語。

前半は聴取の様子とその内容の再現を見せるサスペンス風に進行するも、それが一区切りついたところで元・劇作家という設定の山本が観客に「以上は松本さんが亡くなってからの出来事ですが、これから亡くなる前をお見せいたします」と語りかけ、さらに「仲間の路上生活者に演技をさせている」的なことも告げて劇中劇であると明かす…。
ここからはむしろコミカルになるのだが、それだけにその後の松本の絶望がより強く心に刻まれるシカケ。うわわ、何なのこの急ハンドル。

それが芝居であり、さらに劇中劇であるとわかっていても、終盤の各人物(松本以外も含む)の心情が痛いように伝わり緊張感が最高に達したところで幕となるのはスゴい。

また、「始めます」「続けます」と宣言して各シーンを始めることによってメリハリがつくのは面白くかつ有効だし、開演定時の10分くらい前から徐々に役者がステージに上がってイントロ的な演技を始めていて、最初の「始めます」で客電が落とされるのでよりそれが際立つ、みたいな。
客電と言えば終盤で山本の指示で客電を上げるし…。

そんなこんなで先日の『THE LIFEMAKER』のように、観客もまた劇中の観客役に見立てられているのではないか?な気分にさせられるのもメタフィクション好きとしてはタマラン!(笑)

OVER  OVER  THE RAINBOW

OVER OVER THE RAINBOW

てらりすと

下北沢GARDEN(東京都)

2011/01/14 (金) ~ 2011/01/14 (金)公演終了

満足度★★★★★

満足度高し
Opening Live(約15分)、Main Live(約55分)、Premium Live(約30分)の三部構成、キッカケは忘れたが一見不釣合いな2人の組み合わせが印象に残っていたどころかコンビ名の由来まで知っていたイワイガワのコント(=Opening Live)からスタート。
昨年暮の某公演の前説で観た芸人さん同様、生で観る方が空気そのものが伝わると言おうか、客席(の空気)とのキャッチボールと言おうか、テレビで観るよりもずっと面白く感じるのはフシギ…いや当然か?
さらにアドリブに強く、この日もバーカウンターの方で製氷機の氷が落ちる音が響いたのをすぐに受けて対応するのも見事。

15分の休憩を挟んでの Main Live がタイトルになっている「OVER OVER THE RAINBOW」。
前回(『人デナシノ唄』)にしても今回にしても「ワンマンライブ」と銘打っているので、ストーリー性のある歌たちを衣装の早替えや身振りなどを交えて歌う、どちらかと言えば歌の要素が強いものかと勝手に思い描いていたところ(失敬!)、そんなヤワなものではなく、まさに「1人ミュージカル」。

アマテラ スミコ(=アマテラス)が親友のウズ メグミ(=ウズメ)の勧めでオンラインゲーム「OVER OVER THE RAINBOW」に参加するが…なストーリーもしっかりしているし、その2人はもちろん、パーティーを組むLIGHT(ここまでがメインキャラ)やゲーム内のすべてのキャラを声色(と一部は早替えの衣装)で演じ分け(1曲の中で最大6役を演じ分けるのだ)たり映像を使って重唱をしたり見せ方もいろいろ工夫しているし、とクオリティが高く、ウォトカトニックによるホロ酔いもあって軽い感動さえ憶えたくらいで。

さらに浅沼晋太郎とイワイガワを迎えての Premium Live 朗“毒”劇「OVER OVER THE RADIO」は本編中でウズメがパーソナリティを務めているラジオ番組での出来事、というスピンアウト作品。
落としどころも上手いし、もともとある即興的要素に加えてイワイガワの2人がアドリブも入れるし、これまた上出来。

そんなこんなで満足度高し。興味を持った関東エリアの方々、3月11日に vol.4 がありますよん♪

ネタバレBOX

ゲーム内でLIGHTが去ったことを受け入れられずに何年も留まっているスミコを現実に引き戻すためにメグミが仕組んだことだった、という真相は本当に上手い。

あと、モニターの内側からゲームに興ずるスミコを見せる映像で部屋の棚に「木馬」があったり、劇中に「悲しいけど…これ**なのよね」なんてセリフがあったりしたが、エッちゃんってガンダムファン?
愉快犯

愉快犯

柿喰う客

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2011/01/07 (金) ~ 2011/01/16 (日)公演終了

満足度★★★★

乱痴気っっ!!!
登場した時に「反則だろそれは!」(出オチともゆー)と思う配役もありつつ、観ているうちに説得されてしまうというか「それもアリだね」と納得してしまうのが柿の奥深いところと言おうか底力と言おうか、言い方はともかくとしてとにかくスゴい。
また、役者が変わることによってキャラが変わる部分が大半な中、「役」は変わっても「役割」が変わらない(まーくんの芸とか)、なんてところもあって、やはり観比べるとより面白い。
恒例のアフタートークは中屋敷代表に加えて出演者全員が登場してのもので、今回の配役については出演者たちの話し合いで決めたが、一旦「どの役を演じたいか」「誰がどの役がいいと思うか」の2点から決めたもののまた変えた、なんて経緯なども語られた他、「役によって使う筋肉が違う」(玉置)、「(本役を演ずる役者の)動きをトレースしてから自分のものにする」(コロ)などの内幕も語られ、まさに「乱痴気のひみつ」な様相。
そんなこんなで二重三重に面白かった。

無伴奏

無伴奏

劇団東京イボンヌ

サンモールスタジオ(東京都)

2011/01/12 (水) ~ 2011/01/19 (水)公演終了

満足度★★★★

静かでオトナで深い味わい
客入れ時のBGMこそ60年代後期〜70年代前半あたりのロック(推測)ながら、M-0 のジャック・ルーシェ以降の使用曲はすべて(だと思う)クラシック(アレンジもの含む)で、それによる効果もあって静かでオトナな雰囲気。男やもめがやっているペンション(ありゃ、年末のアレとカブってる)ということで、倉本聰の『優しい時間』も連想したりするからなおさらか?(笑)
そんな雰囲気の中、ヒロイン・貴子は静かではありながら実はかなりエキセントリックだし、1ヶ月にわたって投宿して山を撮り続けている若い写真家・及川はそれに輪をかけてエキセントリック(笑)だし、と2人の人物が良いアクセント。
そうして12年前も絡めて2つの想いの行方を中心に見せ、ともに好転かと思わせた後のエピローグはかなり切なく、解釈によってはコワくもあるという…。アレは一体どっちの「お迎え」?(謎)
あと、圭の少年時代のシーンに出てくるネコさんとカエルさんの逸話がイイ。(詳細はネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

互いの持っているものに憧れて相手になりたいと思っても叶わないけれど、無いものを持っている2人が寄り添って行くことはできる、というのは真理であり、目からウロコ。
メゾン・ド・ウィリアム

メゾン・ド・ウィリアム

劇団バッコスの祭

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2011/01/09 (日) ~ 2011/01/17 (月)公演終了

満足度★★★★

総じて満足
序盤のライトコメディタッチの部分と主題部分との落差が大きく、木に竹を接いだ感がないでもないが、疑問を投げかける主題の良さと落としどころ、それに回想・心情シーンの挿入の仕方などが上手く、総じて満足。

また、終演後に沙翁との関連を解説したものを配るのもナイス。

雨、稀に晴れ。

雨、稀に晴れ。

劇団エリザベス

ワーサルシアター(東京都)

2011/01/06 (木) ~ 2011/01/10 (月)公演終了

満足度★★★★

「エリザベス手法」
登場人物の衣装に役名がテープで書いてあることも含めて昨年10月の旗揚げ公演『ファイナルファンタジー』と同様の「エリザベス手法」とでも言うべきものが貫かれており、そのシュールな感覚が「あぁ、なるほどねぇ」みたいな…(笑)

空中回転ブレンド ご来場ありがとうございました。次回は8月!!

空中回転ブレンド ご来場ありがとうございました。次回は8月!!

みきかせworks

ワーサルシアター(東京都)

2011/01/06 (木) ~ 2011/01/10 (月)公演終了

満足度★★★★

アロマブレンド
前回公演『乱反射ドロップ』で過半数を占めた「これもリーディングなの?」な一般的な芝居と紙一重的な奇襲戦法(笑)の2本、新進気鋭と中堅どころの対比、な感じが面白い。

空中回転ブレンド ご来場ありがとうございました。次回は8月!!

空中回転ブレンド ご来場ありがとうございました。次回は8月!!

みきかせworks

ワーサルシアター(東京都)

2011/01/06 (木) ~ 2011/01/10 (月)公演終了

満足度★★★★

モカブレンド
前回と比べて狭義の「リーディング」系2組だが、それぞれアプローチが異なっているのが面白い。また、声と動作の分業は観たことがあったが、「リーディング」と銘打ちながら動作で締める今夜はパーティーの「奇策」には眼から鱗。

EMPTYMAN

EMPTYMAN

たすいち

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2011/01/08 (土) ~ 2011/01/10 (月)公演終了

満足度★★★★

テンポの良さが心地好い
気が付くと手足を鎖でつながれ、改造人間「シモンマン」にされていた士門の物語…ということで、当然の如く某変身ヒーローもののパロディ風味。

悪の科学者ではなく正義の科学者(見た目はまごうことなきマッドサイエンティストだが(笑))に改造されたにもかかわらず、迷惑に思う士門が積極的には戦わず、ドロンジョ一味の如くいたってユルい悪の組織「パンドラ」が他に気をとられている間にこっそり人質を連れ出すような姑息な方法だし、失恋直後に彼に救われ心を奪われた桃子が気を惹こうとするあまりパンドラをリードしたり、よりフェミニンな可憐が現れて焦ったりなど、前半はひたすらコメディ。

が、パンドラの目的から希望と絶望について語る中盤は哲学的でもあり(ホントか?(笑))、主人公が周囲から祝福される某アニメのようなラストも「そっちか!」的なオドロキがあり、75分の中にうまく詰め込んだなぁ、な感じ。

ま、それゆえ振れ幅が大きいと言おうか蛇行と言おうか、な感なきにしも非ずながら、テンポの良さが心地好い。

追憶の村、生命の樹

追憶の村、生命の樹

空想天象儀

高田馬場ラビネスト(東京都)

2011/01/08 (土) ~ 2011/01/10 (月)公演終了

満足度★★★

前半の冗長さが珠に疵
ストーリー全体の組み立て、どんでん返しの連続からのダークな結末、伏線の張り方と回収の仕方、緊張感を程よくほぐす笑いの挟み方など、なかなかに良く出来ているが、前半に冗長な感が無きにしも非ずなのが珠に疵。
前半を整理して105分程度に収めればもっと良かったろうに。

冬に舞う蚊

冬に舞う蚊

JACROW

サンモールスタジオ(東京都)

2011/01/05 (水) ~ 2011/01/10 (月)公演終了

満足度★★★★

一言で表現するなら「面白い!」
同じくパワーハラスメントを描いた、前回公演『窮する鼠』3編目の「リグラー」と比べて、デフォルメされ戯画化された部分があったり、かすかな光明が見えたりする分、全体的にはマイルドになり時々ニヤニヤしたりしてしまう一方、古傷をえぐられるというか悪夢ふたたび(爆)というか、胃が痛くなるような部分もあり、一言で表現するなら「面白い!」。

また、その本筋と併行して建設業界の悪しき慣習(?)についても言及し、「正しいとは何か?」「じゃあどうすればいいの?」などと問いかけられる…。ん~、難問。

あと、橋本恵一郎のいかにも神経質そうな表情とか祥野獣一の「緊張して吐きそう」な表現とか小ワザも見事。

観客の心境は「スプラッタホラー映画などでたまたま現場を目にしてしまい、逃げなくてはと思いながらも目が離せない登場人物」のそれに近いかも?(笑)

300年の絵画と鉄仮面の姫君

300年の絵画と鉄仮面の姫君

KENプロデュース

北沢タウンホール(北沢区民会館)(東京都)

2011/01/08 (土) ~ 2011/01/09 (日)公演終了

満足度★★★★

150分近い上演時間も苦にならず
伝奇時代劇の中近東バージョン的なストーリーはもちろん、生歌によるオープニングや生ピアノ(&keyb)の音楽、「魔人」の出ハケの見せ方、善の側の魔人をコメディリリーフにも使うことなどにも感心。結果、休憩なしの150分近い上演時間も苦にならず。

愉快犯

愉快犯

柿喰う客

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2011/01/07 (金) ~ 2011/01/16 (日)公演終了

満足度★★★★

緩急自在
ある家族を中心とした物語。
開演まで流れていた「春の海」(だっけ?)の影響と古典的にも聞こえる台詞回しによってどことなく歌舞伎とかそんな純和風な雰囲気も漂わせつつ、お馴染みのスピード感のある台詞に言葉遊びや『The Heavy User』で使ったリズムパフォーマンスっぽさも交えて、劇団員5人のみの少人数ながら疾走感は健在。
一方、中盤のサスペンスフル(?)な部分や、終盤での「親の愛情」に関する大事な部分はテンポを落としてじっくりと見せるワケで、その使い分けが上手い。

スイートルーム大混乱!!

スイートルーム大混乱!!

劇団始発列車

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2010/12/29 (水) ~ 2011/01/09 (日)公演終了

満足度★★★

古き佳き時代のアメリカン・コメディ
以前観たニール・サイモンの作品(舞台&映画)はどちらかと言えばシリアス寄りだったので、第1話のドタバタコメディぶりにはちょっと驚く。
が、それ以降はいかにも古き佳き時代のアメリカン・コメディな感じで、日本で言えば「昭和色満載」的…白黒時代のアメリカの公開コメディドラマな感じか。
一方、開演前に客席に置いたモニターで流していた過去の上演作品には、オリジナルのサイコサスペンスやアクションもあり、そちらも観てみたくなる。

演劇/空間の立ち上がる瞬間

演劇/空間の立ち上がる瞬間

DULL-COLORED POP

中野スタジオあくとれ(東京都)

2011/01/06 (木) ~ 2011/01/06 (木)公演終了

満足度★★★★

佳き観劇初め
エチュードと通し稽古、公開ダメ出しと公開WS、再びエチュードと通し稽古という3工程を通して観る。谷主宰の説明も交えながらで、それぞれの目的などもよく解り、トレーニング内容やモロモロを創り上げて行く過程を見ることができ、普段観ている完成品の製造工程を見学するようで興味深く、面識のある方々とも遭遇して賀詞も交歓でき、佳き観劇初めとなる。

Super Cool Beauty ! 美熱大戦

Super Cool Beauty ! 美熱大戦

渡辺晃プロデュース

国立オリンピック記念青少年総合センター・小ホール(東京都)

2010/12/28 (火) ~ 2010/12/30 (木)公演終了

減点3の結果、星を与えるに及ばず
まず冒頭のやたらに長い映像使用で開演直後というのにいきなり興を削がれ、やっと芝居になったと安心していたら、その後もちょくちょく映像が入りそのたびに興醒め。以前、クライマックスの試合の大半を映像で見せた凡作ボクシングものの悪夢ふたたび…。舞台で芝居を創る者として逃げあるいは手抜きではあるまいか?(よって星1つ減点)

また、クライマックスの殺陣でフィーチャーしたい3組があるのはわかるが、あの広い舞台で1組ずつ見せると、舞台上の他の空間がガラガラで見劣りしてしまう。少しずつカブらせるとか他の面々を周囲で戦わせるとかする智恵は浮かばないのか?

そんなこんなによって上演時間は135分。事前アナウンスで「上演時間は約2時間です」と言っていた(そもそも135分って「約2時間」になるのか?)が2時間半以上に感じてしまう。

一方、争いの無益さを訴える内容と、そのための対立する2つの国と中立を保つ2つの国(片や美を愛するハイソ系、片や極貧ながら心は美しい系)、という設定は◎。

ただ、剛速球の直球ストライクだけですべて三振にとろうとする投手のような力みが感じられて疲れる。ボール球を投げたり、打たせて取るとかも交える余裕が欲しいもの。良く言えば「若いがゆえのまっすぐさ・ひたむきさ」かもしれんが(笑)。

そんな中、舞台で観るのは3度目になる吉井怜、闘病生活で培われたであろう「芯の強さ」が感じられて良かったなぁ。そういえば「仮面天使ロゼッタ」、再放映してくれないかなぁ?

なお、受付開始&開場が約30分押した(もともと開演60分前と異様に早い設定だったし)のはともかく、開演が15分も押した(せっかくM-1GP参加経験もある芸人さんが前説&ネタ披露であたためた客席も15分も経てば冷えますわな)ことについて開演前、終演後を通じて全く触れなかったのはいただけない。何を考えているんだか?

先述の減点と合わせて最終的には星3つ減ずる。
従って「評価しない」ではなく「星を与えるに及ばずという評価」である。

このページのQRコードです。

拡大