高校演劇サミット2013@こまばアゴラ
高校演劇サミット
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/03/29 (土) ~ 2014/03/30 (日)公演終了
満足度★★★★
なんか・・
気のせいか筑駒の演劇が
女性向けのほんわか漫画っぽいような・・
現役の時は意識しなかったけど。
こうしてみると、普通の男子校とはだいぶ違う「ノンビリ感」に見えなくもない・・。
「駒場村」と呼ばれる由縁か?
会話のスピードが自分の時より遅いように見えたのは、
舞台用?
高校演劇向けに落としたんだとするなら、
今回は日常レベルに上げた方が良いかも?
この倍くらいあげても良いのでは。
・・と思ったけど、これは昔の野田コンプレックスから脱した
証左だからまぁ良いのかな。
なんか随分かわいくまとまった気もするけど、
そのかわいさがちょっと舞台の「ぼっち感」から目をそらさせてるっぽい気がするのがちょっと残念。
同世代には受けがいいかもしれないけど、
若いうちはもっとやりたい放題演じた方が良いかもなー。
男の60分 -2014-
ゲキバカ
王子小劇場(東京都)
2014/03/19 (水) ~ 2014/03/23 (日)公演終了
満足度★★★★
ダジャレが滑らなければ・・
・・・そこが惜しい!
志が良いだけに、東京のコメディがこうだと関西の人に思われるのが・・
関西公演までもうちょいブラッシュアップを・・(てもう明日か
滑る駄洒落というのは、特に初見のお客さんが引くだけに、自分は厳しく採点を・・(苦笑
ピーピング・トム 『A Louer/フォー・レント』
世田谷パブリックシアター
兵庫県立芸術文化センター 中ホール(兵庫県)
2014/03/01 (土) ~ 2014/03/01 (土)公演終了
満足度★★★★★
観てきました
東京で見逃しましたが、関西でリベンジ(苦笑
"ピー"トムは毎回観てるけどやっぱ面白い!
相変わらず奇人変人のオンパレード(笑
会場の西宮が割と敷居が高そうな感じなのか、
ジャージで行ったらちょっと浮いた気もしましたが・・(苦笑
S高原から
こまばアゴラ演劇学校“無隣館”
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/03/06 (木) ~ 2014/03/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
A~C
行間がたっぷりある脚本なので、
それぞれの役者の立ち姿、
表情の癖を舞台の上に持ってきたときの印象で、
人物が随分変わる。
Aチームだとこのようにしか読み取れない気が、
ということが、Cチームだとこのように読み取ったのかな、とか、
例えば舞台の上に3人の役者がいる時、
台詞を発する役者の台詞に合わせて
アイコンタクトなしにもう二人の役者が微妙にシンクロする動きなど、
単純に観るとCチームの方が若干完成度が高かった気もするけれど、
後から観たのも大きいかもしれない。
Bも観たら、それぞれの役者がいろいろ遊んでいるのが分かってきたので、
どれが一番と言うのはつけにくい気も・・(苦笑
どちらにしろこの舞台、
セット自体が観客に背を向けるシーンが多いことからもうかがえるように、
役者がどれだけ背中で語れるかが勝負の分かれ目と言っても良いかもしれない。
役者の数だけ物語がある稀有な舞台と言っても良いように思う。
既にAチームが終わったのでアレだけど、
出来れば3チームすべて観ることで、
物語よりかは
役者それぞれの持ち味が非常によく分かるし、
誰がまだまだで、誰が役者として完成されつつあるのかが
手に取るように分かるように思う。
それが割とシンプルな役柄であったとしても。
ちなみに、男優に比べると女優の方が、
服装で役柄を自由にアレンジできて自由度が大きかった気がする。
その中で、Cの水野拓氏と折原アキラ氏は男優ながら、
男優の中ではとりわけ変×変をアッピールしていて(笑
とりわけ印象に残った。
女優は非常に巧くキャラを使い分け、引き延ばして、
レベルが高いのが分かった。
男優は際立ったキャラがシスコン兄と看護人男で、あとは実は女性の引き立て役に徹するシーンが多かったのがちょっと不利だったかな。
A~Cを通してみて、この舞台のメインは女性陣なのかな、という気がちょっとした。
それが脚本のせいなのか、役者のチームによるのかはちょっと良く分かんなかったけれど(笑
スマートコミュニティアンドメンタルヘルスケア
青年団若手自主企画 河村企画
アトリエ春風舎(東京都)
2014/03/11 (火) ~ 2014/03/17 (月)公演終了
若手演出家コンクー2013 最終審会
一般社団法人 日本演出者協会
「劇」小劇場(東京都)
2014/03/04 (火) ~ 2014/03/09 (日)公演終了
公開審査
今年に関しては最後の公開審査が一番長く感じた・・(苦笑
2時間半、それぞれの作品のコメントに費やしたけど、
30分くらいで良かったように思う。
「面白かった」
「自分には良く分からなかった」
それで十分では・・今回の場合・・あの会場、空調キツイんだよなぁ・・(汗
最優秀賞の人以外については、
審査員の方々の読み込みが不足している分が多々あったようにも感じられなくも・・・あくまで個人的な感想として。
シライケイタ氏へのコメントの際には、
パンクバンドにコードの押さえ方の指導をしているように感じたし、
山下氏の作品のコメントの際には・・・なんて言ったら良いのか・・良く分からない。困った、正直。
個人的には、正直なところ、
一番好きなのはシライケイタ氏。男性目線で言うと。
観客賞としては個性で澤田氏。
自分が審査員だったら・・山下氏だったと思う。女性目線で想像して。
最優秀賞受賞作が嫌いと言うんではなく、
バランスを取り過ぎてて自分の性格に近すぎてこういうのは逆に受け付けないところが・・(苦笑
自分の感覚から一番遠いところをこういう賞ではチョイスしたいところだったなぁ・・。
山下氏の作品、1時間を「長い」と評した審査員がいたが、女性の方々がいる前であれは、言っちゃいけないことではないんだろうかという気がしなくも・・。
自分の奥さんや恋人とかに対して、
「話が長い。言いたいことは分かってる」
と言うんだろうか?
まぁ、作品とは別としても、こういうのに人生観が現われる気が・・。
自分の心の教科書には
「1時間どころか10時間でも俺は大丈夫」
と書いてあった(とさ♨
各作品へのコメントと最終投票の間のトイレ休憩の間に
小学六年生くらいの女子が現われて、
審査員たちに
「おじちゃん、おばちゃんたち、モテないでしょ?」
とか言ってくんねーかな、と思って外出て遅れて戻ってきたけど、
ボード見て、そんな夢みたいな話あるわけないか、と現実に引き戻された(苦笑
自分はこういう賞では、
目つきの悪い(が寂しがり屋である)捨て猫を
選んで引き取るみたいな話を聞きたかったんだけど・・期待した自分が悪かったんかなぁ・・。
若手演出家コンクー2013 最終審会
一般社団法人 日本演出者協会
「劇」小劇場(東京都)
2014/03/04 (火) ~ 2014/03/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
「山の声ーある登山者の追想ー」
審査員の一人が言っていた
「大竹野戯曲でコンクールに出ると言う志がまず素晴らしい」
という言葉に、観劇前の自分の心情は尽きるように思う。
多少でも舞台の上の世界に思い入れのある人ならだれでも、
賞の付くコンクールに大竹野戯曲の、しかも登山もので臨むという覚悟に
息を呑んでしまうんではないんだろうか・・(苦笑
しかも演出家が出る二人芝居・・
これは、あの狭い「劇」小劇場のステージがボクシングのリングに変わるに違いないという期待を持たずにはいられないんでは(笑
いつもはチラシを見てもどんなんだかよくわからない舞台の連続。
そんな中で、劇場に向かう足取りがこれだけ軽い日。
自分はサッカーを見に行くと、目の前のサイドの選手がボールを持つといつも「勝負、勝負!」と大きく声をかけるんだけど、
きょうはそんな必要もないんだよね?
だって、演出家が勝負を掛けてることは目に見えてるんだもの(笑
簡素な舞台。
さっきと同じ審査員がピーター・ブルックの名前を出したけど、自分も同感だった。
美しい。
冬山のように。
この世の果て、地獄。
あるいはそこと対極にある、生まれたばかりの赤子のまるまるとした温かみ。
夢と現実、生と死。
若手演出家コンクー2013 最終審会
一般社団法人 日本演出者協会
「劇」小劇場(東京都)
2014/03/04 (火) ~ 2014/03/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
「FESTIVAL/ONOBORI ートーホクをヌぐー」
アフタートークで審査員の一人が秋田出身だと言っていた。
実を言うと自分の方は東京生まれだけれどじいちゃんが秋田の隣の庄内の殿様の子だかなんだかで、死んだ親父が昔ちょこっと言ってたけど。
東京にいるけど東北にルーツがある人は非常に多いと思う。
東京に染まらない東北独自の表現は意外と東京で受け入れられるのではないのか。
関西で言うところの四国中国みたいに。
日本海側は鳥取でも石川でもどこでも手工芸が盛んだけれど、
秋田はとりわけ、土方巽を考えれば分かるように、
土俗的な身体表現で秀でている。
自分は特に秋田から次世代の土俗的な表現者が現われるのを待っていた(笑
内容はと言えば一見凄くバカバカしいモノばかりなのだけれど(笑
よくよく見れば、多少の秋田フリーク、東北好きを意識する人なら、
東北、とりわけ秋田の土俗的な身体表現の欠片をあちこちに見出すことは容易なんではないか。
この舞台のとりわけ素晴らしいところは、審査員の別の一人が言ってたのだけれど、
子どもにも容易に分かるくらいシンプルで、非常に象徴的な場面が中盤にさりげなく挿入されている所にあるように思う。
子どもにでもわかる。このことは非常に重要だと思う。
難しい演出・技巧を凝らしても、子どもに伝わらなければ意味はない。
今、誰が一番救いを求めているのかと考えれば子供だと思う。
親たちは子どもたちの不安や恐怖をテレビの刺激で誤魔化したつもりでいる。テレビで人は救われない。
NHKが社会問題とスポーツ中継にいくら多くの時間を費やしても、
これだけテレビが普及している国において自殺者は減らない。
眉間に皺を寄せて偏った報道をし、
スポーツへの熱狂で疲れを癒したつもりになっても人は救われない。
テレビで、津波や地震の恐怖を体感し、友達や家族と離ればなれになった子どもを救うことが出来ないのは明らかであるように思う。
・・じゃあ、どうするのか、と考えた末の結論がフンドシ・・?
これ以上素晴らしい演出があるんだろうかと思ったりする。
知らなかったかな?子どもってお尻好きなんだぜ(笑
NHKだってフンドシで報道すれば、日本中でどれだけの命が救われるだろうかと思う(苦笑
スーツでこの世の終わりのような顔をして
陰惨な事件ばかり報道しても、
「この世は地獄だ」と子どもたちに訴えているようにしか見えない。
シェイクスピアだってフンドシで上演すれば幼稚園でだって行ける・・鴨。
若手演出家コンクー2013 最終審会
一般社団法人 日本演出者協会
「劇」小劇場(東京都)
2014/03/04 (火) ~ 2014/03/09 (日)公演終了
満足度★★★★
「FRIEND~踊る戯曲~」
「レベルが高い」
なるほどな~、と思った。
生音を使う、ということ。
意外とこれで舞台の上のリズムは天と地ほど違ったりする。
ミュージシャンでなくても生で音を出すと言うことはそれほど重要。
特に不条理劇なんかでは物語のガチャガチャ感を上手く観客に伝えやすいと思う。
自分は初演を観てないのだけど、初演を観た人には短いと感じたのか。
自分は初演を観てなかったので、逆にちょっと長いと思った(苦笑
上演時間59分だったけど、45分くらいが適当かな・・と体内時計で換算。
コンクールなのだから一つ一つのシークエンスをもっと短くしてカットアップしていった方が自分は好みかな・・。
一つ一つ数を数えるにしても、1の次もう8に飛ぶくらい贅沢に切り刻んで良いと思う。
審査員が満足している?みたいのが自分にはちょっと意外。
カラフルではあるんだけど、
良いな、というパーツが飛び過ぎている印象。
「なんでなのかな?」と思ったら、アフタートークを聞いて分かった。
自分が良いな、と思うところは全ておそらく直前になって演出家が変えたところであったのだな。
鮮度が命と言うことか・・。
小さな舞台にとりわけ多くの役者。
最初からちょっと懸念はしていた。
この小さな舞台で役者が動き回るには緻密なチームワークが必要。
全ての役者はそれを完璧にやってのけた。
素晴らしい。
その中で、演出家かつ主演のスズキ氏が微妙な(動きの上での)アドリブ・直前に変更した演出トリックを加える。
自分が良いな、と思ったのは全部そうしたところだったように思う。
舞台の上にスズキ氏の世界が良く表れていたと思う。
それを良いと見るか、どうかだと思う。
自分の観たい舞台と言うのは、基本、舞台の上の役者が全て変人というもの。
変人が一人なら一人で良いし、100人なら100人出てたって良いと思う。
舞台の上の人の数だけ色があると言うのが理想。
そういう観点からすると、舞台上にスズキ氏の色が大きすぎると言うのが、ちょっと不満かという気もした。
そうした面で光ってる部分をピックアップして音楽にのせてつなぎ合わせるなら、審査員に見せるなら45分もあれば十分だったのではないかと自分は勝手にカウントしてみた。
観客として、ファンとして音楽を楽しみながら観るなら2時間でも良いと思うけど。
今回はカナリアなPityman、大竹野戯曲の♨ドラゴン、ジャンプ好きには見逃せない?男道ミサイルと結構アクの強いのが集まってるだけに、その中ではちょっと色薄め?
柏木氏がもうちょい出張ってくれば・・という気はしたんだけど(苦笑
あひる月13
福島県立いわき総合高等学校
王子小劇場(東京都)
2014/02/21 (金) ~ 2014/02/23 (日)公演終了
荒野の家
水素74%
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/02/07 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
父と乳
らぶ・まん
王子小劇場(東京都)
2014/01/31 (金) ~ 2014/02/02 (日)公演終了
電磁装甲兵ルルルルルルル
あひるなんちゃら
OFF OFFシアター(東京都)
2014/01/28 (火) ~ 2014/02/02 (日)公演終了
我らがジョーク
多摩美術大学 映像演劇学科 FT 3年生Aコース
多摩美術大学 上野毛キャンパス 演劇スタジオ(東京都)
2014/01/31 (金) ~ 2014/02/03 (月)公演終了
満足度★★★★★
アート引っ越しセンター
「空間の使い方?どうでも良い!」という所に笑った。
そうなんだよな、いくら表現の仕方が上手くなったってしょうがないんだよな。
「暗喩の時代は終わった」
若い人もそう思っててくれて嬉しい・。
と言っても昔の学生運動とかセクト的なアレじゃなく、あくまで柔らかな表現で。
途中退席が多かったのが、それぞれの観客のどういう意図だったのか分からないケド、
けたたましい足音、扉の音に聞こえたのでそういうことなのかと自分は思った(苦笑
個人的には今年入って一番好きかな。
雪が降ってるのなど見たことないが気のせいか
ガレキの太鼓
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/01/23 (木) ~ 2014/02/03 (月)公演終了
満足度★★★
ちょっと長い・・
良くできて入るんだけど、ちょっと長い・・105分?
次の面白い山?に行きつくまでに息切れしてしまう感。
流れをそのまま切り取っているから、
その時々で
「あれ、このヒトこんなキャラだっけ?」
という不可思議さを味わえるところは非常に技巧的と言って良いと思う。
その切り替えがあまりに唐突で自然に見えるので、
ある意味この前のアゴラ公演の青☆組よりレベルは高いかも・・。
ただ、役者の演技のレベルの高さを知っているがゆえに、
あえてこうした切り取り方にしたかった演出家の誘惑も理解できる気はするのだけど、
ある意味、古典的なドラッグ小説にも通じるこうした主題は使い古されたもので、
そこには新たな光を当てる必要はあったと思う。
現代口語演劇では、こうした混沌は見慣れないものだけれど、
映画や小説・音楽では既にはるか先を行っているため、
どうしても既視感が拭えず、
集中力が持続しない(苦笑
最低でもバロウズ並のカットアップ、
時間軸の混乱・虚実の混沌が欲しかった。
『S.S.O』 ~Vol.3~
『S.S.O』
アトカフェ HAKONIWA Gallery(大阪府)
2014/01/24 (金) ~ 2014/01/27 (月)公演終了
満足度★★★★
気楽に船場で・・
色んな役者を目の前でいろいろ観れてとても良かった。
やっぱりこの位の距離じゃないと自分は良く分からないな・・(苦笑
自分はスクエアの北村守氏目当てだったんだけど、予想にたがわぬアホ満載でとても良かった。
スクエア本編だと予定あうか分からないし、舞台も広いし・・
完全に練ってなくても、役者が面白ければ目の前でみていて十分に楽しいよ。
自分は金曜の夕方で初回だったのでまだ余裕があったけど、
やっぱり噂になってそのあと結構埋まったんだなぁ・。
平日の日が沈む前開演の公演が二つもあるのが行き易い。
関西でもこういう日程の公演が増えると良いな・・。
Lumiere Dungeon
壱劇屋
門真市民文化会館ルミエールホール・大ホール(大阪府)
2014/01/22 (水) ~ 2014/01/24 (金)公演終了
満足度★★★★
遊び心が詰まっている
以前観たピエロハーバーの時とは全く違う。
それが自分にはとても嬉しかった。
物語というよりかは、会場に合わせて色んなインスピレーションを
試せる地力があると言うのは素晴らしいと思う。
以前観たときはハッキリとは言い切れなかった気がするが(苦笑
今は、凄く伸びしろがあって前向きな劇団だと分かると思う。
ただひとつ不満があるとすれば・・
自分は大日からのんびり朝散歩しながら古川橋に向かったのだけれど、
巨大なイオンモールからの畑やたこ焼き屋で買い食いしたりしながら
良い感じの商店街に迷い込む感じというか、
どうせなら近代的で綺麗な南口から庶民的で
差の激しい古川橋北口へ観劇後の観客を誘い込むような仕掛けもあると
もっと良かったかな・・(笑
大阪の人はどう考えてるか分からないけど、
ひとつひとつの町が変化に富みまくってる大阪の街角は、
どこもエンターテインメントしていて魅力的だよ。
こういう演劇は、人を動かして誘い込む間口にもなりそうで、
そこに自分は可能性を感じたりもする。
娘たちのうたわない歌
坂本企画
カフェ+ギャラリー can tutku(大阪府)
2014/01/25 (土) ~ 2014/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
これを完全な創作とみるか、どうかで・・
自分としては、この作品を観て、
イヴォ・アンドリッチの「エクス・ポント」を思い出したりした。
完全な創作としてみるなら、リアリティがなかった、という感覚も十分にあると思った。
ただ、こうしたわりと大きなテーマの作品と言うのは、
純粋に単独の作品としてよりか、
過去の先人たちの作品、別の国の歴史などを映し鏡にして、
想像力で補いながら観ると、演出家のこれからの可能性が見えてくる気がする。
上演時間90分。役者4人。
理想的と言って良いバランスだと思う。
・・ただ欲を言えばもう15分短ければなお良かったような・・
いつも思うのだけれど、物語は断片的で良い。
語り過ぎは良くない。
観客の想像力に委ねるのが良い。
そういう意味では、自分は、演出家の描写の手腕というよりか、
語りたい主題を持ちながら、
断片的に省略していく手腕にとても将来性を感じた。
作り手というのは得てして主題に愛着を持ち過ぎたあまり、
描写を過剰にしがちだと思う。
主題に愛着を持つのは良い。
ただし、演出家はその愛玩物に残酷にメスを入れ、
ミニマリズムに徹するよう努力すべきだと思う。
もっと子細に描写可能な物語を断片的に描写し、
役者を少数に絞ったのが感じられるのは、
関西の演劇では意外と少ない気がする。
もっと丁寧に描写すれば、
観客の自分が過去に読んだ散文に照らし合わせて
物語を咀嚼する行間は失われただろう。
人によって無星にもなれば、想像力を広げて楽しめる人には豊かな時間を提供できる
こうした小さな佳作は、
演出家にとっては危険な賭けだと思う。
小さいだけに危険を取り戻す幅は小さい。
ただ、逆にそれでもシンプルに徹しようとする姿勢は良いと思う。
役者たちも個性を出しすぎない演技が良いと思う。
こういうのは役者がオール女性でしか出来ないものだと思う。
男性が一人でも入ると出来ないものだと思う。
そういう意味でも演出家の手腕は光った。
声が聞こえないという話があったが、それは改善する余地があると思う。
ライブ等に行けばわかるけど、
人間の肉声がはっきりと届く範囲は意外と狭い。
人間は水分の塊だから、声を吸収してしまう。
あの会場でもそう。
あの声だとはっきり届くのは二列目まで。
自分は二列目に座った。
初めて観る劇団で三列目より後ろに座るのは実は危険だ(苦笑
慣れてくれば良いけど。
渋谷のルデコだとよくあるのだけど、
客席を取り囲むように配置するべきだったのは間違いない。
二列目までの配置にすれば十分に改善できると思う。
役者の声のせいではないと思う。
逆に声が大きすぎると不自然になったと思う。
致命的な欠陥ではない。
生音の楽器演奏などがあるともっと良かったけど、贅沢言い過ぎかな。
KNOWNOWNEW
西村つむぎ ソロパフォーマンス
多摩美術大学 上野毛キャンパス映像スタジオ(東京都)
2014/01/19 (日) ~ 2014/01/21 (火)公演終了
満足度★★★★
これは・・
結構好みかも。
ちょうど前日、上の階の映画がすこし気になって来たら、
下の階のスタジオの雰囲気にひかれて次の日ぶらっと向かった。
なんとなくだったんだけど、これも運命(笑
シンプルだけど、音にきちっと動きがあっている。
布の使い方も良い。動きの緩急。
動きの中に感情と物語がきちんとあるように感じられる。
赤の使い方が良い。
次の展開が予想できなかった。
なんか知らんけど、多摩美はなんかおもしろい。
多摩川近いからかね。学校の周りであちこち学生がビデオ回してるし(笑
『最新の私は最強の私』『油脂越しq』
Q
3331 Arts Chiyoda(東京都)
2014/01/16 (木) ~ 2014/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
男の自分が評価するのは・・
完全に分かってるって訳じゃないのは十分承知(苦笑
大昔フランス人に
「メビウスやビラルのメタファーの意味全部わかる?分からないのに面白いってどういうこと?」
と言われたりもしたんだけど、
でもやっぱ面白いものは面白いと思う。
完全に理解できなくても、ビアンの人たちの感覚っていうのはいつもとても興味深い。
日常的に絡む機会は全くないが、以前音楽イベントのまえのトークショーでビアンの人たちの話を生で聴いて、こんなにも身近にいるっぽいのに、自分にとって全く闇の彼ら?の感覚が面白いと思った。
それについて、何がどうと自分から発言することもあまりないだろうけど、
この作品は少なくともエンターテインメントとして非常に面白い作品になっていたと表明する(笑
ビアンの人たちの心の中が完全に男なのか、それとも
女性の一種の形態なのか、という議論は後回しにして、
自分が注目するのは、女性という非常に多面的な生命の姿だ。
男性が洟を垂らして木に蜂蜜を塗って昆虫を待ち構えているうちから、
彼女たちの心は既に老成している。
男性が繊細で硬直した人生に固執し絶望するころには、
女性たちは既に未来に目を向けている。
男性にとってゲイというのは完全に異質の存在かもしれないが、
女性にとってビアンというのは女性の中にもある一つの形態かもしれず。
自分が女性について面白い、と思うのは、
女性たちがお互い自分たちの多面性を理解し合って、
色んな顔を見せ合うのを楽しんでいるのかな?と思うところだ。
男性同士の場合、
「ある一つのキャラクター」
が定着したりする男性は、状況に応じて自在に他のキャラクターを変える、ということはあまりないように思う。
あるとすれば、表と裏といった使い分けの場合がほとんどだと思う。
それに比べると女性は、はるかに多くのキャラクターの使い分けを女性たちの組み合わせに応じて楽しんで、
別のグループに属すると全く別の顔になったりする。
「男性の観客の目を意識しているのかな?」
と思われる女性の演出家の場合、意識してなのかわからないが、
女性の多様な面を出すのを躊躇ってると思われる場合がある。
物語として落ち着ける場合、
その方が当然まとまりもいいため
構成を複雑にしても理解しやすくなり、
戯曲に対しての社会的な評価も上がるかもしれないが、
人間の本質的な姿の描写という面では物足りなさも残る。
男性に見せるひとつだけの面だけでなく、
一緒にいる女性(あるいは子ども)に応じていくつもの面を持つのが
一般的であるように
自分には感じられるからだ。