満足度★★★★★
「山の声ーある登山者の追想ー」
審査員の一人が言っていた
「大竹野戯曲でコンクールに出ると言う志がまず素晴らしい」
という言葉に、観劇前の自分の心情は尽きるように思う。
多少でも舞台の上の世界に思い入れのある人ならだれでも、
賞の付くコンクールに大竹野戯曲の、しかも登山もので臨むという覚悟に
息を呑んでしまうんではないんだろうか・・(苦笑
しかも演出家が出る二人芝居・・
これは、あの狭い「劇」小劇場のステージがボクシングのリングに変わるに違いないという期待を持たずにはいられないんでは(笑
いつもはチラシを見てもどんなんだかよくわからない舞台の連続。
そんな中で、劇場に向かう足取りがこれだけ軽い日。
自分はサッカーを見に行くと、目の前のサイドの選手がボールを持つといつも「勝負、勝負!」と大きく声をかけるんだけど、
きょうはそんな必要もないんだよね?
だって、演出家が勝負を掛けてることは目に見えてるんだもの(笑
簡素な舞台。
さっきと同じ審査員がピーター・ブルックの名前を出したけど、自分も同感だった。
美しい。
冬山のように。
この世の果て、地獄。
あるいはそこと対極にある、生まれたばかりの赤子のまるまるとした温かみ。
夢と現実、生と死。