若手演出家サミット2011
アトリエ春風舎
アトリエ春風舎(東京都)
2011/12/15 (木) ~ 2011/12/25 (日)公演終了
唯一観れそうな本公演の日程が完売したので・・
結局ワークショップのみしか観れませんでした・・(確定
まぁチケット取ってても仕事終わってからなので公演に遅刻は避けられないですし、
ワークショップ参加者の役者さんたち自身も
「遅刻は信じられない」とワークショップの自己紹介のなかで
はっきり言っていたので、気を遣ったという形で。
ちなみに自分は奥山氏のワークショップ10時間分の8時間(自己紹介タイム含む)
(いったいこれだけあればモンハンでアルバトリオン何頭倒せたんだろう・・)
ほどを観てみましたが・・正直、WSたった2回だけで本公演まで
持っていくということの大変さが、非常~によく分かりました(苦笑
よく演出家のかたが書かれている、
「今までの作品を観てから来てほしい」
的なコメントの意味が非常に良く分かりました・・。
自分は元の作品を観たことがあるので、台本を観て、
わりとどこが見せ場なのか、とか、演出家が伝えたいこと・・みたいなものが
胸の中で思い起こされもしたのですが、
(それは最初に観たときから時間がたってじぶんの中で熟成されたという意味もあって)
それらをぜんぶ一から口に出して言っていかねばならないという作業の
膨大さに打ちひしがれ・・
(え、そこまで丁寧に口に出さなきゃならないのか・・というか、
役者さんたちが気づくの待ってる時間もないんだし(汗)
・・といっても、いきなりそんないっぺんに急に言われても、
全部すぐ頭に入る人間などいる訳もなく。
・・というか、WS2日目なのに、役者さんたちの何人かがまだ安易に
途中で台詞飛ばしたり間違えて、作品をつまんなくしているのを、
演出家が何度も指摘しているのをみていて、
正直、自分も大好きな作品なだけに、悲しい気持ちになったもので。
作者にとっては、わが子みたいに大事な作品なんだから、
役者さんたちも、言葉のひとつひとつを、行間を、もっともっと愛し抜いてあげなきゃ
ダメなんじゃないかな、とか自分は思うんだけどねぇ。
そして、どこまで行っても以前の本公演には遠く及ばない
・・これは、役者の力量というよりかは、時間が決定的に無いこと、
それと、2回のワークショップだけで作品を上演する以上(汗
役者さん方が演出家の以前の作品を観て肌で感じていることは、
必要条件にほぼ近いように自分には感じられること・・。
正直、ワークショップの最後に、
「え、このまま本公演行くの?」
と、冷や汗をかいたのは自分だけではない・・というか、
奥山氏自身がそんな感じのことを言ってた・・。
たぶん、それらしくしようと思えば、
いくらでも取り繕うことはできたんだろう・・けど、
自分は、今までの奥山氏の作品をわりと観ていて、
その作品に登場する人物のほとんどがバカばっかりで、
でも、作者のそいつらに対する溢れんばかりの愛みたいのを間近で観ていて、
あ~、きっとそんな中途半端にはしないんだろうな、
とは思っていたんですが、
見学しながら・・ああ、やっぱそうなんですね、妥協とかしない感じ
(というかハンパ禁止)で行くんだと、ゴールの遥かな遠さを実感するばかり・・。
まぁそんなわけで?、クリスマスの夜は、
オヤジ死んで落ち込んでるお袋と一緒に
家で七面鳥でも食べてることにしました。
ただ、皆さん、ワークショップも見学できるんだから、
もっとそっち観てから予約した方がいいんじゃ・・とか思いました。
その方が、演出家が目指していたところと実際との距離が測れて
興味深いのでは、と思ったりします。
※ちなみに本公演が素晴らしければ、
ワークショップから本公演の間に役者さんたちがそれだけ頑張った、
ということです。
是非観ている方皆さんで拍手してあげてください。
・・自分は見届けられないですが(汗
ノマ
リクウズルーム
アトリエ春風舎(東京都)
2011/12/02 (金) ~ 2011/12/06 (火)公演終了
満足度★★★★★
今更だけど・・
そういえば自分も観てきました。
いつも春風舎に行く前には、江古田の古本屋につい(計画的に)よってしまい、
この日も買い込んだ美術の洋書や落語やサイードの本などを抱え込んでひいひい辿り着いて、
おまけに10分遅刻してしまいましたが(汗
逆にプロットなどをきっちりと組み上げていく舞台と違い、
遅れても途中からでもすっと入れました。
・・そういう意味では、遅刻者にも優しい舞台だなと。
ストーリー自体は当日パンフに書いてあったので、ちらと見て話の流れはすぐ理解できました。
台詞そのものは直接状況を説明しているわけではなく、
コトバのいくつかが物語に引っ掛かっているだけなんですが、
そのやり取りを聴きながら、
「・・この物語にランダムにあちこちの本から文章を引き抜いてきて当てはめていくとして、
ここそこに、いま目の前に出されている文章をパッチワークして貼り付けていく様子を思い浮かべると、これはなかなかのセンスなのでわ?」
・・というような気になってきました(作者の思惑通り?
・・ほんとたとえばなんですけど、
例えば、ゼーバルトなんかが、
旅路の果てに色々な歴史・物語を標本のように本の中に組み上げていっているとしたら、
作者はそうしたなかにある必然性やセンチメンタリズムなどを一切排して、
物語に偶発的にセンテンスをつなぎ合わせていくときに現れる驚きや彩りを観客と一緒に楽しんでいるのではないかという気になってきます。
そういう意味では、なんかバロウズのライブペインティングを、目の前で
(当日パンフの物語に、目の前で、役者の口から飛び出る台詞でビシバシ彩っているという意味で・・)
やっているみたいな雰囲気にも感じられそうな・・。
・・まぁ、こういった物語、あまり肩ひじ張るとかえってとっつきにくいかもしれませんが、
ストレートな舞台だと、10分遅れただけで全くついていけない、ということが、
こういった舞台のように、物語より演出(・・というかコトバ遊び)でみせようという舞台の場合、
割とついていくのは容易・・というかたいして変わりない、というのは、
演劇作品としてはなかなかのアドバンテージだと、自分は思うんですけどね(苦笑
ちなみに、この舞台を観ていて、
物語のなかに充満している毛色の違うセンテンス群の嵐を眺めていると、
ふとなんとなく自分の足元の古本の束のセレクションに似ている気がしてきたものなので
・・ちょっと、評価が甘くなったかもしれないことをここに付け加えておきます(苦笑
・・ちなみに観劇後にジャンプを買い忘れていたことに気づきました(笑
まぁ、そんな感じで良いんじゃないかな、と、自分は思ったものですから。
死の町
劇団チャリT企画
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/12/13 (火) ~ 2011/12/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
非常に演劇的
文字にすると、鋭くなったり、微妙なニュアンスが伝わらないことも、
役者の口を通して伝えると、
柔らかくなったり、伝わったり(なんとなくだけど)する。
テレビや新聞なら、まずはスポンサーのかたがたの意向をくみ取らなければならないことも、
広場みたいな舞台のうえでなら、
素直に感じたありのままを、目の前の人たちに伝えようとすることができる。
ポレシュを見るまでもなく、現代の日本というか世界では
ただばくぜんと「グローバリズム」とかと呼ばれたりする
目に見えない悪魔みたいな空気が荒れ狂っていて、
ただ、それはメディアを通しては株価の動きのようなデジタルな信号でしか伝わってこず、
そういった信号さえ、たとえば聖路加の人たち(もう引っ越しましたけど・・)によって
欲望を煽る脈動として・・億を超える資産に辿り着くための細い蜘蛛の糸として
神格化され・・
さらには信号の動きに0.1秒先んじてマウスをクリックすることが巨万の富を得る鍵のように吹聴され、励行される奇怪な世界・・。
考えてみれば
この荒れ狂う波の中、
小舟のようにたゆたうひとりひとりがすがりつく最後の場所は、
日本の(顔の見えない)ツイッターやネットゲームなどではなく、
今夜のような小さな劇場(あるいは教室)であって、
集まったお互いの正気を、笑いながら確かめ合う最後の砦なのではないかとさえ思えます。
マスコミが、まるで電気信号のように
何も咀嚼せずに食べた情報を元にヒステリックに明滅し続けるとき・・
果たして正気の人たちはそれらをどう受け止める(あるいはスルーする)べきなのか?
今夜の会(あえて舞台とは言わないです)は
そのことを指し示しているように思われました。
・・・別に劇場の中で政治に対して十分に演劇的なカリカチュアが遂行されるなら、
実際の政治の舞台の上でまで同様な乱痴気騒ぎが行われることを
誰も望みはしないだろうにな、と、思ったりしつつ。
fとゆらぎ
第0楽章
小劇場 楽園(東京都)
2011/11/30 (水) ~ 2011/12/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
雨模様
自分は、夜のFriendly Firesの前にちょっとうさぎカフェに寄ろうかと
下北に行って、ちょうどこの公演を見る時間くらいあったのに気づいて
ぶらっと当日券で入って観てきました。
自分は、振付も物語も両方とも、とても気に入りました。
最小限のセットなのに・・(以下、ネタばれへ・・)
ソウル市民五部作連続上演
青年団
吉祥寺シアター(東京都)
2011/10/29 (土) ~ 2011/12/04 (日)公演終了
満足度★★★★
『ソウル市民1939・恋愛二重奏』
あくまで自分の印象として・・
やりたいことは分かる気がします・・。
戦争の進展とともに繁栄している街。
サンテグジュペリがマドリッドで描いたものに似たものを
描こうとしていたのではないか・・という気もします。
ただ、そうした戦争とは裏腹の喧噪、明るさ、その中での孤独・・を描くには、
ちょっとマジメすぎる印象が拭えない気がしました。
(それは、舞台も、観客も、という意味で・・)
こうしたものこそ、もう少しラフに作り上げて欲しい気がしました。
明るく楽しく元気に!メリハリをつけて絶望や苦悩を描いたりしてくれれば、
もう少し魅力的な舞台になったのではないかなぁ・・などと思って観ていました。
役者の演技が悪かったと言ってるのではないです。
ただ、空気が堅苦しかった(全てをきっちり作りこみすぎると
逆に堅苦しく見えてしまう気が・・)せいか、
疲れて珍しくちょっと寝てしまいました・・(汗
まぁ、こういうのは好みによるものなんですけどね。
検察官
柿喰う客
こまばアゴラ劇場(東京都)
2011/11/12 (土) ~ 2011/11/28 (月)公演終了
満足度★★★★★
連劇美はすごい・・
自分は・・柿がフランス遠征で出逢った劇団というので、
遠征時の作品(仙行寺で上演した『The Heavy User /ヘビー・ユーザー』)
が割と念頭にあったので、すんなり入っていけた気がします。
(向こうの劇団が全く見たことのない作風の作品じゃいきなり一緒に作れないですもんね・・)
連劇美さんが韓国の劇団ということも頭にあってか、
彼らが演じる劇中の人物たちも、
ロシア人というよりかは、韓国映画などでよく見る類の人物そのままのようにも
自分には感じられて、それらを非常に生き生きと演じながらも全くぶれない韓国人の俳優たちに、凄く力強さのようなものを感じていました。
・・そもそも自分がロシア文学が割と好き(プラトーノフなんか特に・・(苦笑
なため、物語も頭の中に入ってた(・・というかシンプルなストーリーですもんね・・
せいか、日韓の俳優たちが音楽に合わせて存分に舞台上で遊ぶ様子を、
自分も少しリズムを取りながら字幕も全く気にならずに楽しんで観れていました。
ポレシュなんかの上演時とはまったく字幕の印象も違っていて、
小劇場の有利さを実感していました。
・・いや、なんというか、外国であれだけ自信を持って演じられる
韓国の役者たちの凄さを肌で実感できて良かったです。
ディズニー映画みたいに円を描くようでいて力強い動きとか・・。
あと、ボヴェ太郎さんがよく使うような、顔と手を露出させて(あとは黒衣)、
暗闇の中で表情と手とを浮き上がらせる演出もとても良かった。
ソウル市民五部作連続上演
青年団
吉祥寺シアター(東京都)
2011/10/29 (土) ~ 2011/12/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
「サンパウロ市民」(初心者にはお薦めできない気が・・)
客席の空きにくらべると恐ろしく完成度の高い芝居でした。
室内劇でありながら、そこにうつしだされていたのは、
ドアの向こう側の左翼が潜む街角、
新聞やラジオを通してゆがめられて伝わってくる、戦闘状態の赤く燃える世界、
階層化が進行し、同じ日本人同士でも差別化が進みつつある現実。
あえて会話劇の形をとりながら、ひとつひとつの歴史を直接描かず、
コトバの陰影だけで世相を描ききっている。
ただ、何気ない言葉の端々を拾い上げながら、常に想像をめぐらせないといけないので、
ただなんとなくテレビだけ眺めていればいい状態から
いきなりこの行間の世界に飛び込むのは、
なかなか骨が折れるに違いないと思ったり・・(というか眠くなるのでは?
ちなみに、この作品だけ観ても十分に楽しめるとので、
観る順番をわざわざ最後に回す必要はないと思われます!
時間の空いた方は是非!(別に営業ではありませんがこの日は空席が目立ったので、つい(汗
ジェローム・ベル『ザ・ショー・マスト・ゴー・オン』
フェスティバル/トーキョー実行委員会
彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)
2011/11/12 (土) ~ 2011/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★
エスプリ
非常に分かりやすかっただけに、考えれば考えるほど、
つくづくこの作品は日本の観客向けに分かりやすく、親しみやすい形で
咀嚼され尽くしたものなんだな・・と感じます。
いくつかの手法は、日本の劇団でも似たことをやっているのを観たことがあります。
例えば、役者が観客の顔を逆にじろじろ見る、というのは
ごま氏が以前関西でやっているのを観ました。
新鮮味、というよりかは、そうした普段はあまり見慣れない手法に
フランス的なエスプリをまぶして、
日本の観客に美味しくふるまってくれたのだな、
という気がしました(そう感じた人は多いと思います・・
逆にもしそうした手法に日本の観客が本当に大きな関心を持っていれば、
今回の公演に似た手法を用いるいくつかの劇団は、
とっくに連日満員となっていたことでしょう。
単純に考えるなら、日本の観客はそうした手法に
賛辞を送っているというよりかは、
そうした手法にお洒落なフランス的風味をまぶした「芸術作品」を
美味しく味わいたい、ということを、かのフランス人演出家には
とっくに見透かされているのではないか・・などとも思えるのです・・。
そうしたことを考えると・・
公演に初演のように鍛えられたダンサーを用いなかったという理由も・・
本当はどのような意図をもって考えられているのだろうという気もしてきてしまいます(それについてはほかの街も同じなんでしょうが・・
もちろん、公演は文句なく楽しめました!
・・ただ、初演の挑戦的な雰囲気、鋭さに、
今自分の観ているものがどれだけ及んでいるのだろうか、などと、
ふと考えてしまうのです。
そうするとあまり無邪気にも喜べないところもあるのです・・。
「僕たちはあなたの今までの芸術の理解者ですよ・・」という温かい雰囲気よりかは、
「もっと過激でハジけたもの、今まで観たことがないものを自分たちは渇望している!」
といった渇きのほうが・・海外から来た芸術家を
東京(さいたま)という街が受け入れた際に刺激になるのではないか・・
などと、僕はつい思ってしまうのです・・(汗
INDEPENDENT:11
インディペンデントシアタープロデュース
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2011/11/24 (木) ~ 2011/11/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
たしかに
たしかに西出さんの舞台は素晴らしかったです・・ただ、自分は西出さんの舞台の出だしが、少し所用で外出していたため観られなかった・・(涙
それと、伊藤えん魔さんの古典落語を鮮やかに作り替えた手腕も
落語好き(上方、東京問わず)の自分としては嬉しい限りでした。
繁盛亭に出られるのでは?(笑
・・ただ、平日も昼夜開催してくれれば通しで観られるのに・・金土日仕事の自分にはそこが凄く残念でした・・。
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下にコメント頂いたので
謎のモダン館さんのも・・(初見だったのでまだ書いてなかったのですが(汗
初めて観させて頂いたんですが、なかなかに骨太な舞台
(九州らしい?といっていいのかは分かりませんが・・)で、
ごつい舞台好きの自分としては凄く楽しませていただきました。
主人公は、割と感情が先に走って犯罪に手を染めてしまう死刑囚・・
というと、ニュースなどをみているとこういう人、
わりとあちこちにいそうなんですが、
被害者や家族以外はなかなか触れる機会は少ない。
そうした武骨なキャラクターが
こんなにごっつりと舞台の上に立ち上がることなんて、
実はそうそう無いんじゃないかな、と、観ていて思ってました。
一人芝居だからこそ、そういうキャラクターにしっかりと
光を当てて、その影、皺の細部に至るまで
くっきりと際立たせ、
犯罪者と、その犯罪者に落雷のように大事なものを奪われた被害者との
邂逅をじっくりと魅せる・・・
急ぎすぎず、でも遅すぎず、30分の中にきっちりとまとめていて、
なかなかの手腕だなぁ、と感心してました。
そのなかで一つの作品、キャラクターを
じっくり掘り下げているのが伝わってきて、そこがとても良かった。
なんだか東京の最近のショーケース型のイベントというと、
「セレクトしてきた自分のセンスを見て」
とでも言うように、すでにロングラン気味の公演を打っていたり、
わりと見たことのある劇団を集めてきたり、というのが
多い気がします。
自分は、このインディペンデントシアターのように
長崎など、大都市圏以外でもしっかりとした
舞台を作り続けている劇団にも声を掛けているほうが・・
舞台での表現というものに対する誠実さ、真摯さが伺えて
好感が持てるような気がして応援したいな、と、思ったりします。
センスも大事ですが、
一つの町に腰を下ろして舞台を作り続けている役者・劇団さんというのは、
舞台の上からその町の体臭のようなものを発散しているようでもあり、
椅子に腰かけながら、物語と町とを旅しているようで
なかなかに素敵な、これもまた邂逅のような気もするのです・・。
『タイトな車』『日記ちゃん』2本立て公演
田上パル
アトリエ春風舎(東京都)
2011/11/18 (金) ~ 2011/11/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
ジプシーパンクでタイトな車
2作品を関連づけた方が良いのかもしれませんが・・
女子の妄想超特急な「日記ちゃん」と比べると、
どう考えても、ジプシーパンクな「タイトな車」の方が、
千倍程度は自分好み・・というか、
予想もつかなかった展開といい、はっきり言ってメチャクチャ好き!(笑
・・どことなく、森の中のミステリアスな二人語りという形から、
以前学習院女子大で観た「マコンド」を連想したりもしましたが、
このようなクストリッツァ的?とも言えるような
音楽的で(ラストの)突き抜けた感じなどは、
ちょっと他の舞台ではお目にかかった記憶が無いようにも思え、
なんとか観ることができて本当に良かったと思います!
途中まで、観ながら手探りで物語の鍵を探しながら次の展開を待つ中で、
「役者さんたちはなんでここまで手堅く抑えながら演技しているんだろう?」
・・などと思ってましたが、
観終わって、成程、ここまできっちり押さえながら話を進めていかないと、
これだけの爽快感は無かったかもしれない!と
逆に感心してしまいました(苦笑
・・いや、なんていうか、このような
ジャンクでありながら完成度の高い雰囲気の舞台は本当に大好き
(・・というか似たものがほとんど思いつかない)なので・・。
ちなみにいつも「初心者におススメ」ってどういうこと?
とか、思ってたりするのですが、
こういう舞台を観て
「・・ああ、舞台の上ではどんなことをやってもいいんだ」
と納得してから新劇などを観始めても遅くないんじゃないか、などと
思ったりもするのです(普通は逆なんでしょうが・・
bなるbとのb
meyou
自由表現空間 シアターカフェNyan(大阪府)
2011/11/22 (火) ~ 2011/11/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
猫3匹に押しつぶされながらも・・
結局、膝上に2匹、胸上に1匹の猫たちに押しつぶされたりしながらも
なんとかどいてもらったりして(苦笑
無事に観に行くことができました・・(会場がNyanだけに
前回に続いて、今回も小さな空間を
ぎっしりと美しいコトバと嫋やかな動きで埋め尽くしていて、
素敵な舞台に仕上がってました。
朗読された作品の舞台はどれも昔の東京だったりもするのですが、
それらが大阪の北堀江で囁かれると、
フシギと東京よりもその場の空気にしっくりと合うように感じてしまうのは、
東京よりも昔のものが多く残っている大阪ゆえなのかなぁ・・
などと思ってもみたり(笑
松本さんは、先日ABCで観たレトルト内閣での公演も良かったですが、
こうして間近で観させて頂くと、
なかなかに眼や表情に力のある役者さんだなぁと
改めて感じたりしました。
そして、その松本さんの投げる球を受け止めるかのごとく
支えるようにしなやかに動き続ける
諏訪いつみさんと合わせると、2人、なかなか良いコンビと言えるのではないかなぁ、と思ったり。
また、大熊さん河上さんと、2人での台詞の掛け合いも見どころが多く、
なかなかに楽しめました。
東京からたまにぶらっと行くと
本公演以外には足が向かないことも多いかもしれませんが、
こうしたらちいさな空間で、間近で役者さん達の動きを
しっかり捉えられる公演のほうが、
それぞれの持ち味をゆったりとした状態で鑑賞できて、
本公演の印象に補足できる貴重な機会だったりもするのです。
LINX’S~03(ゼロサン)公演~
演劇ソリッドアトラクションLINX’S
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2011/11/18 (金) ~ 2011/11/21 (月)公演終了
満足度★★★★★
コスモスの咲いてるころ
いつ観ても素敵なお祭り騒ぎで、今回も観ていて胸が熱くなりました。
千秋楽はホント、舞台上に全部の劇団がいっぺんに乗っかって
揺れているようすが、
先週行った川沿いのコスモス畑で
花たちが風に揺れてにこにこしてるみたいに見えて、
余計に笑顔になってしまいました(笑
別に男女差別とかそういうんじゃないですけど、
男子は女子みたく眩いみたくきらきら輝かない代わりに、
いつも心が透き通っていたら、主催の石田さんみたく
死ぬまで色褪せないでいられるんじゃないかって思います。
・・そういえばそのコスモス畑で摘んだ花で
ハンカチを紅みたく染めて、その日贈った
大阪の弟的な女子(苦笑)の知り合いは、
男装すると凄く無敵感があって(実際はそんなんじゃ全然ないんだろうけど・・
自分には大阪の人たちはそんな
男子っぽさを誰もがもってるんじゃないか、
みたく、そんな風に感じたりします。
透き通ったココロがあれば、
こんないろんな色の花が咲き乱れるコスモス畑が育つんじゃないか、
みたいなそんな気持ちになって(笑
「ああ、自分も死ぬまで・・そういやオヤジがそうだったみたく(苦笑
踏まれても殴られても
透き通ったまま、色褪せないままでいたいな、みたく
そんな風に感じました。
・・だってその方が、男子っぽくてかっこ良いでしょ?(笑
・・作品の感想まだ全然書いてないですね。
あとでネタバレにこっそり書きます。
ちょっとテンション上がりすぎちゃったんで、また(苦笑
東京ミルクホールの快傑ハリマオ〜双頭の虎DX〜
劇団東京ミルクホール
SPACE107(東京都)
2011/11/16 (水) ~ 2011/11/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
ムーラン・ルージュ的な・・
今回の公演を観ていて、自分も木の枝を持って舞台上を
他の観客と一緒に走りながら、
昭和初期に同じ新宿の、ムーラン・ルージュで上演されていた
自分の大好きな戯曲
「春と盗ッ人たち」(山田寿夫)を思い出していました。
(↑大衆芸能資料集成第十巻より)
戦時中の話なのにこんなにも朗らかに演出しているので、
「春と盗ッ人たち」の、戦時中なのに
仇討を朗らかに笑い飛ばした
柔らかさに似ているな、と、思ったのかもしれません。
恵比寿でも公演しますが、必ず新宿に戻ってくるところといい、
なんだか、際物に見えて新宿ムーラン・ルージュ的な
健やかさを持ち合わせていて
・・いや、やっぱなんかイイですね、こういうの(笑
五反田の夜
五反田団
アトリエヘリコプター(東京都)
2011/11/17 (木) ~ 2011/11/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
くるくる回る
なんだか道路拡張とかいろんな工事なんかの影響で、
五反田の町は昔とだいぶ変わってしまいました。
それでも、こんな狭い町内会的雰囲気な奇妙な舞台を観てしまうと、
昔、会って話してもうこの町を引っ越してしまった人びとの、
なんだかぽかぽかしたような心が、町のあちこちに
まだ眠っているような・・そんな気になってしまいました。
タイトルがそうだからなのか、
話の中に地名がよく出てくるからなのかは分かりませんが、
こんなにも可笑しな舞台なのに、
今までで一番「(地名の上での)五反田っぽい」ような気持ちになってしまったのは、自分が年を取ったということなんでしょうか?(苦笑
それはともかく、なかなかにステキな「Gotanda night」を、どうも・・(笑
ちなみに舞台の仕掛けを観ていて、
昨夜観た「悪い芝居@王子」をちょっと思い出しました。
(以下ネタバレ・・(汗
チルディズム
げんこつ団
駅前劇場(東京都)
2011/11/16 (水) ~ 2011/11/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
ヅラとバク転
前回公演が観られなかったので久々の観劇になりましたが、
やはり何度見ても新鮮で素晴らしかったです!(笑
有楽町な宝塚のナイスミドルな男装とは違って、
こちらは隣の新橋駅のSL広場近辺の金券ショップから出てくる
薄毛(幸)のリーマンチックな男装美?の数々・・。
・・これを見ていると、山手線の高架下あたりに
バーコードヅラを装着した老若男女の集う立ち呑み屋の
1軒や2軒はあっても可笑しくないような錯覚に陥るような気も・・(・・言い過ぎました。スミマセン(汗
リーマン以外にも、シェフ(以下ネタバレへ・・)
カオス*ラウンジ『カオス*イグザイル』
フェスティバル/トーキョー実行委員会
秋葉原エリア(東京都)
2011/10/22 (土) ~ 2011/11/06 (日)公演終了
猫の一匹でもいれば・・
自分も・・印象としては弱かった気が・・。
というか第二会場はキャバクラだったのか・・(行ったことないんで・・(汗
ちょっとどういう意味の会場だったのか分からなかったので
「ここはどういう意味のフロアなんですか?猫とかいないんですか?」
とか係りの人に聞いてたような・・そしたら
「第一会場行ってないんですか?」
とか逆に聞かれて
「え、第一会場行ってると、このフロアがどういうところなのか皆分かるの?
俺やっぱ凄く鈍い??(ガーン 」とかなって(苦笑
さらに上に上がったら瀬戸内国際芸術祭でみた様なギャラリー?があったので
「・・あぁ、これならよく分かるわ(ホッ 民家を改装したギャラリーってことね、しかっし前の住民の趣味悪いなぁ・・(←まだよく分かってない」
とか、思っていたんですが・・。
整理してみると・・
クレーンゲーム→女子寮?(入った方が良かったのかもしれないが、普通入らないよなぁ・・)→キャバクラ?→ビニールハウス・・?
なんだか凄く分かりやすくなっちゃった気がするけれど、
観終わった直後の自分には
「第二会場にはどんなたくさんのクレーンゲームがあるんだろう??」
と腕(てほどのものでもないが・・)が鳴っていたのを
肩すかしされた直後であったため、
「なんでぇもうクレーンゲーム無いのかと、ちょっとガックリした感」しかなかったなぁ。
・・いや、なんつか、美術鑑賞は難しい!
(ボルタンスキーなんかは超分かったが、相性かな・・
それにしても、あの会場に猫の一匹でもいれば・・
そしてなおかつ宇宙飛行士の格好をしていれば・・(←注文多いな
ハインライン的スぺオペチックな素敵空間になっただろうに、惜しいなぁ、
なんて思うのは俺だけではない筈・・いや、俺だけか・・(アキバ?的猫妄想の術(ドロン
・・・すみません、分からなかったんで自棄になってました・・(汗
説教強盗
劇団ダミアン
アサヒ・アートスクエア(東京都)
2011/11/06 (日) ~ 2011/11/13 (日)公演終了
天竺ダイヤモンド
ひげ太夫
テアトルBONBON(東京都)
2011/11/08 (火) ~ 2011/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
なにが美しいのか・・
今回も、ワクワクするだけじゃなくって、
自分も素直に共感できる所が一杯あって、
元気になれるステキな芝居になってました。
「美しいってなんだろう?」
当たり前のようでいて、何故か誰もハッキリとは口にしないもの。
「・・そうなんだよな。みんな見かけばっかり気にして、
心のキレイさをどこかに隠しちゃってないかな?」
(以下、ネタバレ↓
帰ってきた ザ・バックストリート・シャイニングス
スクエア
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/11/10 (木) ~ 2011/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
ビール一杯から始まる物語
観始めてすぐ「あ、これは京橋の話だ」と気づきました(笑
立ち飲みの安い店やうどん屋とかなんかがいっぱいあって、
オッサンたちのクダのおもろいとこ。
たまに大阪に行くとちょっぴり覗いてみては、
立ち喰いのラーメン食べてみたり
飲み屋のおこぼれを狙う路地裏の猫を探してみたり(笑
水商売の人おおいなァとか思って遠巻きにそそくさと歩きながら、
やがて終電で慌てて宿に帰ったり。
なんだか大阪には東京生まれの自分にとってはまるっきりSFみたいな・・
そんなフシギなラビリンスがあちこちにあって、
どこにも人間の臭いが染みついていて、
こんなマジメなこと言うのもナンだけど「勉強になること」ばかり。
そんな京橋の路地裏で歌うってことを想像して、
立ち飲み屋のほろ酔いのオッサン達のカオを思い出してうずうずしてみる(笑
たぶん・・・あのオッサン達以上に自分の町を・・たった一杯のビールを、
あるいはくたびれた靴で踏みしめる汚い路地を愛している人たちなんて
いないんじゃないか、と思う。
たった一杯のビールが灯す明かりが、
・・・まるでマッチ売りの少女が擦るマッチの光みたいに、
赤らんだ顔をした男たちの心を照らしているのを僕は見ていたので、
この「ビール一杯から始まる物語」が、
いったいどんなカオをして京橋の立ち飲み屋で話し合われて生まれたんだろう・・
なんて妄想をしてみて(苦笑
また胸がいっぱいになったりするのでした(笑
大阪の愛すべき市井の人たちを歌った歌は、
それだけで染み入るように僕の心にも火を灯すので、
僕も京橋のガード下でビールを前にしているみたいな・・
そんなカオをして舞台を観ていたのかもしれません(笑
ビルと廃材
拘束ピエロ
Studio Hatch(東京都)
2011/11/08 (火) ~ 2011/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★
少年漫画でもいいんじゃない?
「少年漫画のよう」みたいなコメントがあったのですが、
自分は逆にそういったところがとても好きだったので・・。
それと舞台を観ていて気づいたのだけれど、
自分もわりと似た経験をしたことがあったので、
それでか、かなり楽しんで観る事が出来ました(苦笑
以下、ネタバレへ・・