ぱち太の観てきた!クチコミ一覧

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国民の生活

国民の生活

ミナモザ

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/08/01 (水) ~ 2012/08/06 (月)公演終了

満足度★★★

言いたいことは分かる気がするけど・・
エモーショナル・レイバーの時も思ったけど、
ひとつひとつのシークエンスの描き方は、
非常に端的で素晴らしい(多くの女性の演出家の特徴でもある

・・ただ、その骨になるものが、
弱いんじゃないかな、とも思ったり。

役者さん達の演技が素晴らしいのは間違いないんだけどな・・。

笑いの内閣くらいしっかりと考え、描いて、スリリングだったらな・・と、
ちょっと思ってしまった(スミマセン(汗

ポレシュなどを引き合いに出すことはしません。国が違うから。
(でも「餌食としての都市」は面白いな・・あの中にはリアルなやり取りは皆無だけれど、凄い戯曲だと思う。世界の流れはリアルとは逆にあるように思う。

きっと、物語を、人と人とのやり取りを
ソツなくまとめることは簡単にできるんだと思います。

・・でも、前の人も言っている通り、
それだけでは先に進めないんですよね・・(汗

目立たなくとも、報われなくても、
何年も何年も、一生懸命悩んで苦しんで分析して・・
出来れば資本主義の発達したイギリスやアメリカの歴史まで調べて・・・
それで、また今度はもっと
心にグサリと来るような戯曲を生み出してほしいです。

だって、現実の社会や政治や世論のほうが、
ずっと無慈悲で想像力が欠け、不寛容のように思われるので・・。

ネタバレBOX

あと、女性の演出家の作品全般に言えることなんだけど、
(自分から見ても)カッコイイと素直に思える男子(役柄として)が一人もいないと、
観劇後に持って帰れるものが無いし
(作品を通して、人がカッコいいと思うものを勉強したいという節もあるので(苦笑
自分も居心地が悪い。

男性演出家が魅力的な男性キャラを登場させないのには
さほど抵抗は無いんだけど、
女性演出家が魅力的な男性キャラを登場させないと・・
なんだか、閉じてる気がして、
いくら優れた作品でも(正直な所
下生しさらせ右に左に弥勒で上に

下生しさらせ右に左に弥勒で上に

リクウズルーム

アトリエ春風舎(東京都)

2012/07/27 (金) ~ 2012/07/31 (火)公演終了

満足度★★★★★

イケるクチ
自分は死ぬほど寝不足
(昨日も高野山登って夜行バス帰りでそのまま仕事でフラフラ)
だったけど、凄く面白かった。

前回の公演で慣れてきたせいもあるのかな・・?

ちなみに前回公演に比べると遥かに分かりやすくなってきた気も・・。

別にまったく集中してたつもりも無かったけど、
たぶんほとんど理解できた。

これは、脳みその問題ではなく、どうやら慣れの問題かと・・(汗

56億7000万年後バージョン(だっけ?)も観てみたかったな・・(笑

とても面白かったです。

ちなみに役者・演出などなどに身内はまったくおりません・・(念のため(苦笑

まぁ、中途半端に面白かったような面白くなかったような・・みたいな舞台は
時間の無駄っぽくてまったく見る気がしないけど(苦笑
今回みたいに、横では爆睡してる客もいれば、
その隣では爆笑してる客もいる、
位の読解力のまとまりのなさ?
の方が、ライブの舞台っぽくて自分は好きだな・・。

軒並み☆2クラスで安心しました(笑

・・まぁ、自分の☆5つにまったくブレはないんですけど(余裕です♨

ネタバレBOX

ちなみにチラシの一番奥にいる役者さんの
身のこなしがとても良かった。

ファンになりました!
シニガミと蝋燭

シニガミと蝋燭

ミジンコターボ

ABCホール (大阪府)

2012/07/27 (金) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

完璧
・・今回は特に好きかも(笑

作者の想い、ちびっ子たちの笑顔・・。

自分が舞台の上で特に見たい、と、思ってるもの全てがあった。

人生生きていると(笑
面と向かって伝えられない事だらけ(苦笑

でも、そういうのを面と向かって伝えられるのが
舞台の素晴らしいところであり、魔法だと思う。

正直、ブレヒトやベケットも好きだけど、
舞台の上で子供たちが楽しそうに踊るのを見るのがもっと好きだ(笑

・・・だって、自分も生きてるんだしね。

死んだ天才たちにも憧れはするけれど、
今生まれてきたばかりみたいなカオをして躍動する少年少女たちを見ると、
舞台の上に色とりどりの息吹が流れているのを感じて、
素直に生きている喜びをかみしめてみる(笑

死人の言葉というのは、
人生を暗くし、悩ませるためではなく、
もっと素直に人生を見つめ、
言えなかった言葉を伝え、
舞台の上を飛び跳ねる力を与えてくれるのもであるはずだと思う。

自分は素直に言葉に共感した。

飛び跳ねる子供たちに、
人生の終わり(エンド)ではなく、
始まり(ビギン)を感じた(笑

自分はこの物語がとても好きだと思った。

そして最後に、片岡氏(と山浦氏)はやはりとても素晴らしい役者でした(笑

もし東京で明日観る舞台に迷っているというなら、
素直に大阪来たほうがいいと思う(笑

黛(まゆずみ)さん、現る!

黛(まゆずみ)さん、現る!

ナカゴー

王子小劇場(東京都)

2012/07/25 (水) ~ 2012/07/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

らふとで観て面白かったという人は・・
今回もきっと気に入るんじゃないカナ・・と。

ポンポン お前の自意識に小刻みに振りたくなるんだ ポンポン

ポンポン お前の自意識に小刻みに振りたくなるんだ ポンポン

ハイバイ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/07/18 (水) ~ 2012/08/01 (水)公演終了

満足度★★★★★

荒川と千葉
前売りチケットが無かったので、
これを逃すと千秋楽あたりまで時間が無い・・
と思って、
内心、イガグリ千葉さん(知り合いではなく、敬称です・・)
のソロツアーを渋谷に観に行こうかとも思ってたのだけれど、
黒田氏から荒川氏へと引き継がれた半ズボンの系譜を、
(心の)半ズボニスタを(勝手に)自負する自分としては、
是非この目で確かめたいと思い・・・

荒川vs千葉・・なんていうと、
一見パッとしないネーミングではあるが(今多くの人を敵に回してしまった・・
心の中でわりと最高峰(高尾山なみの)を決める激戦の末・・
ハイバイに行くことにした・・。

・・・結果、面白かった!(それで十分
やっぱりミシシッピー殺人事件よりたけしの挑戦状だよ・・とか言うと、
底辺を決める戦いのようで悪いんだけど(苦笑

P.S.ちなみにリアル荒川はステキな川です。タヌキもいるし・・。千葉県は、何度行ってもよく分かりません(苦笑

少女教育

少女教育

シンクロ少女

王子小劇場(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/23 (月)公演終了

満足度★★★★

なんだかずいぶんと洗練されてきたような・・
嫌さとかそういうのはなくなっていて、
すごくスマートにきちんと二者二様の生き方で、
同じ言葉の呪縛から抜け出るさまが描かれていて
(それは多くの女性に共通する呪縛かもしれないけれど)
ここ何作かを通じての成長ぶりを感じ、
目を見張ったりしてました(笑

・・・ちなみに、今回の演劇祭はみんな負けじと
構成をブラッシュアップさせてのぞんできてるように感じました。

登米氏あたりが提示した
小さな画面の劇場ならではの目を見張るような構成の緻密さが
王子のカラーとして定着しつつあるのを
再認識してしまうような・・(気のせい?

どれも力作ばかりだけど、
こうしてみると、トップバッターの競泳水着は
順番的にちょっと不利・・?(苦笑

ネタバレBOX

「いちばん好きな人とは一緒になれない」
という、親
(これも、生まれの母親と父親は全く同じだけれど、
育ての母親と父親はそれぞれ異なる
(片方だけ生まれの母親と育ての母親が一致する)
の言葉を聞かされて育った双子の姉妹の、
二者二様の、
「素直に好きと言えるようになるまでの軌跡」
を鮮やかに描いている。

奔放な女の子の方が実は子供のままで、
根暗な文学少女の方が実は母親的(一方の男が実は子供であることからそれが伺われる)である、
という描写が、
最初のシーンで二人無意識に着ていた
全くそろいのシャツの印象的なシーンから始まって
(最後の場面で双子であることが示されることを、最初の段階で暗示している)
鮮やかに描きわけられ、対比されている。

そして二人の育ての母親の、それぞれの対照的な生き方。

また、それら4人の女性の周りの男性たちの特徴的な描き別れ方。

それぞれが全く別々のものでありながら、
最後には二人の女性の人生を軸に鮮やかに
まとまっていく様子が美しい。

ストーリーテリングというよりは、
構成で饒舌に語っているという感じがして、
視覚的にみても素晴らしい作品だったように思います。
東京ノート

東京ノート

青年団

東京都美術館 講堂ロビー(東京都)

2012/07/15 (日) ~ 2012/07/25 (水)公演終了

満足度★★★★★

荒野
静謐で美しく見える美術館にも、影では権謀が渦巻いているようでもある。
同様に、美術館の外にも混沌が広がっているようでもある。
そしてまた日本の外にも、暴力と不寛容が湧き立っているようでもある。

次々と入れ子構造のようにして、
光と影の構造が広がっているようでもある。

ネタバレBOX

その中で、戦争とは直接関係ないようにも見えるが、
もうじき離婚する夫婦もある。

奥さんには、特に問題はなく、家族を愛していたようにも見える。

夫が一方的に別れを切り出しただけにも見える。

他の人たちに比べると、
戦争の影が薄いようにも見える二人だが、
よく考えてみると、最も戦争の影響を受けているのは
この夫婦なのかもしれないなとも思う。

他の夫婦・男女が、
戦争によって絆を取り戻しつつあったり、
対話を模索しつつあるのに比べ、
この夫婦は別れの道を選ぶ。

戦争は、絆を強くすることもあるかわりに、
偽りで形だけの愛(あくまで推測ですが・・)
を容赦なく引き裂くこともあるのだと思う。

ハッキリとは描かれていないが、
殺し合いとは別の、
また別の形の戦争の残酷さを描いているようにも見え
やはり奥深い作品だな、と思ったりしました。
東京アメリカ

東京アメリカ

範宙遊泳

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/07/08 (日) ~ 2012/07/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かった
高木氏はやっぱり元気で良いですね・・。

ああいう感じの人がひとりいるだけでだいぶ雰囲気が変わって
面白くなる気がする。

全員あんなだと・・使いこなせるのは
奥山氏くらい・・?

 ふすまとぐち

ふすまとぐち

劇団野の上

プロト・シアター(東京都)

2012/07/14 (土) ~ 2012/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

何気ないシンプルな話なんだけど・・
こんなにも音色豊かで、
悲劇なのだけどそれをさほど感じさせず、
救いようもないようでいて少しほっとする舞台に仕上げるのは
やっぱり素晴らしいと思う。

自分は、舞台の上にそれほど複雑さを求めていない。
盛り上げるためにムリに絶望的な悲劇を用意する必要性も考えていない。
ブレヒトのような奇妙な雰囲気は、
そこへの方向性を持って彼が生まれたもので、
わざわざ性に合わないのに、
技術を示すために無理に再現することも正直、空虚だと思う。
(先人たちのように奇想天外な才人がこの世に生きていたら、
過去の自分の後追いなどせず、
その時もっとも勢いのある表現形態で(音楽なり映画なりゲームなり・・
全く別の表現に(瞬時に)辿り着くのは必然のように自分には思われるのだけれど。
そういった作品をトレースするのは、
過去の先人の息吹を感じ、
新たに奇想天外な舞台を生み出す練習のために行うものだと思う。
いつまで待っても何の奇想も生み出されないなら、
何のための上演かと思ったりするのだけれど・・


人生を描くときにはシンプルで良いと思う。
日常のそこここに潜んでいる
何気ない絶望、どこにでもある悲劇を積み重ねていけば
(その積み重ね方に手腕が表れてくるのだけれど・・
そしてそれらが物語の中で明確に解決されなくとも、
ほんのちょっとした光が、
描かれていれば十分だと思う。

何のためにその構成があるのか?
人生の描写のために、そんなに多数の登場人物が必要なのか?
会話の錯綜はどこを目指して配置されたのか?

舞台の上に不要なものが配置されることがあまりに多い。

本来であれば、
稽古のすべてを舞台の上にのせるのではなくて、
稽古した会話の中からごく一部を抜粋して舞台の上にのせるのが
適切であるように思う。

役者が理解できないものは省き、
理解できたところだけを演じて欲しいように思う。

この舞台はシンプルだけど、
地方の劇団によくあることだけど、
薄くないし
(東京の劇団は複雑で技巧的だが、どちらかといえば逆に薄いと思う・・
現実の悲劇をきっちり描きながら、
リアルなだけではなく、
とてもユーモラスに描かれている・・
(リアルリアルともてはやされているけれども、
歴史的にみると、リアルより抽象、ユーモア、エスプリのほうが
文化としては先にあるように思われるのだけれど・・
そして何より、
表に出すことが不器用なだけで、
愛に溢れた一家が描かれているように思う。

そこがとても素晴らしいと思う。

地方の劇団は、
東京に比べて批評する人が極端に少ないだけで、
空気の色なども含めて
非常に豊饒な気品を持ち合わせていることが多いように自分は思います。

はだしのこどもはにわとりだ

はだしのこどもはにわとりだ

甘もの会

ゆうど(東京都)

2012/07/13 (金) ~ 2012/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

新巻鮭をもって町に出よう
新巻鮭と茹でた饂飩の化学反応で
どんな音が奏でられるのか・・?

とりあえず初日の円盤夏祭りには
新巻鮭をもったバンドは登場してこなかったな・・。

7/15追記

ちなみに円盤夏祭り(以前は円盤ジャンボリーといっていたので、舞台に出てくるフェス“ジャンボリー”の元ネタではないかと勘繰っているのだが・・?
の2日目には犬小屋をたたいているバンド(紙コップスという)をみました。
イイ音出してました(これはホント(笑

・・・このバンドが売れて、
頭に紙コップのせて歌うのが流行ったら良いなぁ・・・(気付くとなんかまた下らないこと考えてる・・(苦笑

ネタバレBOX

ラストの方のおじいちゃんの思い出話で、
戦前の満州では、
河に鮭があふれんばかりにのぼってきて
好きなだけ手づかみできたんだよ・・・
という話で、
何気なくこのバンドの奏でる音
(実際にはもちろん新巻鮭から音は出ないんだけど(笑
と昔の記憶とが
・・ふっ、とつながった感じがするところとか、
古民家公演に相応しくて、
でもヘンテコバンドの風変りさも相まって
決してしんみりとはせず、
なかなか趣き深い気がして
面白かったです。

ゆる~~~く始まって、
ふわふわして、
昔と今と未来がつながったりはなれたりして、
あれれ・・?
と思ってる間になんだか夢から醒めるみたく終わっていて、
あとで考えてみると、
あれってこんなことだったんかな?
と思い出したりしてみる。

暑い日に相応しく
なかなか面白い公演でした。

ちなみに、
壊れかけのテープレコーダーズというバンドとは
まったく関係ないようです・・(でもBGMとしてはいけるような(苦笑
忘れな草

忘れな草

柴崎正道プロジェクト

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/06/26 (火) ~ 2012/06/29 (金)公演終了

満足度★★★★★

やっぱり岸田理生作品は素晴らしい・・
戯曲、役者とも素晴らしかったように思いました。

瑠々と言うと・・・・
自分は、ヴェデキント云々というよりかは、
森茉莉の「マドゥモァゼル・ルウルウ」
(少女趣味な感じがして自分はこの人の作品をほとんど持ってないのですが、
この宇野亜喜良画の薔薇十字社版を底本とした河出の本だけは、
凝った装丁が面白かったこともあり、持っているので
を思い出すのですが、
こういった岸田理生作品の天衣無縫で幻想的なファム・ファタル像は、
やはり時代を経てもなお素晴らしいと思います・・。

この作品の上演は26年間まったく無いこともあり(自分も初演を観てません
今回の公演はかなり貴重な機会なのではないかな、と。

Goodnight

Goodnight

劇団競泳水着

王子小劇場(東京都)

2012/06/22 (金) ~ 2012/07/02 (月)公演終了

満足度★★★★

catenaccio
洗練された舞台でした・・。

詳しくはネタバレへ・・

ネタバレBOX

会場に入ると、扉に
「TRATTORIA IL FUTURO」の文字。

未来派とかが好きな自分には、わりと馴染み深い言葉だったりするので、
すぐわかって・・ああ、これは明るい話なのかな、と思って。

イタリア料理店の話は、
わりと昔から聞くことが多かった
(父親の友達で料理の鉄人の人とかもいたりしたので・・)
せいか、結構すんなりと理解できたり。

観終わっての感想としては、
「凄く洗練された舞台を作ったなぁ」
ということで。

舞台のセットの線型性を凄く巧く使っている、という気がしました。

偶然かもしれないけれど、
何気ない人の配置が、
「これはこの3人の関係(三角関係とか)を示してるんじゃ?」
と思わせたり、
店の中と外での会話が、
平田オリザ氏の作品のように
同時多発的に行われそうで、
きちんと分かれて整理されていたり・・。

その整然とした人物の流れは、
まさに組織化された現代サッカーのようで・・
(別に今ユーロやってるからって訳でもないですが(苦笑

ただ、そのカテナチオ(イタリアだけに
に唯一組み込まれないトレクアトリスタを、
演出家はどうやら一人配置しているようでした(少なくとも自分にはそう見えたので

それが、主人公の男兄弟の妹役の岡田あがさ氏なのかな、と
(自分が先日四谷で一人芝居を観た印象が強かったせいかもしれないけれど・・ちなみにこの妹が劇中で言ってるみたいに、自分の兄が松田龍平と翔太だったら良いって思ってる子って多いんじゃ(笑

それは、最後の方のシーンで、
ほとんど登場人物が去ってしまい、
店の外に岡田あがさ氏と川村紗也氏、
店の中に黒木絵美花氏と篠原彩氏・・・
女性二人ずつのシーンが同時に展開していく場面をみていると分かるような気がする・・。

それまで、
舞台はほとんど男性を中心に物語が展開していくようである。

登場する女性は、
岡田あがさ氏以外は、銀行員の女性と、
飲まないと初対面の人とまともに話せない女性に象徴されるように
受け身で脆い存在のように見える。

ところが、
その二人と、物語を途中まで引っ張っていた男性たちが舞台を去ると、
岡田さんが川村さんを、
黒木さんが篠原さんを
それぞれ引っ張るようにして、
自由に・・それまでの男性中心の物語の流れからすると
若干不可解にも見える女性同士のやり取り(それは女性の目から見るとすごく自然なことなんだろうけど)に移行する・・。

それが非常にスムーズで、
あたかも裏表のない岡田さんを先導役にして、
女性それぞれが自分たちの花を舞台の上にぱっと咲かせているように見え、
それが派手派手しくなく、
それでいて非常に見事に咲き誇っているので、
演出家の見事な手腕を
自分も舞台の上に認めたりするのです(笑

ちなみに、
自分が☆5つではなく
ひとつ☆を減らしたのは、
本来であれば、力のある役者さんたちに囲まれて、
トレクアトリスタである(自分がそう思っただけですけど・・
岡田さんが、もっと伸び伸びと野放図に演じた方が、
完全に線型性の保たれたように見える舞台を
良い意味で破壊してくれて
刺激的ではなかったのかな、
と言うのがちょっと物足りなかった(苦笑
のと、
さきほど書いた
女性4人のやり取り(自分にとって物語の山場はここだったんじゃないかと思われるのですが・・
を考えるならば、
黒木さんに物語の途中で
ラストの伸び伸びとした雰囲気を彷彿とさせるようなシーンが
男性のいる前でもう少しあっても良かったんじゃないかな・・
(そうでないと、凄く我慢強い人みたくなって女性の観客も感情移入できないんじゃないカナ・・などと、男性ながら自分はちょっと想像してしまうのですが・・まぁ、取り越し苦労なのかもしれないですけど・・(苦笑
と思ったりもしたわけで。


いろいろ好きに書いてみましたが、
正直、今回は思った以上に複雑で、
自分自身モンハンやジャンプに親しんだ男子
(この物語で言うとどっちかっていうとハカセに近いなぁ・・(笑
でもあり、
女性の心理はあんまり良く分かってないのは十分自覚した中で
理詰めで分析(男性の特技のひとつ)しながら
結局は勢いで書いてみたもので(勢いつけないと、今回は何も書けないな・・(苦笑
かなり見落としてる部分はあるだろうな、
ということは承知の上で恥を忍んで書いてみました。

もう一度見れればいいのですが、
何分ちょっと難しく・・週末また関西行こうとしてるので・・すみません(汗

とりあえず、多少でも何かの参考になれば幸いです。

なお、今回は役者さんたちを一人ひとり挙げることが多く、
途中から敬称抜きで全て「~さん」づけしてしまいましたが、
別に面識があるわけではなく、
わざわざネタバレまで読んでくれている方々に
見やすいようにしようとそのように記入しただけですので、
ご了承いただければ幸いです(汗
ネジ工場

ネジ工場

タカハ劇団

駅前劇場(東京都)

2012/06/20 (水) ~ 2012/06/24 (日)公演終了

満足度★★★

当日券
結構面白かったけど・・
そろそろまたボクコネみたいなのが観たいなぁ・・。

ネタバレBOX

気のせいか、三兄弟を可愛らしく描きすぎているんじゃないかな、と
思ってみたり・・。

評価としては難しいなぁ・・(汗

途中(運び屋が名刺を配るシーンと、権利書が勉に渡るシーンあたり)から
ストーリーがほとんど分かってしまった。

板倉氏の怪演によってテンションが下がることは無かったけれど、
本音を言うと、そこからのもう一ひねりが欲しかったなぁ。

ガチャポンの中身を開けるシーンと
運び屋がボコボコにした勉を箱から開けるシーンが
引っ掛けてある(たぶん)ところなどは、
趣味として良いかはともかくとして
物語の見せ場だったけれど、
ちょっと刺激的だったせいか
うまく客席に伝わってなかったかも・・(自分もちょっとアレかなぁ・・

長男がイケメン君に対してやたら親身だったので、
実は自称妹とイケメン君が兄妹なんじゃないかと勘繰ってみたけれど、
半分当たった(良く考えればイケメン君と自称妹で結婚とか長男言ってたしな・・

普段は先が読めることに対してそんなに言わないけれど、
今回はもう一ひねり二ひねりできれば・・
(特に三兄弟や押しかけてくる自称妹カップルなど)
面白くなる余地がたくさんあったんではないカナ、と思ったりもして。

・・・いや、タカハ劇団好きなんですよ、
どらま館のころから観てるし。

今書いたところ以外の良さ
(特にラストシーンにオカルト的で奇妙なシーンを
挟み込んでくるところとか、
タカハ劇団ならでは、というか、
他の劇団では真似できない雰囲気というか・・)
もありますし。

役者さんたちの演技も素晴らしかったですし。

だから余計、脚本の練り込みが今回はちょっとだけ甘かったんじゃ
ないカナ、というのが残念だったりもして(苦笑
いないかもしれない 動ver.

いないかもしれない 動ver.

青年団若手自主企画 大池企画

アトリエ春風舎(東京都)

2012/06/16 (土) ~ 2012/06/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

観たけど・・
仕事が立て込んだりバスが遅れたりして後半2~30分くらいしか観てません・・。
なので、以下の感想・評価は参考程度に(汗
(・・でも、いつも思うのだけれど春風舎で平日7時開演はキツイなぁ。
公演時間1時間なら8時開演でちょうど良いような気が)

自分は「いないかもしれない静ver」の内容を覚えていたので、
観たのは後半部分だけでしたが(汗
やりたいことはよく分かったように思います・・。

鑑賞という点ではちょっと厳しかったですが、
静verと照らし合わせて確認するには十分だった気がしました。

前半観てないので
確実にそうだったとは言えなくて申し訳ないんですが・・。


動くことによって息が切れたり、
激しい音がしたりといった効果を
舞台の中にうまく取り込んでいて面白かったです。

ちなみに春風舎の公演、面白そうでも予定が合わない人が結構多いと思うんですけど、
公演時間1時間だったら
夜10時開演とか午前11時開演とかもあると予定が付きやすいんだけどな・・。

まぁ負荷が大きいと言ってしまえばそれまでなんですけど、
先日90分一人芝居で1日3回公演を観てきたばかりだと
そんな感想も抱いてしまったり・・
(役者は万全の状態で臨みたいんだろうけど、
自分は無茶な状態での公演の方が強く心に残るなぁ)

まぁ、それは他の公演全般にも言えることなんですけどねぇ・・。

ちなみに、このようなボヤキは
この公演の演出意図(必死さ、熱気みたいなものの演出とか)ともリンクするのかな、
とも思ったりしてみたので書いてみたところでもあり。

星がるキミは雲の下

星がるキミは雲の下

ppoi-っぽい-

王子小劇場(東京都)

2012/06/13 (水) ~ 2012/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

なるほど・・
わりと行く前からここでの評価の低さを気にしていていたのだけれど・・
自分の目で見る限りは、正直、その低さの理由が良く分からなかった・・。

設定のリアリティとか、プロットの複雑さとか・・・
そういった類のものを重視する芝居読みには・・
「イマイチ」な感じになるのかもしれないけれど・・
自分は、まぁ、そういった感じでもなく、
舞台の中で何か光るものがあればそれで十分というか・・。

確かに、「斬新」と言えるほど目新しい何かに挑戦しているわけではないのだけれど、
ラスト20分くらいでそれまで積み上げてきたものが
つぎつぎと新しく姿を現してくる感じはなかなかに魅力的だな、と思ったり。

自分が何よりもこの舞台が素敵だな、と思うのは・・
主人公がとても無気力なようで
実は夢見がちの青年であるということ。

こういう設定、ありそうで実は舞台ではなかなか見かけない。

自分もまぁ考えてみれば、
踊ってる時と仕事をしてるとき以外はけっこう
「眠くて死にそう」
と顔に書いてあるタイプなので(苦笑
こういうぼんやりとした主人公というのは共感できる気がして好みだ(笑

上はキャラクターのハナシだけれど、
次に物語のなかで自分なりに見所っぽく感じたところを書いてみます・・(以下、ネタバレへ・・

ネタバレBOX

物語の定番?として、
無気力な主人公たちの十年ちょい後くらいの行く末を暗示するような
オッサンが登場します。

このムサくて自分よりずっと年下の雇用主の息子にダメだしばかりされてる男。
ラスト直前で、神隠しにでもあったみたいに
「男が全て同じに見える女の子」とすっといなくなってしまう。
そのくだりなのだが、
30年間曇り空が続く窓辺に「テルテル坊主をネックレスにひっかけてつるす」という
希望なのか絶望なのか?
新しい門出なのか心中なのか?
はっきり説明がないだけにどうとでも取れるさじ加減の微妙さが
自分は逆にとても好きだ。
(ちょっと考えてみれば分かるのだけれど、
この曇空が永久に続く世界でテルテル坊主は無用の長物だ。
深読みすれば、このテルテル坊主がオッサン=首をくくる
とも取れるし、逆に晴れを信じて飛び出したともとれる

ちなみにこの物語は、
30年間曇りが続く(雨も雪も晴れも無い)世界で
無気力な若者たちが雲の上の星や夕日を夢見る物語なのだが、
その設定も最初は非現実的で
受け付けなかったのだけれど(苦笑
見ているうちに、
生まれたときから空に掛かった雲で
星空や夕焼雲を奪われた若者たちが、
目をつぶって感じることで
心に空を取り戻す物語だと気づいた。

・・考えてみれば、この星空が見えないというのは
現実に曇空が続いているのではなくて、
空が見えない心の病気なのかもしれない。

そう受け取れなくもないフリも最初にちょっとだけあった。

これは、星空が観れない病気にかかった人びとが、星空を取り戻すまでを描いているのだと言えるかもしれない。

「星空を観れない病」は現実的ではないかもしれないが、
考えてみれば、
大昔、フランスの作家(ボリス・ヴィアン)は、
ヒロインの胸のなかに睡蓮の花が咲く病気を描いていた(自分もとても好きな小説だ(笑

自分は、現実的でなくても、
詩的な病なら劇中に登場して良いと思う。

・・・もし星空が見れない病気にかかってしまったら・・?

想像するだけで恐ろしい話だが(苦笑
考えてみれば、i霧に覆われたバルト海のロシアの詩人たちが
幻想と言う名の想像力の翼を持ちえたことを思えば、
本当に悲しいのは、想像力を失うことだと気づく。

この物語はシンプルなようでいて
人間にとって大事に思えることを描こうとしているので
自分はけっこう好きです・・。
わたしたちは生きて、塵

わたしたちは生きて、塵

酒井幸菜

横浜にぎわい座・のげシャーレ(神奈川県)

2012/06/14 (木) ~ 2012/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

なんか、
LIFTのときと同じような感覚でいると、とんでもないことになりそうだった。
やはりチケットはきちんと予約した方が良いです、危ないところだった(苦笑

根っこのところは、昔と変わってないんだろうけれど、
映像や音楽でいろんな人に支えられたのかな・・?
作品としては、年を追うごとに目覚ましい進歩を遂げているような。

若い人が目覚ましい勢いで成長していくのを視るのは、
自分には既にある芸術的な構築物を、腕を組んで眺めるよりも
ずっと素敵な経験であるのは間違いないな。

・・いや、この場合は、成長というよりかは、
色んな味方を得て、
自分の世界を凄まじい勢いで広げていっているとでも言うのかな・・?

いろんなこころのなかに書き溜めたデッサンを、
海に照りかえされた月の光の中にいるみたいにしたダンサーたちが、
ぽつりぽつりと描くように、吐き出すように、
踊りながら形にしていくのをみるのは
それこそキツネにつままれるみたいにフシギで
静かな夢の中にいるみたいな・・。

ネタバレBOX

・・・そういえばきのうの晩、
お袋が仏壇に向かってにこにこして言ってた。
「お父さん、おやすみなさい。でもそういえばお父さんはずっと寝たままね」
自分はお袋に言ったなぁ。
「なんでそんな寂しいこと言うの?オヤジは寝たままかどうか分からないじゃ?」
自分は穏やかに眠るようにして死んだ父親のことを思い出していた。
・・眠るようにして死んだ人は、灰になった後も眠ったままなんだろうか?

母親は言った。
「そうね。眠ったままかなんて分からないわね。今はもう起きて、私たちの周りをまわってるのかな・・?」

「俺たちの周りにいるってことは、俺らを心配してるってことなんじゃ?大丈夫、オヤジは笑いながら死んだから、もう魂も天国にいったよ・・」
自分はそう言いながら、母親を安心させるつもりでそういったけれど、
オヤジの魂がもうそこにはないだなんて、お袋には残酷なことを言ってしまったな、と思って後悔した。

ついこの前まで生きていた人間が、灰になるとは、どういうことなんだろうか・・?
あるいは、目の前の人もじきに灰になるということについて。
自分もやがて同じ道を歩むことについて。

歴史上の、既に塵芥になってしまった人物たちの熱い魂の軌跡に思いをはせながら、想像する。

そもそも踊ることになんの意味があるのか?
やがては動かなくなり、塵になるというのに。

別にそんなことに答えなどありはしない。

・・自分はふたたびお袋のことを考えてみる。

舞台を観終わったあとで帰る家を。
オヤジが死んでから、自分がなんど「疲れたら作らなくてもいいよ」といっても、帰ると毎晩かならずご飯が出来ていることを思い出す。

・・そうなのかもしれない。

人は誰かに栄養をあげるために生きているのかもしれない。

それはご飯であったり、なにか、思い出のようなものであったりもするかもしれない。
あるいはダンスのような、動きの中から紡がれるなにかの感情であったりするのかもしれない。
歌かもしれない。
お金しか無ければ・・それはとても可哀想な気もする。

何もなければ・・・大阪の事件をふと思い出す。

塵は塵でしかありえないけれど、
「あの人の塵はきらきらしてるね」
なぁんて、火葬場ででも讃えてあげられるなら、
自分はそれこそ、死者に対する最大の賛辞なんじゃないかな、なんて思ったりもする。

人は所詮死んだら、塵になる。

でも、だから苦しみを避けて生きようだなんて思う人間を自分は尊敬できない。

好きに生きて良い。
その道はきっといばらの道。
苦しくても血にまみれながら歩き抜けば、きっとあとに続く人の道しるべになる。

人に勇気を与えて死んだひとたちの塵こそが、
世界を美しく照らすのではないのかな・・。
ナカフラ演劇展

ナカフラ演劇展

中野成樹+フランケンズ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/06/07 (木) ~ 2012/06/20 (水)公演終了

満足度★★★★

B,C観劇
『ブレヒト教育劇集』は自分も持っているので、
『イエスマン・ノーマン』 も以前から既に何度か読んでいました。

ただ、まさかこれを上演する若手劇団はいないだろうと思っていただけに、
演目を最初みたときちょっと驚いたり。

短い戯曲ながらも、ブレヒトの不思議な魅力にあふれた作品に自分には思え、
この舞台では、
クルト・ヴァイルの曲のかわりに、
曲がイメージする急峻な山を、かんたんなセットでふんわりと描いていて、
物語のドラマ性よりは、
スマートに主題を抜き出すところに主眼が置かれているようで、
そこが面白いな、と思ったり。

『イエスマン』初演の1930年ベルリンという時代背景を
どこか意識しながらも、あえてまったく触れていないようにも感じられたりもして・・(深読み?(苦笑

昔の戯曲というのは、
普通に上演していても
現在と照らし合わせることで
昔の人たちの色んな想いをくみ取ることができる気がします。

舞台を単純に楽しむのも悪くないけど、
たまには昔の人のひとつひとつのことばに耳を傾けながら、
時代の流れやかつて生きた人たちの想いに気持ちを向けるのも悪くはないな(笑

またあとで書き足します・・出来るか・・?(汗

看板娘ホライゾン

看板娘ホライゾン

ホチキス

王子小劇場(東京都)

2012/05/31 (木) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

凄くしっかりした本
ホチキスさんを観たのは初めて(ちなみにチケプレではありません・・
だったのですが、とても面白く楽しめました。

気楽に楽しんでもいいかな、
とも思ったのですが、
気のせいかコメントの前半と後半の評価が分かれてるのが気になって(苦笑
ちょっと観ながら
頭の中で分析したり、整理したりしながら観てみました。

結果としては・・
人にもよるのでしょうが、
自分の感覚としては、
前半の評価があってるのかな(☆5つ)
という気もしました。

ちょっと、他の人も書いている程度に自分も書きながら、
理由じみたものを書いてみます・・。

前半部を観ての感想は、
「凄くよくできた脚本」
でした。

それは、面白いというよりも、
登場人物を頭の中で整理しながら観てみると、
一見都合よくも見える物語の展開がありうるものとして納得できた、ということです。

展開としては、
ドラマなどではありがちながら、
実際に身の回りに置き換えてみると
非現実的にもなってしまう設定を、
登場人物の設定を駆使しながら、
巧妙に「あってもおかしくない話」として、
まったく破綻なく組み上げていくのです。

もちろんその中で
さまざまのハテナ?が湧き上がっては来るのですが、
それらの処理の仕方がまた、見事としか言いようがなかったのです・・
(以下、ネタバレへ(笑

ネタバレBOX

わりと分かりやすいハテナ?として浮かび上がるもの・・たとえば、
看板娘プロデューサーの言動が妙に非人間的なキャラクターであること、
(藤子不二雄の異色短編漫画などに出てきそう・・というか、そこらへんをイメージしてるのでは?と思うとすべてが納得できる気が・・
和菓子屋の奥さんが異様に疑り深いこと、
長女の引きこもりの理由・・・などなど。


その一方で、観劇後に改めて思い返してみると、
そうした分かりやすいハテナ?とは別に、
物語を観ている最中には思わずちょっと笑ってしまったりもしたのですが、
直感的に感じられるハテナ?・・というか、
登場人物の愛すべき点、というか、
それがそのまま物語のキーになっていた
いくつかの「・・・をっ!」が、別に存在したことに気づきました。

まず、四面楚歌のような状態でまったくめげない
和菓子屋のオヤジを見ながら、
「コイツ只者ぢゃねぇ!」
と感じたり、
マジメなようで妙にズレた次女の
意外にも人を見る目がある
(次女のその後は描かれないが、理屈ではなく直感的に人を見る目があるのが伝わるため、物語の後もたぶん幸せになるのではないかと想像できる(笑
ことに感心したり・・。

全く血がつながってないにもかかわらず、
地味なようでいて、物語の中で妙に存在感のあることでは似通ったこの2人の父娘が、
じつは後半部のキーマンになっていた。

最初の方で挙げた(ほんとはもっとあるのだけど(笑
数々のハテナ?の解明の口火を切ったのは、
このオヤジの暴露からで(これが斜め30度てやつ?(笑
物語を最後にシメたのは真っ直ぐな次女の大技だった。

実は前半部を観てるうちは、
良くできていながらもまだパンチの欠けていた物語を見ながら、
「この物語は役者(特に男優)の面白さを引き出すために書かれた、「小劇場っぽい」舞台ではないのかと思っていた(苦笑

ところが後半の怒涛の展開と、
描き出される数々の意表を突いた真実に、
観劇後は逆に、
物語の前半と後半とで全く変わる女優陣のキャラクターにすっかり感服してしまった(笑

特に「変化」という面では豹変に近い残りの二人の女優に比べると地味ながらも、
物語の進行につれて表情に生気が漲ってくる次女と、
最初は少し奇矯に見えながらも、
最後にはすっかり愛すべきコケシ型お地蔵さんキャラを確立する
看板娘プロデューサーの演技は、
物語の面白さとも相まって
見事だったように思いました。

ちなみに、ミスター味っ子的な漫画群を読んでいれば、
舞台がより一層楽しめるかもしれません。

・・ある意味、この舞台は、
そういった漫画を元ネタとして勝手に解釈しつつ楽しめるか、
意味不明な不自然さとして、
物語の吟味にかえって支障をきたしてしまうか(苦笑
で、わりと最初の一歩で
人によっては大きく差がついてしまうかもしれませんが、
そうしたハードルを乗り越えさえすれば、
物語のあちこちに楽しめる要素を豊富に隠しこんだ
「宝島」みたいな舞台なのではないカナ、
とも思ったりもするのです。

自分、評価が甘いつもりはないんですけど、
いろいろ分析しながらきちんと観てみたつもりになって考えてみると、
これだけ面白さが詰まった作品を
「☆ひとつふたつ足りない作品」
として評価するのは難しいかな、とも思って(苦笑

血と汗の沁みこんだことが伝わってくる作品たちに
あえて順序を付ける必要はないと感じてしまうのです。

・・王子の舞台は特に、一見B級に見えるものほど侮れない気がします。
アゴラで上演したことのある3劇団が岸田賞を受賞したので
駒場の撒いた芽が出つつある気もしますが、王子も負けてないのではないカナ、と・・別にどっちを贔屓しているとかのつもりもないですが(笑
Crime and Punishment

Crime and Punishment

M.M.S.T

横浜美術館レクチャーホール(神奈川県)

2012/06/02 (土) ~ 2012/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

罪と罰というと・・
帝政ロシア時代のペテルブルグ。

ドストエフスキーが執筆したころは、
この湿地帯を埋め立てた人工の街が生まれてから約160年後、
セラピオン兄弟が活躍している時代の60年前。

その人工島じみた都市のイメージと混然としていたのだけれど、
今回の舞台は、
そうした土地のイメージを最小限におさえ、
シンプルな舞台美術と映像を駆使しながら、
役者陣の全身全霊の演技に全てを委ねているようで、
驚くと同時に好感が持てました。

特にコロ氏など、
柿の演技にかなり近い状態で舞台に立っているようにも見えて、
主演の萬浪氏らとの
バトルじみた台詞の応酬は見応えがありました。

4人の役者陣が交互に
火花の散るように台詞の応酬を続けながら、
残る2人がその間舞台美術と化して
舞台を作り上げていく一体感や緊張感が
罪と罰の苦悩と相まって
空気の質を高めていたように感じました。

東京で生まれたにも関わらず
地元東京での公演はあまり無いような気もしますが、
やはりM.M.S.T.は面白い。

㐂(よろこび)

㐂(よろこび)

ろりえ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/05/30 (水) ~ 2012/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

繊細
昨年末、奥山氏の春風舎でのワークショップの風景をみていたせいか、
今までより物語の奥まで視えてきたように思います。

それを踏まえて他の方の評価をみてみると、
自分の考えよりは評価が若干低いようにも感じられたりもして、
違和感があったりしました(苦笑

今回の作品、今までの作品よりはだいぶ作者の繊細さが前面に出ている気がします。

・・ただ、その繊細さは以前から感じられていたことで
あくまで同じ世界の別の面を見せてあげたにすぎないのです。

というのも、これだけ登場人物一人一人のキャラをしっかり組み立てながら
メリハリをつけて完璧な笑いに仕上げるのは、繊細でないと無理だからです。

・・たとえば自分が前日に観た青☆組ですとか、箱庭なんかと比べてみれば
良く分かるのですが、
奥山氏の舞台では、登場人物のひとりひとりがとても生き生きと(目のキラキラしっぷりが半端ない(笑)文字通り跳ね回っています。

物語や世界観として捉えるなら、
ひとつの流れとして目に見えるかたちは、
青☆組や箱庭のほうがずっと美しく見えたりもするのですが
(そこが評価の分かれ目になったりもするのかな・・?
登場人物のその躍動感は、現在他のどの劇団をも圧倒的に凌駕しているようにも思うのです。

以前はその原因が、ひょっとしたらただ単に奥山氏の周りに
非常に魅力的な役者陣が常に自然と集まっているだけなのかと
勘ぐったりしたこともあるのです(相当初期のころからその傾向が続いていたので(笑
しかし、ワークショップをみてみて、
勿論それも大いにあるのですが、
奥山氏が登場人物一人ひとりのキャラクターを、
役者たちといっしょに作り上げることに恐ろしく長けていることが大きいのだな、と気付きました。

それは、何か特殊な演出法というよりか、
多分演出家自身の、天性の人を見る目によるとでも言えばいいんでしょうか。

今回の舞台を観ていれば良く分かるのですが、
登場人物すべてが、
「凄くバカなのに凄く一生懸命愛おしく生きている」
のが、よく伝わってくると思います。

作者は、悩み苦しみ、それでも生きる登場人物すべてを愛していますし、
誰も決してバカにしていません。
(当たり前な話ですが、想像力が豊かな人は決して
一生懸命生きている人を馬鹿にしたりはしません。

人によっては、
政治家や大臣のような他人に命令できるような立場になって後世に名をのこすことが、
人より優れた人生であると思い込んでいたりもするようですが、
この作品には、
そんな人に誇れるものなど何もなくても、
他人から見れば失敗もあり、悲しくもある寄り道だらけの人生でも、
それも愛おしくて素敵だと信じられる作者の愛が込められているように感じます。

それこそが、自分が演劇に求めているものですし、
この舞台にはそれを優しく表現できる
若い役者とスタッフたちが揃っていた。

もし百年たって、今回の脚本を元に上演しても、
まるで別物になっているでしょう。

自分にとってろりえは、
トリュフォーのように繊細であるという点で、
現在の東京の劇団の最高峰に位置するように感じられます。

そして、それは他の東京のいくつかの劇団にみられるように、
特筆すべきテクニカルな演出法とチームワークによって際立つというよりかはむしろ、
細やかな感性とやさしい想像力によって際立っているという点で、
異色であり、自分にとっては好ましい存在でもあるようにも思うのです。

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