東京ノート 公演情報 青年団「東京ノート」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    荒野
    静謐で美しく見える美術館にも、影では権謀が渦巻いているようでもある。
    同様に、美術館の外にも混沌が広がっているようでもある。
    そしてまた日本の外にも、暴力と不寛容が湧き立っているようでもある。

    次々と入れ子構造のようにして、
    光と影の構造が広がっているようでもある。

    ネタバレBOX

    その中で、戦争とは直接関係ないようにも見えるが、
    もうじき離婚する夫婦もある。

    奥さんには、特に問題はなく、家族を愛していたようにも見える。

    夫が一方的に別れを切り出しただけにも見える。

    他の人たちに比べると、
    戦争の影が薄いようにも見える二人だが、
    よく考えてみると、最も戦争の影響を受けているのは
    この夫婦なのかもしれないなとも思う。

    他の夫婦・男女が、
    戦争によって絆を取り戻しつつあったり、
    対話を模索しつつあるのに比べ、
    この夫婦は別れの道を選ぶ。

    戦争は、絆を強くすることもあるかわりに、
    偽りで形だけの愛(あくまで推測ですが・・)
    を容赦なく引き裂くこともあるのだと思う。

    ハッキリとは描かれていないが、
    殺し合いとは別の、
    また別の形の戦争の残酷さを描いているようにも見え
    やはり奥深い作品だな、と思ったりしました。

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    2012/07/19 07:04

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