或る、かぎり 公演情報 或る、かぎり」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.8
1-18件 / 18件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    家族の在り方、逃げることの是非、現実を受け入れることの難しさ等など、ぎっしり詰まった良い作品だった。
    ハッとする台詞に胸を抉られ、自分の生き方を顧みた。
    ラスト、コーヒーを啜るシーンでこちらも鼻水啜る…

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    家族の葛藤と本音が入り混じってとても面白かった。それぞれの態度にイラっとしたり、笑わされたりしたがラストに父と長男が心の内を開放してやりあう姿がとてもリアルでよかった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    素晴らしい

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    とても素晴らしかった。なんでーと、笑ってしまったり、涙がポロポロでてしまったり、感情を揺さぶられ続け目の離せない舞台でした。こういう舞台を観たくて、私は劇場に通っているなぁと思いながら家路につきました。ありがとうございました

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/04/05 (土) 13:00

    座席1階

    人気劇団だけあって、開場前から長い行列が階段へと伸びていた。ひきこもりの30代長男を抱えた家族の物語。重いテーマに真正面から取り組み、ひきこもりの実像もリアリティーにあふれていた。

    舞台セットは、向かって左奥にベッド、その手前が台所とリビング、右手が会社のオフィスと設置され、うまく照明を使いこなすことで切れ間なく舞台転換する。最初に登場するのは病床の母だ。見舞いに来ているのは父だとしばらくして分かる。どうやら重病のようだ。ひきこもりの長男に姿を見せに来てもらえないかと、母は父に嘆願する。だが、長男を連れ出すのは容易ではない。

    父は小さな会社を経営しており、次男、三男という家族らと共に、会社の番頭、女性社員もリビングに訪れ、母の病状を心配する。家族だけでない他者を重要な役割として配置したことが、物語を進める上でとても重要になっている。
    演出の妙もあり、とにかく息をつかせぬ展開だ。長男の状況は、父が「レンタル彼女」を雇ってもなかなか変わらない。このレンタル彼女を演じた俳優さんはお見事だ。視線をまっすぐに長男を見つめ、「彼女ですから。私があなたを好きなんです」と真正面から対峙する。また、ひきこもりの長男を演じた俳優さんもすばらしかった。心の揺れ、自分自身への怒り、息苦しさ、他者へのねたみ、そして家族への思い。せりふがない場面でもこれらの胸の内を十分に表現して余りある見事さだった。

    物語は少しずつ前に進んでいく。せりふなど一つ一つが丁寧に描かれ、後段では思いもかけぬ展開が待っている。
    主宰の深井邦彦は「弱い立場の人によりそう」という姿勢でこれまでの舞台を作り込んできたという。劇作家の視線がよく感じられる、見事な舞台だった。満席になっている回もあるかもしれないが、ぜひこの物語を体感してほしい。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    笑う場面ではないのに笑わせるって凄いなぁ〜って、帰りの階段降りながら思いました。
    「或る、かぎり」夜布団に入って、やっと理解しました!スッキリした〜。眠れぬ夜にならず良かったです。素晴らしいお芝居でした!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    いい芝居を観た後の多幸感は何物にも代えがたい。帰路の足取りも軽くなる。そんな作品に出会えた。

    ネタバレBOX

    何といっても一つ一つの「言葉」が生きている。登場人物の人格やそれぞれの関係性、距離感が台詞によって鮮明に浮かび上がる。眼前で実際の家庭を覗き見ているような感覚に近いかもしれない。

    それに加え、言葉に命を吹き込む役者陣の力量(熱量も)が半端ない。特に父親と引きこもりの息子が真正面に向き合うラストシーン。有薗さんの演技に圧倒される。寡黙で不器用な父親が、母親の死を納得させるために息子に見せたあの姿。感動を通り越す何か、祈りのようなものを感じた。そして喧騒の後の静寂。父親が息子にコーヒーを淹れる間の沈黙の時間。ああ、なんと美しい「間」だろう。そう感じずにはいられなかった。

    台詞の巧みさも印象的だった。一家宅に同居する従姉妹、レンタル彼女、弟の嫁がそれぞれ引きこもりの兄に放った台詞が凛としていてグッとくる。

    舞台装置の配置も見事だったし、暗転時に流れるクラシックの名曲も沁みる。あらゆる点で私好みの素敵な舞台だった。

    それともう一つ、母親の死後、生前の母と三兄弟の食卓での和やかな光景(長男は透明人間だったけど)がさりげなく挟み込まれていたのが印象的だった。このシーンがないと母と息子たちの関係がどんなだったか、観客は直接目にすることがなかっただろう。(入院先には夫と元従業員の女性の訪問の場面しかない。)家族の物語なのだから母と子の関係は重要である。それを落とさず描いていたのには感心した。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    なかなか重たい話、そして壮絶な演技だった
    引きこもりの長男、余命幾ばくかの母、無力感を漂わせながら見守る父
    小劇場演劇を観ていない若い友人をを連れて行ったので、臨場感を味わってもらおうと最前列に座ったため、演者の表情も良く見え、迫力があった
    セットはダイニングキッチンのセットなどがでんと置かれているのだが、全てのリアリティが追及されている
    それぞれの場所のライティングの切り替えによる舞台転換も小気味よい
    音楽も要所要所で使われるクラシックが効果的
    キャスト皆好演、表情が素晴らしく、役作りがしっかりしている
    気持ちの昂り、表に出せないもどかしさなど良く表現されていた

    ネタバレBOX

    下手にダイニングキッチンのセット、奥にベッド(お母さんの病院&引きこもり長男の部屋)、中央にリビングのソファ、上手に事務所のデスクと応接というセット(1階がお父さんが社長の会社の事務所になっている家らしい)
    まあ現物そのものがでんと置かれているのだが、驚くべきはキッチンがすべて機能していること
    舞台上では稀な、水道の蛇口をひねると水が出てくる‼️
    冷蔵庫も動いているようだ
    ずっと無表情に見えるお父さん有薗芳記も哀愁とか困惑とか持って行きようのない怒りが込められて、最後の爆発が生きて来ていた
    長男のどーしよーもなさ、そして暴発も見事
    兄弟の微妙な心理の揺れも良く表現されていたし、ちゃらんぽらん従業員佳乃香澄やレンタル彼女土本橙子は独特の雰囲気を醸し出していた
    昨秋の「スープラに乗って」で気に入った福田ユミはやっぱりここでもさすがの演技だった
    宮地大介は確かにこういう人いそうと自然に思える役作りだった
    同行者が小林さやかの演技に感心していたが、ベテランの味で空気を作っていた
    最後にお父さんが自分の頭で次々と生玉子を割って行くシーンとその前後の長男の様子が圧巻
    長男がお父さんが淹れたコーヒーの味で気付く家族の絆
    喪服に流れる玉子、その上着とネクタイを取って着て、ようやくお母さんの葬儀に行こうとする長男・・・
    友人が「あれ、あと大変ですよね」「そうね、ただ今のはソワレだから時間あるけどね、マチソワだとその間の限られた時間での修復大変だよ」
    難点は家族を取り巻く人間の関係が最後まで良く分からないところがあった(小林さやかの位置づけとか、福田ユミの異常なまでのおせっかいとか)ことと、宮地大介と福田ユミの過去の不倫話が無理やり持ってきて不要に思えたことあたりか
    それと配役表ないのは不親切だった(登場人物の名前も良く分からない)
    台本買って来たから役名分かったが
    帰ってカミさんに話したら「玉子高いのにもったいない」だったが、そういう反応もあるだろうな
    今日の印象的な台詞
    「言わないのが家族」
    「言うのが知性、言わないのが品性」
  • 実演鑑賞

    深井邦彦が描き下ろした芝居を何本か観て、深層で感じていたものが少し形を成すのを感じた観劇。面白い。
    家族の物語。小さな会社の職場も兼ねた宅なので従業員も出入りするが、半ば家族の(セミ・ドメスティック?)成員として存在し、また家を出た兄弟、その一人は間もなく家庭を持とうとしていたり、入院中の母に代って家事手伝いに通う従姉妹など小宇宙の程よい広がり。そこへ完全なる他者も現われるが・・。
    この劇では「変わらねばならぬ」課題がのっけから鎮座し、乗り越えがたいハードルとそれでも刻まれて行く日常とのバランスが絶妙である。
    家庭劇や日常劇、リアルなストレートプレイの範疇でも深井作品には何か守られている原則がありそうに感じたのだが、マニアックな考察はまた後日。
    どの役もきちんと描かれ、形象され、こういう芝居では俳優ごと愛着が生まれるが、例に漏れず。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/04/04 (金) 19:00

    座席4列

    価格4円

    上手い! とにかく上手い! 役者が上手い! 台本が上手い! 舞台美術も上手い! 音も光も上手い!
    何処かにありそうな日常なのに、ちょっと変で、必ず誰かに感情移入できる芝居でした。僕は父ちゃんを観ていて胸が苦しくなりました。「ちゃんと、逃げずに行きなくちゃ」と思わされました。

    ネタバレBOX

    卵割りのシーンの喧騒と、その後のコーヒーを淹れる後ろ姿になんともいえない気持ちになりました。終演後、舞台の前を通ったら、生卵の匂いと、コーヒーの香りが鼻に入って来たことが印象的でした。嗅覚にも残る劇は、映像では表現できないなあ。。。感じました。
    最後に「お前、不倫しとったんかい!」と全員ツッコめた戯曲でした。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。
    どこか ありそうな家族、そして母親の死によって初めて親子喧嘩をする。少しネタバレするが、母親は胃潰瘍ということで入院したが、実は胃癌で余命三か月。そうとは知らされない子供(息子)たちは、あまり見舞いにも行かず自分の生活を優先(大事に)する。亡くなって味わう喪失感や後悔といった思い、それを夫々の役者陣がキャラクターを立ち上げ熱演する。観客によっては身に覚えがあるような、その没入感や感情移入等は物凄い。そして母親が心配し 会いたがった長男が引き籠りという設定が肝。

    舞台美術は4か所…上手から事務所、リビング、ダイニングキッチン そして病室であり引き籠り(長男の)部屋を扉枠で仕切る。神は細部に宿るというが、実にリアルな造作で この家族(柿沼家)の在り様を描き出している。そして場転換は、夫々の場所への照明の諧調によって場景を上手く転換する。物語は家族やその周りの人々を交え、一筋縄ではいかない長男への対応を巧みに紡ぐ。柿沼家は自営業を営んでおり、職場と家庭が一緒(職住接近どころか一体)になっており、家庭の問題=職場へも影響する。そして従業員も家族同然、同じような思いを抱くことになる といった妙。
    (上演時間2時間10分 休憩なし) 4.6追記

    ネタバレBOX

    舞台美術は、ほぼ横並びに3か所と下手奥に病室or長男の部屋。それぞれ配置されている小道具・小物が そのまま生活や仕事に使用出来る物。例えば事務机や椅子、打ち合わせ用のミニ応接セット、リビングはソファとテーブルそしてTVリモコン。下手のダイニングキッチンは冷蔵庫やシンク そして炊飯器やポット、テーブルや椅子。それぞれの場所には直接行かず、扉枠を通って移動する。その動線が異空間ということを感じさせる。

    柿沼家には3人の息子がいるが、長男 修一は30歳過ぎても働かず、引き籠っている。しかも家では我儘 言い放題 し放題。そんな長男に対し他の家族は呆れ半ば諦めている。母 聖子は入院し後々判るが胃癌で余命三か月。父 輝明は修一に見舞いに行くよう言うが…。社員の田中灯里の楽しみは「レンタル彼氏」と会うこと、それを聞いて修一にも「レンタル彼女」 塚本愛を紹介する。修一は、自分の言うことに反論せず寄り添う彼女に好意を抱くが、彼女にとっては 飽くまで仕事。契約終了時、愛は修一を反面教師として母の看病をする気持になったと告げる。

    母は亡くなり、その通夜はもちろん葬儀にも参列しようとしない修一。そして母が死んだと思わないことで、現実逃避を図る。父は修一に母が亡くなった事実、それを受け入れるよう諭す。ラストは父 輝明の奇矯というか自虐的な行為、その可笑しみと悲しの綯交ぜになったような感情表現が印象に残る。公演には実感ある台詞の数々。例えば亡くなった母の姿に 「まるで眠っているようだ」と。自分も 遺体に呼びかけ、周りから狂ったと思われた覚えがある。

    公演は、引き籠りという ありふれた設定に親の死という現実を突き付ける。劇中のTVニュースで親が亡くなったことを隠し年金を騙し取っていた音声が流れる。いずれ親も(経済的)援助できなくなるという伏線。それにしても30過ぎの息子を色々説得するための行為があれか?力ずくは、幼児ならば躾という名の虐待になるだろうが…。

    公演は、どこにでも居そうな登場人物が、その立場や性格をリアルに立ち上げ物語へ力強く引き込む。特に引き籠りの長男 修一を演じた根本大介さんの憎たらしいほどの悪態や我儘。そしてレンタル彼女 塚本愛の土本橙子のシニカルな演技、そして「言うのは知性、言わないのが品性」という台詞が印象的だ。生きることは辛く大変、それでも平凡な暮らしを手に入れるため日々戦っている、はこの劇のテーマのよう。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    2019年の再演です
    舞台セットは
    キッチンと居間と事務所を
    横に並べての配置で
    劇中リアルに飲み食いがあり
    お腹は少し膨らませの
    観劇をお勧めかしら と

    濃厚な人間関係を
    重厚に見せていった
    2時間10分の作品
    何というか
    目が離せなかった

    ネタバレBOX

    工場の事務所1階が右配置
    2階の居間とキッチンが
    左から中央の配置
    チラシが長男の
    引きこもり部屋ですかね

    プロローグは
    舞台左奥にあるベッドに
    横たわった奥さんに
    内緒でビール缶の差し入れして
    しんみりと語り合う夫婦の会話から
    始まります

    進行により
    このベッドは長男の
    引き篭もり部屋としても使用と

    30歳越えて引きこもる長男
    胃潰瘍といって
    入院したハズの母親が
    末期癌で余命3ヶ月とわかるも
    子供らに伝えられない
    頑固で寡黙な父親
    口喧嘩はしても
    手などは出さない兄弟ら

    余命少ない母親に
    見舞いに行かない長男
    身勝手でワガママな
    行動に言動ながら周囲は
    実力行使などせず
    言葉で説得を試みる
    長男にレンタル彼女まで
    あてがって見舞い等を
    行くようにとするのだがー
    結局現実を見ないまま
    母に一度も見舞いに行かず
    母親は亡くなり
    通夜にも出ない長男
    葬儀の当日も出ようとせず
    今日までの契約の
    レンタル彼女に別れを告げられ
    その彼女を散々罵倒するも
    その彼女に反面教師として
    参考になり彼女自身の母に
    ちゃんと向き合えたとお礼を言われ
    残された長男と父親
    現実を見ない息子にキレた父が
    壮絶な親子喧嘩をするのが
    クライマックスで
    ラスト遂に長男は葬儀に出ると
    言うのであった

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    母親の余命宣告をきっかけに、家族が見て見ぬふりしてきた問題に、それぞれが諦めたり向き合ったりする話。父親役の有薗さん、俺はいまだに『逆噴射家族』の長男のイメージなんだけど、終盤にその片鱗が見れて嬉しい。シーンとしては、かなり切ないんだけどね。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    圧巻でした。たまにこのレベルのものに出会えるので観劇やめられません。考えさせられるフレーズのオンパレードでセリフの1つセリフ1つが胸にこたえました。最後は不意に涙がこぼれました。周りにも涙をハンカチでふいている姿がありました。本当にいいものを観させていただきました。ありがとうございました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    あ~、いるよね、こんな人。
    やんなきゃいけないこと、先延ばしする人。
    大事なこと、最後まで黙ってるのが「かっこいい」と勘違いしてる人。
    見て見ぬふりして、ドツボにはまる人。
    言っちゃいけないこと言っちゃって、言わなきゃいけないこと言わない人。

    身近にいる、あるあるな人たちの堪忍袋の緒が切れる様が見れる舞台。
    「生」物がリアルに登場する、斬新な舞台。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    前日、お隣のOFF・OFFシアターで観たムシラセ『なんかの味』に続いて本作も家族の話でこれまたよかった。
    引きこもりの長男を演じた根本大介さんはめんどくさい男を実に見事に演じていて顔面に3発ぐらいパンチをくらわせたいほどだった(褒め言葉)。他のキャストもそれぞれよかったけど、とりわけ土本燈子さんの清々しいまでの真っ直ぐさが痛快。
    当パンに配役が書いていないのは不親切すぎるので改めてほしい。

    ネタバレBOX

    全体的にはよかったけど、最後の父親の奇矯な行動でやや冷めてしまったのも事実(もったいないとか復旧が大変そうとかそういう余計なことを考えてしまうので)。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ガツンと来る一作。自分の実体験を顧みて、のめり込んでしまいましたね。このテーマはめちゃくちゃ根が深い。役者さんたちの熱演に感謝。

  • 実演鑑賞

    力作!
    息詰まるというか、息苦しい展開でした。

    ネタバレBOX

    家政婦や元従業員の女性が、なぜあれほどまでにあの家族に親身になっているのか分かりませんでした。人物の相関関係を知りたかった。

    もし30~40年前にこの作品があったら、有薗さんが長男役をやったのかな?ハマっていただろうな、なんてことを想像しました。

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