南部高速道路 公演情報 南部高速道路」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-20件 / 21件中
  • 満足度★★★★★

    エキサイティング!
    エキサイティング!なSFだ。

    「南部高速道路」、家庭やら社会やらに関係をもってるほど、見えるはずのものが見えていないのかもなー、なんて思ったりして。

    長塚圭史さんは、やたら綺麗な女優さんを使うよーな気がするなあ。氏の作演出の舞台みるたびに、「実際には、あんな綺麗な女子ばっかりなんてありえないよなー」って思う。 しかし、なんだかんだ言って真木よう子さんのかわいさはハンパではなかった。

  • 満足度★★★★★

    一年に及ぶ高速道路の渋滞の列。幻想のコミュニティーの生活。実に切ない赤堀雅秋さんが印象的で。
    恒常化した高速道路の渋滞。
    並ぶ車に乗る人々は、いつしか会話し、食料や水を分け合い、数人ごとに小さな村のようなグループに分かれ、共同生活のようなものが始まっていた。
    渋滞は、もはや数か月に及び、日が経つとともに人々は絆をより深く結びつつ、ついには1年に及ぼうとしていた…。

    いつ解消するかわからない渋滞の車の列。
    日常的な渋滞は、いつか非日常的な世界となる。
    そのあり得ない状況は、幻想であるかのごとく思える現実の社会。

    パンフレットには、レベッカ・ソルニットの「災害ユートピア」(A PARADISE BUILT IN HELL)が紹介されている。
    3.11のような大災害後には、地位も性別も年代も越えて、自然と善意の連帯のコミュニティーが生まれ、善意の助け合いの社会、
    地獄の中のパラダイスのような「理想的社会」が形成される。

    しかし、すべてのユートピアが幻想であるのと同じく、災害ユートピアも例に漏れず、この幻想はやがて打ち砕かれる。
    避難所も、仮設住宅も、いずれは解体し、人々は日常生活に戻っていく。
    すると災害時にはあれだけ、地位・性別・年代を忘れていたのに、日常に戻ると同時に、その格差も一気に戻ってしまうのだ。

    出演者は、皆、車に乗っている人々。
    彼らは自然と互いに、乗っている車の車種で呼び合う様になる。

    やはり自然に、そのたたづまいに目が行ってしまう真木よう子さんの存在感。
    渋滞で並んでいるうちに、居なくなってしまう梅沢昌代さんら、高齢者の哀しさ、はかなさ。
    バス運転手の赤堀雅秋さんと少しずつ交流を深めていく、江口のりこさんのスレた何とも言えない独特の雰囲気。
    特に、最初は荒れていたのに、徐々にうちとけていった赤堀雅秋さんが、いきなりの展開の中でラストに向けて、
    その変化に戸惑い、これまでの現実を見失って行くような様子は、実に実に切なくて、心に残ります。

  • 満足度★★★★

    よく出来た、おとぎ話
    外界からある意味隔絶されている登場人物たちが、他人同士にもかかわらず仲が良く、温かみのある物語だったのが印象に残りました。実際にこのような状況に置かれることを想像すると、いささかおとぎ話の感がありますが、これはこれで良いと思いました。
    ワークショップを積み重ねて作り上げた俳優同士の自然で思いやりのある関係性、俳優のコミカルな動きと観客とのフランクなコミュニケーション、控えめだけれど説得力のある照明と音響。演出が持つ人間に対する信頼感、演劇に対する信頼感。それらを全体として形にしたのが、この舞台のような気がしました。

  • 満足度★★★★

    カラフルな椅子がいっぱい
    39チケットだったので、最前列の観劇。俳優に足を踏まれそうなくらいの近さだった。メインとは異なる会話が随所でなされており、不条理な内容に合っていたかと。別の方角の席で再見したかった。梶原善サンが汗びっしょりかいてお絵かきしてました。

  • 満足度★★★

    ゆく河の流れは絶えずして・・・
    古典の一節を思い浮かべつつ観劇。

    人との関わりの偶然と必然、そんなことやあんなことを様々に感じさせてくれたひとときの旅。

    ネタバレBOX

    方丈記の、「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ 消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくの ごとし。」といった世界観。

    これを異国の方が戯曲として現したのかと。

    眈々と進む物語、ある日突然渋滞は動きだし「よどみに浮かんだうたかた」がほどけるように人々が散逸してゆく。

    いろいろな思い重いをかかえて歩く人の姿一抹の哀惜を滲ませたエンディングが切なかった。




  • 満足度

    期待しすぎました。
    超・期待して行ってしまって・・・がっかり。
    後半はあくびを噛み殺しながらでした。。。

    すべての人が 「 ○ 」 という感想を持つ芝居などないのだということ。

    ネタバレBOX

    (きっと、私の好みが、かなり偏っているんだろうと思う、
    ということは、まず先に、申し上げておきます。)

    渋滞が起きて、抜け出せず、日が過ぎ、季節が過ぎていく。
    「そんなことあるわけないじゃん~」的なことが舞台上で起こるということは、
    演劇なんだし、お芝居上では、もちろん、よくあることではあるのだけど、
    観ているこっち側に、「そんなことあるわけないじゃん~」
    ということを思わせるスキを与えない説得力、とか、惹きつける魅力、とか、
    そういうものがもっともっと欲しかったなと思いました。

    なんというかだらっと過ぎる時間も多くて、
    もちろん、必要だから演ってらっしゃる時間なんだろうとは思ったけれど、
    でも、結局2時間超は、正直つらい。(お尻も・・・)
    もっと観ていたかったのに終わっちゃった。。。
    くらいの長さくらいであればよかったのにな、とか。

    車の車種で人を呼び合うのも、苦手でした。
    どれが誰のことを言っているのか全然わからない(ていうか覚えられない)。

    芝居中、常に、大多数が板付いているから、
    芝居の中心以外の人も、お芝居の流れに関係ないお芝居を繰り広げていて、
    でもつまりそれは、それを聞き逃しても、お芝居には影響がない。

    聞き逃しても、平気。

    そういうふうに感じてしまった瞬間から、
    なんか遠目に観てしまっている自分が居たのは否めません。
    後半飽きてきてしまった(欠伸連発だった)のは、そのせいかもしれません。

    役者陣は、みなさん素敵だったと思います。
    違う場で、また観てみたい方がたくさんいらっしゃいました。
  • 満足度★★★★★

    心温まる不条理劇
    高速道路で渋滞に巻き込まれた人達の心が次第に繋がって行く様子を演劇ならではの演出を通じて描いた作品で、具象性と抽象性、日常性と非日常性がスムーズに浸透し合う不思議な雰囲気が心地良かったです。

    ラジオや携帯電話も繋がらないため渋滞の原因も分からずイライラする人達が、時間が経つに従って水や食料を分け与えたり、具合の悪い人の看病をしたりとコミュニティーが形成して恋愛や仲違いといった人間関係も発生し、結局渋滞の原因が判明しない内に1年が絶ち、自然と渋滞が解消されてまたそれぞれの生活に戻って行くといくという物語でした。
    カタルシスを感じせるような大きな出来事はなく、人が死ぬこともさらっと描かれ、無理に泣かせたり笑わせたりしようとせずに淡々と流れて行くのが印象的でした。クリスマスのプレゼント交換のシーンは人の心の優しさを感じさせて、とても美しかったです。

    上部に高速道路であることを示す道路照明がある以外は何もない四方囲み舞台で客席の間から役者達が登場し、傘を車に見立ててシーンごとに自由に役者達を配置し、演技や衣装だけで月日の経過を示した演出が見事でした。
    敢えて全ての観客には届かないような声量で話す所も多くあり、何度も異なる席から観てみたくなるように仕組んでいるのも上手いと思いました。
    床に仕掛けが施してあり、目に見えない時間の経過が痕跡として累積されて行く表現も素晴らしかったです。

  • 満足度★★★★★

    日常と非日常
    高速道路での渋滞が発生し、そこの中から生まれるコミュニティーというのを日常と非日常の間を行き交うような見せ方がとてもよかった。個人的にはこの長塚圭史さんの演出は成功していると思いました。良い作品でした。ワークショップから作り上げたというのを感じ取ることが出来る作品です。役者同士の関係や時間経過の共有がとても細部まで行なわれていたと思いました。
    勉強になりました。ありがとうございます。

  • 満足度★★★★

    Wonder World
    面白かった。菅原永二が気に入った。真木よう子の顔ちっちゃかった。

    ネタバレBOX

    高速道路で原因不明の超渋滞に巻き込まれた13人。何日経っても回復しない極限状況にイラつく面々。そんな「異常事態」が、いつしか「日常」になっていく…。

    傘を車に見立てた演出としっかりした演技で惹きつけられる。ストレスフルな非常事態から穏やかな日常への変化が上手い。ちょっとしたコミュニティになって、恋や確執、死や喜び、確かな「日常」がそこにあった。それが、ラスト、突如として車が流れ出し、コミュニティがくずれ、落ち着かない表情を見せ幕が降りる。
    序盤が被災地の避難所みたいな雰囲気でそこからの再生めいたものを感じた。クリスマスを祝う面々が、柿の木?を前に、仮想のプレゼント交換をする場面、なぜだか泣きそうになった。なんでだろ。

    高速道路という密室に近い状況の中、近くの見知らぬ人間との間で生まれた奇妙な時間と空間。異世界に迷い込んだような錯覚を起こさせる。原作の出来が良いのか。演出が良いのか。「不思議」な舞台だった。
  • 満足度★★★★

    渋滞からのコミュニケーション
    日常が非日常になり、何時の間にか日常に変化して時間が経過しているようで、まさに見ている行為が渋滞と連携して白昼夢のような感覚だった。

    ネタバレBOX

    昨年の震災で被災地を彷彿させるエピソードあり。そんな中の怒り、共同、和解、別離、友情、親愛、新しい命が上手い事絡み合って話が流れていくが、どこで終るのか全く予想つかず、このまま渋滞の先頭が見えないまま話も終わらなんじゃないか、と思ってしまった。(さすがにそんなことはないけど)
    クリスマスが近づいたある日のプレゼント交換シーンに思わず気が緩んだ。閉塞の最中で起きたいい場面だった。

    miniの彼女の時計が見つかり、時が動き出す。
    渋滞は解消され、いつの間にか連帯感を持ったコミュニティは崩壊する。
    バスの運転手はあのまま、彷徨い続けるんだろうか。
    不思議で面白かった。
  • 満足度★★★

    もっと完成度を
    おもしろかった。原作も面白いのだろうし、世田谷パブリックシアターのバックアップでワークショップも繰り返したのだろう。ただ完成度ではかなり劣る。
    私が応援しているシアターモーメンツに劣る。ままごとに劣る。マームとジプシーに劣る。バナナ学園に劣る。長塚圭史まだまだこれから。
    ガラスの動物園の時も、プロジェクト大山の使い方は大失敗だと思っている。

  • 満足度★★★★

    観た。
    閉塞感や絶望感がジワジワ広がっていくが、やがてコミュニテイが出来て人々が助け合いながら生きていく様が巧みに描かれていた。
    舞台と客席通路の使い方が斬新で良かった。
    こういう不条理劇は好み。

  • 満足度★★★★★

    秀逸
    作品的には、人物の描き方が良いですね。過剰にも薄くもならず。
    役者的には赤堀さんでしょうか。
    コスパ的にも良いです。5000円でこれとは。

  • 満足度★★★★★

    人間の社会性が作り出したコミュニティ
    南部高速道路の上に見えたのは、とても人間的な「コミュニティ」。
    日本製のオブラートに包まれて。

    ネタバレBOX

    最初に人々が傘を持ち並んでいる様子は、てっきり雨の中、高速バスか何かを待っている人々なのかと思っていたが、そうではなく、傘は1台1台の車を表していた。だから、傘を床にコツコツさせるのはクラクションなのだろう。

    舞台の高速道路は日本なので、つい、首都高の片側2車線や、東名などの片側3車線、あるいは4車線程度のものを想像してしまうのだが、原作にあるように、片側6車線で、この時期はパリに向けて流れるようにになるので、計12車線もあるものを想像するとよいだろう。
    つまり、そう見ていないと、車が前に移動するたびに、周囲の車の位置が変わったり、ラストにバラバラになっていく様子が想像できないからだ。

    単なる渋滞の一コマを描いたものかと思っていたら、数日経過し、さらに季節までも変わっていく中で、とんでもない不条理の世界に滑り込んでいたことが明らかになる。

    日常と地続きだから、「不条理」。

    その不条理な先に見えたのは、人間特有の社会性から生まれた、人間的な「コミュニティ」。

    見ていて感じたのは、どこか三丁目の夕日的な下町世界だ。
    とても日本的だと思ったのだが、元はラテンアメリカの作家による、フランスが舞台の短編小説。
    しかし、小説のパーツをすべて日本的な要素にうまく入れ換えたり、追加したことで、とても身近な物語となってきた。

    さらに、WSから作り上げた作品だということが、その度合いを高める。
    役者たちも、日本的なパーツの中で動きやすかったのかもしれないし、観客も受け取りやすくなっていた。
    だから、原作のコミュニティとは、どこか有り様が違っている。

    日本人の役者の頭と身体から生まれた「コミュニティ」だからだ。
    WSの意味がここにあったのだろう。

    「不条理な世界」に入り込んだときに、人はどうするのだろうか。
    身体を寄せ合い助け合うのだろうか。

    「日本人の役者たち」にとっては、「3.11以降」にあるので、「(不条理に対して)どのように振る舞うのか」がWSで問われ、「そうすることが当然」であるという考えに帰結するのは当然なのかもしれない。
    意識、する、しない、にかかわらず、そう身体が、心が動いてしまうのだろう。
    「不条理」な状況からの助け合い、「戦友」的な意識が生まれ、コミュニティが出現する。

    その姿を観客は、やはり3.11以降の記憶の中で観ることで、安堵するのかもしれない。
    「人と人は助け合う美しい姿」を。

    コミュニティの姿が美しいとするのは、美術でも表現されていた。
    物語の進行とともに、真っ黒な床面から虹色の絵が描かれていく。
    人々の関係が深まっていくことを、祝福しているような明るい色彩の絵だ。
    しかし、ラストにそれらは、何もなかったように車の轍の下になっていく。

    コミュニティで「内」をつくることは「外」も作り出してしまう。
    他のコミュニティとの関係が対立的になったり、協調したり。
    また、コミュニティの中の「外」も生み出してしまう。

    舞台の上では、一人儲けようとした若者が、「罰」を受けるというわかりやすい形で表現されていた。コミュニティに馴染めない老人は自ら去っていく。

    原作でも人と人がかかわっていく姿が見えているのだが、「自分の居場所を確保する」という意味において、近くにいる人との関係を明らかにしていきたい、という欲求が働くからではないだろうか。
    社会性とでもいうか、集団の中で協調し、また、その集団の中で認められたいという欲求がなせる、人間的な業ではないか。
    人間ならではの感覚。

    つまり、この物語は、「人が助け合うことは美しい」とか「人々が協力して困難に立ち向かった」とか、ということを描いたのではなく、「人は社会的な生き物である」ということを描いたのではないか、と思うのだ。日本的な要素がそれをうまくオブラートに包んだとも言える。
    ひょっとしたら、それは身も蓋もないことになってしまうのかもしれないが、それは、ラストに示される。

    必要に迫られてつくられたコミュニティだから、それは概ね、こんなふうに生まれて、こんな風に消えていく。
    必要がなくなったときに、つまり、「元の自分の居場所に帰っていくとき」には、この促成のコミュニティにおける自分の居場所は不要になるのだから。

    役者はみんなうまかったなぁ。年齢・性別・性格の違いがくっきりとしてくる。「この人はどういう人なのだろう」という興味を引く。

    そういや、客いじり的(と言っても(「見ませんでしたか?」とか聞く程度だけど)なのもあってちょっと楽しかった。
  • 満足度★★★★

    大満足秀作でした。[リピートを一考!]
    謎めいたミニ役の“真木よう子さん”少し低めの声が良く通りやっぱカッコ良かったです。&作品も大満足・・未だいろいろと考えさせられ続けている・・秀作でした。“梅沢さん”、“小林さん”もシブく、13名の配役も+“お子ちゃま”の起用も絶妙で、其々の役柄に共感を持ちながら観る事が出来た不思議なお芝居でした。[☆4.4]
    パンフはまさかの「袋とじ」、&お髭のおじさんが販売(けっして如何わしくはありません)・・思わず笑ってしましましたが、価格が良心的であった為、帰り際に一応ゲット。三茶で前々回の“サド侯爵婦人”or前回の“東京ボードビル”拝観の時と同じく今回も会場で“篠山紀信さん”をお見かけし、・・偶然にも帰ってTVをつけたら御子息“篠山輝信さん”が映っていました(池上彰さんの特番)・・“W篠山”。同じ偶然であれば“シンシアさん”の方が・・。

    ネタバレBOX

    ◇半年以上も高速道路の大渋滞が続き、・・パリというよりUSAぽい感じ、・・ローソン配送トラック商品無償提供等々のくだりで日本的要素も?“幻想世界“で全てを納得させ拝観。
    ◇出だしは、デリカ組の”“バカップル安藤さん+裵さん”(=後に社会適用化・更生)の大音響カーステレオ音にイラつきましたが(演出の狙い通り)、・・一時の出来事と思いつつも約束事不履行(仕事に穴を開ける等)故、苛立ち、諦め、開き直り・・、トイレ確保から・・サバイバル必要最低限の・・「住」は車中、「食」、「衣」の確保は・・。
    ◇カラフルな傘で車体を表し、傘を少し傾けドアの開閉を、クラクションは傘並びに握り拳で床を叩き鳴らしての表現。子供が書いた(高速道路)路上の絵、てふてふを目で追い、蟻と蜘蛛を観察、トランプに興じ花火に見とれクリスマスを祝う・・。連帯感が生まれ独立したコミュニティが出来、生活観溢れる舞台に変貌・・そして芽吹きも。<エピロ^グ>・・不意に渋滞が解消され、定着した日常が突然終わってしまい各自又、遮眼帯をかけられたかの様に元の居場所へ戻って行く・・、あのカップルは?
    ◇メンタルケアを含め人間模様の描写も面白く、其々の役柄に共感を持ちながら観る事が出来、チョッピリ“無くした時計と、消えた老人”ミステリアスさもあった不思議なお芝居でした。
  • 満足度★★★★★

    今年一番
    劇場に入ると、円形型のスタイルで、それに舞台と客席が段差ない席で、すごく新鮮。段差のある席も上から俯瞰してみれるので、それはそれで、この南部高速道路だからこその人の動きを俯瞰して見れる面白さがあるように思います。

    あと、季節がわかるときに空調も変わった感じがしたので、少しはおるものがあると寒くなくていいと思います。

    ネタバレBOX

    物語は高速が渋滞するところから始まりますが、その渋滞中に、ひとつのコミュニティがうまれ、いらいらと不安と、のどの渇きや空腹などを共有していくことで、仲間意識や連帯感のようなものが作られていく。

    それぞれがそれぞれの役割を果たし、助け合って生きていく、非日常のようで、どっぷり日常的な世界がある。そして季節も移ろいで行き、その空間が心地よくも感じるようになっていく。

    やがて渋滞は解消され、スピードがあがり、さっきまであんなに仲間意識のあった人たちとの繋がりも、急速に薄れていく。自分のスピードに精いっぱいで、誰が誰かわからなくなっていく。

    なんだか渋滞中のほうが楽しいのではないか。嬉しかったんじゃないか。

    早いこと効率のいいことは得なようで、つまらないことかもしれない。そんなことを感じました。原作は読んでませんが、読んでみたくなりました。

    季節の移り変わり、花火の演出、傘の使い方、子供の出現、クリスマスのダンス、誰かの行為にみんな乗っかるとこ、面白いシーンも多々あり、飽きない、複数回見たくなるお芝居で、僕の中で今年一番のクオリティでした。

    演者さんは、江口のりこさん、赤堀雅秋さん、加藤敬さん、黒沢あすかさんが、個人的によかったです。真木よう子さんも、全体の中になじんでいる場面と、そうでない場面があり、それは長塚さんの狙いなのかもしれませんが、渋滞、つまり時を止める感じを出しているのかなと深読みかもしれませんが、そう感じました。時計をなくして、時計がみつかるのも真木さんでしたしね。
    調和しすぎると、単調になるので、個人的には真木さんがスパイスでした。
  • 満足度★★★★

    迷い込む
    どこ行ってたのか分かんないけど、ちょっと旅してきたって感じだね(笑)
    と優作の真似をしてみる。
    不条理さがちょうどいい。舞台をうまく日本に置き換えていたと思う。
    役者は赤堀雅秋がよかった。
    梶原善太ったなぁ。

    ネタバレBOX

    唐突な達郎とか、音楽の使い方が印象に残った。
  • 満足度★★★★

    日常から非日常へのシームレスな移行
    車を運転していたらよく遭遇する渋滞の風景からシームレスに非日常へと移行していく様子に感心した。「非日常」も受け入れれば日常になる、ってことを言われているようで、それは「震災後」の日本の姿のようにも思えたりした。
    達者な役者さんが多く出演し安心して観ていられる中、真木よう子さんの演技だけがどうもぎこちなく、彼女のシーンになると全体の流れがノッキングを起こしたように感じられた。一部声も聞き取り辛いところがあった。
    今年上半期に観た中でも素晴らしい出来の芝居だっただけに、そこが残念でした。

  • 満足度★★★★★

    終わりがなさそうな渋滞
    原作は読んだことないが、劇として完成度が高いと思われる。日曜の午後の高速の上りの渋滞で足止めというよくある光景からカフカ的、と言うか日本のスノビズム的な不条理の境界線にいたる。

    ネタバレBOX

    ツイッターでビューティフル・ドリーマーを想起したという人がちらほらいたので、何か壮大なSF的虚構で収拾されるのかと思っていたら、そんなことはなかった。

    渋滞にはまって一晩すごすぐらいならありそうだが、季節が変わってくるあたりで急激に不条理な世界に見えてくる。
    何で渋滞にはまったままでいるのかという問いは中にいる限り起きて来ない。カフカの門の前で待ち続けてしまう人々の日常からは非常時が締め出されている。そういう日本のスノビズムの姿が現出。
  • 満足度★★★★

    すごくスリリング!
    役者さんが何をやっていても、どこを見ても面白かったです。私は間近の席でラッキーだったかも。原作の文庫本もパンフも購入。

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