南部高速道路 公演情報 世田谷パブリックシアター「南部高速道路」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    今年一番
    劇場に入ると、円形型のスタイルで、それに舞台と客席が段差ない席で、すごく新鮮。段差のある席も上から俯瞰してみれるので、それはそれで、この南部高速道路だからこその人の動きを俯瞰して見れる面白さがあるように思います。

    あと、季節がわかるときに空調も変わった感じがしたので、少しはおるものがあると寒くなくていいと思います。

    ネタバレBOX

    物語は高速が渋滞するところから始まりますが、その渋滞中に、ひとつのコミュニティがうまれ、いらいらと不安と、のどの渇きや空腹などを共有していくことで、仲間意識や連帯感のようなものが作られていく。

    それぞれがそれぞれの役割を果たし、助け合って生きていく、非日常のようで、どっぷり日常的な世界がある。そして季節も移ろいで行き、その空間が心地よくも感じるようになっていく。

    やがて渋滞は解消され、スピードがあがり、さっきまであんなに仲間意識のあった人たちとの繋がりも、急速に薄れていく。自分のスピードに精いっぱいで、誰が誰かわからなくなっていく。

    なんだか渋滞中のほうが楽しいのではないか。嬉しかったんじゃないか。

    早いこと効率のいいことは得なようで、つまらないことかもしれない。そんなことを感じました。原作は読んでませんが、読んでみたくなりました。

    季節の移り変わり、花火の演出、傘の使い方、子供の出現、クリスマスのダンス、誰かの行為にみんな乗っかるとこ、面白いシーンも多々あり、飽きない、複数回見たくなるお芝居で、僕の中で今年一番のクオリティでした。

    演者さんは、江口のりこさん、赤堀雅秋さん、加藤敬さん、黒沢あすかさんが、個人的によかったです。真木よう子さんも、全体の中になじんでいる場面と、そうでない場面があり、それは長塚さんの狙いなのかもしれませんが、渋滞、つまり時を止める感じを出しているのかなと深読みかもしれませんが、そう感じました。時計をなくして、時計がみつかるのも真木さんでしたしね。
    調和しすぎると、単調になるので、個人的には真木さんがスパイスでした。

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    2012/06/17 03:54

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