「ザ・シェルター」「寿歌」2本立て公演 公演情報 「ザ・シェルター」「寿歌」2本立て公演」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★

    加藤健一の強さは絶対的であることを見せつけた
    片や核シェルター、片や核ミサイルの飛び交う世界という、イミ深な2本立て。
    力ずくで2本を繋げ、力ずくで面白くしてくる。あとの3人の役者もとてもいい。

  • 満足度★★★★

    余韻残る最終景。
    本公演は2本立てですが、核戦争の前後のような感じでつながりを持っています。この2本の微妙なつながりを、本公演ではキャストのつながりとして、また小道具の「赤い傘」をモチーフにして描いていた。
    「ザ・シェルター」は、核戦争に備えるための家庭用シェルターの製品テストで、社員の家族がシェルターの中に閉じ込められてしまう物語。シェルターの中に閉じ込められる境遇に陥って、なぜか「台風」の話で盛り上がってしまう。
    台風って日本に住んでいる人は皆持っている災害体験。でも深刻な被害だけでなく、気分が高揚する感じとか、安全な場所(家)から、荒れ狂う外界を観る密かな喜びだとか、そういう共通した既視感が面白かった。
    台詞にもあったけど、家族でシェルターに入るとしたら、やはり台風の話をするんじゃないかって。
    2本目の「寿歌」は、核戦争により人類が殆ど消滅した世界を描いており、まさに「生き残った」世界そのもの。そう、シェルターに入るとは、「そのあと」への想像力が必要なのだと。
    最終場面の雪(核の灰らしい)が降りしきるなか、地球丸と名づけられたリヤカーを引く男女二人の姿が明るく印象的。不思議な希望感。

    今回は小松和重さん出演の楽しみもあって伺ったが、予想に違わぬ活躍ぶり。
    ザ・シェルターのシェルター製造会社のサラリーマン役も、寿歌のキリストを髣髴させるヤスオ役も奇妙に重なりながら、小松さん独特のキャラクターが生きていて面白かった。

  • 満足度★★★

    占部房子さん
    目当てで観劇。
    両方の作品ともメッセージがあって味わい深い作品。
    「ザ・シェルター」の方が好みかな?

  • 満足度★★★

    面白かったのですが…。
    いつもながら加藤健一さんんの説得力ある演技は素晴らしかったです。



    ネタバレBOX

    「ザ・シェルター」は閉所に閉じ込められた或る家族のはなしですが、なぜ核シェルターじゃなきゃダメなの?とか、コンピューターって補助の電源ぐらいあるでしょ?とか、携帯とか無線とか有線の電話とかとにかく連絡をとれる手段ぐらい考えて作られてるはずでしょ?とか、いろいろと些末なことが気になって、家族の会話に集中しずらかったです。古い脚本の再演ということなので、そのあたりは仕方ないのかもしれませんが、今を生きる私たちが観ても違和感のないように演出してくれていたら、もっと観やすかったと思います。「寿歌」でも言えることですが、当時の脚本をそのまま再演するということの意味がわかりずらく、311以降の演目として、もうすこし敏感に世の中の空気を感じて選ばれた演目であることを期待していたので、すこし残念でした。
    あちこちとても面白かったですし、加藤健一さんの間合いにはいっぱい笑わせてもらったのですが。

    「寿歌」については、ただただ生きている、というか死んでいる、というか、目的があろうがなかろうが、どこかへ行くしかないから歩くしかない、みたいな、前へ進む、それだけ、といったあたりが、時代の空気感とか些末なこと、大きな出来事をも超えて普遍的なんだと思えて面白かったです。
    生きながらにして死んでいる人たち、死んでいることに気づけないままに彷徨う人たち、そういう人たちのどこへともなく進む姿を、ただリヤカーを引いて歩くことで、それ以上でもそれ以下でもないものとして表現しているあたり、面白いとおもえたのです。
    ほんとうに大変なときに人はああいうふうになるのだろうな、と。悲壮感なく歩く人の姿にリアリティを感じました。

    2本とも面白かったのですが、もうすこし踏み込んだ内容であって欲しかったというか、古い脚本の再演もいいのですが、今だからこそ、といったものを舞台の上から投げかけて欲しかったと思うのは、期待のしすぎでしょうか。

    という上記感想に、「寿歌」は「市民の安全な生活が崩壊した世界(現在)における役者や戯曲家の営為(観客が亡者だけなのにそれでも上演を続ける座長)という点で今再演すべきと考えたのではないかと」という指摘をいただいて、今「寿歌」が再演された意味をそういう視点から再考してみましたら、すっきりと腑に落ちた気がしました。
    ゲサクの生き様を演劇人、表現者としての在り方とみれば、なるほど、と思えます。表現者として今の世界へなにを発信できるのか、どういう姿勢で発信しつづけていくのか、ということなのだとおもいました。

    そういう視点から、今この「寿歌」を上演した意味を考えると、加藤健一さんの気概のようなものが感じられる演目であったのだと、今更ながらに理解できたのでした。

  • 満足度★★★★

    最終日観劇
    ザ・シェルター/切羽詰まった状況でロウソク灯し家族集まり話す様は奇しくも昨年の夜を思い出した。
    寿歌/シス版がポップスならカトケン版はノリの好い演歌っていう感じ。相変わらず小松さんは身体の動きが面白い。

    ネタバレBOX

    2作品に赤い傘差してレインコートを着た女性が絡む事なく登場したけど、あれを入れた事で作品の繋がりを見せたのかな。
    占部さんの小学2年生可愛かった。
  • 満足度★★★★

    初体験ですが
    北村想作品、初体験。

    「ザ・シェルター」は、一種、大人の寓話のような趣で、好感の持てる舞台でした。

    「寿歌」の方は、いろいろな作家の持ち味をないまぜにした感じで、イマイチ、私にはよく掴めない作品でした。

    とは言え、今回の2作品、共に、加藤さんの魅力満載で、加藤建一事務所の作品選びとしては、大成功だろうと感じました。

    ネタバレBOX

    ザ・シェルター」は、まず、キャスティングが絶妙。

    シェルターの製品テストで、家族に協力を仰ぎ、3日間、地下に篭る予定で、途中、原因不明の停電になり、コンピューターが作動せず、閉じ込められた中で、昔の台風体験が語られる場面は、その主題歌が、BJMで流れるから、余計に、「スタンドバイミー」の大人版といった趣でした。
    赤い傘が飛んでいくところは、「メリーポピンズ」を思い出します。

    つまり、観ている側にも、過去の記憶を呼び覚ます仕組みが組み込まれている雰囲気。だから、何となく、郷愁を感じ、大人の寓話のような芝居でした。

    何故か、突然、現状復帰して、それまで不安に駆られていた家族は、残るテストをやめて、日常に戻って行ける。

    でも、実際の、震災後の日本の現状では、こういう選択は不可能なわけで、より一層、寓話感を感じました。

    一方の「寿歌」は、別役さんとか唐さんとか、かつて観た不条理劇の様々なバリエーションが敷き詰めれた印象の作品。

    だから、自分的には、あまり目新しさも感じず、他のお客さんほどには、楽しめない部分の多い芝居でした。

    ただ、この芝居のゲサク役の加藤さんの佇まいは圧巻!それだけで、嬉しくなるような役作りでした。

    違った役どころを、どちらも好演されている小松さんは、役の雰囲気作りは申し分ないのですが、どうも早口になると、いつものことながら、滑舌の甘さが顕著になり、台詞が聞き取れない箇所が出るのが残念です。

    日下さん、占部さんは、共に、実力ある女優さんで、安定されていました。
  • 満足度★★★

    赤い傘とロザリオ
    作品的に「寿歌」の方が面白かった。

    ネタバレBOX

    「ザ・シェルター」
    家庭用核シェルターの実験中に原因不明の停電で脱出不可能に。そこでなされる会話劇。
    ちょっと掴めなかった。仲良き家族の思い出話にほっこりという感じ。赤い傘と風呂敷が印象的。
    おじいちゃん・センジューロー役の加藤健一もリーマン役の小松和重もその妻のサトコ役の日下由美も演技うまかった。娘のカノ役の占部房子はちょっと控えめな感じがした。

    「寿歌」
    核戦争後、旅芸人をしているゲサク(加藤健一)とキョウコ(占部房子)のコンビと、物を増やすことができるヤスオ(小松和重)の短い道中を描く。
    デタラメを地でいくふたりと、キリストの生まれ変わりのようなヤスオの会話が面白い。ロケットが飛び交う荒れ果てた世界のなかにあって、終始明るく前向きなふたりに降り積もる雪が美しい、奇跡の話だった。淫語を連発する占部が変な魅力に溢れる。

    どちらもエンターテイメントな雰囲気で楽しめる舞台だった。二つの舞台で登場した女(日下)の意味はわからんかった。
  • 満足度★★★★★

    良かった
    良かった

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