満足度★★★
大団円、ですね。
いつ観てもこちらの劇団の役者さんたちの動きの美しさには目を見張りますが、今回も本当に美しかったです。
淀君の生霊としての情念が鎮められることなく大団円を迎えたことには違和感を拭えませんでしたが、役者の方々の美しい演技には心の底から感動いたしました。
311から1年、どういう視点で何をどう語ろうとしているかのを見せていただきたいと思い、今回の舞台は観させていただきました。
社会や人の心の有り様の変化が著しい中での、虚構の世界の在り方というか、虚構の世界に生きる人々の心の有り様がどのような形で作品に描き出されているのだろう、と。
そんな視点からは、もう少し美しい絵空事としてではなく、いろいろな意味で切り込んでくれるともっと楽しめたと思います。
十二分に素敵な役者さんたちの演技に酔いしれたのですけれど。
次の本公演に期待したいと思います。
満足度★★★★★
黒沢映画のテイストもあり
時代劇ファンの私としてはとても楽しみに出かけた。
あの“毎日が死に近い”緊張感が好きだ。
印象に残る美しい衣装と立ち姿、効果的な音楽と映像美のような照明、
そして忘れ難いいくつもの台詞。
フライヤーのイメージ通りの美しさ。
黒沢映画のテイストも感じさせる素晴らしい舞台だった。
満足度★★★★★
いい言葉聞けました。
お芝居に行ってひとことふたこと心に残るいい言葉が聞ければそれでいいといつも思っていますが、今回はいくつか聞けて結構な収穫でした。
とてもスケールの大きさを感じさせる舞台で、見終わった時には三時間ほどのボリュームを感じたのですが実際は一時間四十五分ととてもコンパクトによくまとまった話でした。
良かったです、なにかと。
満足度★★★★
泣かせる科白
先ず、劇場が面白い。吉祥寺の駅から歩いて4~5分の距離だが、舞台のタッパが高く、当然のことながら、客席は、どこから見ても見やすい。演出家と劇場の法的な詰めは面倒だろうが、自由に空間を使えるなら、空間的には、非常に面白い作りになっている。ある意味、江戸時代の歌舞伎小屋の風情があるのだ。
こういう劇場で、時代劇というのが、良い。殺陣も中々こなれており、アクション面でも飽きさせない。更に、隋所に非常に本質的な科白が鏤められており、泣かせる。惜しむらくは、混迷の時代に翻弄される人々の無念と、現代を生きる我々の感じている不条理が、イマイチ連関を欠くことである。この劇団は、時代劇を演ずることが多いようだが、今後、現代とのリンクを、演目とどうビビッドに絡めて行けるかが、成功の鍵になろう。深入りせずに、エンターテインメントとして楽しむだけなら、充分に楽しめる。