満足度★★★★
『サンパウロ市民』「時代」そのものがくっきりと姿を現す
戦争は遠い出来事。
1939年サンパウロにある商家の1日を切り取り、植民地を支配する側の『ソウル市民』とは、また別の「植民」家族と時代を浮かび上がらせる。
満足度★★★★★
『ソウル市民1919』 1919年には何が起こったのか?
この作品は、とても優れたコメディである。
…と言っていいかな…。
と同時に、「笑い」の向こう側(家の外)では何起こっているのか、を知っている観客たちに「考える」機会を与えてくれる作品でもある。
満足度★★★★
ソウル市民観ました
土砂振りの中、靴もズボンもびしょぬれで、劇場に着きました。
日本の統治下にあるソウルでの、市井の日本人の日常が静かに描かれていました。世の中が大きなうねりリはじめている社会で、日本人のアイデンティティがどのような変化を受け、また現地の人々との交流を通して、日本人の姿を明らかにされていました。
平田さんの脚本・演出は文句のつけようがありません。また役者さんも力のある方々ばかりで、すばらしい作品でした
満足度★★★★★
『ソウル市民』
ソウル市民5部作の1作目。
家族の物語であり、歴史が主人公でもある。
逆に歴史の物語であり、家族を含む日本人の物語でもある。
台詞の重なり方が見事で、エレガントですらある。
この作品は、ずっと後世にも残っていく作品になるであろう。
満足度★★★★★
恋愛二重奏、観劇
もう見る前から、前3作見てきて「篠崎家」の歴史はこの作品で終わってしまう、って思って観てしまったので見る前も後も寂しい。素晴らしいものを見せてもらった、なにしろ壮大な一家の一代史だ。何しろ重い時代を生きている。特に4作目の今作は、重たい空気を感じた。恋愛で浮かれた空気も、僕はあまり感じませんでした。個々の作品は独立しているものの、今作から見始めると「ソウル市民5部作」への印象も変わるのかな、ってくらい雰囲気が違う。重たい。だから、出来れば別の作品から観て、見比べた方が楽しいのかなって思いました。観劇から一週間掛かって、尚うまく思いがまとまらないです。圧倒。
満足度★★★★★
昭和望郷編、観劇
「ソウル市民」「1919」に続いて3作目の本作見てみて、改めて現代口語演劇と「ソウル市民」の持つ史実の相性は良いなと感じる。でも、自分の知識の足りなさから「圧倒された」としか言えない語彙能力の浅さが悔しい。「ソウル市民」「1919」と比べると、重たい空気が増すのは時代性なのだろうか。その息苦しい空気さえも伝わってくる感じが魅力だ。「占領された韓国の人への「無関心」に加えて、日本人としての居心地の悪さが印象深い快作。
満足度★★★★
『ソウル市民1939・恋愛二重奏』
「ソウル市民・5部作」の4作目。
面白い。
が、広げすぎではないか。
つまり、「恋愛」のバックミュージックとしては、「1939年」は音が少々大きすぎたのではないか、ということ。
満足度★★
「サンパウロ市民」初日は芝居が緩かった
芝居のディテールを作り込むことができないまま、初日を迎えてしまったという印象でした。演出が行き渡っていないため、会話劇の密度が薄い。
戯曲も話が間延びしている感じで、役者がそれを補おうと、時に観客の笑いを取りに行くような大げさな演技に走ってしまったのが残念です。総じて、青年団の普段の本公演レベルに達していなかったです。
ホンはともかく、日にちが進むと演出・演技は改善する気がしました。あと、作品のモチーフは面白いと思うので、再演を期待したいと思います。
満足度★★★★
ソウル市民昭和望郷編
平田作品のすっとはじまりすっと終わるさりげなさが発揮され、タイムスリップのような違和感を感じずにその場に居合わせたような感覚におそわれた。
満足度★★★
ソウル市民1919
前日、「ソウル市民」を観た時は、現代口語演劇についていけず、消化不良に終わってしまいましたが、さすがに2日目ともなるとだいぶ現代口語演劇にも慣れてきて、とっても楽しめました。
なんだか、とても温かい気持ちになりました。
三・一独立運動という歴史的な出来事が起きているにもかかわらず、篠崎家では日常のどうでもいい滑稽な風景が繰り広げられていて、公式な歴史と対比することによって日常性ということが鮮明に描き出されていたと思う。
ただ、現代口語演劇に特有な同時多発的な会話風景を観ていると、演劇というよりテレビドラマを観ている気分になる。
演劇においてどのような形にリアリティを感じるかは人それぞれだが、現代口語演劇というのは演劇の手法としてはかなり特殊でリスクが大きいということは言えると思う。
満足度★★★★
ソウル市民1939・恋愛二重奏
最初のうちは演技のレベルが低い。兵藤公美、佐山和泉は良い。古屋隆太が出てきて満足。古屋は、水素74%といい、普通じゃない役やるとすごく良いね。戯曲が分かりやすい。歌あり。サービス過剰になるぎりぎり?まで色々やってくれる。おすすめ。
満足度★★★
ソウル市民昭和望郷編(工藤倫子汚名挽回)
「DAIKAIJU EIGA」に出演していた工藤倫子が、良い演技をしていた。作、演出が変わったとはいえ、短期間にこれだけ違うと、どっちが本当の工藤なのかと驚く。昭和望郷編自体は先の2作品より役者のレベルが明らかに低い。
満足度★★★★
ソウル市民1919
戯曲、演出、役者の演技、全て文句無し。
とてもレベルが高い。
おすすめ。
歌が入っていて楽しめる。
というか、すごく分かりやすい。
かなり笑えるし。
この平田戯曲なら、私にも全部分かる。
お客さんにすごくサービスしてくれる。
少し、やり過ぎな気がする。
また、大人数をすごく上手く活用している。
朝鮮人女中2人の歌は、すごく良い。
私が能島瑞穂ファンだからか、終盤、ちょっぴり感動してしまいました。
最後の歌に、登場人物たちと観客が、ちょっぴり浄化されるような気がした。
5作品とも、このレベルでいくのか。
平田オリザと青年団のすごさを認識した。
おそれいりました。
満足度★★★★★
「ソウル市民1919」
時間の感覚を忘れるほど見入る、現代口語演劇の魅力っっ。3・1独立運動の喧騒を余所に内輪で笑い合う、この間抜けさ。こうまで無関心でいられるものかと、呆れるほどずれている登場人物達の世界観。あまりにも平和ボケなブルジョアジー的な観点で起こる笑いに腹を抱えて笑う。そして見えないから、余計想像してしまう舞台外の風景、その歴史的瞬間、それを思うとやはりゾッとする。
5作品は独立してる、は本当にその通りで。5部作どれから観ても大丈夫そう。むしろ昨日観た「ソウル市民」と「1919」で同じ役者さんが違う役をやっていてちょっと混乱してしまった。でも作品を重ねる毎に「ソウル市民」の世界が広がっていく。残り3作品、予定は未定だが是非見たい。
満足度★★★★★
ソウル市民,、初日
教科書には決して載らない、市井の人達の営みをのぞきみる不思議な感触。歴史を動かすのは教科書に載る様な知名度の高い有名人ではなく、圧倒的多数の市民なのは自明の理で。当然史実があって作品が生まれる訳だけど。作品はあまりにも淡々と日常で、10代の頃学校で習った「日本は当時こんなひどい事をした」と比較するとあまりにも違う。でも違うからこそ、「悪意なき市民たちの罪」という視点で見るとゾッとする。人間は弱い、でも歴史に学び市井の力で同じ過ちを繰り返さないよう努力するんだ。アフタートークも刺激的。芸術の持つ力強さを実感っっ。解決しないことも含め、複線なのか、複線じゃないのか、その後の物語が気になるエピソード満載で、広がり続ける各人物の魅力もたまらないなぁ。明日も続けて行くぞ~。