わが星 公演情報 わが星」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-10件 / 10件中
  • 「わが星」
    今頃、アワード用ですm(__)m

    先に映像で観ていて、「絶対観たい」と思って心待ちにしていた作品。

    どうしても、震災後のいま自分が住んでいる「わが星」のことを想ってしまう部分もあって、本来の作品として純粋に観れているか・・・迷う部分もあります。

    「わが星」が、
    自分の住んでいる地球であったり、
    憧憬のシンボルだったり。

    等身大の自分の世界と、
    広大で深遠な宇宙とを描いているのに、
    違和感なく世界に入り込める。

    長く生きれば生きるほど、
    人との死に別れを経験する回数が増えるのだけど、
    長く生きれば生きるほど、
    長く一緒にいた人と別れることになるんですよね。

    お姉さんとのシーンは、思い出したら、泣きそうになります。

    ただ、舞台が円形のほうが、
    より世界に入り込めたんじゃないかとは思います。

    ネタバレBOX

    Happy Deathday To Me ♪

    生まれたときから、死にむかっているんだなぁと思います。
    口ロロの歌は、ずっと心に残ります。

    「拝啓」で始まるつきちゃんのシーンが、
    すっごい好きです。

    外から見守っている「少年」は、
    火の鳥未来編のマサトを思い出しました。
  • 満足度★★★★

    誕生礼賛、生命賛歌
    惑星の一生と、個人の一生、高度成長期あたりからの家族像の進展を、うまく重層化させた。
    宇宙物理の雄大さも取り入れて、観客をとてつもない遠くに連れていく。
    感動した。

    ネタバレBOX

    秒針やラップも、ストーリーを邪魔しない。
    邪魔しないというより、この作品の本質は、ミュージカルなんだという解釈も成立しうるとおもった。

    光速を超えるところや、月ちゃんとの再会のシーン、素直に良かった。

    礼賛や賛歌という言葉がぴったりのように思えた。

    自分は、地球を認識しうる生命体はない。と思っている。
    が、最後に死がまっているとしても、それを見守る他者が、他の惑星にきっといる。そのことに心を休んじていいのかもしれない。という立場には騙されたくなった。
  • 満足度★★★★

    むず痒い…
    DVDもリーディングも観ずにいきなりでした。
    迷っているとこを薦めてくれた人に感謝…

    素直に、いい作品だなぁ。と思いました。
    もっと知り合いを誘っていけばよかった…って、連日の満席でしたけど。

    ネタバレBOX

    ありがちな事だと思いますが、長く稽古や公演を続けていると「最終判断」をする人が大事になります。

    音楽と言葉のセッション・ラップ・惑星・いのち

    そういうテーマ(?)と聞いていたので、肝心な部分の「言葉」が「音」に遮られて聞き取れないことにストレスを感じました。

    個人的な趣味でいうと、「わたしたち」が「ちーちゃん」の中で燃えている時に音楽がMAXで時間が刻まれていたなら、もっと素直に泣けたカナと。
    (客席を円形にしなかったのは、ここの照明を360度にするのが難しいから?それともわざと?なんとなく、わたしたち(観客)も、物語の一部なのであれば円形でもいいんじゃ…と思ったので。)

    他の渦状星雲からやってきた(?)少年とちーちゃんの、わずかな時間の出逢いと別れにもっと感動出来ただろうな。

    気持ちよく、ディラックの海に、沈む事ができただろうな。

    思いました。

    ところで
    カイメイ って言ってたと思うんですが メイカイ に変えなかったのは語感?
    解明・晦冥… 明快・冥界…
    謎。聞き間違い?
  • どこまでも明るく、軽やかに
    ラップのリズムに乗って、生まれる喜びと消えゆくさみしさを同等に、からりと謳いあげていた。どこにでもありそうな少女とその家族の日常を、壮大な宇宙の物語に重ねて、気が遠くなるほどの時間と距離を、引きのばして、縮めて、目の前の手の届く距離に収めて見せてくれた。

    ネタバレBOX

    ずっと遠くから見つめ続けていた少年が、間に合わないかもしれないと知りつつも、彼女に向かって走り出す場面が素敵だった。自転車に乗って、光の速さで、その場所を目指す。そのまっすぐさは、この芝居の全編にあふれていて、見ていて気持ちがよかった。
  • 満足度★★★★

    生の謳歌を感じた
    『わが星』は3回観たことになる。映像・リーディング・そして今回。
    当然といえば当然だが、今回が一番良かった。

    誰もが郷愁を感じ、思い出すことができる「我が家の明かり」というキーワード、長い時間と空間を超え最後の瞬間にだけ会える少年と少女。
    多くのキーワードが観る者たちをそれぞれの思いに駆り立てる装置が出来ていて上手い。

    ラップによるセリフ回しでテンポよく聞けるというのもある。

    前方からの演出はなされいたものの、今回は円形ではなく、箱型の舞台だっため、座った位置により観やすさに不公平感はあったように思う。

    ネタバレBOX

    映像で観たときの、「下手な役者がやっても大丈夫」という評価は変わらないものの、生ではそれを感じさせることすらなかった。
  • 満足度★★★★★

    First Contact:Boy meets Girl Version
     初演バージョンのDVD、昨年の北九州芸術劇場リーディング公演、そして今回の本公演と、都合三度目の『わが星』観劇体験になるが、やはり今回が最も胸に響く。
     「観客もまた劇場においては空間を構成する俳優の一人だ」とはよく言われることだ。具体的に我々が何か演技をするわけではないが、その演劇空間に身を置いているうちに、我々はいつの間にか感情を揺さぶられ、心は浮遊し、そこにあるべき何かの役割を与えられている。
     『わが星』において、我々はいったいどんな「役」を振られていたか。気がつけばめまぐるしく翻弄された我々の心は、ある時は「ちーちゃん」の中の小さな人類の一人となっている。またある時は「ちーちゃん」自身に、そして「ちーちゃん」を見守る「家族」に、あるいは「先生」になっている。そして。
     彼らへの感情移入が、我々自身を「彼らそのもの」にさせている。実際、柴幸男は、「全ての登場人物に感情移入させる」というとんでもない演出を試みているのだ。それが可能になるのは、我々の卑近な「日常」の視点と、我々を俯瞰する「宇宙」の視点とが、常に二重写しの関係となって我々に提示されているからに他ならない。
     αとωの邂逅が、恋の始まりと終わりとに重ね合わされる。ノスタルジーを我々が感じるのも無理はない。これは新世紀の『時をかける少女』の物語なのだ。

    ネタバレBOX

     パンフレットの解説で、扇田昭彦は、『わが星』の着想がソーントン・ワイルダー『わが町』から取られていることを指摘している。日常と町の歴史との二重写しの手法は確かに『わが町』から取られたものだろう。岸田國士戯曲賞の選考で、鴻上尚史は「『わが星』の面白さは『わが町』の面白さではないのか」と疑義を呈して受賞に反対した。
     しかし、『わが星』は決して『わが町』そのままではない。単に舞台を宇宙に移しただけのものではない。むしろ「宇宙」をクロニクルとして描くことが主題としてあって、二重写しはそのための手段に過ぎないと私には思われた。
     そして、その発想の中心にはレイ・ブラッドベリ『火星年代記』があるのではないかと想像していたのだが、同じくパンフレットのインタビューで、柴幸男自身からそのタイトルが口に出されたのを読んで、やはり『わが星』の叙情性は、ブラッドベリの直系の子孫であったがためのものだったのだと納得した。

     そう改めて確信して本作を見返してみると、他にも「それらしい」SF作品のガジェットが至る所に見られる。
     「恐竜」のエピソードは同じブラッドベリの『霧笛』や星新一『午後の恐竜』を連想させるし、「そのまたお母さんのお母さんの……」と遡った末に、ギャグで落とすのは、まるでラファティ『九百人のお祖母さん』だ。
     同じ時間を繰り返す「ループSF」の作品を挙げていけばきりがない。近年では映画『恋はデジャブ』が、ニーチェの永劫回帰の思想を映像化した傑作として高評価を受けている。
     時間を巻き戻して、死んだ人間を生き返らせるのもタイムトラベルものの定番だ。成功する例は映画『スーパーマン』の、あの「地球の自転逆回転巻き戻し」というトンデモな手がある。自転と公転の違いはあるが「地球の回転を逆回し」という点では本作に最も近いのはこの映画だ。
     いずれも過去のSF作品のアイデアにインスパイアされたことは確実で、間違っても輪廻とか業とか、そんなオカルティズムが入り込む余地はないのである。柴幸男は紛れもなく「科学の子」だ。

     しかし、柴幸男がこれらのSF作品をどれだけ読んで(観て)いるのか、本当のところは分からない。いや、しかし、読んでいなくてもそれはいっこうに構わないのだ。賞賛すべきなのは、これらの作品に横溢しているSFマインド――センス・オブ・ワンダーを、柴幸男が単なる模倣ではなく、自らの血肉とし、縦横無尽に組み合わせて、まさしく一つの「セカイ」を構築しているという事実なのだ。
     そしてSF最大のモチーフとしてある「ファースト・コンタクト」。それを彼はラストに持ってきた。

     「ちーちゃん」が「地球」であることは論を俟たない。「地球の擬人化」が、ちょっとませてはいるがやはり幼くわがままでやんちゃな「少女」であるとは何とも可笑しい。彼女のその性格は彼女が「死ぬまで」変わらない。彼女には「進歩」とか「成熟」というものがない。そう言われてみると、この地球は氷河期と間氷期を繰り返しているだけの、学習障碍を起こしている困った子どものように見えてくる。
     地球に対する「母なる大地」という一般的なイメージがカケラも無いのはなかなか皮肉が効いている。我々人類はきまぐれな幼い少女に抱かれているのだ。自然災害も含めて、様々な点で、我々が地球に翻弄されてしまうのも無理はない。
     そして彼女が彼女の「日常」を描き、思い出を語り始める時、彼女は地球であると同時に「我々自身」にもなる。

     では、彼女を百億年見続けてきた、「家族」と「先生」と、そして「彼(もう一人の『先生』)」は誰なのだろうか。無理にどこかの惑星や恒星を当てはめる必要はない。地球の誕生は謎に包まれている。産んだのは誰か、それは分からない。分からないけれども、地球がここにこうしてある以上は、その「奇跡」を産み出した彼ら「家族」は、間違いなく「どこかに」存在しているはずなのだ。
     そして「彼」もまた百億年、「ちーちゃん」を見続けてきた。そして「会いたい」と思ってくれた。「彼」が言葉には出さないが「ちーちゃん」に一番伝えたいと思ったのはこの言葉だろう。「We are not alone.」。『未知との遭遇』の、あの台詞である。
     谷川俊太郎がかつて詩にした『二十億光年の孤独』の中に、我々人類は、地球はいる。その孤独は、光速を越えてやって来てくれた者にしか癒せない。我々の地球は、他の星々とはあまりにも遠くて遙かな、闇の中のほんのわずかな光点に過ぎない。
     しかし我々は空を見上げることを忘れない。「ちーちゃん」は、そこにいつか出会える「友」がいることを信じている。「月ちゃん」が離れていっても、その「友」がいつか必ず来てくれることを信じている。「彼」が誰であるかを答える必要はないだろう。名前などはどうでもいい。「彼」は、我々が求めていた、我々を「超える」存在である。
     だから、私たちもまた、「もう一つの地球」のために、時を、光を超えて、彼女に会いに行くことができるはずだ。そしてこう言ってあげられる。「こんにちは」そして「おやすみ」と。

     「わが星」とは「我々の住む星」という意味だけではない。
     「彼」が、「先生」が言っていたではないか。「これは『ボクの星』だ」と。「君は、ボクのものだ」。そう言ってくれる相手に、「ちーちゃん」は、最後の最後でようやく出会えたのだ。
     これは「宇宙」の「初恋」の物語である。

     生きよう。力強く。みんな、重なりあって。
  • 満足度★★★★

    余韻にひたる
    やはり良かった。脚本も舞台装置も演技も。
    初めて青年団を見たときはなんとも熱のない、さらーっとした感じを
    受けたのだけど、この作品は熱を感じた。登場人物8名のうち半数以上が
    20代ではないかと思われる。
    地球の一生に比べれば、私らの一生のなんと短いことか。
    感想に思わず、小さな悩みがばかばかしく思えた、と書いてしまったのが
    素直な私の感想である。

  • 満足度★★★★★

    出色の舞台
    このところ観た若手演劇人の舞台では、群を抜いている。
    思想的な深み重みある内容を、軽やかに描ききって、翔んだ。

    詳細な感想は、次に書いています。
    http://f-e-now.ciao.jp/20110511.html

  • 満足度★★★★★

    半年待った甲斐が
    昨年11月に行われたリーディングセッションで
    「わが星」という作品に初めて触れて、とても心地よかった
    ラップ部分はいわゆる通常の歌に比べ、数多くの言葉が詰め込まれていることもあり、聞き逃した部分も多く、戯曲も読ませていただいた。
    今回の本公演(という書き方はRSに失礼だけど)も楽しみにしていた。
    開演時間を1時間間違えており、危うく見逃すところだったが、何かに導かれたのか、観る必要があったということなのか?とにかく観ることが出来てよかったと思える作品だった。この作品に関わった全ての方に感謝したい。
    いわき公演が中止になったことは非常に残念。

    ネタバレBOX

    ※キャストの皆さんは私が描いていたイメージに近かった。永井さんは「IRON」以来6年ぶりに拝見。凛としたコーチ役から見事なお父さんっぷり。最初、永井さんばかりに目が行ってしまいました。役者さんってすごいなぁ、と毎度いろんな方見て思います。
    ※引っ越しして惑星を並べる場面、出演者をあんな風に運ぶとはw。やはり本公演ならでは。という思い。あとミラーボールのシーンも実に感動的でした。
    ※ラップ部分は確かにセリフとしては、聞きづらかったことは否めません。特に回転しながらだから物理的に遠くに行ったり、背を向けたりになるからなおさらで。DVDでは下に歌詞とか出るんですかね?
    ※死ぬことは恐ろしいことでも、悲しいことでもないですな。必ず、いつか「ある」ものなんだから、てなことを作品終盤に思ってました。
    ※ロビーに出ると口口口の三浦さんが物販を!むき卵みたいなツルンとした横顔が印象的。触りたくなる衝動が・・・。
  • 満足度★★★

    照明、音響
    音楽の活用は意識されていたと思う。
    役者さんが客席にくる意味がよくわからない。
    観客みんなが星ということだろうか。
    音楽に合わせてのセリフ回しと動き、頑張っておられました。

    ネタバレBOX

    オープニングのワークショップの延長みたいな内容が延々続くのかと一瞬思ってしまったが、ふっうになって良かった。
    声も聞き取りづらくつらかったので。
    ただ、お芝居になっても、てんどん的な部分は厚みを感じなかった。

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