満足度★★★★★
帰って、「ナルニア国物語-魔術師のおい」を読みました。
大好きな加藤健一事務所、前回の「高き彼物」から日を置かず、もうこんな作品を作り上げるとは、さすがです。子供のころ夢中で読んだ「ナルニア国物語」の作者、C・S・ルイスにこんな話があったなんて!帰宅してすぐに「ナルニア国物語-魔術師のおい」を読みました。なんだかお話の背後を感じて、切なくなりました。 装置もとてもすばらしく、鵜山さんの演出がとても生きていたと思いました。加藤さん、春風さんもとても良かったのですが、斎藤晴彦さん、新井康弘さん、少年役の石田麻織恵さんがとても良かったと思います。特に斎藤さんを舞台で拝見するのは、私は30年ぶりくらいで(黒テントの「夜と夜の夜」以来)とても印象深いよいお芝居をされていると思いました。
満足度★★★★
愛と痛み、そして神
セットの色調もあるが、重厚でしっとりとした舞台だった。
やはり舞台に引き込まれてしまった。
途中の休憩で、ふーっと息をついた感じがある。
休憩があってよかったと思った。
それぐらいの深さの中に、私もいたような気がする。
ロビーに主人公ジャックことC・S・ルイスの書いた物語のあらすじが貼り出してあるのだが、これを読んでおくと、舞台の内容がもう少しわかるところもあると思う。
満足度★★★★
静かな純愛物語。「この世は影にすぎない」宗教だけでなく様々な偏見も描かれる。
本年初観劇は、これ!
『永遠の愛に生きて』という邦題の映画にもなった、
「ナルニア国物語」の作者C・S・ルイスの最初で最後の恋の物語。
中年の純粋な恋愛物語に泣きましたが、そのベースには、
C・S・ルイスとイギリス国民の宗教観が大きく横たわっています。
それだけではなく、 離婚歴があるユダヤ系アメリカ人であるジョイや、
女性の自立に配する偏見も描かれていて、深い。
加藤さん、春風さんも自然で良かったのですが、
他には、特に本当に穏やかで静かな斎藤晴彦さん、
偏屈さがよく出ていた新井康弘さん、そして
意外と重要な役回りの少年役の石田麻織恵さんが印象的でした。
満足度★★★★★
新年、観劇初め。素敵な滑り出し。
2010年、観劇初めに素敵なお芝居を観劇できました。
加藤健一事務所得意の感動的で心がほっこりする翻訳劇でした。
満足度★★★★★
静謐な愛の物語
思った通り、春風ひとみさんの出演が、この作品を成功作に導いていました。
春風さんが、舞台に登場した途端、舞台が波打ち、みるみる気持ちが引き込まれて行くのがわかり、二人が心を通い合わせて行く気持ちに寄り添いながら、最後まで、見守ることができました。
日本人では、なかなか口にしないようなストレートな愛情表現も、加藤さんと春風さんの口から発せられると、なんの違和感もなく、素直に感情移入できて、清々しい気持ちになりました。
取り立てて、センセイショナルな物語進行ではないので、春風さんでなく、演出が鵜山さんでなければ、これ程、感動的な舞台に形成するのは、難しい題材だったかもしれません。
それに、ストーリーに重要な役どころの子役さんが、本当にいい演技をされて、お二人の名演に水を注さなかったのが、救いでした。
主人公の、神に対する思いが、彼女との関係を通して、微妙に変化して行く様子も、静かな流れの中で丁寧に描かれ、主人公の思いを、観客が追体験できるような上質な舞台でした。
若かりし頃、ズートルビの一員として、バラエティタレントだった新井さんが、中年になって、得がたい役者さんになられたことも、感慨深く拝見しました。
「ナルニア国物語」、読んでみたくなりました。