僕らの声の届かない場所 公演情報 僕らの声の届かない場所」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-15件 / 15件中
  • 満足度★★★★

    物語と場所がマッチ
    空想組曲で上演された「僕らの声の届かない場所」を大幅改定し、詩森さん演出により上演。
    ただオイラは元の「僕らの声の届かない場所」は観てないので、どこが大幅改定かはわかりません(笑)

    いい本でいい役者揃っていて、そしてさらに上演された場所が物語にマッチしており、非常によい舞台でした。

    ネタバレBOX

    若手画家を演じた役者さんもそれぞれが演じる画家をモノに出来ていたように感じられましたし、清水穂奈美演じる「みどり」ちゃんもいいスパイスとして作用してました。

    やだ、やはり1番は茜を演じた「ハマカワフミエ」さんでしょう。
    今までは割といっちゃってると言うか、ちょっと危なそうな役(^^;;を見る事が多かったですが、こんな柔らかい表情をする役を初めて見させて頂きましたし、ビックリさせられました。
    最初にこの柔らかい表情を見せられて時は、ドキッとしちゃいました。

    しかも、最初の場面がまたラストにあるのですが、観てるお客さんは茜の病気の事を知っているので、演出家の意図か、天性のものなのか、表情が微妙に変化していたのが、さらにまたよかった。
    (オイラの目の錯覚かも知れませんが)
  • 満足度★★★★

    初演とは
    アフタートークではだいぶ変えたようにいっていたが、残っている記憶はそれほど変わらない印象ではあった。ハマカワといい初演の牛水といい美少女がいいな

  • 満足度★★★★

    芸術へのそれぞれ想いがより際立って
    08年夏の空想組曲によるオリジナル版と比べて人員的にも時間的にもコンパクト(後で聞いた話によると台本の頁数は増えたそうな)になり、しかも笑える部分が増えたことにより、芸術に対するそれぞれの想いがより際立った感じ?
    凝った装置のオリジナルに対してこちらは割とシンプルということも含めてその印象に既視感的なものがあったのは、コロブチカの『証明』とダルカラの『プルーフ』の時と似ていたからなのね…。
    でもって、その時にしても今回にしても、内容がより迫って来たように感じられたのは、演出の違いだけではなく1度観ていたからという要素も多分にあるワケなんだが…(笑)
    また、オリジナル版の自分のレビューを読むまで省略された部分に気付かなかったのは、改訂の巧さに加えてσ(^-^) の記憶能力の衰えによるものも少なからずあると思われ…(自爆)
    あと、劇中では「絵画に対する」想いや才能ではあるものの、内容的には芸術全般に拡大解釈できるワケで、演ずる側も身につまされたりするのかしら?などとも思ったり…(大きなお世話?(笑))
    いずれにしても、古典的な作品ではなく、こういった最近の作品を新たに仕立て上げるという企画も面白いので今後のトレンド(の1つ)になったらイイなぁ。

  • 満足度★★★

    観てきた!
    観ました。

  • エクレアが、わらび餅に。
    初演とはテイストが違っていましたね。空想組曲は洋菓子風味で、こちらは和菓子風味。個人的な好みはあろうとも、自分としてはそれぞれ腑に落ちた感じ。初演は夏に上演されて今回は冬だから質感を調整したのもあるのでしょう。実際のアトリエを選んだ為に劇場よりは閉塞された空間。上演時間を短縮したのは正しかったかと。
    普段よくやる路線とはちょっと違う役だったハマカワさん。それだけでも見ものだったのですが、後半で声を荒げた時に芯の強さが感じられたのが良かった。東京ネジの佐々木さん(ネジはみんな佐々木さんだから客演のこういう時にあえて名字にしてみました)の凛とした大人の女性たる姿もオイシイ。そして関根さんが超ナイスアクトでしたね。フライングステージではどんな感じなのでしょうか。未見なので興味が沸きました。
    で、何故かいつも風琴工房を観に行けてなくて詩森さんの演出も期待して観に行きました。勝手な判断だけど、どうも手腕の全てを見た気がしない。まだ何かある気が…。やっぱり風琴工房をしっかり観てみたくなりました。

    ネタバレBOX

    北川さん演ずる名村に不満。クレームでも悪口雑言でもなく、「満ちなかったよ!もっとやって欲しかったよ!」というエール。当初は心を閉ざして人付き合いが下手な人間としての立ち振る舞いが続きますが、人を拒否する姿勢がイマイチやんわりしていたなと。もっと断絶するくらいスパッと拒否して欲しかった。あのくらいだとただの気怠い人にも見えかねない。他人を受け入れない姿勢での遣り取りが成立していてこそ、茜に心を開いていく流れにもっと特別感が沸いたはず。
    脚本での人物の在り方の書き分けはとても明確。ただ、過去の画家の名前を出しながら会話をする冒頭はそれを示し過ぎな印象。専門的な知識が追い付かない客席側としては「〜っていう事に対してああいう感情を抱くらしい人」と見えるので、移入するには距離があったかも。その点で実は映像向きな本だった様な気がします。目の前に実在する事を強めればもっと移入出来たはずで、例えば実際に絵を描いて欲しかった。コーヒーの匂いも非常に大事な要素。何故か序盤は匂いが届いて来なくて、本当は入れていないのかと思っていました。でも終盤には薫ったし、終わってから聞いたら初めから入れてたらしい。自分の席は奥側でした。うーん、なんで届いて来なかったのかなぁ。その実在の為に逆になかったほうが良く感じたのが、音響。あの質感なら効果に電子機器を通じた音楽は使わないほうが浸れた。人物の遣り取りももっとナーバスかつリラックスした状態から発生していたらなとか考えて、今回の演目を時間堂がやったらきっと個人的には好みだと思い至る。ろばのせりの葉文庫、か。
  • 満足度★★★★

    良作です。
    作品のイメージに合ったギャラリー公演。それぞれの役の性格が上手く表現されていたと思います。関根さん演ずる朽葉、絶妙な役柄。良いです。ハマカワさん演ずる茜、喜怒哀楽の表現が素敵でした。好演。なふみさん演ずるしずか、評論家としてだけでなく、大人の女でした。皆さんレベルの高い役者さんばかりで、また観たいと思いました。

  • 満足度★★★

    作、演出とも初見!
    建物へ入って会場まで、雰囲気あって良いですね。画家の物語にはピッタリかと。名村の過去、茜の秘密などシリアスな展開だけど、暗さでは無く光りを感じる。

    ネタバレBOX

    朽葉役の関根さんが良いですね。物語を包むような感じがする。佐々木なふみさん、ブリッジ状態で肩に担がれるのって痛くないですか?
  • 満足度★★★★

    今年初観劇は◎
    画家のアトリエに相応しい会場(他会場の声が気になりましたが)
    3人の画家をメインにその後は解らないケド
    ヒロインの登場と時を同じくして動いた3人のそれぞれの苦悩と
    別れ・終局が見れたし、90分で小さい会場でしたが、
    観劇後に以外と爽やかな印象を受ける素敵な作品でした。
    (OPの視線意味とか解ってスッキリしたし)
    あぁ、三谷さんのコンフィダントって作品がありましたが
    こちらが先だったんですね~なんて。TBはネタバレ過ぎです。

  • 満足度★★★★★

    贅沢な空間で濃密な時間を楽しめた!
     画家の物語をやるにあたって、あの素敵なギャラリーを会場として見つけたということがまずこの芝居を成功に導いている。会場についたときから雰囲気がびんびん伝わってきた。まさに隣の部屋で絵画展をしており、それを見ながら会場入りするので、本当に画家のアトリエに来たという感覚がもてた。

     そして、三人のタイプの違う画家のプライドのぶつかり合いと葛藤が面白くも切ない。

     心の闇をテーマにしているので、怖い部分もあるのだが、見終わった後、なにか美しいものを見た後のような爽快感が残った。とても不思議な体験だ。

    ネタバレBOX

     3人の女優が素敵だった。まずは、やり手の絵画評論家を演じた佐々木なふみの演技が颯爽としていた。気むずかしい画家たちを相手に一歩も引かず、見事に手玉にとっていくさまはかっこいいのひとこと。しかも、決してあなどったり馬鹿にしているわけではなく、それぞれの才能をしっかりと育てていこうとういう愛のある姿勢が伝わってくる。強くて才能ある女性を魅力たっぷり演じてみせた。

     少女茜を演じたハマカワフミエは、独特の直感力がある少女を、持ち前の眼ちからで演じきった。ちょっと不思議で気が強く、しかも薄幸な美少女、ハマカワフミエのはまり役だ。

     そしてアルバイトのモデル(実は隣の喫茶店の子)みどりを演じた清水穂奈美は個性が光った。独特の不思議な明るさを持ち、何でもないシーンまでがとても新鮮に見える。貴重な女優だ。

     他にも達者で魅力的な役者を揃え、物語りはまるでクラシックの音楽のように格調高く、見終わった後、心が洗われる思いがした。
  • 満足度★★★★

    小説を読み終えたような気分に
    ギャラリーの一室を借りての公演。観終わって外に出ても、建物のエントランスの雰囲気がとてもよく、素敵な会場を選んだなーと感心しました。
    純文学に登場しそうな内容のお芝居で、本当に文庫本を1冊読み終えたような満足感がありました。「ろばの葉文庫」としては初めての公演だそうで、これからの企画も楽しみです。

    ネタバレBOX

    暗闇を描いたような黒い絵を描き続ける青年画家・名村(北川義彦)と視力を失っていく少女茜(ハマカワフミエ)が出会う。名村の絵は、心の奥底の叫びそのものでもあり、誰にも本当に理解できないと彼は思っている。絵と向き合えば向き合うほど、苦悩が増し、描けない。これは単に完璧主義者であるとか、思うような絵が描けないという表現者としての苦悩とは違うようだ。生きている限り、いつまでたっても絵が完成することはないというジレンマがあり、誰に対しても心を閉ざしている。展覧会で絶賛されても、「完成していない」と主張して絵を持ち去ってしまう。しかし、茜は彼の絵の中にいろいろなものが見えると言い、一見闇に包まれたような彼の絵の中に一条の光を見出すことができると言うのだ。心の光を失った青年の絵を真に理解できるのは光を失っていく少女という皮肉。この設定と構成が見事だ。名村の心象のなかに登場し、名村の分身とも言える夜虫(皆木正純)の存在など、巧い見せ方だと思う。現在、私自身が失明の危機に直面しているだけに、感慨深い内容だった。暗転のたびに目を閉じ、闇を感じてみたりした。
    会場に入ってすぐ、床に散りばめた落葉が目に入ったせいか、貸しアトリエのオーナーの名が朽葉というのがいかにもぴったりに感じた。朽葉役をフライングステージの関根信一が演じたのも、舞台が引き締まって良かった。こういう役は若い女優より、彼のような俳優が演じたほうが物語らしくなって良いと思う。ラトゥールやフェルメールを引き合いに出しながら、桜坂と児島が会話する場面が自然な感じで引き込まれた。児島を演じる佐藤幾優の「間」が良い。桜坂の三原一夫の軽快な芝居のトーンが物語の重苦しさを和らげていたように思う。モデルを務めるみどりの清水穂奈美も台詞が自分のものになっていて良かった。こういう狭い空間では、台詞のリズムが重要になる。みどりが児島に「私は色で言うと何色?」と聞いて、「山吹色」と答える。何の屈託もなく、具体的に色を言葉に出す児島と、「黒い」絵の具だが「黒」ではない色を塗り続けている名村の対比が出ている。みどりのデッサンの場面などは、児島と桜坂のカンバスに抽象的でもよいから線描らしきものや絵の具が塗られていても良いかと思った。自分の座った位置からはカンバスが見えるので、「エアな」芝居がちょっと気になった。
    少女、茜役のハマカワフミエの演技が、頑張っているのは伝わってくるのだが、学生演劇でよく見かける力演型に思え、ちょっと残念だった。いつも思うのだが、芝居の少女役というのは本当に難しい。青春コメディのような芝居なら、等身大でもよいが、内面的なことが要求されるこういう芝居における少女役はやはり作って見せないといけないので若さだけでは足らず、説得力が必要になってくるからだ。美術評論家を演じた佐々木なふみが魅力的だった。余談だが、 小説やドラマに登場する美術評論家というは、作家にとって思い入れやイメージあるのか、そのほうがはスパイスとして面白くなるためか、わりとひとくせありそうなタイプか俗物かどちらかで描く場合が多い。旧来の伝統画壇ではそういう人もいるのかもしれず、自分もそういうイメージで美術評論家を見ていたが、現代美術界の場合は、実際接してみると、意外にも普通の感じの人が多かった。特に女性の場合は才色兼備の人が多いのは事実だが、思わせぶりなことを言ったり、偉そうな態度の人はいなかった。そういう点で、しずかという評論家は独特な雰囲気でいかにも虚構の世界の人という感じがして面白かった。
    アフタートークは、よくある一般的な対談ではなく、ひとつの作品をつくるにあたって、作家と演出家が話し合ってきたことの一端を紹介するかたちに詩森ろばが持って行ってくれたのが嬉しかった。ほさかようが「稽古の過程で女優さんがみるみるうちにきれいになっていくのには驚いた」と語り、詩森ろばが「やりかたがあるんですよ。それは企業秘密」と笑っていたのが印象的だった。個人的に鑑賞する立場では、ギャラリー公演の場合はあと10~15分くらい短縮したほうがちょうどとよいかと思える。濃密な芝居を至近距離で1時間30分というのは少々疲れた。
  • 満足度★★★★

    まるで油彩画のように重なりあう思いに、はげしく共鳴する
    暗闇のなかで聞こえてくる人の声は、たとえそれが哀切な叫びだろうと、じつは案外と温かかったりもする。果てなく広がるようにさえ感じる暗闇と自由との境目で彷徨う若い魂たちの輝きが愛おしい。うん、タイトルに反して、声はすごく届いてきたなあ。

    ネタバレBOX

    ただ惜しむらくは、本がとてもしっかりとしていたから、アトリエ公演ではなく、もう少し大きな劇場のサイズのほうがふさわしいようにも感じてしまったこと、かなw
  • 満足度★★★

    位置取りが失敗だったかな
    当日パンフレットにも書いてあるように、画家って素直で、純真で、邪悪で、傷つきやすくとても真摯。そんな空気はすごく伝わってくる作品です。
    全然話は違うけれど、ウィリアム・サマセット・モームの「月と6ペンス」を思い出しました。

    自分の誇りを傷つけらそうになった作家の拒否反応なんか、
    思わず自分も暴力を振るうシーンを想像してしまったほど。

    しかし、主役二人がどうにも好みではなかったのか。全く感情移入できませんでした。オーラを全く感じない。の割りに、ギャラリー公演だということを忘れたの?ってくらいの耳元で大絶叫。少し苦しいです。初演の主人公はinocent sphereの狩野和馬さんが演じたとのこと。そちらを観てみたかった。

    あと、座る位置は注意です。入り口から見て奥側に座ると、照明のスイッチをいじる方の仕草が見えて、あ、シーンが変わるんだな、と事前にわかってしまい、話に集中しづらいです。

  • 201001141930
    201001141930@Art Complex Center of Tokyo

  • 満足度★★★★

    実直に伝わる
    一昨年夏(だったとおもう)の空想組曲の公演も観ていて、
    そのときにも深く感銘を受けた作品。
    今回の公演を観て
    まったく異なる肌合いに、
    優劣ではなく
    それぞれの演出の秀逸さを感じて。

    作品が描く世界の豊かさを、実感することができました。

    ネタバレBOX

    空想組曲の公演を観たときには
    明らかに物語を外側から眺める感じがしました。
    舞台自体がキャンバスの上に置かれていて。
    そこには、
    観客が外側から向かい合うからこそ伝わってくるような洗練や
    個々のキャラクターの
    想いの昇華がありました。

    一方今回は、観客を空間の内側に置く感じで
    物語が描かれていきます。
    キャラクターたちと同じ空気感に満たされるなかで
    物語が展開していく。

    会場にいたる廊下の微かな匂い、
    いくつもの部屋に飾られたアートたち、
    その建物自体が秀逸な舞台装置の役割をはたして。
    どこかシンプルで手作り感のある舞台や照明・・・。
    キャラクターたちの想いが瞬時に観る側を浸潤するのではなく、
    役者達の肌合いの中から滲み出してくるもので
    次第に観る側が染めあげられていく感じ。
    登場人物たち自身の想いはもちろん、
    よしんば演じられるものが
    人物ではなく記憶や想いが具象化されたものであっても、
    観る側が立ち向かってその意味を理解するのではなく、
    その存在がしだいに寄り添いながら時間をかけて
    深く観る側の腑に落ちてくれるように感じて。

    良い意味でとても生々しい感覚が伝わってきます。
    高揚や孤独や焦燥・・・、
    舞台から伝わってくるそれらの切っ先は、
    空想組曲版の方が研ぎ澄まされているのですが
    後に残る感覚は今回の方が深い・・・。
    でも、その違いは優劣としてではなく、
    全く異なる質感として、
    観る側の物語に対する思いを広げてくれるのです。

    どちらのヴァージョンとも
    役者がしっかりと舞台を支えきっていて。

    今回に関しては、公演二日目で、まだほんの少し硬さが残る舞台だったようにも思いました。でも、そのことが公演を重ねるにしたがってより深い熟成を促していくようにも感じたことでした。













  • 満足度★★★

    鳥肌
    素敵な空間、ぞわっと心に触れる音、与えられ続ける痛み。。。瞬間瞬間にぞわっと鳥肌が立ちました。

    作家、演出家、出演者、すべてが不思議な取り合わせのように思えましたが、ふたを開けてみれば意外にも適材適所。

    ネタバレBOX

    初演を観ていても観ていなくても十分楽しめるかと思います。雰囲気や焦点がだいぶ違うので。

    芸術家の生き様って、不器用でストイックで頑固で弱くて強がってて、傍から見るともどかしくてバカでかわいくて。脚本の言葉からも俳優さんたちの佇まいからもそれが感じられて、その不安定感にドキドキ。

    佐々木なふみさん演じる高飛車な芸術批評家がとても好きです。才能や本質を見る力のあるなしで悩む画家たちを一蹴する姿は爽快。

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