僕らの声の届かない場所 公演情報 ろばの葉文庫「僕らの声の届かない場所」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    贅沢な空間で濃密な時間を楽しめた!
     画家の物語をやるにあたって、あの素敵なギャラリーを会場として見つけたということがまずこの芝居を成功に導いている。会場についたときから雰囲気がびんびん伝わってきた。まさに隣の部屋で絵画展をしており、それを見ながら会場入りするので、本当に画家のアトリエに来たという感覚がもてた。

     そして、三人のタイプの違う画家のプライドのぶつかり合いと葛藤が面白くも切ない。

     心の闇をテーマにしているので、怖い部分もあるのだが、見終わった後、なにか美しいものを見た後のような爽快感が残った。とても不思議な体験だ。

    ネタバレBOX

     3人の女優が素敵だった。まずは、やり手の絵画評論家を演じた佐々木なふみの演技が颯爽としていた。気むずかしい画家たちを相手に一歩も引かず、見事に手玉にとっていくさまはかっこいいのひとこと。しかも、決してあなどったり馬鹿にしているわけではなく、それぞれの才能をしっかりと育てていこうとういう愛のある姿勢が伝わってくる。強くて才能ある女性を魅力たっぷり演じてみせた。

     少女茜を演じたハマカワフミエは、独特の直感力がある少女を、持ち前の眼ちからで演じきった。ちょっと不思議で気が強く、しかも薄幸な美少女、ハマカワフミエのはまり役だ。

     そしてアルバイトのモデル(実は隣の喫茶店の子)みどりを演じた清水穂奈美は個性が光った。独特の不思議な明るさを持ち、何でもないシーンまでがとても新鮮に見える。貴重な女優だ。

     他にも達者で魅力的な役者を揃え、物語りはまるでクラシックの音楽のように格調高く、見終わった後、心が洗われる思いがした。

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    2010/01/17 02:42

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