僕らの声の届かない場所 公演情報 ろばの葉文庫「僕らの声の届かない場所」の観てきた!クチコミとコメント

  • エクレアが、わらび餅に。
    初演とはテイストが違っていましたね。空想組曲は洋菓子風味で、こちらは和菓子風味。個人的な好みはあろうとも、自分としてはそれぞれ腑に落ちた感じ。初演は夏に上演されて今回は冬だから質感を調整したのもあるのでしょう。実際のアトリエを選んだ為に劇場よりは閉塞された空間。上演時間を短縮したのは正しかったかと。
    普段よくやる路線とはちょっと違う役だったハマカワさん。それだけでも見ものだったのですが、後半で声を荒げた時に芯の強さが感じられたのが良かった。東京ネジの佐々木さん(ネジはみんな佐々木さんだから客演のこういう時にあえて名字にしてみました)の凛とした大人の女性たる姿もオイシイ。そして関根さんが超ナイスアクトでしたね。フライングステージではどんな感じなのでしょうか。未見なので興味が沸きました。
    で、何故かいつも風琴工房を観に行けてなくて詩森さんの演出も期待して観に行きました。勝手な判断だけど、どうも手腕の全てを見た気がしない。まだ何かある気が…。やっぱり風琴工房をしっかり観てみたくなりました。

    ネタバレBOX

    北川さん演ずる名村に不満。クレームでも悪口雑言でもなく、「満ちなかったよ!もっとやって欲しかったよ!」というエール。当初は心を閉ざして人付き合いが下手な人間としての立ち振る舞いが続きますが、人を拒否する姿勢がイマイチやんわりしていたなと。もっと断絶するくらいスパッと拒否して欲しかった。あのくらいだとただの気怠い人にも見えかねない。他人を受け入れない姿勢での遣り取りが成立していてこそ、茜に心を開いていく流れにもっと特別感が沸いたはず。
    脚本での人物の在り方の書き分けはとても明確。ただ、過去の画家の名前を出しながら会話をする冒頭はそれを示し過ぎな印象。専門的な知識が追い付かない客席側としては「〜っていう事に対してああいう感情を抱くらしい人」と見えるので、移入するには距離があったかも。その点で実は映像向きな本だった様な気がします。目の前に実在する事を強めればもっと移入出来たはずで、例えば実際に絵を描いて欲しかった。コーヒーの匂いも非常に大事な要素。何故か序盤は匂いが届いて来なくて、本当は入れていないのかと思っていました。でも終盤には薫ったし、終わってから聞いたら初めから入れてたらしい。自分の席は奥側でした。うーん、なんで届いて来なかったのかなぁ。その実在の為に逆になかったほうが良く感じたのが、音響。あの質感なら効果に電子機器を通じた音楽は使わないほうが浸れた。人物の遣り取りももっとナーバスかつリラックスした状態から発生していたらなとか考えて、今回の演目を時間堂がやったらきっと個人的には好みだと思い至る。ろばのせりの葉文庫、か。

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    2010/01/18 00:22

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