悲円 -pi-yen-

ぺぺぺの会（東京都）

公演に携わっているメンバー：10人

【団体紹介】

ぺぺぺの会は、令和時代のあたらしいアートを作ろうとする「ぺ」のヒトビトの集まり。

「ひろば」のぺ
劇場を演劇のためのひろばとして捉え、作り手と受け手が溶け合うような場を作ります。「けいこばツアー」や「おしゃべり会」を実施することで、受け手も作品についてあれこれ考え、話し合える場づくりや、みる人とみられる人の垣根をなくすことをめざします。

「ライブ」のぺ
「なぜ今、演劇なのか」という問いのもとに、演劇の特性である、接触可能なナマの身体が眼の前にあるということを利用した、演劇を作ります。とくに、俳優や観客の身体が同じ場所にあることに注目し、観客にその場にいる意味や役割をもたせて、みる人とみられる人の区別をなくすような作品をつくります。

「あそび」のぺ
ぺぺぺの会は、あそびとしての演劇をつくります。とくに、受け手が主体的に作品と対話できるような演劇をつくります。「春琴抄 —ホワイトアウトする静謐—」では、暗闇下、客席の前面が鏡張りの会場で上演し、「見えないからこそ言葉だけで情景を想像する」「鏡に映った自分と見つめ合う」という、作品と自分自身が対話しやすい舞台づくりをしました。

【応募公演への意気込み】

【新NISA×チェーホフで描く悲しい円の末路】
「新NISA」「投資」「FIRE」の３つのテーマとチェーホフ『ワーニャ伯父さん』をかけ合わせ、労働の報われない努力と人生の無意味感を描きます。一億総投資家社会が生む功罪に一石を投じ、議論を喚起させる上演体験を目指します。劇作家が自らの投資体験をもとに書き上げた新作長編です。

【チケット購入から始まる演劇的体験】
作品テーマである「投資」に合わせて「日経平均株価に準じた価格変動制」を採用しています。料金は週毎に変動するため、観客は世界や日本の情勢から日経平均株価に応じたチケットの価格を予想し、擬似的に投資を体験できます。

【京都公演に向けたブラッシュアップ】
本作は2026年1〜2月に京都公演が決定しています。京都公演に向けて、観客・芸術団体との協働を生み出すブラッシュアップを本公演実施時から企画しています。
①「新けいこばツアー」独自に作品内容の評価項目を設定した通信簿を用意し、ツアー参加者の意見を効果的に取り入れます。
②「新おしゃべり会」関東・関西で活躍する劇団とピアレビューを実施し、双方向的にブラッシュアップを図る機会を作ります。

【将来のビジョン】

【短期的なビジョン：連作『破恩 -pa-own-』の創作】
ぺぺぺの会では社会問題を取り入れ古典を現代化する創作方法に長期的に取り組んでいます。連作では、社会保障問題とチェーホフ『三人姉妹』を掛け合わせ、年金世代を賄う社会保障制度への不安と家族関係の希薄を描きます。グランプリを獲得したら、『悲円 -pi-yen-』『破恩 -pa-own-』のダブルビルを上演します。

【長期的なビジョン：芸術を他者との交流の場にする】
「おしゃべり会」や「けいこばツアー」など、「対話型の関係性構築のための取り組み」を演劇の制作過程から上演後まで実施し、芸術（演劇）を通じて他者と交流できる場をつくりだしたいと考えています。5年以内に都内某所に「ぺぺぺハウス」を設立し、作り手は作る喜びを、受け手は見る喜びを感じられ、作り手と受け手が流動的に交流する場を目指します。