おかえりなさせませんなさい

コトリ会議（兵庫県）

公演に携わっているメンバー：9人

【団体紹介】

2007年に結成。兵庫県を拠点に活動。兵庫・大阪・
東京在住の9人が所属しています。オンラインや移動・滞在を駆使して活動しています。
現在の組織体制は、劇団運営と作品創作の責任を1人が抱えることは重責だと判断し、バランスを取るための創作代表・制作代表の代表2人体制となりました。また同時期から全員で創作することを意識して、演出のクレジットを個人名でなくコトリ会議としています。
劇団員には他団体への所属をしている者も多く、外で得た経験や実践を元に作品へのアイデアを提案できるので、多角的な視点での創作に繋がると考えています。
2017年よりツアー公演を主にした本公演と小規模公演、演劇祭では誰も使わない”隙間”を利用した小作品を、規模によって変幻自在に上演しています。
作品の特徴は、人と人でないモノの境界を曖昧にしたSF的世界設定が多く出てきます。自分にとって大切な存在が不在になってしまうことによる喪失感と社会の不条理さを、ユーモアも交えた詩的なセリフで描いています。

【応募公演への意気込み】

昨年の応募作品は、1ヶ月間に上演時以外も会場を開放するという企画自体を意気込みとして応募しました。しかし、演劇の上演自体は小規模な短編を組み合わせたものだったので、劇団として演劇の上演の特色を魅せる、というところまでは至らなかったと感じております。
今回は2年ぶりに書き下ろした長編作品です。劇団のカラーを存分に伝えることができるこの作品で挑戦しようと思います。
この作品は閉館が決まった劇場へ向けて2024年12月に上演されました。「帰る」ことができなくなる劇場へという劇団としての思いと同時に、一つの家族の物語と、現代社会への批評が鋭く描かれており、普遍的な物語になっていることが評価されました。
今回の上演は福岡県になります。福岡県に訪れるのはこれで3度目です。招聘された演劇祭で初めて福岡に訪れ、2回目はその時の演劇祭の作品が評価されて劇場共催のツアー公演で訪れました。そして2025年3月、初めての福岡公演のきっかけとなった演劇祭に再度お声がけいただきました。再会の思いを乗せて上演しようと思います。

【将来のビジョン】

昨年、将来のビジョンに記入したアトリエとして使用できる場所の確保は一旦は達成しました。今作はそこを拠点として創作した作品になります。その目的が達成された今、私たちは、「劇団員」とは何かを考え、変わっていかなければならないと考えています。
この数年、私たちは劇団員というものにこだわって活動してきましたが、これからは劇団員それぞれのライフステージの変化に合わせた無理のない活動を進めていきたいと考えています。
劇団員であっても他者であることを意識し、互いにリスペクトを持つこと。客演を呼ぶなどして、外からの目を意識することなども取り入れる。これからのコトリ会議は、つながりとしてはゆるやかに、しなやかに、しなやかゆえに強靭な創作をしていける関係性の場になればと思っています。
こだわりは大切ではあります。しかし、頑なに固定概念にとらわれるのではなく、時代に合わせた柔軟さを持って活動していきたいと思っています。