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BETRAYAL
らまのだ(神奈川県)
公演に携わっているメンバー:7人
- 団体紹介
- 「らまのだ」は、劇作家南出謙吾と演出家の森田あやで演劇作品を創作をする団体です。
「らまのだ」は純粋なストレートプレイ。純粋なんです。
舞台芸術の、演劇の表現手法は、繰り返され、多様化し、身体表現にポストドラマ、無言に反復にダンス、手法や才能に溢れ、感覚に豊かに訴えかけてくる。楽しくてスリリング、あるいは崇高。
それらを羨み妬み横目で見つつ、我慢を重ねて磨き削った作品が「らまのだ」です。奇を衒うことを徹底的に避け、一瞬の心情や条件を切り取る、俳句のような創作。意図的な高揚を嫌いスケッチに徹する。この作風、手法こそが、社会の行き場のない腹立たしさや報われなさの中にうごめく、人の営みを拾うにはふさわしいと考えてきました。
見つめるべきものに集中させるため、余計なものはそぎ落とし、一方で、それそのものは不必要に飾らない。この作業から、日本語戯曲の強みを活かし上質なものが生まれる、味わえると確信しています。
人の営みをただただ丁寧に拾う作業、作品は、こだわりの白飯のようなのです。「らまのだ」の素朴な手法を、手触りを、そっとなぞって撫でてみて欲しい。こぶしを振り上げこうだ!どうだ!ではなく、いかがでしょうか、という想いなのです。
【受賞歴】
南出謙吾(劇作)
2015年第2回希望の大地の戯曲北海道戯曲賞で『終わってないし』にて優秀賞を受賞。同年、『ずぶ濡れの鳩』(現『青いプロペラ』)で第21回日本劇作家協会新人戯曲賞最終候補に選出され、その翌年、『触れただけ』にて同戯曲賞を受賞。
森田あや(演出)
旗上げ公演『青いプロペラ』『明後日まで内緒にしておく』の評価にて日本演出者協会主催「若手演出家コンクール2016」優秀賞を受賞。
【活動歴】
2015年/11月旗揚げ公演『青いプロペラ』@spaceEDGE
2016年/12月らまのだ3かいめ公演『明後日まで内緒にしておく』@小劇場楽園
2018年/2月らまのだ5かいめ公演『未明かばんをとじた』@小劇場楽園
2018年/11月シアタートラム ネクストジェネレーションvol.11『青いプロペラ』(再演)
- 応募公演への意気込み
- 座付き作家南出謙吾以外の作品にも挑戦したみたい、というシンプルな動機で、演出家・森田あや、俳優・日下部そう、滝寛式(はえぎわ)の三人が顔を揃えたのが、今回の「らまのだノ 目地」。【目地】とは煉瓦(れんが)・コンクリート ブロック・タイルなどを積んだり張ったりした時にできる隙間、継ぎ目のこと。らまのだ次回本公演までの挑戦の公演です。
旗上げ公演からこれまで、共に南出謙吾の戯曲と向き合い上演を繰り返してきた中で分かち合った時間を経て、さらに、それぞれが「背伸び」することを目的として作品選びからはじめました。
選んだのは、イギリスの巨匠ハロルド・ピンターの「BETRAYA」
その普遍的で大きな主題を、美しくそぎ落とされた非常に少ない言葉、表現に凝縮されたこの戯曲に、我々が日頃挑戦している「奇を衒うことを徹底的に避け、一瞬の心情や条件を切り取る、俳句のような創作」に繋がるものを感じました。
海外戯曲という制約の中で細やかな工夫に徹する、らまのだ独自の時間、空間を創り出すことができるはずだと考えます。
- 将来のビジョン
- らまのだの作風である、奇をてらわない純粋なストレートプレイを、媚びることなく、より多くの人に見てもらえる機会を増やしていきたいです。旗上げから3年、東京を中心に活動をしてきましたが、これからの5年間は地方へも目を向け、公演を成功させていきたいと思います。
活動の規模や地域を広げる一方、作品創りにおいては、より丁寧に、鮮度の高い作品を創り出していけるよう、劇作、演出、俳優のそれぞれが、高いレベルで切磋琢磨しあえる関係性を構築していきたいと考えます。
自立した劇作家、自立した演出家、自立した俳優となれるよう、劇団作品の創作により厚みを持たせていけるよう、今回の「らまのだノ 目地」のように、手慣れではできない創作の機会を、今後もコンスタントに設けていきたいと思います。
これからも丹精のこもった職人の手仕事のような良作を世に送り続けて行きたいです。
公演に携わっているメンバー(7)