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舞台芸術まつり!2019春
応募作品
夕夕方暮れる
立ツ鳥会議 (東京都)
公演に携わっているメンバー:14人
団体紹介
立ツ鳥会議は、東京大学の学生劇団出身の小林弘直(企画・製作)と植松厚太郎(作・演出)による演劇ユニットです。学生時代の2010年に結成、2015年の本格始動後は年1回のペースで定期的に作品を発表しています。口当たりの良い会話劇に大胆な設定を掛け合わせる手法で、現代のままならない人間関係を常に独自の切り口で描いてきました。若者の閉塞感を徹底した一人多役で示した「午前3時59分」は特に高い評価を受け、作の植松が第24回OMS戯曲賞佳作を受賞しました。主な活動拠点は東京ですが植松は大阪在住で、関西でも常に作品を上演できる体制を目指しています。今回の作品も東京と兵庫の2都市公演で、対象期間に含まれる東京公演での応募となりますが、兵庫公演はAI・HALL(伊丹市立演劇ホール)の次世代応援企画「break a leg」に選出された劇場共催公演として行います。
応募公演への意気込み
「乱れ飛ぶ月曜日と火曜日と水曜日と木曜日と金曜日の群像劇」 新作「夕夕方暮れる」は一つの公園を舞台とする10人の群像劇ですが、五つの時間軸(ある1週間のうち、平日の夕方のそれぞれ同時間帯)が五つ全て、ほぼ開演から終演まで舞台上で同時進行します。原則として照明変化等による区別はせず、互いに境目なく交じり合った「五重写し」のような劇空間の下にストーリーを構築します。登場人物は時に複数の時間軸に出入りし、舞台上の出来事は頻繁に前後しつつ絡み合います。このスリリングな仕掛けをこれまで培ってきた緻密なダイアローグによって立体化し、現代の「若い大人」の群像を、ユーモラスかつシニカルに描き出します。トリッキーな手法によって驚きに満ちた豊かな物語世界を志向しつつ、究極的には、方向感に乏しい現代社会のイメージを、例え話以上のものとして生々しく現前させることを目指します。すなわち、交錯する時間軸それ自体を、一種の象徴として劇的に浮かび上がらせます。 5月31日が初日と応募団体の中では最も遅い日程になりますが、既に構想やメンバーは具体化しており、良いものをお見せできるという自信の下に応募させていただきました。この1日の接点が、素晴らしい出逢いに繋がれば幸いです。
将来のビジョン
■当面の目標 東京と関西の2地域での活動を軌道に乗せることを目指します。作・演出の植松が大阪在住で、近年は関西で評価を頂くことが増えていますが、毎年は関西で公演をできていないのが現状です。今回、多くの方に立ツ鳥会議を知っていただくことで毎年の関西公演への足掛かりを築ければと考えています。 ■長期的なビジョン 立ツ鳥会議は本格始動した当初から「サステナブル」をキーワードに掲げ、持続的な活動を模索してきました。単に「演劇が好きだから」ではなく「人生にはその時々に見えてくる新たな地平があり、それを常に演劇という形で表現していきたい」と考えるからです。年齢と共に演劇に携わる人が減っていく現状には「演劇で身を立てることの困難さ」以上に「続けられていれば描かれていたであろう何かが描かれないままになってしまった」悔しさを感じます。私たち立ツ鳥会議は演劇に飽くなき情熱を注ぐ一方で、燃え尽きることを仕方なしとする風潮には与しません。常に実感から出発し、演劇的な遊び心をもって普遍的な作品に昇華させる立ツ鳥会議の世界観は、継続的な活動の中でこそその射程を広げ、ついには演劇の地平を豊かにするものと信じます。 (立ツ鳥会議 小林弘直・植松厚太郎)
公演に携わっているメンバー(14)