あさどらさん

十七戦地（東京都）

公演に携わっているメンバー：13人

団体紹介

東京を拠点に活動する劇団。
俳優で座長の北川義彦と劇作家・演出家の柳井祥緒を中心に2010年結成。
ほか所属メンバーは俳優の藤原薫と制作の藤村恭子。

2011年7月に上演した#1『花と魚』で、柳井祥緒が第17回劇作家協会新人戯曲賞を受賞。
旗揚げ公演作品の『花と魚』は、再演を含め過去に3回上演している。
「論争劇」と呼ばれる、緊張感のあるスピーディーな会話劇を通してドラマを描く。
十七戦地としての最新公演は、2017年12月の『ジ・アース～2017戦地への道』。

近年、メンバーの活動としては、劇団公演以外の外部提供作品や客演が増えている。
柳井は他劇団への脚本提供（タテヨコ企画、ロデオ★座★ヘヴン、かはづ書屋、三度目の思春期など。一部演出も手がける）のほか、『ウルトラマンシリーズ(X、オーブ、ジード、R/B)』やアニメ『将国のアルタイル』といった映像作品の脚本も手がけている。

応募公演への意気込み

2018年は1年間、劇団としての活動は休止していたため、約1年半ぶりの劇団公演となります。とはいえ、メンバーそれぞれが他劇団に呼ばれたり、ミーティングもコンスタントに行なったりしていたので、たまたま劇団名義の公演を行なっていなかっただけで、むしろ他の年と比べても精力的に演劇活動をしていました。

劇団公演として上演した直近の２作品は、劇団員だけで何ができるのかを模索し、ギャラリー公演で小規模に行うものでした。これは、メンバーそれぞれが外部のカンパニーに呼ばれて活動をしていくなかで、「十七戦地」というアイデンティティを改めて自覚するために必要なプロセスだったと思います。

今作『あさどらさん』は十七戦地として久しぶりに外部の俳優・スタッフを呼んで行う公演となります。会場は劇作家協会新人戯曲賞をいただき、『花と魚』の3回目の公演を行なった座・高円寺（今回は２の方です）。
また、劇団として初めて、演出家を外部の方にお願いすることにしました。王子小劇場「佐藤佐吉賞2018」で各部門を受賞された「鬼の居ぬ間に」の望月清一郎さんです。
劇団公演11回目にして、新たな挑戦ができることが楽しみです。
良質なエンターテイメントをお届けします。

将来のビジョン

メンバーそれぞれお声がけいただく機会が増えるにつれ、劇団としての自主公演回数は、多くて年に1回程度、これからはさらに減るかもしれません（反動でものすごく増えるかもしれませんが、自主公演の体力的には多くても年3回でしょう）。
十七戦地を楽しみに来てくださるお客様の顔を思い浮かべると、日々の仕事や生活の中で、観劇の心の糧にしてご来場される方が多く、その方たちを裏切らないよう、ちゃんと面白い骨太なエンターテイメント作品を作らなければと思います。
一方、手堅く守りに入った途端に、自分たちが飽きてしまうのではないかという恐れもあります。何よりマンネリはお客様こそ嫌いなものだとも。

芸術的成功と興行的成功とお客様の満足と関係者の満足、それぞれが高いレベルでバランスをとった作品をお届けする。
また、現在は十七戦地としては東京でしか上演できていませんが、他の都市やまちでの公演も行っていければと思います。

またここからは制作の個人的な妄想ですが、街にこんなに増えてきた海外からの観光客を、劇場に呼び込めないかと漠然と思っています。その場合、異文化交流の常というか、何かしらのコンフリクトが起きるでしょう。携帯電話の着信音をはじめ、会話や声援などをどこまで許容するかといった、新しいマナーの落とし所が生まれるのでしょう。そもそも、会話劇がメインの劇団で言語はどうするのかといった問題もあります。字幕や翻訳以外に、多言語のままコミュニケーションする会話劇があってもいいかもな、など。やりたいことはいろいろ浮かびますが、解決するべきことも山ほどあるので、地道に少しずつ進んでいければと思います。