『アワヨクバ ~Toinen rivi vasemmalle~』 『レジデンス』
カカフカカ企画
オメガ東京(東京都)
2022/11/30 (水) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/12/02 (金) 19:00
座席1階2列
価格4,500円
笑いの中にシリアスとホラーなのかシリアスの中に笑いなのかホラーなのかよくわからんけどテイストがとても自分好みで楽しかったです。
小太刀さんと肉丸さんと須藤さんは他の作品に出演されたのを何度も観ていますので安心感がありました。バラバラの話も途中から繋がります。カカフカカはいつもコメディタッチに振り切ったものばかりみていたので意外な視線でじっくり味わったのですが、急に激しく踊り出してボックス踏むとか何気ないところで吹いちゃいました。なんかあーいうの好きです。
2222年の雨宿り
The Stone Age ブライアント
サンモールスタジオ(東京都)
2022/11/30 (水) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
物語の設定はユニークだが、何しろ二百年後の火星でのお話である。共感するにはハードルが高そうなので「雨の日の思い出」に過剰な期待をかけてしまったが、少々期待外れだったようだ。
主人公、四葉の思い出の謎を早く解き明かしてほしかったが後半まで引っ張られるので、前半の冗漫感も相まって焦れてしまった。結果は母親の隕石による衝突事故という悲しい思い出だったが、ここで唐突に母親が登場(それも事故死というかたちで)し、それが雨の日だったと言われても観ている方としては何の感慨も起きないのだ。このシーンの描かれ方も淡白だったように思う。ドラマ性が希薄だと言わざるを得ない。四葉の「雨の日の思い出」が中心に回っているお話なのでここは核となる部分だろう。
物語は何となくコミカルタッチなのだが、さして笑えるわけでもなく全体的に中途半端な印象。ただラストは唯一、ひと捻りしていた。地球時代の若かりし頃の四葉だろうか。煙草屋の軒先で雨宿りしながら何かに気付いたように「あっ」と声にする。未来の記憶が呼び覚まされたかのようだ。ポストの横の道祖神の周りに生えていたのはクローバーだったのか。
役者陣はそれぞれのキャラクターを忠実に演じていて好感が持てた。舞台装置は煙草屋の店先や赤いポストは見事に再現されていて風情があった。
ハムレットマシーン
LOGOTyPEプロデュース
吉祥寺シアター(東京都)
2022/12/02 (金) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
終演後、、会話はお控え下さい。とアナウンスされた。舞台は続いている。キレイな舞台だった。俳優もキレキレ。私、私、私は……入れ物だけで私は死んでいるのか。カマキリが頭から離れない。
ライカムで待っとく【11月27日~29日公演中止】
KAAT神奈川芸術劇場
KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)
2022/11/27 (日) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
火消しの辰と瓦版屋の娘【一部公演中止】
劇団6番シード
ブディストホール(東京都)
2022/11/30 (水) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
わが町しんゆり
川崎市アートセンター
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)
2022/12/02 (金) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
実演鑑賞
舞台は奥に二つのリヴィングルーム、その手前に二つの居間に区切られる。奥ではワイルダーの描いた架空の町グローヴァーズ・コーナーズの、1901年から06年の二家族の話が演じられ、手前では新百合ヶ丘の1929年から38年ごろの二家族を演じる。筋はワイルダーの原作に従うが、アメリカと日本の家族は節々でバトンタッチして、一つの場面はどちらかで演じられ、同じ話を重ねることはない。(のりしろのように互いに重ねる部分が多少はあるけど)
3,4年前に原作を読んだが、隣家の子どもたちが結婚するようになるという以外、忘れていた。前半は今一つだが、休憩後の婚礼と、エミリー(えみこ)死後の墓場の場面で、主題が立ちあがってきて、よくなった。
結婚式前の「結婚はいいものだ」と疑いなく語る、古き良き結婚賛歌が、今だからこそ新鮮に響く。いまは通用しないかもしれないが、これは過渡期の模索。再び男女の結婚が素直に祝われる日が来ることを願いたい。エミリーとジョージが思いを確認する喫茶店のシーンがよかった。
そして3幕。二人目のお産で死んだエミリー(恵美子)が、12歳の頃の幸せな家庭を見つめなおし、つらくなってやめてしまう。「生きている人は何もわかっていないのね」と。死者の目から人生のかけがえのなさを再認識させるのは、井上ひさしの「ムサシ」のようだ。生の幸せをともに味わうことのできない死者の孤独、悲しみが胸に迫る場面だった。
ジョージの家は医者、エミリーの家ははっきりしないが、穏やかな市民の生活。貧困や生活苦は視野の外においた芝居を、原作の初演時、左翼評論家は「醜悪」と批判した。ただ「しんゆり」版では、タブノキの精を登場させて、見事な枝ぶりを空襲の目標になるからと切ってしまった狂気、戦争による空襲(5月24日か25日、10数件の被害と小さいが)を語らせる。
ライカムで待っとく【11月27日~29日公演中止】
KAAT神奈川芸術劇場
KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)
2022/11/27 (日) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
沖縄返還五十周年の年も終わろうとしているが、もっと大々的に全国的なアレがあっても良いところ、ちむどんでお茶を濁すのがせいぜいなのが日本の実情。
そんな中、芝居の方はと言うと・・KAATが企画した今作と、昨年の「HANA-1970、コザが燃えた日-」の他は目立った舞台は見当らないとは言え、この二作は出色であった(チョコレートケーキの「ガマ」は未見)。
初めて見る作者名であるが、若い彼に脚本を依頼した決め手は舞台の実績ではなく、ラジオドラマだという。
現実を変える術を知らない日本人は、沖縄の「犠牲」の正当化に恥しげもなく躍起になる(失礼だが)レベルの低いネット投稿者を除けば、「見ない」事でやり過ごすか、心を痛めてながらも日常に飲まれるか、重い腰を上げて何かやろうとするか、どちらにしても無力感と無縁でいられない。だから沖縄イシューは今は不人気な案件だ。
だがそういう問題にこそ演劇は力を持ちたい、誤解を恐れずに言えば理不尽な現実こそ恰好の題材ではないか・・と思う。もっともドラマに「共感」を獲得するには、観る者の根底にある共通了解、想像力に頼んだ納得を引き出さねばならない。沖縄の課題は掬い出せる泡状の状態をとうに過ぎた灰汁のように汁に溶け込んで容易に分解できない。沖縄人の中にも、反基地と騒ぐ人たちへの疎ましさを吐露し、現状を認めた上で自分の進路を決めようとする(若者ならば普通な事であるが)層もあり、社会に馴染んだ「灰汁」(悪)は基地の弊害も日常の(我慢の)範疇となる・・。
沖縄在住の若い作家はそうした現状との距離感も織り交ぜ、本土人のご機嫌を窺いながら(「共感」の部分から物語へと誘いながら)、沖縄と本土との見えない断絶のありかへと、果敢に挑む。
この戯曲とこれを書いた一人の沖縄青年、彼にこの戯曲を書かせた本企画に喝采を送る。
メイドランカー!詰り蹴落とし跪け乙女
演劇ユニット メイホリック
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2022/11/23 (水) ~ 2022/11/27 (日)公演終了
火消しの辰と瓦版屋の娘【一部公演中止】
劇団6番シード
ブディストホール(東京都)
2022/11/30 (水) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
初日前日、高宗歩未さんが体調不良の為、降板。初日を潰して代役のエリザベス・マリーさんに一日で全台詞と動きを覚えて貰った。それだけでゾッとするシチュエーションだが、観ればエリザベス・マリーさんの役どころはかなりの出番。複雑な構成の為、覚える展開と掛け合いが多過ぎる。エリザベス・マリーさんは今回のことを「走馬灯に出てくる」と表現。言われなければ気付かない程、自然に舞台に存在していた。凄え役者がいるものだ。Respect。
椎名亜音さんと鵜飼主水氏が主演の大江戸コメディ。二人はハイテンションで飛ばしまくる。役者陣が魅力的で贅沢。
那海さん演ずる蟋蟀(こおろぎ)が巧い。作品を彩る風流さ、声の使い方が絶品。
真野未華さん、近石日奈さんが可愛かった。
千歳ゆうさん、若林倫香さんの笑いの味付け。
藤沼美昇(みのり)さんのスパイスも効いている。
高宗歩未さんバージョンも観たかった。
ハムレットマシーン
LOGOTyPEプロデュース
吉祥寺シアター(東京都)
2022/12/02 (金) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
愛はゴリラ
試験管ベビー
千種文化小劇場(愛知県)
2022/12/02 (金) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/12/03 (土) 19:00
動物園の飼育員の悩みやいろんなことがわかって、ポップに描かれていることもあって楽しめた。
毎度試験管ベビーは面白いので好きな劇団です。
今日も参加型は楽しかったです。
また次回が楽しみ!
愛はゴリラ
試験管ベビー
千種文化小劇場(愛知県)
2022/12/02 (金) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/12/03 (土) 19:00
動物園の飼育員の悩みや喜びや格闘!
いろんなものがあるあるだったりで、ポップに描かれていて、毎度のことながら試験管ベビーは面白い!
観客参加型も、今回はプラス一部の人たちもあったりして、笑いを注いだ!
切なく悲しいところもあったりして、近くで鼻をすすっていた人もいた。
いつも面白いんだけど、今回はなんか身近に感じる動物園でのお話だったので、子供たちが見ても面白かったかも⁉
Flamenco Caleidoscopio
ARTE Y SOLERA 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団
よみうり大手町ホール(東京都)
2022/12/02 (金) ~ 2022/12/03 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ARTE Y SOLERA 30th Anniversaryと記されてもいる今回の催し、先ずは寿ほぎたい。女性の靭さしなやかさをまずは感じた公演であったが、三味線(恐らく太棹と推察した)とギターのコラボ演奏もあり、この合奏が見事に呼応していたのは、三味線奏者とギター奏者の腕が素晴らしいことと同時に優れた音楽家同士の音感の鋭さを前提に鍛え上げられた技術と矢張り素晴らしいアーティストに共通するオープンマインドが在ることの結果と思われる。また日本語の歌唱による踊りもあってその親近性に驚かされると同時にレベルの高い表現者同士によるコレスポンダンスを目の当たりにすることが出来至極満足! 今後の皆さまのご活躍を期待し楽しみにしている。
2222年の雨宿り
The Stone Age ブライアント
サンモールスタジオ(東京都)
2022/11/30 (水) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/12/02 (金) 19:00
西暦2222年。選ばれた優秀な人間が火星に移住を始めて100年近く経った頃、
かつて地球に存在していた建物・乗り物・生き物などを復元した「万博2222」が開催されている。
物語の舞台になるのは、タバコ屋の軒先で雨宿りするだけの「雨宿り館」。相当な未来が舞台のSF劇なはずなのに、舞台セットも含めてどこか懐かしい感じがして、まるで時が止まったかのような感じに、心地良さを感じた。
「雨宿り館」に毎日通う(四葉)という見た目40代、実年齢141歳の女性が現れる。
遠すぎる日に地球で見た“雨の日の思い出”を探すためということだったが、その過去を想い出した時、その事実が楽しい記憶ではなく、とても辛く重苦しい過去だったことを知り自責の念に駆られるが、「雨宿り館」のスタッフたちになだめられ、励まされ、何とかその重苦しい過去の記憶を心に深く留め、お母さんのぶんまで生きようとする老女四葉の不器用だが誠実でマイペースなようで芯が通っていて、今、この瞬間を懸命に生きようとする力強さに心打たれた。
しかし、最後の方で、ドームを突き破ってデカくて大量の隕石が落ちてきて、四葉らしき人が万博の遠くの方で、その大量の隕石の一部が地面に当たって爆発する、その爆発に巻き込まれたと解釈できるような壮絶な終わり方に、不安と言いしれぬ悲しみを味わった。
ただ、最後の最後で主人公の老女四葉や「雨宿り館」のスタッフそっくりの、おそらくは生まれ変わりと見られる人たちが、「雨宿り館」に似た地球の古ぼけた建物の中で雨宿りしていると、通り雨が去ったあと、狐の嫁入り行列に出くわすという終わり方に、ある意味で狐につままれたような、それでいて少し救われたような終わり方に、少し安心することができた。
米澤剛志さんという俳優が演じたのは、少し空気が読めず、好奇心旺盛だが真面目で距離感がない気象台技師空知という少し捻りのある登場人物でしたが、今まで何回かテントで観た時とは違った新たな雰囲気を醸し出していて、米澤さんの役柄において、新たな新開地が切り開けたように感じた。
火消しの辰と瓦版屋の娘【一部公演中止】
劇団6番シード
ブディストホール(東京都)
2022/11/30 (水) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★
勿論役者さんのキャラ作り、お芝居事態は安定して高く映像であっても見るに値するものではあるが、これは劇場で見るべき(観たい)作品に感じた。
日本人のへそ
虚構の劇団
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2022/12/01 (木) ~ 2022/12/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/12/03 (土) 18:00
冒頭のシーンから引き付けられた。
素敵なコーラスでハーモニーが綺麗だった。
ストーリー展開も面白かった。
瞬きと閃光
ムシラセ
シアター風姿花伝(東京都)
2022/11/30 (水) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
終盤での小口ふみかさんと中野亜美さんのシーン他、一生忘れえぬシーンの数々。素晴らしい戯曲と素敵な俳優陣との出会いに感謝。今後もぜひ再演を重ねていってほしい。
蛍
第27班
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2022/12/02 (金) ~ 2022/12/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
アゴラ劇場での夏公演では生ギター弾き語りとタップダンスという劇中ライブシーンが辛うじてあったが今回は無職男が路上で弾き語る場面(音楽家志望という訳でもない)が一くさりあったのみ。第27班と言うと劇に噛んだ音楽ライブ(劇伴ではなく芝居上の必然がある)を期待してしまうのだが、マストでないのだなと認識を改めた。今作は三年前の作品の再演という事で、自負がある演目と踏んだのだが・・。
この劇団が得意とする描写が、失われた二十年で常態化した若者の生きる場のヒリヒリと血管に触れるような痛さであり、ざらつく感触の中にふと過ぎる小さく暖かな灯、といったものだが、幾つかの人間模様(時間を超えて繋がっていたり別々だったり)の点描が美しい。ただ一つの物語を構成するピースをはめて行く過程を経て、最後に出来上がる図としては不完全さが残る。人物たちを十分に描いてくれた、と感じる向きもあろうが、私としてはもう少し物語としての作り込みを(初演は見てないのだが)深めて欲しい。どのあたりが・・というのはいずれまた。
瞬きと閃光
ムシラセ
シアター風姿花伝(東京都)
2022/11/30 (水) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
小口(おぐち)ふみかさんはコメディの方が水が合う。ルックスで損をしているのかも。
渡辺実希(みき)さんはヴァンパイラ風、もろアニメキャラ。
輝蕗(きろ)さんは篠原ともえを思い出した。
元水颯香(はやか)さんはHKT48顔。
加藤彩さんは楽園王のイメージが強いが、オールマイティ。
土本燈子さんの佇まい、空気感はリアル。
中野亜美さんはもっと複雑な役が似合う。ちょっと物足りない。
土橋銘菓さんについての「野生の地下アイドル」という論評が絶品。
『がっこうぐらし!』みたいなちょっとSFな日常系アニメの感覚。
瞬きと閃光
ムシラセ
シアター風姿花伝(東京都)
2022/11/30 (水) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/12/03 (土) 14:00
高校を舞台にした素敵なストーリーで心動かされた。
可笑しく微笑ましいシーンが多い中、根底を流れる芯の部分は深い想いが感じられ響いた。
特製のアルバムも、芝居を何度も繰り返し思い起こすことが出来て良い。