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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!

東京にこにこちゃん

シアター711(東京都)

2022/07/21 (木) ~ 2022/07/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/07/22 (金) 14:00

「もしもロミオとジュリエットがあの時……」な状況で描くその後の世界。
漫画原作の某人気長寿アニメのようなホームコメディが展開されて所々に元ネタ引用の部分もありつつ、もう少し元ネタ関連が欲しいと思っていたら、終盤の「解毒剤」という言葉でうっすら察した後に「あーそういうことか!」となる怒涛の展開、前作に続いて「それまでの楽しい世界」が崩壊するとは萩田さんってばイジワル!(笑)
がしかし今回はそれによってジュリエットの悲嘆が伝わるし、ある意味でまたハッピーに転ずるのが救い?
また、「胡蝶之夢」が好きな身にとってその変奏とも受け取れる構造も好み。
あと、オープニング映像も良かった。最初に表示される「アレ」の通りで「ソレ」を知っていると見事なまでのオマージュなのがワカって頬が弛みっ放し。

ネタバレBOX

伏せたものは
・サザエさん
・連続テレビ小説
・カムカムエヴリバディ
舞台「the Selected World」

舞台「the Selected World」

CRUSH KITCHEN ENTERTAINMENT

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

覚えのない場所に集められた12人の男女。どうなるの?はらはらドキドキで引き込まれとても集中して楽しめました。衣装も素敵で、良い効果が出ていたように思いました。オススメです。

ダイバシティーファミリー

ダイバシティーファミリー

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

『二人で狂う……好きなだけ』

『二人で狂う……好きなだけ』

髭亀鶴

スタジオ空洞(東京都)

2022/07/21 (木) ~ 2022/07/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

イヨネスコ、男女二人の芝居、と見て「授業」の翻案かと勝手に予測していたが、 翻案でなく別物だと開幕後暫くして気づいた。タイトルは原作仏語「Délire à deux… (à tant qu’on veut)」のほぼ直訳らしい。
演出者の名前に覚えがあり、思い出せば少し前配信で観たユニークなリーディング公演「教育」(田中千禾夫作)の演出であった(若い美形で今回前説をやっていた)。舞監を「見える裏方」として立ち回らせ、部屋を区切る三方の壁に風船をこれでもかと吊るし、破壊を表す象徴として舞監に割らせる。そして窓から見下ろす「外」が何やら騒がしく、一体何が起きているのか・・と、舞監が正面奥でどうやら音オペしてる。
登場人物は、鏡の前でメイクをしながら「十数年前、夫を捨てて貴方の元に走ったが間違いだった」と愚痴が止まらない妻(中村早香<アマヤドリ)と、それを持て余す髭を湛えた夫(山森信太郎=髭亀鶴)の二人。「犀」や「授業」のように徐々にエスカレートして行く戯曲だが、時間の区切れ目が到来する予感はせず、延々と続くボレロのようでもある。不条理演劇の「狂気」に対応する破壊の装置を盛り込んだ演出は面白かったが、不条理演劇の狂気はやはり役者が体現するのが本道である。(本作を利賀でやって受賞した西悟志氏が同じイヨネスコの「授業」をSPACで演出した舞台では、台詞を身体運動と連動させる演出で「狂気」=思考が過剰言語でヒートアップする様を表現した。)
いずれにしても演出家志向の若い女性演出の今後、少し楽しみ。

蝶々結び

蝶々結び

LUCKUP

上野ストアハウス(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

演者も美術もスタッフもいい!良い時間が過ごせました。ありがとうございました。

ネタバレBOX

お芝居は、なんとなく不自然な感じで進んでいくうちに、あーそーゆー事!って、スッキリつながって、お見事です!
迷想タクシー、行き先はどっちだ?

迷想タクシー、行き先はどっちだ?

ONE AND ONLY

cafe&bar 木星劇場(東京都)

2022/07/29 (金) ~ 2022/07/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

朗読ライブを中心に活動をしている、お気に入りの劇団ONE AND ONLYの24回公演『迷想タクシー、行き先はどっちだ?』の千穐楽を観てきた。劇場は、池袋の木星劇場。

タクシー運転手のシンジは、出産間近の妻アヤカと2人暮らし。そんなシンジが仕事中に衝突事故。本当は死んでいるのに、シンジ本人は事故は駐車中に見た夢だと思い仕事に復帰。ところが、拾う客がみんはシンジの知り合いで既に亡くなっている人ばかり。ようやく、シンジは自分が死んでしまっていることを自覚する。が、アヤカの産んだ子が霊感が強く、子供を介してシンジとアヤカの夫婦はその後も仲良く過ごしていく?
フルートとギターの生演奏あり、出演者全員でのダンスありと、しんみりする場面もあるが基本はコメディー。笑える箇所は大いに笑った。
作品の原案と演出、音楽監督はOAO代表の松永潤。
脚本は森山大輔。
役者陣で目立っていたのは、当然のことながら主人公シンジを演じた神成健太郎。そして、妻役の掛布彩衣。いつもは主演的な位置にいる中野聡や松木里江、上野梨佳子、山崎はん菜が助演的な役柄で脇を固めていたのが成功のポイントの一つ。石川順や可知将雄の存在感も光っていた。
生演奏の音楽も、場面にあった選曲で感心。

次回は11月だとか。楽しみにしている。
なお、松木里江は今回が劇団の卒業公演だとか。今後の活躍に期待したい。

ダイバシティーファミリー

ダイバシティーファミリー

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/08/03 (水) 19:00

初めに誤解を解いておきたい。「観たい!」への書き込みを拝見していると幾人かの人が青木ヶ原の樹海を迷い込んだら二度と出てこれない場所と思っておられるようだが、現在では青木ヶ原は観光スポットなのだ。遊歩道があり、遊歩道から外れない限りは一度入ったら出られないような恐ろしい場所ではないし、樹海の中でキャンプする人たちさえいる。近年はそうした観光者によるゴミのポイ捨てに加え、外部から持ち込まれた粗大ゴミや産業廃棄物の不法投棄も多く、これらのゴミは地元住民が定期的に始末しているのだという。従ってそういう際に遺書が発見されることもあるし、遊歩道の傍で自殺する人さえいるそうだ。しかも後述するが、この作品の中では遺書がどうして発見されたかの説明もなされている。

開場して奇異に感じたのは、この劇場だと通常はL字形に客席が設置されているのだが、入口側の客席がなかったこと。が、開演時間になって遅れてきた客の席がなく、慌てて入口側にも客席を作り始め、かと思えば客が着席した後で最前列を外すために移動してもらったりとバタバタ。入口側に新設した客席もほとんど埋まってしまったのだが、予約数と客席数のチェックもしていなかったとは制作スタッフの不手際が甚だしい。で、開演時間に5分遅れで長男・カズヤ役のタカギマコトの前説が始まるが、これまた(場を和ませるためであろうが)不必要なことまで喋るので、結局10分以上遅れて開演。

【ネタバレBOXに続く】

ネタバレBOX

冒頭は激しい雨の中で戸惑う男女の短い場面から暗転し、住職の読経へとつながる。ギャンブルにはまっての借金を苦に失踪し、青木ヶ原で遺言書が見つかったものの(携帯電話のGPSデータをもとに捜したのだという)遺体は発見されず終いの父親・拓郎の七回忌ということで、自宅に家族全員が集まっているのだ。この場面で、三女・みかの恋人・滋に対する多少の怒気を含んだまま住職が帰るのだが、お布施を渡す気配さえないのはちょっと演出上の手抜かりだろう。この前後に集まっている家族たちの状況が手際よく説明されることで、その後の展開がわかりやすい。母親・さちこがこの七回忌を機に新しい人生を始めたいとマッチングアプリで出会った小浜を紹介したところで、親類のかえでから当の父親が生きているようだとの電話が入る。
探偵を使って探してみれば、その父親らしき男はショーパブで郷ひろみのモノマネをして人気のレッツゴーひろみであり、口数が少なく寡黙だった拓郎とは全く別人格のような男だった。

この拓郎を演じるHiBiKiはこれが初舞台だそうだが、ショーの場面ではだんだん郷ひろみに見えてくるから大したものだ。そこと家族と対する場面での無表情さのギャップも上手い。

笑いとしんみりさとのバランスが良く、楽しめる一作となっている。上演時間1時間45分。

余談ながら、開場4時間前から稼働させていたとのことで、前説やカーテンコールで度々触れられていたマッハガードという安定化二酸化塩素を噴霧して除菌する70万円の機械がヤケに気になった(笑)。
岸田國士戦争劇集

岸田國士戦争劇集

DULL-COLORED POP

アトリエ春風舎(東京都)

2022/07/05 (火) ~ 2022/07/19 (火)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

「動員挿話」
戦前の戯曲なのに、これって分かる~というあるあるが岸田國士の芝居の面白さだ。
大概の男はたとえ最愛の妻がどう言おうと、世間体や仲間内の見栄からは逃れられないものらしい。
死んで見せたところで、無駄なのだ。

「かへらじと」
地区の原爆慰霊式で献花をしてきた。
国家のためだろうと、友情のためであろうと、戦争は人殺しに行くことだ。その先に何の仕合せがあるだろうか。
手柄を認めた将校役と息子の求婚に出向いた父親を同じ役者に演じさせた。そこに批判的な意図を感じる。

鎌塚氏、羽を伸ばす

鎌塚氏、羽を伸ばす

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2022/07/17 (日) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/08/02 (火) 18:00

鎌塚氏シリーズの第6弾。やはりとても面白い。115分。
 貴族社会が残り執事という職業がある、という世界観が面白いんだが、完璧な執事とは何かということの設定がすごくて、三宅のキャラクター作りが本作も成功してる。ある意味「お約束」の面白さだが、爆笑というより苦笑という感じになっていた。本作では玉置孝匡の役割が重要な気がした。それと二階堂ふみも見事だし、初登場の西田尚美が○○○というのがハマった。シリーズ全作を観ているのだが、本作は過去の作品の余韻を活かしているので、観てない人がどれだけ理解できるのか、ちょっと気になってしまった。

ネタバレBOX

○○○=鉄ヲタ
ダイバシティーファミリー

ダイバシティーファミリー

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「ダイバシティーファミリー」家族ひとりひとりの生き様、なるほどこういう意味が込められていたのですね!
家族や人間関係のちょっとほろ苦いところも丁寧に描きながら、同時にしっかり笑えるドラマ&コメディーのミックスバージョン。

誰もがそれぞれに悩みを抱えていたり、道の途中だったり
シーンひとつひとつが楽しく積み重なって、登場人物達のいろんな側面や悲喜こもごもが見えてきて
観終わった後にはこちらの活力にも繋がる充電タイプの作品でもありました。
復活公演…実は生きていたお父さんの謎や、実は逞しいお母さんの生き様…コロナのせいでお蔵入り なんて事にならなくて本当に良かった。
沢山の役者さん達のエンタメ魂が丸々ギュッと詰まっていて、演劇初心者にも優しく こちらにもお勧め。

ネタバレBOX

ざっくり大きく分けると、親近感ある色んな流れを持った「残された家族サイド」と「実は生きていたお父さん」サイド
「実は生きていたお父さん」サイドは何やら後ろめたさ感タップリだけれど、何故か惹かれるのでした(笑)
合流シーンも最高です!
蝶々結び

蝶々結び

LUCKUP

上野ストアハウス(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

肉声で届く声、何気ない楽しい会話に潜む真実。観る者に想像の余地を与えてくれるお芝居だった。
膨大なセリフから心に触れる言葉が繰り出され、青年の気持ちと共に動かされていった。
ふらっと旅に出て、帰ってきた、そんな気分にさせてくれる。

ネタバレBOX

軽妙にやり取りをかわす楽しげな日常の風景の中、駅に降りたった青年と陽気な人たちとの関わりに、つきまとう異質な感覚。そこから一転ミステリーの様相を呈し…。最後に一つに繋がったときには雨上がりの空を見上げるような清々しい解放感を味わえた。
事故のことと母とのわだかまり。青年の中で2つの関係がぼやけていたのだけが残念だったかな。
『Q』:A Night At The Kabuki【7月29日~31日公演中止】

『Q』:A Night At The Kabuki【7月29日~31日公演中止】

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2022/07/29 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

野田マップの『Q : A Night At The Kabuki』を観劇。

ロミオとジュリエットを下敷きに、音楽はクィーンを使用し、英国尽くしの内容になっている。
再演。

12世紀の源平合戦の平の瑯壬生(ろうみお)と源の愁里愛(じゅりえ)の愛の物語で、もし彼らが若くして死なずに生き延びていたなら?という過程で展開していく。
第一幕はろうみおとじゅりえの出会いと死までが描かれているが、隣で30年後のろうみおとじゅりえが「何処で我々は間違いを犯してしまったのか?」と記憶をだどりながら若い時分の自分たちを見ている。
第二幕は生き延びて苦労しているろうみおとじゅりえを30年前の若いふたりがそれを見守っている。
時間と場所、過去や未来が瞬時に逆転したり、若いろうみおとじゅりえと30年後のろうみおとじゅりえが出会ってしまったりと大胆な発想と展開、見立て、言葉遊び、クィーン、歴史観ともう野田秀樹満載で十分面白い!と思ってしまいがちだが、ここ数十年の野田秀樹にはそんなに生やさしい演劇観はない。ここで描かれるのは戦争と政治だ。
独裁者がどのようにして民衆を足蹴にするのか?
戦争を戦っている名もなき兵士たちは?
それに苦しむ市民たちは?
まるでロシアとウクライナの戦争が始まったのでそれを機に再演をしたわけではないが、あまりにもタイムリーな内容だ。
シェイクスピアのロミオとジュリエットは究極の愛の物語として語られ、そこを軸に様々な演劇人が再構築しているが、ふたりの仲は何故引きさかれたのか?の箇所を見逃してはならない。その答えこそがロミオとジュリエットの本来のテーマであり、今作の見どころだ。
そこに行き着かなければならなかった劇作家・野田秀樹の苦悩とじゅりえ(松たか子)の涙が交差する。
大傑作である。
自亡自記

自亡自記

セツコの豪遊

新宿眼科画廊(東京都)

2022/07/29 (金) ~ 2022/07/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/07/30 (土) 13:30

恋する人を演じるのに必要なのは、恋する心ではなく、図々しさではないかと思うのだけど、違うのかしら。

ネタバレBOX

「演劇」を理由に「恋愛」を終わらせた(「恋愛」から逃げた)けど、「演劇」のためには「恋愛」も必要、みたいなジレンマに陥って、どっちを取るかもがき苦しむ演劇中毒者の真夏の夜の夢、みたいな感じのお芝居でした。

主人公はいろんな意味で思い込みが強くて、そのせいで後悔をしたり思い悩んだり、いつまでもぐだぐたしている。強迫観念に縛られた人間の滑稽さが出ていたと思います。でもみんな、そんな感じで生きてるんですよね。

主人公に対するぼくのアドバイスは、「そんなに頑張らなくてもいいと思うけど」って感じですかね。いや、ぼくのアドバイスなんてまったく聞く必要ないです。ごめんなさい。
TSUYAMA30-津山三十人殺し-

TSUYAMA30-津山三十人殺し-

PSYCHOSIS

ザムザ阿佐谷(東京都)

2022/07/14 (木) ~ 2022/07/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/07/18 (月) 14:00

「八つ墓村」の元ネタである津山事件に阿部定のみならず陰陽道の形代や未来から来た人物なども絡ませた例えば海野十三など少年倶楽部に掲載された冒険もののような「跳んだ発想」の物語につくづく高取さんは「少年の心」を抱き続けた方だったんだなぁ、と。(換言すれば「オトナのごっこ遊び」的な?)
そして「濃厚な」人物に実在感を持たせて演じた出演陣はもちろん、冒頭の惨劇場面で客席後方上部のオペブースを使うのに明かりの明滅だけで表現したことを筆頭とする照明や舞台下手の螺旋階段などもステキだった。
なお、2008年の初演以来3度(or more?)上演された月蝕歌劇団版は観ていないが、そちらよりもアングラ色が薄いのではないか?と漠然と推測。

HEISENBERG【Aキャスト全公演中止】

HEISENBERG【Aキャスト全公演中止】

conSept

ザ・ポケット(東京都)

2022/07/29 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/08/02 (火)

価格6,800円

2日19時開演のBキャストを拝見(90分)。

肉屋の店主である70代の男性・アレックスに、平田満
風変わりな40代の女性・ジョージーに、小島聖
を起用した本作。
個人的な感想をひとことでいえば、中高年層…いや、高齢の男性観客に夢と希望を与える⁉︎ 90分かなぁ。
いかにも翻訳モノらしいストーリーだったが、大量のセリフを叩きつける小島聖さんと、それらをやんわり受ける平田満さんお二方の熱演もあって、見応えのある舞台だった。

ただ、残念なのは、高齢者向け?だからなのだろうか、コロナ感染を恐れたのか、あるいは…S席(9,800円、C列~D列)とC席(6,500円、M列~O列)は埋まっているのだが、A席(8,800円、E列~L列)はガラガラ!(私の観た回は、1列13名のI〜L列がほぼ空席という惨状)。
他の回も同様らしく、舞台の出来からして、勿体なさ過ぎ!
なんとか、集客面で挽回を期待したい。

公演日程(Aキャストは全公演中止)
8月3日(水) 14:30B
8月4日(木) 14:30B
8月5日(金) 19:00B
8月6日(土) 17:00B
8月9日(火) 19:00B
8月10日(水) 19:00B
8月12日(金) 14:30B
8月13日(土) 13:00B
8月14日(日) 13:00B

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アマヤドリ

スタジオ空洞(東京都)

2022/08/02 (火) ~ 2022/09/07 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

面白いよ

金色夜叉・改

金色夜叉・改

劇団ドガドガプラス

浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)

2022/07/30 (土) ~ 2022/08/05 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 ホリゾントセンターに大きな月 中央出捌けを挟むようにパネルが貼られ、パネルの開口部近くにシンメトリックに取り付けられた巨大な眼球のような照明。東洋館のレイアウトは、皆さん既にご存知だろうからくどくど書かないが上手には螺旋階段を上った先に小部屋がある。

ネタバレBOX


 今回は途中休憩10分を挟んで2時間40分超の長尺。「金色夜叉」は尾崎紅葉の書いた大衆小説の傑作だが、今作はこれに改が付き、ゴールデンデビルVSフランケンシュタインのサブタイトルが付けられて望月ワールドを為している。
 少し寄り道をしておく。御存知の方も多かろうが1816年「フランケンシュタイン」を書いたメアリー・シェリーは、詩人のP.シェリー、バイロンらとレマン湖湖畔にあったディ オダティ荘に滞在していた。折あしく長雨に降り込められて屋内に閉じ込められた一行は、バイロンの提案「皆で1つずつ怪奇譚を書こう」との案に乗った。こうしてシェリーは後に「フランケンシュタイン(原題:(Frankenstein: or The Modern Prometheus)」として知られることになった作品の原案を書いたとされている。(余談だが今作中、プロメテウスに関する話題が台詞に出てくるのはこの原題とかかわりがある。)さて寄り道序にressentiment について述べておくことにしよう。台詞ではドイツ語とされているが誤まりである。フランス語だ。ドイツ語の原著を読める訳ではないのでハッキリは言えないものの、今作で用いられているressentimentは、キエルケゴールを経由してドイツの哲学者・ニーチェが用いた、台詞で述べられたような概念の用語として、ニーチェ自身がこの単語を用いていて勘違いなさったのだろう。ヨーロッパの哲学者ともなれば、ギリシャ、ラテンは当然のこと、自国語、仏語、英語その他多くの言葉を理解して当然なのでこのようなことが起こることはヨーロッパで生活していた者にとっては日常的なことである。日本の哲学者でも数か国語を理解する哲学者は一流大学教授にはそれなりに存在している。これも当たり前のことだ。
 ところで、今作大きな所で、2つの作品「金色夜叉」と「フランケンシュタイン」という全くタイプの異なる作品が連結されている訳だが、シナリオに書かれた台詞から判断するにこれを繋ぐコンセプトこそ ressentimentであるという。これはニーチェの概念定義によれば‟弱者が抗えない強者に対して内面に抱える「憤り・怨嗟・怨恨・憎悪」というような感情そのもの“である。即ち弱者の遠吠えに過ぎない。一過性のムーブメントなのである。この普遍性にもパースペクティブにもまた論理的整合性や構築性にも欠ける状態を一貫した物語のビルジキール(船の竜骨・船体全体の背骨に該当する構造)として用いようとしたことに今作の弱さがある。サブストリームに現れる心中の構造は、日本人の文化に深く根差した心中物の傑作の豊かな伝統を踏まえれば無論、ストンと腑に落ちる、見事な美しさと強度を具え、哀れをもよおすものの、解決策としては死という形しか持ち得ない、弱者の美学に過ぎまい。意地の悪い見方をすれば単なる敗北主義である。そこで持ち出されて来たのが擬制である。(例えば金融システム、例えば装置としての靖国VSプロメテウスとしてのフランケンシュタイン、そして3者の三つ巴)ラストシーンで高利貸しと貫一、宮が三つ巴になるシーンを観よ! 他没落士族と思しい「三流社会活動家」、ある種の人造人間であるゴーレムの登場等様々な敗者の残影、遊びも鏤められているのは無論のことだが、返す返すも更に奥深い普遍的統一性を持った論理を作品構造の根底に据えないと作品としての弱さは克服できないと考える。
 また吉田松陰の「幽囚録」に述べられた膨張主義も混乱を極める現在の情勢を彷彿とさせるために多用されているのだと考えるが、このような膨張主義に何ら普遍性は無い、と自分は考える。無論、もっと別の道を考えてはいるが、今は内緒。

風のサインポール

風のサインポール

劇団俳優難民組合

下北沢 スターダスト(東京都)

2022/07/22 (金) ~ 2022/07/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/07/22 (金) 19:00

「観たい!」にも書いているが、4月に上演されたベンチシリーズ第1作の「いかけしごむ」はまず劇場となる3階にあがろうとして、2階の踊り場を過ぎてギョッとしたのは階段に犬の糞が落ちていたこと。が、よく見ると犬の糞に似せたもので、下から上に(3階に向かって)「いかけしごむ」と公演タイトルが形作られているのだ。片隅に黒く焼け焦げたような紙の燃えカスのようなものもある。事程左様に劇場に入る前からムード造りが秀逸で、開演を待つ間も子供の泣き声が流され(私は開演されるまで、それが劇場外から聞こえてくるものだとばかり思っていた)観応えのある舞台を創りあげていた。
今回はそのベンチシリーズ第2作。今回は変な仕掛けはないなと思いながら階段を上ると、入口手前の手すりが「立入禁止」のトラテープ(ポリスラインテープ)で塞がれていた(笑)。
客席と演技スペースとの間にもトラテープが張られ、奥にベンチがある。ベンチの横には床屋のサインポールが立てられ、ベンチの下にはホームベースがある。
やがて、客席前のトラテープが剝がされて開演。

【ネタバレBOXに続く】

ネタバレBOX

ユニフォームを着てベンチに座りラジオで野球中継を聴いている男。と、何度かリードをとりながら、ホームスチールよろしくヘッドスライディングで突進してきた男。この男こそ「熱海の盗塁王」と異名をとった男だった。やがてこの2人の男の因果が明らかになっていく。
サインポールが爆弾で赤と青のコードが延びておりそのどちらを切断すればいいのというおなじみの緊迫シーンも、そのコードの色がサインポールと同じ赤と青だというのが実にウマイ。

上演時間1時間強の不思議な味わいの作品だが、前回といい今回といい、ちょっとクセになりそうだ。
自亡自記

自亡自記

セツコの豪遊

新宿眼科画廊(東京都)

2022/07/29 (金) ~ 2022/07/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/07/31 (日) 16:00

このセツコの豪遊は劇団員が宮村だけという一人劇団だとのことだが、観るのは19年5月に代々木上原のIto・M・Studioで上演された「つぎとまります」に続いて2度目。
今回はコロナ禍再燃中ということもあって、一人だけでも公演ができるようにとスタッフワークも一人でやることにしたとのことで、開演前の挨拶の後、客席後方の場内照明のスイッチを切りに一旦ハケてから再度登場し、サンダルを脱いで開演。衣装はといえば、紺のTシャツとジャージーパンツ。

【ネタバレBOXに続く】

ネタバレBOX

開口一番の台詞は「どんな気持ちかわかりますか?」。実はこれは前回公演「I s」(19年8月)の中の台詞。いろいろと工夫した上で発した台詞だったのだが、アンケートに書かれていた「彼女は恋をしていない」という一文に衝撃を受け、今年のゴールデンウイークの初日からパソコンに向かって綴った「私の恋愛履歴、もとい黒歴史」が今回の作品となったのだという。

全編を通して割と早口なのだが、活舌と口跡が良く、聴きとりやすい。またその間の動作も考え尽くされたと思しき最小限のものだが、笑えてしまう。「青春真っ盛り」の反対語として自身が造ったという「茶秋どん底」という言葉が面白い。
上演時間35分強の作品だが、ずっと惹きつけておく力量はたいしたもの。

投げ銭方式の入場料で公演をうつ心意気には頭が下がるが、ただ、「黒歴史」というには大事な(?)一点が抜けている。中学生の時から飛び飛びにではあったものの自身の人生の半分の期間付き合ってきたジャニくんとイタしたのか、それともイタしていないのか、演劇教習所の卒業公演の時は役作りのために愛無きSEXをしたのか、もししたのだったらその時どういう心情が沸き上がったのか、である。まあそれとなく察しはできるのだが、それなくしては「黒歴史」たりえまい。
追憶ベイベー!

追憶ベイベー!

TOMOIKEプロデュース

駅前劇場(東京都)

2022/07/27 (水) ~ 2022/07/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/07/29 (金) 19:00

6年半前にシアター711で初演した作品(当時の団体名はチーム進火RONといったらしい)のリメイクだという。
全席が自由席だが、最後列の下手端に着座。
中央にイーゼルに立てられたキャンバスが置かれた舞台で、開演10分前から友池さん(主宰・友池一彦の役者としての名前)と根岸可蓮、えなえ、岡田竜二の4人によるプレトークが始まる。この中でえなえは降板した大森つばさの代役を急遽務めることとなって、1日で台詞を入れたのだという。

【ネタバレboxに続く】

ネタバレBOX

父親の葬儀の日、キャンバスに向かって一心に絵筆を動かすヒサオに弟・シンジが喪主の務めを果たせと責めたてる場面から物語が始まる。
一言でいえば隕石が落ちたことで生じた時空の歪みによってタイムスリップできるようになった男女によって引き起こされる大騒動の一日といったところ。
隕石の欠片を1個ずつ両手に持ってカチカチと打ち合わせればイメージした時間にタイムスリップできる、但し空間的には隕石が落下した近くにしか行けないという仕掛けだが、ただそうすると20年後からやってきたヒサオの娘はやはり20年後に同じ場所で隕石の落下に立ち会ったということになるのだろうか。
また落下したことで時空が歪むほどの隕石ならば相当に大きな密度であるはずだが、それだと簡単に割れはしないし、掌ほどの大きさの欠片でもかなり重いはず。
まぁそんなカタイことは抜きにすれば、タイム・パラドックスの問題も多少「?」な個所もあるものの、それほど気にならず、楽しめる内容になっている。スライドするパネルと照明とでタイムスリップを見せる仕組みもまずまず。タイムスリップが身体に与える負荷のために、移動直後には吐きそうになるということで生じる勘違いが面白い。
結局は劇中でも触れていたように「過去はそう簡単には変えることができない」ということだが、それでなお、うまく結末に持っていく手際は見事。

役者陣はいずれも上手い。AUBE GIRL'S STAGEのように舞台経験もないような人間を集めて公演を打ち、可愛いコ目当ての観客動員とグッズ売上げを図る団体があるから、受付近くでブロマイドなどを販売している公演では観劇前の期待感が萎えてしまうのだが、このTOMOIKEプロデュースに関しては女優陣がいずれも可愛いだけでなくてきちんと演技のできる人間を使っているのに好感が持てた。

上演時間110分。

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