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優しい劇団の東京に吠えろ!

優しい劇団の東京に吠えろ!

優しい劇団

東京都日野市 万願寺歩道橋河川敷(東京都)

2023/03/04 (土) ~ 2023/03/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

優しい劇団の東京公演。初日しか行けなかったのが残念でならないというくらいに面白かった。怪異な世界を狂気を感じさせるほど克明に描写して現実を虚構で打ち壊してゆくような鋭利な言語感覚、エネルギーに満ちた身体感覚が凄い。また観に行きたい。野外演劇ということで、形式からいえば“上級者向け”っぽい雰囲気があるが、ユーモアに満ちたストーリーテリングの妙なのか、かなり観やすい演劇だと思う。

橋の上で

橋の上で

タテヨコ企画

小劇場B1(東京都)

2023/03/08 (水) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/03/11 (土) 14:00

実話ですごく難しいテーマなのですが、人物の感情の起伏、流れるような演出、私自身の感情移入も相まって、とにかく終始、引き込まれっぱなしでした。

事件、出来事に関する感情一つ一つがとても丁寧に読み解かれていて、考えさせられるテーマでもありました。素晴らしかったです。

染明色

染明色

Prelude

王子小劇場(東京都)

2023/03/08 (水) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/03/11 (土) 14:00

初見のユニット。Bチームを観劇。丁寧に作られているが、結局何が言いたいのか、良く分からなかった。110分。
 10人の若い男女のさまざまな関わりを描いてて、描写は丁寧に作り込まれているが、題材的には若干ハラスメントの場面があり、必ずしも観やすいものではない。男性はキャラがハッキリしているのだが、女性のキャラクターが少し曖昧な側面があるのと、作者が「多様性」を受け入れているのか、受け入れていないのか、良く分からなくて、モヤモヤしたまま終わる。
 「耳触りのよい」という表現を使ってる時点で、私のテイストではないな、と思った。

鉄音、轟然。

鉄音、轟然。

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2023/03/10 (金) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 三里塚闘争の投げ掛けた普遍的問題を見事に浮き上がらせた。現在に続くこの欺瞞国家の姿を目撃すべし。華5つ☆(追記後送)

ネタバレBOX

 鉄塔に対する攻撃音の度に天井から下がった電球が点滅する。而も点滅する電球の場所は一様ではない、今作の冒頭シーンである。この轟音と複数の電球が、攻撃される轟音の度に別の場所で繰り返される点滅が所謂三里塚闘争の経緯と、理は農民・空港建設反対側にあるにも拘らず相手が国家という責任無化システムであるという事実の齎す結果を象徴している。
 千葉県に建設された成田空港は1966年7月4日に佐藤栄作内閣によって閣議決定され、地元農民への通知も相談も無しに強行された。つい先日強行された鉄塔撤去も一旦は国家のミスを認めているにも拘らず、身勝手な立法と圧倒的不均衡の暴力によって強行されたものである。少し背景を述べておこう。成田に空港用地を閣議決定する直前には冨里が候補最適地とされ三里塚から10㎞程離れたこの地が新空港建設の対象地であったが反対運動によって頓挫していた。三里塚が選ばれた理由は幾つかある。政府は米軍によって極めて広大な空域を占拠されている航空管制、気象条件などの条件面で富里と差異がなく、「天皇」の牧場・下総御料牧場並びに県有地を最大限に利用できたこと、この為民有地買収を少なくできることなどに着目した。
絶対社会適合論

絶対社会適合論

劇団ちゃうかちゃわん第31期

大集会室(大阪府)

2023/03/11 (土) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

満足度★★★

コロナで卒業公演ができなかった期生の演劇
現実味は無いものの、内容は現代にも置き換えられることはできる
信仰心 自分のやりたいこと 置かれた立場で期待されること等々、なにを一番大切にするのか選択しながら生きていくということを言いたかった…
六風館とは対照的だった

遺作

遺作

藤原たまえプロデュース

ABCホール (大阪府)

2023/03/10 (金) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白おかしいきつい切羽詰まった話しで、笑いあり熱いものがありました!
劇団員の奮闘に涙を流しながら笑いました!

卒業式

卒業式

劇団一級河川

「劇」小劇場(東京都)

2023/03/10 (金) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

三本立て公演で、まず島根県立松江工業高等学校演劇部による、太宰治原作の「葉桜と魔笛(工業ver)」、続いて島根県立三刀屋高等学校掛合分校演劇同好会による、これまた太宰原作の「走れ!走れ走れメロス」。ともに脚本・演出は亀尾佳宏氏。「葉桜と魔笛」もよかったが、やはり「メロス」の破壊力は抜群。そして最後は亀尾氏の作・演出による劇団一級河川の「酒とお蕎麦と男と女」。今回参加した生徒たちは、コロナの中で入学し、コロナが明けぬまま卒業、演劇活動も無観客だったと聞かされ、何とも言えない気持ちに。「メロス」に出演した内の1人が「酒とお蕎麦と男と女」にも出ており、彼は卒業後も演劇を続けるのだそう。いい公演だった。観に来てよかった。

デラシネ

デラシネ

鵺的(ぬえてき)

新宿シアタートップス(東京都)

2023/03/06 (月) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

時は現代なのに、今どきこんな師弟関係ないだろ、でもそこはフィクションで誇張もあるからねって思いながら観ていたけれど、こういう男性は確かにいたし、今もいるんだろうと思う。
女を武器に上手く世渡りすること。
女を武器にせず自分の力で生きて行こうとすること。
どちらも痛みを伴う。
一見、古い昭和の物語のように見えるのは敢えてであり、昔はこうだったけど今はどうよ?良い方に変わった?ジェンダーギャップとか男女格差とかどうなった?と突きつけられたように感じた。
ラストがいい。
若い2人に希望を見る。

鵺的の舞台は俳優陣はもちろんだけれど、毎回本当に舞台美術や照明がいい。

まち歩き演劇「忘れじの朝(あした)」

まち歩き演劇「忘れじの朝(あした)」

さかい利晶の杜

さかい利晶の杜(大阪府)

2023/03/04 (土) ~ 2023/03/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

高橋恵(虚空旅団)さんの脚本、演出は、言葉が分かりやすい、聞きやすい、
さらに、キャスティングがピッタリ嵌ってて、心に伝わります。
堺のこの辺りで新たな発見
知らなかったお茶屋さん「茶寮つぼ市製茶本舗 」を見つけた。
芝居と、観光、散歩の感覚
展示観覧と、お茶も、良かった。
お茶の作法、茶碗を回すのは、お茶碗に正面がある、
見て楽しむため、そして返す際に、そうだったんですね。
知らなかった、お茶の知識
短歌のセンスは、私には無いけれど、とても楽しめた。

ジョンソン

ジョンソン

溺れた魚の水揚げ式

Therter Cafe 信天翁(大阪府)

2023/03/04 (土) ~ 2023/03/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

いやーー 面白かった 良かった 裕の心の変化が、「うんこする――」が、きっかけなんて 梨加  の推測する心 ジョンソンは進化する ジョンソンが裕の言葉を聞かなかったのは・・・ おもしろい 今 観たいお芝居は、ハッピーエンドなんですよ ドはまり 最後 娘の父親の視線になってしまって、なんか涙が出ましたわ。

マギーの博物館

マギーの博物館

劇団俳小

サンモールスタジオ(東京都)

2023/03/03 (金) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

俳小の翻訳劇シリーズは掘出し物のままある古本屋(通人なら骨董屋と言う所か)を覗くような楽しみでチラシを眺めるが、タイトルも作者名も大概判らぬ。今回は炭坑夫の弟を持ち炭坑夫の兄と父を亡くした主人公マギーの家が舞台。炭鉱にまつわる話らしいと知って少しわくわくするのは映画「プラス!」やミュージカル「ビリー・エリオット」、はたまた「わが谷は緑なりき」?の影響だろうか。
年頃のマギーは稼ぎ手の弟と、母、祖父と暮らす。所へ、一人の男が現われる。マギーと男、家族らの関係の変遷を軸に、炭鉱の町、引いては時代への眼差しへと観客を導く。炭鉱と来て、バグパイプ・・音楽と来れば先の映画とミュージカルを思い出すが、舞台はいずれもイギリス。だが今作の舞台はカナダである。
戯曲は来訪者である男の人物像を特徴的に描いている。のだが、、

鉄音、轟然。

鉄音、轟然。

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2023/03/10 (金) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
三里塚闘争を空港建設反対同盟 ーいわゆる地元住民の観点から描いた骨太<回想>作品。この団体のコンセプト「歴史上の事件を題材に、そこから紡ぎ出される重厚な人間ドラマ」は、見事に描き出されていた。大きな事件の中に息づく人々を冷徹に見つめ、事<コト>の本質を炙り出す。<当時>渦中の熱き闘争と それを<現在>冷静に観察し解説するような構成によって紡ぐ。

三里塚闘争の経緯等は、(取材)資料や映画上演で ある程度知ることは出来るが、本当のところは解らない。劇中の台詞…報道に関して、遠くから回したカメラだけでは窺い知ることは出来ないと。物語は、空港建設反対同盟の立場から描くこと、そこで暮らしていた人々の悲痛な叫びを訴えることで、同じような事ーー例えば沖縄米軍基地問題、原発などへの問題提起として捉えている。国の理不尽な行為には声を上げること、決して黙してはならない。

反対運動が過激になる中で、一人の老女に焦点が…。始め よね(内海詩野)さんとしか呼ばれていなかったが、後々、仁王立ちになり激烈な言葉を吐くようになる。その苗字が”大木”と知れた時、机上の資料とは違う、舞台ならではの面白さ。そして歴史<事件>の中に感動的な人間ドラマがしっかり立ち上がった。

彼女の家に集まり、地に足が(愚にも)つかない理論や理屈を話すのではなく、これまでの彼女の生き様(地に足をつけた)を聞き出す。彼女が、この地で暮らすことの意味、それがこの地で暮らす住民〈農民〉の総意を表す。当たり前の暮らしが脅かされることに対する怒り、雄叫びが観客の心を揺さぶる。
(上演時間1時間35分 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、中央を一段高くしその真ん中にパイプ組した塔のようなモノ、そこにヘルメットや布地が巻き付いている。舞台と客席の間に潰れた空缶や三角コーンが散乱している。三里塚闘争現場のイメージだが、何となくスタイリッシュな印象をもつ。

女性記者が三里塚闘争の当事者・菅本(住民で反対闘争をしていた人物)から話を聞く、そんな取材⇒回想劇として描く。物語は闘争の経過を順々に展開していくが、あくまで観点は反対住民の側である。この種の演劇で国<行政>側の観点として描けるだろうか。そして闘争は住民以外の勢力を巻き込んで激化していく、というのは周知のこと。武力衝突、国は上手の高台(2階部)から拡声器を使用して「大量輸送時代の幕開けと高度経済成長によって日本の航空需要は急激に増大しており、旅客需要の伸びと航空機の発着回数の増加傾向に対応する」といった一辺倒の説明しただけの描き方である。

反対住民の集会へ頻繁に現れる老女、彼女の行動に興味を抱いた青年が菅本に取り次ぎを依頼したところから、反対同盟という組織から、その中の個人の戦いへ軸足が移った描き方へ変わる。何となく違和感を持って観ていたが、老女の名が「大木よね」と分かった時、記憶の底に眠っていた、というか 燻っていたことを思い出した。勿論 後日読んだ記事か何かである。公演は、反対同盟という組織ではなく、個人の意思で反対する理由と必然性を説明し、反対運動によって生き甲斐を得た老女の姿を生き生きと描く。それは遠くから眺めたニュースとは違って、リアル(切実)な思いが伝わってくる。反対に説明不十分で強権発動した国<行政>の理不尽さが強調される という巧さ。

舞台技術…冒頭、色々な所の小電球が点滅を繰り返し、何やら不吉な印象を与える。同時に滑走路の進入灯かとも思えた。一方、音響は鉄を打つ音、その重い響きが印象的だ。また武力衝突時に焚かれるスモーク、そして何より団結を示す雄叫びやシュプレヒコール、その肉声に緊張と迫力が漲っていた。
たとえ鉄塔が倒れても人<心>は倒れない、そのメッセージは今も続く。
次回公演も楽しみにしております。
ひとり語り芝居『土神ときつね』他

ひとり語り芝居『土神ときつね』他

お茶祭り企画

あさくさ劇亭(東京都)

2023/03/10 (金) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

第一部は詩の朗読と宮沢賢治マニア、川島むーさんによる講演。本多千紘さんがピアノと効果音を担当。

①冬と銀河ステーション
②岩手軽便鉄道の一月
③シグナルとシグナレス
④青森挽歌

第二部はひとり語り芝居。
⑤土神ときつね

宮沢賢治に興味がある人は観に行って損はない。会場のあさくさ劇亭も以前より気になっていたが味がある。幕間で換気の為、扉を開け放つと、そこは路地で犬の散歩の人達が往来。

②の樹々が凍ってキラキラと反射して光っている様子を「鏡を吊し」と表現。美しい。
③は信号機の恋物語。何でも擬人化してしまう。
④は死んだトシを捜して列車に飛び乗り、何処までも彷徨う宮沢賢治の魂。

まだまだ面白い宮沢賢治の世界。入場料も安いので是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

宮沢賢治とゴッホとサン=テグジュペリを死後の世界を宇宙に見立てた者として語る。ゴッホの『星月夜(糸杉と村)』をそう解釈すると確かに面白い。

④を聴いていて、宮沢賢治の文章は観念的でどうも絵が浮かび辛い。音楽や視覚効果が入るとしっくりくる。

⑤は宮沢賢治らしいジブリ調の仏教説話を想像していたが、嫉妬に我を忘れた醜男の話。気が滅入った。
マギーの博物館

マギーの博物館

劇団俳小

サンモールスタジオ(東京都)

2023/03/03 (金) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

公演は、タイトルにある「博物館」としたマギーの家、そこで力強く生きた人々の「証」を紹介もしくは回想した力作。同時に、人によって捉える観点が恋愛劇であり社会劇といった違い、そんな幅広い受け止め方が出来る作品でもある。
当日パンフに翻訳者の吉原豊司氏が「時代背景は1940年代後半、場所はカナダの東海岸にある炭鉱町グレースベイ。今の日本とは地理的にも時間的にも遠いところの話」と記しているが、何となく現代的なような気もする。

人間はどんな劣悪な環境下でも生きる、そのために無くしてはならないのがプライドである。生きる原動力にもなっているプライドの激しいぶつかり合い、その中に さり気なくルーツの大切さも描く。それがバグパイプの調べであり ケルト語で書かれた祖母の日記帳である。言葉を発しなくなった祖父の意思表示は、<英語>で祖母の日記帳へ殴り書きをする。何もかも上書きし無かったことにする、その虚しい行為に自分自身憤っているかのような態度=後ろ姿。

脚本(翻訳)の力は勿論、視覚的に観せる舞台美術、そしてマギーの主観的な追憶であり客観的に俯瞰するような語り、その複眼的な演出が秀逸。それによって炭鉱労働者の劣悪な労働条件・環境、経済的貧困、労働組合による戦いなど、悲惨極まりない出来事を一時の感情的な事としてではなく、事実として伝える。この掘っ立て小屋は、今では 勝手に思っている「博物館」であり、冒頭は 、陳列している「弁当箱・ヘルメット・ヘッドランプ・・・」と説明し、ラストシーンは「覚えていてもらうってのは大事な事」というメッセージで結ぶ。劇中ナレーション風になるのは、回想場面から抜け出し、現在<今>の心境で語るためであろう。

また場面転換をしても、いつも母の床拭きから始まる。いつまで経っても状況は変わらない、そこから一歩も進めていない様子が一目瞭然。その一家の暮らしを支えているのがマギーの弟、炭鉱労働者である。使用者対労働者という典型的な資本主義の構図をあてはめた物語へ展開していく。

気になったのが配役である。マギーに兄がいたが、彼が16歳の時に炭鉱の事故で亡くなった。その子は今8歳…と言うことはマギーやその弟は20歳代前半だろうか?<自分の聞き違い又は勘違いだろうか>
(上演時間2時間15分 途中休憩15分) 

ネタバレBOX

舞台美術はマギー一家が暮らした家、今では更に廃屋同然な状態であるが、壊さず当時の状況を伝えるための”博物館”として遺している。舞台<家屋>と客席の間には、海が見える小高い丘、そこは お花畑のような美しさ。家屋内は中央にテーブルと椅子、上手奥からベット、中央奥は窓ガラスと玄関ドア、下手はトタン壁、炊事場が見える。そして陳列台には弁当箱、ヘルメット、ヘッドランプ等が置かれている。天井は平板が何枚か吊るされているが隙間だらけ。全体的に煤け、炭鉱労働者の貧しい生活ぶりを端的に表している。

マギー(小池のぞみサン)の回想、それは後に夫になるニール・カリー(加賀谷崇文サン)との出会いから始まる。偶然 2人ともスコットランドからの移民で、何となく意気投合するような。この移民という設定が肝で、今ではその文化、例えば文字や言葉、音楽が忘れ去られている。郷愁よりも今の現実ーー生活していくこと、もっと言えば生きていくことが最優先される。移民の悲哀は後ろ姿だけで声を発しない おじいちゃん(大久保たかひろサン)に担わせている。この件が気になるのは、外国(翻訳劇)を通して、アイヌや琉球、世界に目を向ければウクライナといった地に思いを巡らすから。

ニールはマギーの家に入り込むが、働かず復員兵に支給される生活保護も受給しない。日の当たる場所、農業労働に理想を見ているが、この一家では明日の生活もままならない。一家の生活を支えているのがマギーの弟・イーアン(大河原直太サン)<炭鉱労働者>である。亡き父・兄と同様 暗い炭鉱に潜って低賃金を稼ぐような生活。何とか労働環境・条件の改善を目指すため精力的に労働組合活動を行う。物語は、登場し<見え>ない資本家との対決姿勢を通して自己実現<信念に自己陶酔>しているイーアン、プライドだけは高いニールとの激論によって資本主義の弊害を浮き彫りにしていく。そして社会は一層不景気になり炭鉱労働者に過酷な試練<争議>を負わせるが…。

この公演だけではなく、俳小の最近作に言えることだが、小市民的ながら強か<いわゆる反骨的>な生き方をする人々を描いているような気がする。本作でも「洟ッ垂れ」と綽名で呼ばれた小柄なマギーが、自分の生き様を語り、力強く生きて行こうとする姿を観(魅)せる。掘っ立て小屋を遺し後世に伝えるーー別意味だが、死者はその人を忘れた時に、本当の意味での”死”になると聞く。

弱きモノの視点として、1つは 母キャサリン(荒井晃恵サン)が、場面転換ごとに床拭きをしている。雨が降っている時に、雨漏りがひどいが、屋根があるだけましかと自嘲気味。文句言い=虐げられながらも黙々と拭(働)く姿。そこに現状からの脱却(きれいにする)を見る。
もう1つが、湾に鯨が打ち上げられイーアンとニールが助けにいく場面。イーアン曰く 一生懸命に生きようとする、そのためには戦わなければならない。それを助けるのは当たり前だ。勿論 炭鉱夫である我が身に置き換えての言葉である。そこに労働者としての矜持を見る。
次回公演も楽しみにしております。
カミサマの恋

カミサマの恋

ことのはbox

萬劇場(東京都)

2023/03/01 (水) ~ 2023/03/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

息子と婚約者が重なって見えるってこう言う事だったのですね・・・♪
後半泣けた・・・♪

橋の上で

橋の上で

タテヨコ企画

小劇場B1(東京都)

2023/03/08 (水) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

今の日本に必要な物語でした。社会問題がテーマですが登場人物の気持ちをきっちり描写していて我がことのように感じられました。能瀬の真摯な演技が熱かった。

マギーの博物館

マギーの博物館

劇団俳小

サンモールスタジオ(東京都)

2023/03/03 (金) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ある娘を通して炭鉱労働者の生活を描く休憩15分を挟み計2時間15分、しっかり作られた舞台装置とバグパイプ、そして主役2人の体躯の大小が印象的、あと歌が素敵でした。全体に暗めのトーンで演出なのか脚本なのか劇的な出来事は全てナレーションで済んでしまうせいかやや盛り上がりに欠ける印象。

Dramatic Jam 5

Dramatic Jam 5

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/03/10 (金) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ダルが3点目をとられたところでスマホの電源を切ったので、気もそぞろな状態でコントっぽい短編9本・60分。紙風船の奴は、前にも見てるけど、この並びに入れるのはちょっと違和感。で、シアター・ミラクル、閉館までにあと何回行けるかな?

Dramatic Jam 5

Dramatic Jam 5

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/03/10 (金) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

コント?ではないよね?
演劇でもないし。

Dramatic Jam 5

Dramatic Jam 5

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/03/10 (金) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/03/10 (金) 20:00

面白かったです。
一つ一つが短くてわかりやすい。
ボブくらいの髪で、ハーフアップの女性の方の演技が好きでした。
ただ1つ。
マスクをつけるとどうしても声がこもってしまいますが、マスクをつける演出は必要だったのでしょうか。

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