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パルス・オブ・イヴ

パルス・オブ・イヴ

立教大学演劇研究会

立教大学 池袋キャンパス・ウィリアムズホール(東京都)

2024/11/02 (土) ~ 2024/11/05 (火)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2024/11/04 (月) 14:00

スケールの大きな話で尺も長く、頑張って作っている。カレン役の西嶋楓さんが良かった

ウエストサイドのオペラ座の殺人          

ウエストサイドのオペラ座の殺人          

カスタムプロジェクト

調布市せんがわ劇場(東京都)

2024/11/29 (金) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 ジェット団とシャーク団の登場は無論だが、これにオペラ座の怪人が絡む。正答率数パーセントの謎解きに何処まで迫れるか? これが問題だ! 楽しめる。

ロケット・マン

ロケット・マン

劇団鋼鉄村松

劇場MOMO(東京都)

2024/11/28 (木) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 30周年おめでとうございます。こういう作品を劇団初期に初演していたとは。凄い!
今回が3回目の公演、自分は初見で自分の考えていることと重なる部分もあり大変驚くと同時に楽しめました。残席の或る回もあるとか、ベシミル!

ネタバレBOX

 劇団初期に書かれたということは30年近く前に、国家間の紛争や戦争を回避する手法として世界統一政府を樹立して国家VS国家の戦争を失くすことに成功。プロメテウス計画を立ち上げ推進して光速を越えようと実証・実験を繰り返してゆく。この実証・実験に欠かすことのできない証人が、今作の主人公である宇宙飛行士即ちロケット・マンである。今作の凄い処は、これだけ宇宙に関する科学的知識を持ち仮説を含め光速を越える為の論理を構築検証してゆく中で現代物理学で質量を持つ物は光速を越えられないという原理(これは相対性理論で最も有名な公式E=MC²を紐解いてみれば容易に分かる。今更だが一応説明する。因みにEはエネルギー、Mは質量、Cは光速である。要は質量とエネルギーは同質であり条件次第で物質にもなればエネルギーにもなる。光は電磁波の一種の波エネルギー。ところで質量とエネルギーは同質であるが物質が光速に近付けばその形態はエネルギーにより近づくから物質としては存在し得なくなる。これが質量を持つ物は光速を越えられない理由だ)をプロメテウス計画遂行の為に莫大な予算を注ぎ込み世界人口の半分以上は今や食うや食わずの極貧、教育も市民権等ヒトとしての諸権利もあったものではない。この貧民層から偶々エリートコースに掬い取られその内部でそれなりの地位を築いた者たちの中から中央エリートに敵対する勢力も育ってきていた。人類の半分以上を占める下層民が氾濫を起した時彼ら貧民をサポートし反乱の主導権を握り上層部の企てを破壊しようと蜂起した民心の念の深さとプロメテウス計画で探求される宇宙の奥深さのうち、どちらが勝るかについての答えも出して物理学から人間と科学の問題に巧みにすり替え、以て先に説明した物理学的正解ではなく、質量でない概念で光速を越えようとする論理を用いて形式論理として矛盾の無い形でとても観客に分かり易く軟着陸させてみせたシナリオの見事なこと。演出も切れのあり、役者陣の演技も良い。
 浦島太郎が抱えていたであろう果ての無い寂寥にも、より受け入れやすい答えが出せているのではないか。この点も見事である。
『晴耕雨読』

『晴耕雨読』

ウテン結構

六本木ストライプスペース(東京都)

2024/11/26 (火) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 今作、既にSpiral Moonが上演しているが、こんなに印象が違うとは!

ネタバレBOX

 音響の使い方(終盤の照明も)が極めてソフィストケイトされており上手い。脚本はSpiral Moonのものと男女の入れ替え等多少書き換えはあるが大きな相違は無い。但し演出、舞台美術は可成り異なり役者も無論異なるので脚本が同質であっても、演出、舞台美術、役者の違いがこんなにも大きな印象の差を生み出すのか! と驚きを禁じ得なかった。既にSpiral Moon版を観た方々も十二分に楽しめよう。
 基本的に出捌けは観客席後方の溜まりから役者陣が客席間の通路を通って入退場するが、演技空間の中央に置かれたテーブルと椅子の下手のベンチ、上手の椅子2脚に一旦演技を終えた役者が座れるようになっている。他下手やや奥に衝立が置かれここが袖としても機能する。また上手側壁の手前には白い布が天井付近から下がっているが、壁を意味して居ると考えられる。この演技空間から見た客席側が部屋の窓という設定である。
 物語は幾つかの挿話をオムニバス形式で紡ぎ展開するが、きりの良い箇所で断絶させ、終盤「竹取物語」のかぐや姫の失踪をモチーフに現実に存在し続ける人間たちとファントーム的傾向を漂わせる或いは本質とするかぐや姫を対置していわば条理と不条理の世界を同時に強調、表現して見せる点が秀逸。尚登場人物たちは履物を履いている者、履いていない者の二通りに別れるが、屋内、屋外でということはあるものの、終始履物を用いる者達は実際に存在し続ける通常の人間を、裸足の者達はファントームを意味していることも見逃すべきではあるまい。
ロケット・マン

ロケット・マン

劇団鋼鉄村松

劇場MOMO(東京都)

2024/11/28 (木) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

㊗30周年記念公演…面白い、お薦め。
宇宙という悠久のロマン、そこに関わる人々の思いを人間的そして国家的といった観点で描き出す壮大な物語。人間にとっては長い時間軸、しかし宇宙的な感覚からすれば瞬く間、それを硬軟ある観せ方で飽きさせない。まさに観劇はアッという間の感覚だ。

説明にある「人類は光速到達実験『プロメテウス計画』を開始」…科学的な専門用語(台詞)もあるが 物語の中で不思議と解っていく。小難しいことは抜きにして楽しめる。そして1人何役も担うが時間の経過とともに現れる(人物が違う)ため、混乱することはない。ただ 1人の宇宙船乗組員 カーフ(通称 ロケット・マン)の宇宙への思いと彼を地上から見守る人々の思いは なかなか重ならない。ロマンとリアルの思いの鬩ぎ合いのような…。

少しネタバレするが、冒頭に出てくる 世界最初の宇宙船乗組員である一匹の犬 ライカ、それがラスト、カーフと邂逅する。始めの台詞「スプートニク(ロシア語)」こそ、この物語そのものを言い表している。それは観客を<(宇宙)旅の同行者>として誘っている。勿論 某国の人工衛星打ち上げ計画に因んでいるが。
(上演時間2時間 休憩なし) 追記予定

さよなら僕らのエデン

さよなら僕らのエデン

シアター・ネバラネバ

studio ZAP!(東京都)

2024/11/29 (金) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/29 (金) 19:00

価格2,500円

当日、公演1時間を切ってところで当日チケットがあるかを問い合わせたところ、大変丁寧な対応に、迷いなく、行くことを決めました。

公演開始前に無事に到着し受付にいくと、これまたキチンと引き継ぎが行われて、受付の男性2人も親切で、お札を丁寧に見せながら、お釣りをくれました。当たり前のようですが、温かい対応に、気持ち良く席につけました。

未来の地球のお話ですが、今の日本人に時に刺さり、時にしみるセリフ。

役者さんたちの「声」の良さも個人的に好きなトーンでした。

ネット社会は、何を信じたら良いかわからないですが、誰かを信じて何かを信じて生きること。あきらめないこと。思いやりの大切さを感じるストーリーでした。1時間の公演。2500円はコスパ良すぎてます。500円のパンフレットも購入しました。公演後に読むとまた「良い芝居を観た」という思いにひたれるパンフレットでした。1人でも多くの方にご覧いただきたいです。

受付、音効、照明含め、友人や仲間に恵まれている芸団と思います。それにしても、当日チケットのお電話対応だけでなく脚本、演出の福嶋 陸さん、役者としても、全く異なる重要なふた役を日替わりで演じるとは、、、その凄さに呆れながら、応援してしまいます(笑)

ウエストサイドのオペラ座の殺人          

ウエストサイドのオペラ座の殺人          

カスタムプロジェクト

調布市せんがわ劇場(東京都)

2024/11/29 (金) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

相変わらず当たらない推理
妙な説得力を
読めないし覆せなんだ
でもそれが良い作品です

ネタバレBOX

今回は劇中劇の仕様で
ミュージカルを上演する劇団が用意した
作品世界で話を改変したりして
こんな話ですけど
どう推理しますかーという
ワークショップ風な仕上がりでした
Goodbye my work!~退職の流儀~

Goodbye my work!~退職の流儀~

丸福ボンバーズ

APOCシアター(東京都)

2024/11/27 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

上演前の前説も
作品世界に落とし込んで
上手に見せたり
舞台となる喫茶店のセットも
丁寧に作られていて
登場人物たちも
各人魅力的に作り演じられ
マイナス要素を
感じられなかった
約2時間の作品

ネタバレBOX

退職代行業を通じて
喫茶店に集う人々の
群像劇かなぁ
拾い雇われた退職代行業の
オノマトペさん
なかなかドライに仕事が出来ず
感情が多めに入ってしまい
拾ってくれた上司さんにも
申し訳なさそうながら
周囲との調整が上手で
色々と話が積み上がってゆく展開です
途中に挟んだ
ミニゲームは楽しそうだったわ
ゴーギャンおやじ2

ゴーギャンおやじ2

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/11/27 (水) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

路上で若者達と乱闘し
一方的に叩きのめした中年男が
傷害罪で身柄を拘束され
経緯を調べられると
男は自分を「矢吹丈」だと名乗った―
から始まる男の半生を
妻びやかにしてゆく話で
チラシにも出てる主人公が
勝平さんでしたわね
休息時には
名場面集の撮影タイムもあり
長丁場ながら
飽きの来ない
引き込まれる作品でありましたが
G列のオヤジ1名が
暗くなった客席でガサゴソと
騒がしく音まで出して
スマホいじってLine何度も
やるのには閉口したわ
何度目かで やっと
周囲の冷たい視線に気付いて止めたが
観劇に集中できないなら
退出して欲しかったな
いい歳して恥を知れだな

ネタバレBOX

福生の街の推移と
自身の生誕からの
長き人生を語る主人公が
どうしてココにいて
なぜ暴行に至ったかを
タイトルの意味を含めて
徐々にに解き明かしてゆく
ストーリー展開です

勝平さんが
流石に五歳児は
やるのがキツイといったのが
なんとも笑えたが
誰か代わりにやってーとの
演出は巧みでした~♫
ゴーギャンおやじ2

ゴーギャンおやじ2

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/11/27 (水) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

ウソの歴史のツクリカタ

ウソの歴史のツクリカタ

劇団KⅢ

萬劇場(東京都)

2024/11/27 (水) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

ウエストサイドのオペラ座の殺人          

ウエストサイドのオペラ座の殺人          

カスタムプロジェクト

調布市せんがわ劇場(東京都)

2024/11/29 (金) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初めて観た団体さんでしたが、大変楽しませていただきました。観覧者が犯人を当てる謎解きものは非常に少ないので、こうゆうのはもっとやって欲しいな。来年の公演も決まっているみたいなのでまた観に行こう。

振り向け!

振り向け!

劇26.25団

OFF OFFシアター(東京都)

2024/11/22 (金) ~ 2024/11/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/22 (金) 14:30

弱者が追い詰められがちなイマの社会を描いた社会派系作品でしんどいと言おうか身につまされると言おうか。ちょっとTBSの木曜か金曜の22時枠のドラマを想起(個人的なイメージです)。
一方、最初は部屋をそう切り取ったかと思ったがシンプルな仕掛けによって多様に変化する装置のアイデアに感心。

リチャード!!!

リチャード!!!

DMP舞台企画

中野スタジオあくとれ(東京都)

2024/11/27 (水) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

薔薇戦争の時代、人物の関係性がぐちゃぐちゃでわかりにくいけれど、そこは舞台、むちゃ分かり易くてあっという間の110分。
ただ、ヨーク三兄弟の末っ子がどうしても「末っ子」に見えなくて、ちょっと混乱。
全体的には、途中クスクスと笑いが起きる小ネタもあり、飽きさせない仕掛けがたっぷり。

時代絵巻AsH 『赤雪』でお見かけした方々がたくさん。
個人的にはリッチモンドとバッキンガムのざわざわした感じとオックスフォードの戦いに挑む声量がお気に入り。

『晴耕雨読』

『晴耕雨読』

ウテン結構

六本木ストライプスペース(東京都)

2024/11/26 (火) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

終始会話が心地よくて、つられて笑ってしまうような楽しい時間を過ごせました。あと、吊り照明がすごく素敵でした。

脳-BRAIN-

脳-BRAIN-

大駱駝艦

世田谷パブリックシアター(東京都)

2024/11/28 (木) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

老齢の外人客が多かった。文化交流か何かか?結構真剣に見入ってた。伝統的宗教祭事を見守るように。対して日本人、左隣の老人はぐっすり。ウトウトするとかではなく開幕から睡眠。時折目覚めてぼんやり眺めまた眠る。その癖アンケートは妙に書き込んでいた。右隣の女性も何度も意識を失い舟を漕ぐ。毎度ここは不思議な空間だ。何かのカリキュラムに組み込まれているのか?

80年代のシンセバリバリのプログレみたいな曲やゲーセンでピュンピュン効果音が鳴っているようなBGM。ニューロン(脳の神経細胞)を飛び回る電気信号、出力装置であるシナプスを模しているのか。「ハー!」と掛け声を入れる。天井から吊るされた銀色のボールが十数本、てっぺんにはワイヤークラフトの花火のような装飾。鋳態(ちゅうたい=出演)の白装束の者達の全身に赤青黄緑白のワイヤーが血管のように貼り付いている。銀河の果てのような脳細胞の世界。丸めた新聞紙を嬉しそうに拾う面々。それを広げて読む。マシンガンの音、銃殺される者達。

両掌にライトを持ちホイッスルを首に下げた男。グローブを持った男。扇子を持った男(松田篤史氏)。設計図のようなものが書かれている大きな帳面を見ながら何かを確認する男(村松卓矢氏)。意識朦朧の王様のような男は麿赤兒氏。
ライト男がいろいろな人の所に行って光を当てる。照らされるとグローブ男はよっしゃと何かを掴み取る。そういう謎の動作が繰り返される。きっと何らかの意味があるのだろう。

無論面白いとか面白くないとかではなくそもそもが全くの理解不能。自分の脳がショートした。

ネタバレBOX

谷口舞さんが歌い出し突然始まるグロテスク・ニュー・ポップ(GNP)。作詞は麿赤兒氏、作曲は松田篤史氏と谷口舞さん。いつも思うがNHKの「みんなのうた」で流して欲しい。かなり潜在意識に刷り込まれたトラウマとなる気がする。

どうしてできたの どこへ行くのか
忙しいヤツだ おそろしいヤツだ BRAIN

全員寝そべり突如身を起こして一言ずつ発するコーナー。多分、「非連想ゲーム」なのだろう。全く関係しない言葉をその場でアドリブで発しているような。

全体的に曲が好みじゃない。強いリフを延々繰り返すようなのが欲しい。
たずね先

たずね先

ワワフラミンゴ

プーク人形劇場(東京都)

2024/11/28 (木) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ワワフラミンゴ×プーク人形劇場。この情報だけでかなり興味をそそられて、楽しみに劇場へ伺いました。プークは、入り口やロビー、劇場内の木製の椅子が醸す雰囲気など、個人的に好きな劇場。ワワフラの世界観とマッチする劇場だと思っています。上演自体も、劇場の機構を積極的に取り入れたりと、「ここで表現すること」を意識されたものに感じられました。

ネタバレBOX

台詞の不条理さや可笑しみなどはいつものワワフラらしさに溢れ、淡々としたやりとりなのに感情豊か。どことなく児童詩というか、絵本や詩の様相が多めに感じられました。もしかすると場所を意識されたのかも。また、照明のあてかたなど、風景の陰影にもこだわっているようにも。アトリエなど、劇場以外での上演機会の多い団体なので、「劇場版ワワフラ」の魅力が目立っていたと思います。
たしかめようのない

たしかめようのない

ブルーエゴナク

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2024/11/26 (火) ~ 2024/11/28 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

舞台に並べられたパイプ椅子、夢へのエントランスに見立てたハンガーラック、
光を遮断するカーテン、そして、その奥の窓。スタジオの無機質さとその備品を活用し、
「夢と現実の間」という劇空間を鮮やかに創出した前作『波間』。
まさに波と波の間で夢と現実とが擦れ合って音を立てている。そんな演劇だった。
そして、それらは当然のように「現実と虚構の間」に居座り、
やがて窓の外へと帰っていく私にとっても決して他人事ではない。
ブルーエゴナクの演劇は時間をかけてその実感を私に伝えた。
スタジオHIKARIにもまた窓がある。
『たしかめようのない』という作品はあの大きな窓の外から何を持ち込み、
そして何を運び出すだろうか。私は、この身体でそれをたしかめたい。

上記のようにコメントを寄せた、ブルーエゴナク『たしかめようのない』。
"存在感"という言葉が多出するも存在も不在も何を以てしてそうかはその実たしかめようがなく、
いるのにいない寂寞を感じる事も、いないのにいる強烈を覚える事もある。
世界に輪郭を握らせぬ不条理と空間の余白にこそ"存在感"が宿る演劇だった。
そういった意味で、本作もまた空間の扱い方に技術と個性が光っていたように思います。
それゆえに、今後も、様々な劇場や劇場的空間、その場とのマッチングや共振、あるいは違和や反発を観てみたい団体の一つです。スタジオっぽくない劇場での見え方も気になります。

青春にはまだはやい

青春にはまだはやい

プテラノドン

「劇」小劇場(東京都)

2024/11/26 (火) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

プテラノドン『青春にはまだはやい』最前列で。
もはや中盤からなんとか堪えてた涙、がラストスパートにかけ大決壊。
登場人物の多い作品において全員を等しくかつバリエーション豊かに魅力的に描くというのはとても難しいと思うのですが、その点において笠浦静花さんの劇作はいつだってすばらしくて。私は笠浦作品のそこが本当に好きなのだと再確認しました。

それぞれリレーのように隣人/他者への取材や紹介を経て絆を深めたり、自身を成長させていく様には、人と出会い、人を知り、人との間で生きていくことの豊かさが詰まっていて、主題であるNコン・ナレーション・放送というものへの解像度と深度の高さ、作家としてのテクニックも感じました。
また、「その後」を描くパートでの伏線回収の一つ一つにも愛が宿り、それらをクライマックスで最高温度でぶつけていく、というドラマを紡ぐ上で、何を飾り、何を差し引くかという技術の高さも感じました。

笠原さんの戯曲は、人間が可笑しく愛らしいものなのだということを、それらが交わる時間は美しいということを技術と情感を以ていつも信じさせてくれる。そして、それは各々の技と個性で物語に血肉を、いわば人生を吹き込む俳優陣の力が揃ってこそ最大に輝く。

柿丸美智恵さんの演じる17歳なんて何が何でも見たいに決まってるし最高にイカしてました。不器用な温かさを一身に纏った大内彩加さんがすごくすてきだった。
太田知咲さんのハグは観客の祈りをも引き取ってくれたものだった。
水野小論さんのキュートさ!愛しさに満ち溢れた105分。私もがんばって生きる。

ジゼル、またはわたしたちについて-Giselle or about us- 2024 TOKYO Remix

ジゼル、またはわたしたちについて-Giselle or about us- 2024 TOKYO Remix

waqu:iraz

スタジオ空洞(東京都)

2024/11/12 (火) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初めてのwaqu:iraz。
『ジゼル、またはわたしたちについて-Giselle or about us-2024 TOKYO Remix』というタイトルの全てをまさに詰め混んだ意欲作。ロマンティック・バレエの代表作『ジゼル』を文字通り、"2024年の東京を生きるわたしたち"にリミックスした作品。社会や時代を貫く風刺のきいたラップもダンスも痛快で、それでいて変化に戸惑う人の声も置き去りにしないところに奥行きを感じた。

ネタバレBOX

"ロマン"として消費される女性の裸や、アートにはされてもアートすることは長らく許されなかった芸術を巡る女性史を今一度問いただすシーンは、女性の権利や尊厳を軽んじる出来事が相次ぐまさに今、"わたしたち"に必要なアクトだと感じた。

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