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ユアちゃんママとバウムクーヘン

ユアちゃんママとバウムクーヘン

iaku

新宿眼科画廊(東京都)

2025/02/21 (金) ~ 2025/02/25 (火)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2025/02/23 (日) 14:00

iaku主宰の横山拓也が2024年に発表した同名の短編をリーディング公演として立ち上げる試み。70分。2月25日まで新宿眼科画廊 地下。

https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2025/03/post-506d3b.html

暗室【京都公演 / 出演者・公演日程変更】

暗室【京都公演 / 出演者・公演日程変更】

安住の地

アトリエ第Q藝術(東京都)

2025/02/27 (木) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/03/02 (日) 14:00

現像、現像液の臭い、私自身写真を現像したことは無いがフィルムカメラの時代に生きていたので知識として知っている。この作品は写真に纒わる2つの話。戦艦の暗室と、津波にのまれた大切な写真、見付かったけどその泥に塗れた写真を洗浄する作業室。暗室の作業で体を斜めにするのは印画紙の液を切るためだろう。観客の大半はこの一連の動作の意味が最初は判らなかったと思う。所作として暗い照明の中で美しい。写真洗浄も然り。
二つの話を表す 5人の俳優は文句なく良い。戦時における写真、津波被害に遭われた方々へ差し伸べる救いの手。それぞれの話に引き込まれる。が思わぬ展開が仕組まれていて驚いた。予想だにしないことになるのだ。そしてそれも納得させられる。そのあたりを含めて良い戯曲だ。良くこの写真に纏わる、それは水に纏わることでもあるのだけど、二つの話を結び付けたものだと感心する。
あの泥に塗れた写真。亡くなったあの人の思い出を取り戻す手掛かりとなる作業。そしてその作業のお陰で思い出と出会えることを思うと涙が滲む。まあ綺麗事だけでは済まないと言うのが前述の思わぬ展開なのだけど。が困った、ぐしゅぐしゅした鼻、とにかく静かな上演なので鼻をかむタイミングがないのだ。終演後皆さんが捌けるのを待った。文句を言いたくなるのはそこだけだった。

ユアちゃんママとバウムクーヘン

ユアちゃんママとバウムクーヘン

iaku

新宿眼科画廊(東京都)

2025/02/21 (金) ~ 2025/02/25 (火)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2025/02/25 (火) 14:00

去年7月にザ・スズナリで再演された『ながれんな』のチケット代が 自主規制額(年金生活者) 5,000円を超えていて観れていなかったので3年4ヶ月振りの iaku。次もどうなるか判らないので(予定表には書いている)、即予約していた。
ご自身の同名の短編小説を、講談師 神田松麻呂さんと iakuの常連の橋爪未萠里さんがタッグを組んでの小説 / 講談 / 演劇の融合、ハイブリッド型リーディング公演。65分
観終えて外に出ると観終えた方がもう一人に「さすがだなー」とおっしゃられた。もうそれで十分なのだ。さすが横山さんでした。
講談師の神田松麻呂さんの講談に橋爪未萠里さんの演技が絡んで絶妙なのだ。途中からその展開にどっと沸く客席。さぁどうなるんだと思っていたら終幕。これはホラーだよと思い、横山さんに「ホラーですよね」「そうなんです」と帰って来た。見事としか言い様がないのだ。
何処かで一杯やりたい気持ちになった。

それと、この『ユアちゃんママとバウムクーヘン』フライヤーの図柄。観た後にしか判らない、この図柄が意味するところ!もう、横山さんったら!

 韓国現代戯曲ドラマリーディング ネクストステップVol.2

韓国現代戯曲ドラマリーディング ネクストステップVol.2

日韓演劇交流センター

座・高円寺1(東京都)

2025/02/28 (金) ~ 2025/03/04 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すばらしかったです。韓国のアパートを舞台とした話ですがなかなかよかったです。役者さんの朗読以外のちょっとした演技もすばらしかったです。舞台の内容がまさにあーぱつ・あぱつなので舞台の最後にAPT.が流れるかな…と思ったら流れませんでしたねw 舞台の内容からして(あと権利の問題からして)流れるわけないか^^ 

漲(みなぎり)

漲(みなぎり)

九蓮サイダー

Paperback Studio(東京都)

2025/02/27 (木) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ACを観劇しました。結構シリアスでしたね。心の動きも演じられていてとても面白かったです。自分でわからない、わかっていても変われない。そんなもどかしい感じも私は感じながら拝見していました。また、お会いできたらいいですね

舞台『CHICACO 2025』

舞台『CHICACO 2025』

Alexandrite Stage

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2025/02/14 (金) ~ 2025/02/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

真田林佳さん出演のTatami(畳)チームを観劇。

Alexandrite Stage さんと言えば2019年の「どうしても、妻が死ぬ。」です。結末にほんとびっくりしました。こりっちにエントリーが無いので感想書けないのが残念なのですが、今からでも登録してもらえないですかね。

それはさておき、今回の「CHICACO」。何度も再演している人気シリーズなのですね。観劇して、納得です。チーム初日の2/16に行ったのですが、すでに台本が売り切れてました。

3チームそれぞれ専用の、厚くて立派なチラシ(フライヤー)が用意されてました。嬉しいご配慮です。

真田さんは衣装からセクシー担当かなと思いきや、想像以上に面白キャラでした。獅子の如くで初めて拝見したときを思い出しました。
中野裕理さん山崎恭輔さんと3人組で息ぴったり。SNS情報では「なかなか息が合わなかった」とのことしたが、ぴったりだったと思います。
その山崎さん、プロフィールを見るとまだ23歳と。2人に負けない面白さだったので、これからが楽しみです。

古野あきほさんは最近拝見したところでは昨年末の「星空ハーモニー」で、24歳の先生役でした。いつまでもお若いです。

大力さんは「空の匣庭」のサンダルフォンでしたね。その朗読劇版では複雑な暗い過去を表現し、演劇版ではその過去を踏まえた心情を表現されてました。どちらもメイクがすごい役だったので、今回、素のお顔を初めて拝見できました。

翔太役の松田浩毅さん。出てきてすぐ「この端正な容姿と元気なお声は最近どこかで」と思ったのですが思い出せず。あとから気づきましたが、去年「シオンの眠るとき」で開演前の案内をされていた方でした。アンダーキャストで参加されていたのでした。

ネタバレBOX

ちか子が息子の翔太の名前を何度も呼ぶところ。泣きました。いちばん涙が出ました。

大力さんの声「むすめ!」が突然聞こえて驚きました。どうやら屏風の裏に隠れて顔を出してたらしいのですが、僕の席からは見えず。ちょうど、「差し入れの花」がかぶっていました。

「7年後」に「もうすぐ七回忌」と言われましたが、七回忌は満6年なので変だな、と思いました。
はだかなるおとなども

はだかなるおとなども

ENBUゼミナール

小劇場B1(東京都)

2025/02/28 (金) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2025/03/01 (土) 18:00

価格3,000円

ふらっと当日券購入した時に2時間20分と聞いて、何かしらの卒業公演でと…購入してから臆してしまったけれど、シンプルにおもしろかった
大元は実話ということだったが、こと障害については違和感が多く、エピソードをごちゃ混ぜにしてるのかなとは思ったが、終演後のトークでひとつはすっきりと
エピソードがたくさんある中、ダレなくはないのだけど、そこで完結しないものもあったり、飽きさせない何かがあって、何よりあの3分はとても良かった。

ネタバレBOX

ずっとトーク気になってましたが、身体ではないですよね
ムカデ競走、緊縛・笑
七人の墓友

七人の墓友

diamond-Z

荏原文化センター(東京都)

2025/02/27 (木) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

私は今年還暦を迎えます。改めて家族の大切さ難しさを再認識させられたような気がします。そしてパートナーの気持ちもしっかりを話し合わないといけないなと思いました。自分を振り返れる良い作品だったと思います。

GIFT

GIFT

metro

小劇場 楽園(東京都)

2025/02/27 (木) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/02/28 (金) 14:00

旗揚げからずっと観ているのだが、久々のmetro。アングラだ!111分。
 4年ほど「修行」していたという月船さらら久々のmetroだが、細かく区切った物語それぞれが、繋がるというより、全体としてある感触を持たせるように作られている。「Gift」は「才能」の意味だけど、俳優をする才能、を題材にしつつ、月船の存在を描いているようだ。それにしても月船の佇まいは美しい。久々に見たマメ山田が健在なのも嬉しい。

七人の墓友

七人の墓友

diamond-Z

荏原文化センター(東京都)

2025/02/27 (木) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

当たり前と思っていた事が実は当たり前なんかじゃなかった。お墓から夫婦の有り様、家族の有り様、色んな事が見えて来ました。しっかり向き合わないとだなぁ〜。特に男は。

すいかの種の黒黒

すいかの種の黒黒

う潮

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2025/02/27 (木) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

小学校2年生から27歳迄、その約20年間という長い時間軸を紡いだ女性2人の心の彷徨劇。たしかに 生活環境や生き方が違う2人の女性を描いているが、何故か1人の女性が立ち上がる合わせ鏡のような存在に思える。家庭環境・境遇という条件(物質)的違い、物事に対する思考(精神)的違い、その溝のようなものが年齢とともに少しずつ大きくなり、いつの間にか疎遠になる。学校やクラスが違えば、会うことも少なくなり といった経験は誰にでもあるだろう。そんな等身大の女性を描いている。

27歳迄の生き様は、順調・不遇といった対照的な描き方だが、その根本には(自己)承認欲求 その腹の底が透けて見えてくる。お互い、自分の方が自分らしく生きているといったプライドをちらつかせる。相手の中に嫌いな自分の姿をみる その不気味、不穏な感情が怖い。しかし共通点があれば独特・相違点もある。その違いを受容できるか否か を問うているような気がする。コロナ禍を経て不寛容といった風潮が広がったが、そんな世相を人間観察をするといった視点で捉えた好作品。
ちなみに、客席はL字型で座る位置によって観え方が違うかも…。
(上演時間1時間50分 休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、奥の壁際に大きな本棚、その反対側に小さな収納棚。木のテーブル2つといくつかの椅子。ソファとミニテーブルが対になって配置されている。配置の特徴は2人の女性の家庭、その光景を表している。裕福で文化的な家庭に生まれ育った燈の家は、その象徴として大きな本棚で表す。歳の離れた兄弟と共に都営住宅に住む夏の家は、ミニテーブルやおもちゃ箱。その光景は、燈と夏という2人の女性の精神構造のよう。

見どころは、2人の隔たり 疎遠になっていく様子と過程が 実にリアル。そこに演劇という虚構に実在感ある人物を描き没入感を出す巧さ。2人の女性…燈は頭もよく 私立中学を経て希望した職業に就く。さらに自分でやりたかった演劇の世界へ、そして周りから認められるまでになる。一方、夏は勉強嫌いで 努力することもしない。好きでもない専門学校に入るが中途退学し風俗嬢として働く。そんな2人が或るきっかけで再会する。

燈が、舞台の題材として風俗嬢の取材をすることになり、現れたのが 夏。世間で言われるほど 大変ではない。むしろ自分には向いていると嘯く。そこに夏の燈に対する意地を見る。表面的には 燈の仕事は順調、しかし 内心は周りの期待に応えようと無理をし自分を見失いそう。親が介護状態になっても仕事のせいにして実家に帰らない。一見、二人の精神的な立場が逆転したかのようだが、実は 夏にも気になることが…。異なる世界を歩いてきたが、それぞれ27歳という女性の岐路、そして これからどう生きていこうか という自問自答する姿がリアルに描き出されていた。ちなみに子供の時と現在で、2人の すいか の食べ方が入れ代わったのが 面白い。

演出は、2人の成長に合わせて衣裳やメイクを変え、舞台セットも場景に応じて動かす。2人の女性以外は、1人複数役を担うが それほど違和感なく受け入れられる。照明や音響・音楽の印象がなく、心情劇としては もう少し舞台技術による効果、印象付けがあってもよかったのでは。
次回公演も楽しみにしております。
七人の墓友

七人の墓友

diamond-Z

荏原文化センター(東京都)

2025/02/27 (木) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「墓友」…聞きなれない言葉だが、その語感から何となく意味するところは分かる。公演では、高齢者が「墓」を通して死と真摯に向き合う様子、家族だから一緒の「墓」へ、という家族(制度)の在り方を改めて考えさせる。「墓」=「死」という描き方ではなく、むしろ 今をどう生きるか、そして夫婦、親子に起きる様々な問題を通して、家族とは を考えさせる。

「墓友」とは という定義があるのか知らないが、公演では家族以外の人との共同墓地を指しているよう。物語は、吉野家を中心に展開していく。そして長女 仁美がストーリーテラーのような役割を担いつつ、自分の問題にも触れていく。冒頭、母 邦子が仁美を東京スカイツリーの展望台へ呼び出し、「墓」の話をし出す。吉野家の墓ではなく、サークル仲間と一緒 ということを考えているらしい。父と何かあったらしいが…。
さて 個人的には、この公演を通して「墓友」という内容(概要)を知ることが出来てよかった。
(上演時間2時間5分 休憩なし)

ネタバレBOX

素舞台。プロジェクターで後壁に風景を映し出すが、役者に被らないよう工夫を凝らす。場景によって、例えば ファミリーレストランでは ソファを搬入し雰囲気をだす。

邦子の夫 義男は典型的な亭主関白。自分の意は絶対で子供たちも委縮している。長男は結婚し独立しているが、孫の顔見たさに同居させようと。仁美は30歳代だが、独身で 実は仕事関係者と不倫をしている。次男 義明は渡米しており、同性愛者。毎年恒例のバーベキューパーティのため、パートナーを連れて帰国している。仁美、義明に早く結婚するよう口煩い。そんな義男に愛想をつかした邦子が「吉野家」の墓に入らないと宣言し、墓友(7人のサークル仲間)の存在を告げる。

7人の現在…例えば職業や個性などは描くが、過去は語らない。共通しているのは皆 独身で「1人でお墓に入るのが寂しい」「あの世でも語り合いたい」といった思いを描く。邦子は義男と離婚しない、しかし「吉野家」の墓には入らない。今を大切にするなら、なぜ離婚しないのか という疑問が生じる。子供のため という言い訳もなさそう。独身ならば、一緒にお墓に入る家族がいないため、墓友を探そうとするが。

これまで「墓」は、「家(制度)」と結びついていたと思う。「血縁があるから同じお墓に入る」という考え方だが、「家」に対する価値観が変化してきた。核家族が増え、墓に入る段階においても「家」に縛られることや、「家」の供養に追われることへの疑問である。そして、少子化が進む中で 墓を承継する人が不足。物語の中でも墓友に若い人がいると、長く供養 そして墓守してもらえるような台詞がある。公演では、吉野家と墓友の在り様を対比するように描き、「墓」に入るとは、そして「死」とは を考えさせる。

場景は、プロジェクターを用い 東京スカイツリーの展望台からの遠望、吉野家のバーベキューパーティ、ファミリーレストランでの楽しい語らい、寺の境内での葬式(儀式にとらわれない)、そして桜吹雪が舞う光景 を映写し、分かり易く しかも余韻付けしているのが好い。邦子は義男と離婚せず 添い遂げるようだ。ラスト、義男は「邦子ありがとう」と頭を下げる。大団円にならず、この先どうなるのか分からない含みを残す。
最後に気になること…前回公演「親の顔が見たい」でも感じたが、演技力に差があるような。言い直しや微妙な間(ま)が見受けられるのが惜しい。
次回公演も楽しみにしております。
夜明けのジルバ

夜明けのジルバ

トローチ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2025/02/23 (日) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

めちゃ、面白かった!
田舎あるあるの人間関係と行き過ぎた愛情に、笑ったり、胸を締め付けられたり、涙したり。歌も素敵で、ぐりぐり引き込まれているうちに、終わっちゃった。誰かが理解してくれるって、心の支えになるんだなぁ。
トローチさんのファンになっちゃいました。

幸子というんだほんとはね

幸子というんだほんとはね

はえぎわ

本多劇場(東京都)

2025/02/26 (水) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

下北沢演劇祭の本拠劇場らしい本多劇場でのはえぎわの公演。このノゾエ征爾主宰の劇団も25周年だという。舞台も、本多劇場の裸舞台から、劇場紹介のツアーが始まるという発端で始まる。劇場から町へ、さらにそこに生きる人々のスケッチへと進み、今貴方は幸せですかという問いへ。今この演劇祭を開催している人と時代を生き生きと見せてしまう。ノゾエ征爾にこのような洒落た趣向があるとは思っていなかったが、ノゾエも50才、どんな趣向のドラマもやってきたし、その中で自分の領域をしっかり確保してきた人だけにいかにも周年イベントにふさわしい出来になった。
見ていて、随分昔になるが、この劇場が出来たばかりの頃、ここで夢の遊民社が上演した「小指の思い出」を思い出した。1983年。まもなく五十年になる。小指の思い出のラスト、魔女として捉えられ焚刑に処せられる粕羽聖子のもとにあつまった「妄想の少年」の子供たちに野田の演じる聖子は火刑台の上からいう。「あなた方はやがて、この世界を蘇らせる。あなた方の走る先に新たな妄想の子供たちが待っている!」
野田からノゾエへの距離は今では遠い。かつての社会劇とははっきり一線を画し、いわゆわゆるドキュドラとも、インタビュードラマとも違う新しいタッチで、今演劇祭を開催している人と時代を生き生きと見せてしまう。分断と差別の中に生きる町に住む人と家族たちのスケッチがもう少し整理さていれば快調だっただろうが、次々と、イラストレーターが舞台に持ち出された白いカンバスに背景を描き続けていく中で進んでいく。ノゾエ征爾にこのような洒落た趣向があるとは思っていなかった年の功だ。周年イベントにふさわしい作品を担える存在になった。蓬莱と並んで中核と言えるかも知れない。
野田からノゾエへの距離は今では遠いと思われているが、それほどのこともないのではないか、人間が手作りする演劇の歩みは早くはない。幸子という現代の妄想に作者が、幸せの種はそこここにあると説く(主演。高田聖子)、この演劇祭に託した時代への思いは、このドラマにあるように親子が手を離せなくなるようなものであろう。1時間55分。本多を埋め切るまでにはならなかったがノゾエとしてはまとまりもいい舞台になった。

七人の墓友

七人の墓友

diamond-Z

荏原文化センター(東京都)

2025/02/27 (木) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 板上はフラット。場面に応じて必要な道具が用意されるが展開に影響は全くない。華4つ☆

ネタバレBOX

 内容が内容だけにどういう展開になるかと思っていたが脚本の内容にマッチしたキャスティングが功を奏していることもあり、実に自然に入ってきた。言うまでも無く生命は寿命が尽きたりすれば否応なく死ぬ。老いるという現象が、その実相を日々己の体の衰えで実感させる。そのような状態になると矢張り墓に象徴される死は実感を伴い始める。
 自分自身は無神論者であるから墓等どうでも良いし理想は鳥葬等他の生き物の餌になることである。当然ではないか? 生きることは他の命を喰らうことと等しいのだから自分が死んだら他の生き物の餌になることこそ自然である。ただ、現在この星で暮らすヒトの多くが感染症を予防したり、腐敗臭や汚れ等集団生活を脅かす死体から自分達を守る為に遺体を火葬し無害化を図る。本質的な点はこの点だけだ。ただそれでは色々と、もやもやが残ったり釈然としない心の空虚やら何やらに纏わりつかれ区切りを付けられない者も多い。こんな訳で人々は宗教やら死に関する儀式を生み出したのだろう。まあ、こんな理屈はどうでも良い。
 兎に角、老いを通して死に近付いたことを実感する日々を送るようになるとそれ迄は他人事であった死を意識するようになる。避けられぬ自分の死を意識するようになって初めて物事を真剣に考える人が出てくるのも道理だろう。今作の面白さは、そのような歳を迎えた人々の個々の在り様が、実に自然に表現されている点だ。ジェンダーバランスの問題もこのような前提の中に自然に同化している点も良い。当然の事ながら夫婦であっても個々人の違いは明確に在り、突き詰めて仕舞えばヒトという知的な生き物は自らの絶対孤独を意識せざるを得ない。ところがそのような厳然たる事実に向き合わざるを得ないことを知っているからこそ避けているのだ、という処迄観えてくる。更に興味深いのは、墓友の中に更に若い世代も入っていて、このメンバーは一種の精神的宙吊り状態を生きていることだ。即ち人生を彷徨している訳だが、彷徨とは即ち生き乍らの死である、とメタフィジカルには捉えられる点だ。尺120分の極めて自然に感じられる物語。
七人の墓友

七人の墓友

diamond-Z

荏原文化センター(東京都)

2025/02/27 (木) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

漲(みなぎり)

漲(みなぎり)

九蓮サイダー

Paperback Studio(東京都)

2025/02/27 (木) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

ポルノグラフィ PORNOGRAPHY/レイジ RAGE

ポルノグラフィ PORNOGRAPHY/レイジ RAGE

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2025/02/15 (土) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いずれも現代的な作品の2本を一つの作品のようにも見えるようなやり方で上演している。意欲的な公演で、かなり雰囲気は異なるこの2本を連続させたのは興味深い。前半のほうは、いちおうテロ事件が要にはなっているけれども、それよりもさまざまな人の不安感やフラストレーションや鬱屈した感じが伝わってくる。後半ほうは、大晦日の、混乱した状況で禁句ワードも遠慮無く発せられる収拾のつかない大騒ぎが描かれ、まとまることのない不条理な会話が飛び交う。シアタートラムの舞台の、あんな高い所まで使うとは。

漲(みなぎり)

漲(みなぎり)

九蓮サイダー

Paperback Studio(東京都)

2025/02/27 (木) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ABを観劇。

ネタバレBOX

空気が微妙にいろいろ感じられてとても楽しかったです。
GIFT

GIFT

metro

小劇場 楽園(東京都)

2025/02/27 (木) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

才能とは何か?役者とは何か?悩める女優にスタニスラフスキーと唐十一郎が御教授してやろう。
太宰治の『斜陽』をまぶして悩める人間の行き先を指し示す。この世界に生きゆく意味はある。

月船さららさんがエロエロ。スタイル抜群でいろんな衣装で登場。もうそれだけで詰め掛けたおっさん共はほぼほぼ満足。妙に密度の濃い観客席。
渡邊りょう氏はいいねえ。この地下世界に水が合っている。最初からここに居たようにすいすい泳ぎまくる。

「私には、行くところがあるの」
「私ね、革命家になるの」

内容は若松プロの大和屋竺作品みたいな自主映画。映画を撮るには予算がない連中は小劇場で(脳内)撮って出ししかない。金が無いなら惜しみなく才能を注ぎ込め。そんなもの只だ。観た後に客に残る感覚は同じもの。要は突き付けること。
日活社長・堀久作が観たならば、「解らない映画を作って貰っては困る」と即解雇されるであろう作品。それでこそ創るべき価値、観に行く価値がある。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

盲目の女(月船さららさん)が木の棒を杖代わりに歩いて来る。空襲だろうか、倒壊した瓦礫の山。手探りで柱に辿り着くと各面に木の人形を三体吊るす。そして人形に五寸釘を石で打ち込む。「終われ!終われ!終われ!」。そこに現れた銃を構えた兵士(影山翔一氏)。女が落とした煙草を拾って銜える。そして女の胸ぐらを掴んで脅すと背を向け地蔵に向かって放尿。女は隙を見て掴んだ石で兵士の後頭部を殴りつけ、掛けられていたストラップで首を全力で絞める。倒れる兵士。銃を奪って引き金を引く。銃声。また人形に五寸釘を打ち始める。「終われ!終われ!終われ!」。

それはスター女優、星影(月船さららさん)のよく見る夢。垣乃花(渡邊りょう氏)という男が精神科医宜しく分析する。垣乃花の話し振りはまるでメフィストフェレスだが「悪魔程下品ではない」とうそぶく。女優を辞めようと考えている星影。理由もなく天より与えられたGIFT(才能)は理由もなく空になってしまった。
垣乃花は地蔵菩薩(マメ豆田さん)を見せる。釈尊が入滅し56億7000万年後に弥勒菩薩が降臨することになっているが、それ迄の無仏時代の間、衆生を救済する誓願を立てたという。実は地蔵菩薩と閻魔は一心同体。地獄の責苦を与えつつ、救済を続ける永久機関。戦前の日本から岡田嘉子と杉本良吉と共にソ連へと。そして演劇革命家メイエルホリドから師である晩年のスタニスラフスキーのもとへ。今、目の前に立つ地蔵菩薩の背には確かにスタニスラフスキーのサインが彫られている。

そして現れる御大スタニスラフスキー(影山翔一氏)。
リアルな演劇を求めた劇作家チェーホフと演出家スタニスラフスキー。表示の芸術(役を演じる)と体験の芸術(役になりきる)の違いとその統合を説き、「役を生きる芸術」スタニスラフスキー・システムを構築。

戦後、GHQによる農地改革が行われ、青森県の大地主だった実家が荒廃していく様を見た太宰治、「これは(チェーホフの)『桜の園』そのものだ」と受け止め『斜陽』を執筆。

『斜陽』に描かれる没落貴族のかず子(月船さららさん)とその弟で薬物中毒の直治(渡邊りょう氏)。見つけた蛇の卵を庭で十ばかり燃やしたこと。それ以来母親らしき女蛇がじっと一家を眺めているような気がしていること。

唐十郎の弟を自称する唐十一郎(影山翔一氏)が地獄の説明を始める。アングラ=アンダーグラウンド(地底)、掘った先にあるのは地獄。「地獄は実在する」と綴った男もいた。

バットマン=ブルース・ウェイン(渡邊りょう氏)とキャットウーマン=セリーナ・カイル(月船さららさん)のシーンは作家がどうしてもやりたかったのだろうか?

「(この社会が何の為にあるのか)教えてあげますわ、女がよい子を生むためです。」

冒頭のシーンは晩年の橋本忍脚本作、『愛の陽炎』のオマージュかと思って興奮した。演劇で『幻の湖』をやる気か?
文句を言うなら長過ぎるのと会場の温度設定が暑すぎるのが残念。眠気と戦う観客達。『斜陽』パートが素晴らしかっただけに、坂口安吾の『青鬼の褌を洗う女』テイストでこれをメインにすべき。『斜陽』を演じながら「演じるとは何なのか?」に葛藤する女優の精神の地獄巡りの方が観客にとって解り易い。

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