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川にはとうぜんはしがある

川にはとうぜんはしがある

ばぶれるりぐる

こまばアゴラ劇場(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

出演者が誰でも観に行こうと思う劇団の1つが、ばぶれるりぐるです。
でも、今回の出演者は私得でした。
メガネニカナウというイベントの主催をされていて、関西では知らない人のいない役者でもある上杉逸平さん、ばぶれるりぐるの常連で関西の演技派女優、大江雅子さん。東京の劇団、劇団5454(ランドリー)の窪田道聡さん、唯一観たことなかったけど、とっても元気で可愛かった梨花ちゃん。

続きはネタバレBOXで、

ネタバレBOX

土間が舞台って今まで見たことないです。
しかも、母屋と離れの土間。
それぞれに土間。こういう造りの家って存在したのかな?

昔、おばあちゃん家に土間はあったんですけど、うちの土間には鳥かごがぶら下がってたなぁ。犬とかペットは土間で飼われてたような気がする。

いつもニコニコだけど、鬱だったり色々あって仕事辞めて移住してきた生田目くん。
それだけに、早希の気持ちに敏感。本人は気づいてない気持ちを察して悲しんで、泣かないためにステップを踏む姿に笑うというシュールな状態。
早希が実家に帰ってきたのも同じような理由もあったのかもなぁと思った。
自分では気づいてないかもしれないけど。
そうなってたのかもだし、そうなってるのかとだし、そうなる前にと思ったのかもだけど。

実家から出ていった姉の代わりに実家を継いだ妹の陽子。
昔だと家は長女が継ぐものとかあったのかもだけど、早い者勝ちで出ていかれた感じ?
姉には才能があるけど、自分は何の才能も無いからと譲ったんだろうなぁ。
自分も出て行っちゃえば良かったのかもだけど、そうは出来なかった。
多分なりたかったものや、やりたかったこと、色々捨ててきたんだろうな。

でもきっとそれなりに幸せな人生を歩んできたんだと思う。
優しくて可愛い娘と、独特で面白い旦那さん。
凄く幸せな家族だと思う。
それだけに、娘の才能に気づいた時は恐怖したと思う。この幸せを失うかもしれないという恐怖。

嫁を名前で呼ぶ旦那さん。
昔は母さんと呼んでたっぽい。
名前で呼ぶようになったのは、娘が出ていくことを意識してかなぁと思った。
娘には娘の人生がある。
これからは2人で人生楽しもうよの名前呼びなのかなぁ?と思った。

なんも考えてないように何かは考えていた娘。
就職先はフィリピンのコールセンター。しかも日本人相手って、それは特殊詐欺なのでは?と思ったんだけど違うことを祈る。

最後に早希が陽子を抱きしめて言った言葉に泣いた。数年後、誰か私に言って欲しい。

やっぱりばぶれるりぐるは面白かった。
いっぱい笑ったし、いっぱい泣いた。
また、東京公演があることを祈る。
寉峯~カクホウ~

寉峯~カクホウ~

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしい。ただただ素晴らしかった。

西川さんの役とシンクロしている存在は、それだけでもう感動的。
演劇における演者の魅力はやはり大きいなあ。と再認識でした。

ネタバレBOX

失敗が、回り道や遠回りが、無駄にしてしまったと思えた時間や徒労が、いつかの成功の一助になりうることも。というメッセージに励まされ、勇気づけられた人も多いのでは。
私も、その一人です。
ふるさとの灯

ふるさとの灯

劇団カオス

大阪公立大学杉本キャンパス旧教養地区北食堂2階オアシス(大阪府)

2024/02/23 (金) ~ 2024/02/24 (土)公演終了

満足度★★★★★

凄く良かった‼️
今の関西学生劇団ではNo.1ではないかな🎵
めっちゃ泣きました‼️ビジュアル的にも、内容も最高😃⤴️⤴️
この流れを継続して欲しい‼️

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

劇団Cheminèe

エリア543(東京都)

2024/02/23 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

面白かったです。
事件が呆気なく解決してしまう印象はありましたが、何となくレトロな雰囲気の楽しい作品でした。
登場人物達のキャラも良く、特に主人公の長谷川圭一は、憎めない愛されキャラでした。
手作り感のある良い舞台でした。

寉峯~カクホウ~

寉峯~カクホウ~

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

優しさあふれる作品で、とても良かったです。
将棋の駒を主軸とし、家族や仲間、恋愛や仕事等、様々な要素が詰まっていて観応えがありました。
役者さん達の演技も素晴らしく、笑いあり感動ありで、あっという間に時間が過ぎました。
改めて、家族について考えさせられ、心にじんわり響く良い舞台でした!

寉峯~カクホウ~

寉峯~カクホウ~

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

凄く色々な方法論を試していて、物語の語り口としては非常に評価したい。辻褄の合わない時空間を超えた語り手の移行は徹底すればかなり面白い成果を得たと思う。

遠藤正己氏、駒師の雅号は寉峯(かくほう)。漆への拘りと盛り上げ将棋駒が特徴。駒は漆の塗り方で種類があり、「彫り駒」(文字の部分が凹んでいる)、「彫り埋め駒」(文字の部分が平ら)、「盛り上げ駒」(文字の部分が盛り上がっている)となる。
現代の名人五名とされている駒師の一人、大澤富月(ふげつ)氏に師事。富士駒の会(静岡県富士宮市で富月氏が主宰している駒師育成会)に所属。
2018年11月、第31期竜王戦(羽生善治竜王対広瀬章人八段)第三局にて寉峯の駒が選ばれる。将棋の駒は指して貰ってなんぼ。究極の高みに立つプロ棋士のタイトル戦に選ばれるということは全てが揃ったということ。この駒こそ、この対戦を飾るにふさわしいと。ボクシングの世界最高峰のタイトルマッチで選ばれるグローブのような崇高さ。人生を懸けるに値するとトップの面々を納得させる本物の重み。駒に「落ち着きがあり、見易く指し易い」と棋士達の評価は高い。
59歳で駒師になり、僅か7年でここまで辿り着いた天才。現在の駒師の中で群を抜く人気の彼の人生を紐解く。

最愛の妻と居酒屋を経営、順風満帆。44歳の時に妻が交通事故死。失意の中、店を畳む。仕事を転々とし、将棋サロン経営を思い立つ。良いものを揃えようと展示即売会に足を運ぶが将棋駒は非常に高価。手をこまねいていると「自分で作ることも出来ますよ。」と声を掛けられる。59歳にして、自分で将棋の駒を彫り出すことに。

ネタバレBOX

主人公に大川内延公(のぶひろ)氏。将棋はそこそこ強いがプロになれる程でもない。ミュージシャンで身を立てようと上京したものの、やはりそこそこ。大学時代に付き合った将棋サークルの恋人(北澤友梨枝さん)のことを未だに引きずっている。将棋を教えてくれた父親(松沢英明氏)が認知症で妹(江崎香澄さん)の介護も限界の為、実家に戻る。渡辺あつし氏の経営する地元の将棋サロンで寉峯こと、遠藤正己氏(西川智宏氏)を紹介される。

遠藤正己氏は元々売れない歌手でホステスだった妻(清水美那さん)を口説いて結婚。将棋ファンの集まる居酒屋を開業、軌道に乗る。自慢の包丁使い。趣味の釣りで大河内氏の父親と知り合うことに。手作りの漆を塗ったウキ。全てのばら撒かれた欠片が後の伏線になる不思議。
最愛の妻の死で全てが狂う。何も生きゆく意味を見失った彼は娘(鈴木彩愛さん)の事だけを考えて生き延びる。何も無くなった時に残るのは血の通った家族だけ。

渡辺あつし氏の語る昔話で時空間が飛び、聞いていた大川内氏は回想世界に飛ばされる。一緒に観客も吹っ飛ばされるので面白い試み。

遠藤正巳氏の物語と大川内延公氏の物語が並走。たまに渡辺あつし氏の物語も。

キーになるのは認知症で徘徊を繰返す松沢英明氏。彼は何かを探し続けている。将棋を指したがるが、決まって「こんな駒じゃやれるか!」と怒り出す。彼がほんの少しの間、正気を取り戻すシーンが物語のクライマックス。

大川内氏の作った曲は聴きたかった。ラストに流して欲しい。YOASOBIみたいのだったら面白かった。

無理に将棋を絡めなくてもいい話だと思う。遠藤正己氏と鈴木彩愛さん父娘の物語、松沢英明氏と大川内延公氏父子の物語が共鳴し合ってシンフォニーを奏でるべき。互いの話が実は同じ話だと気が付くように。鈴木彩愛さんをもっと描き込むべき。そして何をやってもそこそこ止まりだった大川内氏の苦悩が欲しい。
寉峯~カクホウ~

寉峯~カクホウ~

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

音楽の効果や照明もうまく使い、時制の往き来など展開もスムーズ。父娘の関係を、これ見よがしの泣かせ芝居にしないあたりもラビット番長の品の良さ。

養生

養生

ゆうめい

ザ・スズナリ(東京都)

2024/02/17 (土) ~ 2024/02/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/02/16 (金) 14:00

百貨店の展示替えの深夜アルバイトの大学生(後に正規採用)二人と正社員による三人芝居。これも作者の実体験に基づくもの? だとすれば過去と較べて毒(?)が薄れてマイルドになった印象。
が、今回特筆すべきは3台の脚立を組み合わせた可動/変形式の大中小三大の装置を主とした舞台美術で「それをそう見立てるか」なども含めて堪能。
また、アルバイト時代と正規採用後を並行して見せ、ワキを同じ役者が片や正社員、片や後輩となる新入社員と演じ分けるのも面白い。

天才バカボンのパパなのだ

天才バカボンのパパなのだ

吉本興業

本多劇場(東京都)

2024/02/21 (水) ~ 2024/03/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/02/23 (金) 19:00

チョー有名なマンガを別役実が戯曲に、って、どんな風になるんだ、と思って観に行ったのだが、すごく面白かった。75分。
 吉本興業主催ということで、コント系かと思う芸人と何人かの演劇人による公演だが、バカボンの世界観をある意味で忠実になぞった「不条理」のかたまり。笑うタイミングも人によって違うあたりも面白い。古くから知ってる浅野千鶴が]フツーに異常なこと言ってるのを観るのも、また楽しい。「脳が溶ける」印象。

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

劇団Cheminèe

エリア543(東京都)

2024/02/23 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

コンパクトにまとまって面白かったです。とにかく役者の皆さんが元気に楽しそうに演じているのが良かったですね。見ている方までその楽しさが伝わって良かったです。内容は、あると言えばある話ですが、元気でおしきったかんじですね。四年ぶりの公演とのことでしたが、良かったです。次回も頑張ってください。

寉峯~カクホウ~

寉峯~カクホウ~

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

昨秋「天召し」がとても良かったラビット番長の将棋ものを観に今度は前回のお隣のBOX in BOXへ
今回は棋士ではなく、駒師のお話し
また実在する人物を」より簡素だが上手く使われていた
正面の駒にタイトルロールとエンドロールが投影される
舞台転換は小気味よい
時には左右でライティングを替える間に次の場面へ
演者皆表情が良い
秀逸だったのは松沢英明
「ボケ」が来た老人を実に良く表現していた
大川内诞公も終始細かな感情表現が良かった
井保三兎のラビ番ズボンはちょっと違和感が(笑)
様々な要素がうまく組み合わされ処理されていたが、遠藤父娘、池田父子、ある意味メインテーマは「家族」かな
ちょっと身につまされるところもあった
しかし駒師のことなんて能登半島沖地震関連のニュースでつい最近知ったばかり
ラビ番の将棋もの、やっぱりいいなぁ、次が楽しみ

夕暮れの旅人たち

夕暮れの旅人たち

表現集団蘭舞

シアター2+1(東京都)

2024/02/10 (土) ~ 2024/02/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/02/11 (日) 17:00

西荻窪の劇場といえば遊空間がざびぃしか行ったことがないと思っていたのだが、この劇場への最後の曲がり角であるT字路で突き当りにCOOPとスーパーが並び立つ風景には見覚えがある。いつ来たんだろうと考えに考えて、かなり以前にハグハグ共和国所属の役者が一時期にそれぞれ違った劇団に客演した際に、それらの各公演をスタンプラリーよろしくサインを集めながら観て回ると景品が出る企画があって、その時に来た劇場のひとつだったのを思い出した。多分劇場名は今と違っていたと思うが…。

(以下、ネタバレBOXにて…)

ネタバレBOX

両親が離婚して以来会っていない父親に会うため、そして引っ越してしまった彼女に会うため、単身博多の地を訪れる中学3年生の少年・凪の物語だが、はっきり言って暗転が多すぎる。これまで暗転(場面転換)が多かった芝居と言えば上演時間2時間弱で64シーンというピープルシアターの作品があり、当時その主宰は「舞台で映画を創る」という趣旨のことを言っていたが、シーンを細切れにすれば映画になるというものじゃないだろうというのが正直な感想だった。この作品も場面転換が多すぎて、登場人物の心に寄り添いかけると転換という繰り返しでは、訴えかけるものが薄くならざるを得ない。もう少し考えた方がいいだろう。

あと、博多弁がいまひとつひどい。当日パンフによれば方言指導が居るようだが、字面だけ方言にしても(それだって満足に博多弁になりきっていない個所が散見される)イントネーションがまるで違う。そのために博多弁のシーンになると九州人の私としては白けてしまう。桟敷童子のレベルまでとは言わないものの、これまたもう少しトレーニングすべきだ。

凪の母親で刑事でもある清美が夫に向かって「こういう仕事で女性が出世するのは大変なんだから」という場面があるが、こういう会話でわざわざ「女性」と言うものだろうか。この人物のキャラクターからも、また警察社会に身を置く立場としては単に「女が」と言うのではないか。コンプライアンスを気にしすぎだ。もっとも清美を演じた小暮美幸はこの他にもおチャラけた役もこなして、存在感を十二分に発揮していた。
寉峯~カクホウ~

寉峯~カクホウ~

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日拝見。以前に複数回拝見しているラビット番長さんですが、流石隙のない内容でとても面白かったです。過去と現代を行き来する演出はともすれば解りづらくなるのに、全くそんなことはなく、笑いあり涙あり素晴らしい演技と内容で楽しく優しい時間を過ごせました。ラストも良かったですね。ありがとうございました。

掟

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2024/02/15 (木) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/02/19 (月)

駅前劇場にて劇団トラッシュマスターズ『掟』を観劇。
障がい者雇用の実態を描いた前作の『チョークで描く夢』の上演からまだ半年も経っていない中で、今回も3時間に迫る新作を上演。それも見事なまでのハイクオリティー。それだけでも単純に凄いと感じてしまうのですが、この国で実際に起きている様々な問題を、演劇を通して人々に伝え、考えさせるという一貫性のあるコンセプトが素晴らしいのです。個人的に、トラッシュマスターズさんは1年前の『入管収容所』を拝見して以降、すっかりお気に入り劇団の一つとなっており、出来る限り優先して観劇スケジュールを立てるようにしています。それくらい観る価値のある劇団という位置付けになっています。
今回は地方政治をテーマとした内容でした。あくまでも舞台作品ということで、100%を鵜呑みにすることは出来ないものの、過去に拝見した2作品がいずれも実際に起きたことがそのまま描かれていましたので、恐らく今回も実話そのものなのでしょう。観劇後にざっと調べてみたら、「首長と議会の対立がSNSで大きな話題となっている」「議員数は16人だが、一般質問では半分程度しか質問しない」「市の人口はここ10年で約5千人減った」など、まさに今回の舞台で描かれていたままの情報がありましたので、今、色々な感情が湧き出ているところです。ベテラン議員達への憤り、若手市長へのエール、市民への政治参加の訴えなど。。
劇団トラッシュマスターズさんの作品が凄いところは、観劇後にそのテーマについて深掘りしてみたくなる気持ちが芽生えるところかと思います。学校の授業で学ぶより、はるかに勉強になるような気がします。他人事ではなく、一人一人が問題意識を持ち、自分なりに考えるきっかけにする。その動きこそが、日本社会を変える第一歩になるのではないかと感じます。今回はとある一つの市の物語でしたが、同じような問題に直面している地方自治体は多くあると思います。そして、正直なところ、職務を果たしていない議員もそれなりに存在するのではないかと感じています。世の中色々な考えを持った人がいるのは当然ですが、その考えを相手に伝えることが出来なければ、誰もが納得する良い方向に向かっていくことはまず無理でしょうし、進化・発展は難しいと思います。「掟」は大事かもしれませんが、やはりきちんと話し合いが行われ、本気で意見をぶつけ合ってからでないと「掟」の立ち位置すら見失うのではないかと思います。
非常に重みのある深いテーマながら、色々と考えさせられた3時間でした。演劇で3時間となると若干長い感覚もありますが、トラッシュマスターズさんの作品はその長さを感じさせず、惹き付けられる作風なので、気付いたら3時間が過ぎているという感覚です。核となる人物こそいるものの、登場人物全員が印象に残るというのもなかなか稀な感覚です。重いテーマながらも随所に笑いを誘うシーンが盛り込まれており、映像を使ったシーンも良かったです。

う蝕

う蝕

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2024/02/10 (土) ~ 2024/03/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

コールの後にスタンディングの女子たちが見え、ああこういう公演だったのだな、と。初めて名を見た若手俳優(坂東龍汰、綱啓永)と名前だけは知っていた新納慎也あたりが、娘たちのお目当てだったか。安くない金を払い観劇「参加」した公演を「素晴らしいものだった」事にしたいのは判るが、舞台そのものではなくこの場面(コール)の感動を味わいに来た(結果的に)のかも・・と意地悪く見てしまう。
それだけ難渋さのある舞台だった。だから「簡単に感動した事にしてくれるな」、という気持ちがもたげる。

改稿された事は公演後に知った。当初動画で語っていた俳優たちのノリ、コメントの内容と、初日の幕が開いた日のコメントとは趣が違う。
開幕時点で「え?これは1月1日以降に執筆した脚本なのか」と目を疑う。被災した海岸べりの状態である。そして明らかに能登半島地震が重ねられている。それまでの題材が事実の前に霞んでしまい、急遽内容を変えたのか・・と観ながら考えたりした。
が、実際は、当初横山氏が書こうとしていた不条理劇の設定が、天変地異が襲って土砂に埋まった島、であった所、現実に震災が起こり、この災害を想起させる内容であったため、上演を検討した結果改稿に至ったという。
つまり、そのまま上演したのでは「そこに震災の傷跡がある」事実に対し無神経な芝居となる、と判断されたという事だ。それによって私はこの戯曲は(ストーリー等は大きく変えずとも)決定的に変わったのだろうと想像した。
演出が瀬戸山女史であった事でこの改稿作業が今回の作品への展開を可能ならしめたのだろう、とも推察。鎮魂の劇である。
当初目指されていた「不条理」は、島に残った(あるいはたどり着いた)人物たちの滑稽さ、醜さ、突き放した辛辣な描写で現代日本を浮上させるものだったのかな、と想像している。そんな想像をしてしまったのは改稿前の「原形」の残り香、あるいは埋まらなさを感じたからである。だが急遽の改稿にしては、犠牲者の存在を強く感じさせた鎮魂のラストによく持って行けたと感服する。
数年後、元の戯曲(完成していたのであればだが)を上演する機会が訪れたら、それも一興なんだがな、と未練がましく考える。

ネタバレBOX

今回の能登半島を襲った震災については、東日本の時と随分違う感触であった。原発事故はなく、津波の規模も違ったが、実は死者が予想以上に出ており、把握されない孤立地帯・世帯、寒さとライフライン遮断と、ある種地味な深刻さゆえかメディアを通してはあまり伝わらなかった。
情報が出されない事によるネガの「印象操作」に助けられた政権が長く続き、国会議員の現地入りがバッシングされるという転倒した常識に恐ろしさを感じ、標的をバッシングする事で被災地への(同国民としての)疚しさを自ら解除しようという心根が見え隠れしゲンナリさせられた。
災害そのもの以上に、この国の病みを実感した一月がアッと言う間に過ぎ、三月が目の前である。何から手を付ければ良いのか・・演劇の中にそのヒントを見たい等とは虫の良すぎる願望だが、様々な意味で舞台芸術には期待している。そしてしばしば、予想しなかった形で応えてくれる。
寉峯~カクホウ~

寉峯~カクホウ~

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 棋士の話は随分上演してきたラビ番だが、裏方ではある駒師に関しては初ではないか?

ネタバレBOX

 人生には齢を重ねなければ見えてこない局面というものがある。その一つが年を取ることの意味する処だ。ラビ番の劇作家でもある座長も、暫く見ない間にお年を召した。それでこういう作品を創ったのだろう、云わば一歩引いた視座からの作品創造である。こう述べている自分もこの所急速に体力を落とし、今迄気付かなかった諸相に気付くようにもなった。
 ところで自分の頭で考え続けている人間というものは、ある段階に達すると、流されている人々には決して到達し得ない人生の知恵と機微に接することができるようになるものだ。そうなれば後に続く者達にそれとなく、彼ら彼女らの今後活躍しやすい場そのものを提供することもできる視座が生まれ具体化する方図も見えてくる。
 一方、健康に見放され易くなり余命も一般的に少なくなっている訳だからそういった場を維持し得る後継者育成を含めてのパースペクティブも当然必要となる。
 おっと、説教くせえな! ざっくりいくとしよう。要は他の殆どの人々に気付かれず肝心なことをやってベースを創り、その上で皆が自発的にやっていると思えるような何か、今作の場合は将棋の駒を中心に将棋や駒、釣り、恋や夫婦・家族等々が和気藹々、互いを時にはぶつかり合ったり、齟齬を重ねたりもしながら信じあえる関係を維持し続けることの要諦を示唆した作品と言えよう。<ザックリトイッタワリニソウナッテネエジャンにゃんちって> 寉峯の師匠である富月の履いているジャージの後両ポケットに三羽の兎のデザインがそれぞれ付いているなど、擽りも無論あるし座長の芸名のうちファーストネームの意味する処とも掛かっているのは無論、ファミリーネームも入っている訳だが、誰にでも分かり可愛い! 更に 寉峯もまた弟子をとり後代を育ててゆく下りもいい。そして 寉峯の娘のインタビューされた時の答えも素晴らしい。どんな台詞かは、舞台を観てのお楽しみだ。未見の方々には以下のこともお伝えしておこう。敢えてここに書いていない魅力的なサブストーリーも他にある。こちらも楽しみに観劇して欲しい。
 ラスト、ホリゾントに映し出されていた駒型の駒材料映像に、文字が浮かびあがる。この辺りで余韻を残し観劇後の想像力を更に搔き立てる演出も流石である。
御菓子司 亀屋権太楼

御菓子司 亀屋権太楼

MONO

扇町ミュージアムキューブ・CUBE01(大阪府)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/02/22 (木) 19:00

真面目に働くが報われない人、その人を応援する人、家族・同郷の絆が悪人から善人に変わる人、善人又は悪人のままの人、それをずっと見守っていた庭の梅。その木も伐採される。皆が幸せになっていない。人それぞれの生き方。複雑な気持ちで観劇する。

あるいは沈む殻

あるいは沈む殻

創造Street

AI・HALL(兵庫県)

2024/02/23 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

満足度★★★

舞台にはエレベーターとマンションと思われる一室 五年間付き合って出来てしまったカップル(女性はダンス💃教室の先生で男性は朝の遅いサラリーマン)とエレベーターには金持ちのクイズ制作女性とウェディングプランナーの女社長
繋がっているようで、繋がっていない2つの場所
題目との繋がりも今一わからない(卵の殻は、浮く形もあれば沈む形もある)
貴方の選択(今の生活や仕事)では…😓ということなんだろうか?

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

劇団Cheminèe

エリア543(東京都)

2024/02/23 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

ライブショー「ザ・アイドル-THE IDOL-」

ライブショー「ザ・アイドル-THE IDOL-」

WizArt

Cafe JINDO(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最高でした。朗読劇のスタイルでしたが引き込まれました。最後の歌も最高でした。アイドルいいですね^^

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