住み込みの女の観てきた!クチコミ一覧

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ケンゲキ! 宮沢賢治と演劇

ケンゲキ! 宮沢賢治と演劇

シアターオルト Theatre Ort

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/04/03 (木) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

撃沈
二演目ほど観劇したが、作品の出来、役者の力量、その他もろもろ言う事ないのだが、自分自身が全く宮沢賢治にのれずに撃沈してしまった。
感想が全く書けないというのが正直なところだ。

ひきがね 引いた

ひきがね 引いた

ジソーキッズ

OFF OFFシアター(東京都)

2014/04/09 (水) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

ジソーキッズの【ひきがね引いた】を観劇。

姉弟の長きに渡る確執を、姉のユニークな提案でその呪縛を解き放とうとする物語。

他人同士の確執よりも、血を分けた家族ほど面倒なものはない!というのが今作のテーマである。
そんな作品の大いなるテーマを紐解いていくには、強硬な手段ではあるが罰ゲームするという大胆な発想には恐れ言ったが、その着眼点はなかなか良いのではないのだろうか。
しかしその発想の良さも展開の不味さと周りの無駄な関係性に難があり過ぎて、ぼやけてしまったのが難点か。
それとテーマと物語の接点がアンバランス過ぎて、描こうとしているテーマが何処かに行ってしまったようだ。
ただそこさえ上手くいけば傑作になっていただろう。
グローバル・ベイビー・ファクトリー Global Baby Factory

グローバル・ベイビー・ファクトリー Global Baby Factory

劇団印象-indian elephant-

調布市せんがわ劇場(東京都)

2014/03/26 (水) ~ 2014/03/30 (日)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

劇団印象の【グローバルベイビーファクトリー】を観劇。

高年齢で未婚の砂子は、結婚と孫というプレッシャーを日々感じながら、どうにかお見合いの末、結婚は出来たのだが、子宮癌の為に子供を産めない身体になってしまう。そして砂子はインドで代理出産という方法を取り、子供を作る決意をするのだが・・・。

代理出産に焦点を当て、代理出産を依頼する側の本人と家族、低所得の為に代理出産を生活の糧にしているインド人、そして精子と卵子の結合と様々の視点から子供を作るという事に対する問いかけの作品である。 内容は大きな社会問題を扱っているのだが、展開の上手さもあってか、どの角度から見ても、この問題の根本は何か?という答えが自ずと導かれるように出来ていて、観客も全員が納得しながら観ていける。
そして最後のオチが作家のメッセージでもあるのだが、これがどうにも分かりずく残念だった。ただそのオチは終演後の作家のトークショーで理解出来たのだが、今作は分かりやすい描き方だけに、劇中で理解出来なければ、傑作も駄作になってしまうなぁ~と感じた次第だ。

場所が千川劇場だからか、観客の年齢層が高かった。
緑子の部屋

緑子の部屋

鳥公園

3331 Arts Chiyoda(東京都)

2014/03/26 (水) ~ 2014/03/31 (月)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
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ネタバレBOX

鳥公園の【緑子の部屋】を観劇。

いなくなってしまった緑子について兄、友人、恋人が語る物語である。
ベケットの【ゴドーを待ちながら】という感じは全くないのだが、それを想起してしまうのが、今作を観劇する上では大きな過ちであるようだ。

緑子という人物の人柄や人格について語りあっているのだが、それが単なる他者とのコミュニケーションを取るための話題であり、道具ではないかと錯覚してしまうほど、緑子とは誰?については深く触れていないのである。
決して不条理ではないのだが、条理ともいえない同じ様な日常を我々は同じ様に過ごしているのかな?とふっと思わせてくれる物語である。
観劇中、観劇後と考え過ぎれば過ぎるほど、迷宮に連れて行ってくれる奇妙な演劇であった。
そして起承転結がある演劇を鑑賞しよう!なんて気持ちを持って客席に座った時点で、観客は撃沈されてしまうのである。

とても他人には勧められないが、観る価値はあると思う。

ヒネミの商人

ヒネミの商人

遊園地再生事業団

座・高円寺1(東京都)

2014/03/20 (木) ~ 2014/03/30 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
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ネタバレBOX

遊園地再生事業団の【ヒネミの商人】を観劇。

田舎の小さな印刷屋では、近所のおじさんが入り浸っていたり、親戚同士の保証人問題、子供たちの学校行事の練習、銀行員の挨拶回りなどの日常的な風景が展開する。
ほぼ【男はつらいよ】の世界に近い感じだ。

だが宮沢章夫が描く日常は決して演劇的ではなく、市井の人々をリアルに描いている。
そのリアルとは何か?
それは何故か?片方の靴をなくしてしまった銀行員、何故か?余分に印刷物を作ってしまった社員、学校行事の練習している子供たちが、練習をそっちのけで、溶けそうなアイスをどうするか困ってしまったり、道に迷ってしまい、同じ道をひたすら往復している人など、物語として観るとちょっと変?だと思える当たり前の日常をクローズアップしながら物語は展開していく。
我々の普段の生活では気がつかない日々は、沢山の無駄と余分の集合体であり、実はそれが非日常的であり、不条理だとも感じさせてくれる。
それを物語に乗せてしまうと不条理演劇だと思いがちだが、そこに日常のリアリティーとして持っていく辺りが今作の狙いと宮沢章夫の世界観なのだろう。
平田オリザの口語演劇であり、城山羊の会の世界観でもあるのだが、
宮沢章夫は、彼らよりもかなり以前からこのような手法を取り入れていたとは驚きである。


シフト

シフト

サンプル

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2014/03/14 (金) ~ 2014/03/23 (日)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
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サンプルの【シフト】を観劇。

チェルフィッチュに次いでの苦手の劇団で、今作で3本目の観劇だが、今後も見続けるか否かで迷っている状態。

ある村に婿に行った青年が、村の風習に無理やり取り込まれてしまう。
そこはダムで沈んだ村民が生き残りをかけて、新しい住人の種を利用して、
白子様という神を再生していこうとするのだが、そんな村民の意地も都会の波にさらされてしまう。

かなり土着的な話で、伝統と慣習を守ろうとする人々と、新たなる文化を植え付けようとする人々との衝突を描いているのだが、今村昌平?寺山修司?などとは全く違うアプローチの仕方で描いている。
作品を自分なりの解釈でひも解いていくのだが、作家の目指している物と観客が解釈していく事に大きなずれが生じてしまうのが苦手になっている要因だ。それは何時も終演後のトークショーで分かるのだが、観客と作家の演出意図が全く交わらない事で、もう観たくない?という事になってしまうようだ。

さて、次回作は観劇するか?どうか?
「彼の地」

「彼の地」

北九州芸術劇場

あうるすぽっと(東京都)

2014/03/07 (金) ~ 2014/03/09 (日)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
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KAKUTA 【彼の地】を観劇。

今作は北九州芸術劇場のプロデュース公演なので、北九州を舞台にしている。

北九州を舞台に、そこに住んでいる人、東京から来た人、結婚で来た人など市井の人々の群像劇である。
様々な物語が交互に展開するのだが、とりわけ深く各人物同士がつながっている展開にするのではなく、日常的なつながりで、群像劇にしているからか、さらりとした一本線でつながった感じが心地よい。
そしてお祭りをクライマックスに持って行っているので、作・演出の桑原裕子の得意のミュージカルで締めくくるか?と大いに期待したのだが、そこは観客の傲慢さであったようだ。
今作でやけに気になったのは、悩みを抱えている登場人物たちの殆どが、精神疾患だという事だ。
それは精神疾患は今や国家の5大疾病のひとつに入ったからだろうか?
それとも作家の今後のテーマなのだろうか?
空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―

空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―

松竹

新橋演舞場(東京都)

2014/03/05 (水) ~ 2014/03/29 (土)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
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ネタバレBOX

スーパー歌舞伎Ⅱの【空ヲ刻ム者】を観劇。

スーパー歌舞伎とは、歌舞伎を誰にでも楽しんでもらおうと、分かりやすい台詞、派手な演出、そして歌舞伎のエッセンスを所々に取り入れた作品。
20年くらい前に当時の市川猿之助が仕掛けた話題作。
今作は猿之助を襲名した亀次郎による復活版。
前回と違うところは作・演出にイキウメの前川知大を起用したところだ。

物語は20年前の復活版だけあって、内容と展開はほぼ今までのスーパー歌舞伎を踏襲した感じだ。起承転結が上手く出来ている戯曲の完璧さ、俳優の実力、舞台での派手な見せ方とローリングストーズのコンサートと同じ料金ながら約4時間を堪能させてくれる。やっぱりミックジャガーじゃくて市川猿之助だろう!という感じでもある。
でもあえて苦言を言うなら、20年前の方が激しいアクションが満載だったのが今作の不満のところか。しかししっかりと頬に涙が落ちてくるドラマチックな展開には満足だ。

佐々木蔵之介が見得を切らない?切れない?のには笑ったのだが・・・・。
大きなものを破壊命令(再演)

大きなものを破壊命令(再演)

ニッポンの河川

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2014/03/01 (土) ~ 2014/03/09 (日)公演終了

満足度★★★

小津映画にヒロインか?
ネタばれ

ネタバレBOX

作・演出の福原充則【大きなものを破壊命令】を観劇。

4人の女優が様々の役を演じ分ける芝居。

首絞め犯人獲得に挑む神林君とそれを囲む人々と戦時中の脱走兵4姉妹の脱獄記。
このふたつの展開が交互に入れ替わりながら、物語は進んでいくのだが、
ふたつの話しに関連性があるのか、ないのかは観客の判断次第か?というところだが、物語自体は全く繋がりがないのだが、瞬時に入れ替わっていく物語と4人の女優のみで入れ替わり演じ分けているので、関連性がないように見えて、関連性があるように錯覚してしまうところにこの作品の大きな意図を感じられた。

ちょっとこれはすごい試みをしているようだ。
2014年・蒼白の少年少女たちによる「カリギュラ」

2014年・蒼白の少年少女たちによる「カリギュラ」

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2014/02/15 (土) ~ 2014/02/27 (木)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
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ネタバレBOX

さいたまネクストシアターの【カリギュラ】を観劇。

ネクストシアターとは演出家・蜷川幸雄の若手俳優の集合体である。

妹・ドリュジラの死をきっかけにローマを失踪した皇帝ガリギュラは、3日ぶりに人民の前に姿を現すと、市民を恐怖の底に落し入れるほどの政策に転ず始める。
そして屈辱に耐えかねた貴族たちはクーデーターを計画するのだが、本来カリギュラの憎むべき一部の側近たちは、カリギュラの思想を理解し支え始める。だが、クーデーターはすぐそこまで迫ってきていた.....。

過去の蜷川作品の傑作は、抑圧された人民を描き、事を成せずに終わってしまう虚しさを描く事が多かったのだが、今作は事を成せずに終わってしまった指導者の話しである。
指導者の理想と理念が人民との溝を埋めるには、理解と和解ではなく、物事の論理から始めなければいけないとガリギュラはその想いを推し進めようとするのだが、その論理を考えようとしない人民には、理想の国家の形すら見えこないと言っているのだろう。それがローマ帝国から現代まで変わらない指導者と人民の大いなる隔たりと溝であるとカミュと蜷川幸雄が語っている。

荒野の家

荒野の家

水素74%

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/02/07 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

水素74%の【荒野の家】を観劇。

今時では珍しい不条理演劇を行っている劇団だ。

20年間引きこもっている息子と出戻りの娘に困っている夫婦の話し。
これから息子をどうするべきか?と夫婦で考えているのだが、父としては戸塚ヨットスクールに預けてみようかと提案するが、息子を溺愛しているが為に反対する母、そして兄ばかりで自分を構ってくれないと叫ぶ娘と家族がバラバラの状態。
そして戸塚ヨットスクールが息子を引き取りに来た日に、それぞれの思いが爆発してしまい、家族が崩壊していってしまう。

今作では、理想の家族像とは?を描いているように錯覚しがちだが、息子が引きこもってしまった時、娘が出戻った時、息子を他人に預けてしまう時と、何かを決断しなければならない瞬間に、家族はどのような選択に迫られるのか?について述べている芝居である。
正しい、間違いは別にして、今作の登場人物の選択は、家族の為に正しい事をしたと思い込んでいるだけで、実の処、家族よりもまず自分にとって都合の悪い者は、血縁ですら排除してしまうという人間の闇の部分を焦点に絞っているようだ。
所謂、これこそが不条理ではなく、人間の正しい条理だ!というのが今作の狙いのようだ。

毎作ごとに感じるのだが、永井秀樹の芝居のキャラクター作りは抜群だ。

男たらし

男たらし

ブス会*

ザ・スズナリ(東京都)

2014/01/29 (水) ~ 2014/02/04 (火)公演終了

満足度★★★★★

今作もたまらん!
ネタばれ

ネタバレBOX

ブス会の【男たらし】を観劇。

今年の期待作品。
チラシから想像する感じだと今回もイヤらしい作品だと誰もが思うのだが・・・。
過去の作品は、ほぼ女性たちだけの出演者で、女性の生態を描いて男性観客をゲンナリさせてくれたのが、今作は女性一人のみで、残りは男性で展開していたようだ。

イケイケ社長の会社に女性(よしみ)が入社してくる。だがどうみても男好きという感じだ。そんなよしみもあっという間に社長の愛人になってしまう。
だがこの会社も社長の放漫経営の為か、借金を抱えながらの経営で、今や火の車状態である。そんな最中、よしみのアイディア商品が会社を立て直し、愛人と社長という立場が少しづつ逆転していく。
そしてよしみも今までの愛人人生から、仕事という生きがいを持ちながら生きて行く決意をする。

おおまかな物語はこのような感じで、男尊女卑を否定してしながら、女性の自立を描いている。そして男性と女性は平等でありながらも、性の部分を抜きには語れないともいえる。この手の女性の活躍を描く物語だと、ほとんどの男性作家は愛と性の部分を省略してしまうのだが、今作はそこに最大の焦点に持って行きながら、女性の生きざまを描いている。
女性にとって仕事と性は別モノではなく、同じ扱いであり、そして多数の恋愛本で言われている男性脳と女性脳の使い方、機能の違いを感じさせてくれる。だから女性脳の使い方を理解出来ない男尊女卑肯定の男性観客は、永遠に彼女のいない人生を送り、そして今作にげんなりして劇場を後にしてしまう。ただ確実に言えるのは、ペヤンヌマキの描く女性像に勃起してしまった男性客が多数いたのは間違いないだろう。

内田慈の代表作になるのは間違いない。
そして古屋隆太の実力のほどを思い知らされる作品でもある。

かなりお勧め!




女装、男装、冬支度

女装、男装、冬支度

FUKAIPRODUCE羽衣

座・高円寺1(東京都)

2014/01/29 (水) ~ 2014/02/02 (日)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

羽衣の【女装、男装、冬支度】を観劇。

既に3回ほど紹介しているので今更なのだが、妙ージカルと言われているアングラミュージカルを行う劇団である。

今作は劇場の大きさを生かし、得意のミュージカルのオンパレードで攻めてきた。それも墓場から死体が生き返り、ゾンビミュージカルの始まりである。
だたそれも始まりだけで、それ以降は大傑作の【サロメVSヨナカーン】同様、複数のカップル達の愛液タラタラの愛憎劇である。
毎作ながら大した物語もなく、不倫のカップル、少年少女の恋、キャバ嬢と客、若い恋人などのひとときの出会いと別れを切なく、そして大事な性の営みをも描いているので、見事なまでに登場人物たちの心情に観客は落ちてしまい、涙してしまうのである。
この劇団の表現パターンは毎作事に変わらないのだが、やはり男女の関係性の奥深さに追及しつつ、それをミュージカルに仕立てる辺りは抜群だ。
でも相変わらず下手な構成力と力技、そしてラストの終わり方もさっぱりだが、それすらも許せてしまうほど実力ある劇団だ。

お勧めである。
血と暴力の星(くに)

血と暴力の星(くに)

架空畳

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2014/01/22 (水) ~ 2014/01/26 (日)公演終了

満足度★★

種子を演じた女優は誰だ?
架空畳の【血と暴力の星】を観劇。

全く知らない劇団だが、縁あって観劇を決意。

つかこうへいの早口連射攻撃、唐十郎の観念的、妄想的な台詞を思わせる始まりには「おっ!」としたのだが、時間と共に物語不在の戯曲が明らかになっていき、時計ばかりを見てしまう。
唐十郎だって観念的ながら、しっかりとした物語はあるのだが・・・・。
つかこうへいのように俳優を大事にしている演出はうなずけるのだが、どの俳優も似たような芝居ばかり。それは皆同じ劇団員だからだろうか?
ただ唯一人女性で、種子という役を演じた女性が、唐十郎の特権的肉体論の見本と言わんばかりの舞台でしか出来ない芝居をしていた。
明らかに彼女は劇団員ではないという感じだ。すごく個性的で、繊細な芝居をしながら、なお且つエネルギッシュだ。
何者か分からないが、何れは世に出てくる俳優であるのは間違いないだろう!

夢も希望もなく。

夢も希望もなく。

月刊「根本宗子」

駅前劇場(東京都)

2014/01/10 (金) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
完全ネタばれ

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【月刊 根元宗子】を観劇。

全く知らない劇団なのだが、やや気になったので観劇を決意。
観劇前の期待値はかなり低かったのだが・・・。

客席に入るとシングルベット、テレビ、炬燵、台所のセットが組まれており、それが真ん中の境目を基準に、左と右に二つ組まれている。僅かに飾り込みは変えているが、同じ部屋が二つあるという面白いセットの作り方だ。

俳優として夢を追い求めるちひろは、少しづつではあるが成功への階段を上っている。
そして彼氏も小説家志望で、互いに切磋琢磨しあいながら付き合っている理想のカップルだ。
しかしそんな芸術家同士のカップルも片方が上手くいき始めると、嫉妬や妬みでお互いの関係が悪化してしまう。
そして成功の夢を掴みかけたちひろは、彼氏との関係が悪化するのを恐れてしまい、自分の夢を捨てて、彼氏との幸せを選んでしまう。
そして十年後、夢を捨てたちひろはOLとして働いているのだが、小説家になれなかった彼氏は、働きもせずにひも状態だ。そんなちひろは、夢を捨てた十年前を後悔しながら、辛い日々を送って生きている・・・。

夢と希望に生きていた十年前の日々を左側のセットで行い、夢と希望に破れた十年後を右側のセットで行うという画期的な舞台だ。場面によっては同時進行で芝居が行われるので、夢と希望を追っていた昔、そして夢破れた現実を嫌というほど見せつけてくる演出法はなかなかだ。
人生の選択、親友の進言と人は迷いながらも、常に何かを選択しなければ生きてはいけないという事をまざまざと感じさせてくれる芝居だ。
決して目新しい内容ではないのだが、生の舞台でしか出来ない表現方法を用いているので、作家のメッセージが的確に伝わってきている出来の良い芝居だ。



 
プラトニック・ギャグ

プラトニック・ギャグ

INUTOKUSHI

駅前劇場(東京都)

2013/12/25 (水) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★★

今作の俳優の熱量は?
犬と串の【プラトニック・ギャグ】を観劇。

毎作の事ながら、今作も大まかな物語だけで構成されていて、笑いと俳優の熱量だけで見せていく劇団。
殆ど物語にテーマや作家性らしい物が一切ないのが長所でもあるのだが、
笑いにスピード感と新鮮さがある時は、傑作が生まれるのだが、今作は外れ!作品に安定性がないのがこの劇団の欠点か?
でも毎作必ず観てしまうのが、ヒロイン・鈴木アメリのお陰だ。

何度も書くが、鈴木アメリは良い!

THE BELL

THE BELL

CHAiroiPLIN

神楽坂セッションハウス(東京都)

2013/12/21 (土) ~ 2013/12/23 (月)公演終了

満足度★★★

感想なし
チャイロンプリンの【THE BELL】を観劇。

最近話題になりつつあるらしい?ダンスユニットだ。
踊り関係は【黒田育世】他数名しか知らないし、あまり観ないので今作の感想はナシ。

「死ンデ、イル。」

「死ンデ、イル。」

モダンスイマーズ

ザ・スズナリ(東京都)

2013/12/12 (木) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
劇場が暑いので要注意。

ネタバレBOX

モダンスイマーズの【死ンデ、イル。】を観劇。

久しぶりの新作である。

福島原発の影響で、浪江町から二本松市の叔母の家に避難している少女が突然の失踪。その原因は何か?それを探るジャーナリストと家族の苦悩の物語。

ほぼ少女視点で話は進行していき、原因と結果という因果関係でなく、少女の心情を中心に描いているので、理解しずらい部分が多々あるようだ。ただ家族とそれを取り囲む周りの人々との葛藤を通して眺めていくと、多感な時期の少女だから失踪したという訳ではなく、その場所に閉じ込められてしまっている浪江町の人達も生活を投げうって、失踪してしまいたくなるのではないか?と思ってしまうところだ。その辺りは作・演出の蓬莱竜太が得意とする、ある特定の場所から閉じ込められてしまった人達がどのように苦悩して、新たなる道を探るか?という構成は抜群だ。
そして瞬時に時間と場所が変わってしまう演出法は相変わらず上手い。
城山羊の会『身の引きしまる思い』

城山羊の会『身の引きしまる思い』

城山羊の会

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2013/11/29 (金) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

城山羊の会の【身の引きしまる思い】を観劇。

今年で二本目の新作であり、六作品連続での観劇だ。

毎度の事ながら内容をどのように説明したら良いかが悩みどこだが、
今作は、母親を男に盗られた娘の仕返しというところか?
あの傑作舞台【あの山の稜線が崩れてゆく】では、妻を刑務所帰りの元夫に盗られてしまう男の顛末を描いていたが、今作はそれの焼き直しという感じが否めなく消化不良だ。そのように感じてしまうのは、何時もの世界観を期待するワクワク感と、毎回似たような展開にやや飽きが来てしまう観客の傲慢さではあるのだが・・・・。
しかし描いているはかなり繊細な娘の心情を描いているのは間違いない。
そして消化不良と言っておきながら、ラストの終わり方の解釈次第では、
その消化不良が簡単に消化されてしまう魔法が隠されているとは観客の誰もが思いもよらなかっただろう。

毎作品観ていると作家が変わっていく様が手に取るように分かっていくのが、同じ劇団に通いつめる面白さだろう。
そして世間では微妙な山内ケンジワールド?と言っているようだが、それは大きな見せかけで、観客をかなり深い部分にはめ込んでいく事に快感を覚えているのが作家・山内ケンジの狙いだろう。

あ、それから三鷹芸術劇場の名物おじさんは、森元さんという方らしい。


モモノパノラマ

モモノパノラマ

マームとジプシー

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2013/11/21 (木) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
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ネタバレBOX

マームとジプシーの【モモノパノラマ】を観劇。

今年で既に4本目の新作公演だ。
内容は、一匹の子猫を飼い始めた姉妹が成長していく話。
最近の尖がった作風から一転して、初期の作風に近いセンチメンタルな内容だ。
前作のひめゆり学徒隊の悲惨な話から、また原点に戻ったのか?と思いきや、演出家の精神そのものが、前作から同じ様に続いているようで、思わず続編かと?思ってしまった。それは現代社会で少女達が生きていく中で、社会の血なまぐさい事件や友人の自殺などを背景に同じ過程を辿っている点だ。以前の様な作風だと思って観ていたので、大目玉をくらってしまうようだ。 作・演出の藤田貴大の表現方法は相変わらずだが、明らかに変わっていっているのが手に取るように分かる新作だ。
そして今作では、野田秀樹超え?と思えるほど小道具の使い方は巧みだった。

今作も必見である。

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