戯伝写楽
フジテレビジョン
青山劇場(東京都)
2010/04/07 (水) ~ 2010/04/17 (土)公演終了
満足度★★★★
楽しいラテン系ミュージカル時代劇
浮世絵は当時の流行最先端のポップアート、陽気なラテンのリズムが合うのは当然かもしれません。ストーリーはシンプルで、ショー要素の強いミュージカルでした。
辛島小恵嬢、ラテンにあわせて陽気に歌い踊っていました。このような役は初めてらしいのですが、意外とコメディエンヌ体質じゃないでしょうか。
スナック『しばはま』
快快
SNAC(東京都)
2010/04/09 (金) ~ 2010/04/10 (土)公演終了
太陽の砦
BQMAP
シアターサンモール(東京都)
2010/03/31 (水) ~ 2010/04/04 (日)公演終了
満足度★★★★
もうちょいで泣きそうに
歴史上の名も無い人々が必死に生きた(戦った)瞬間の物語。
最後の戦闘場面は、音楽のみセリフなし・スローモーションで映画を見ているようでした。敵と闘い、敵を足止めし、さて、無事に逃げられたかどうか...というところで、場面は現代の砦跡に戻り、暗転、幕となりました。暗転した時点で号泣フラグが立ったんですが、すぐにカーテンコールになったので泣きそびれちゃいました(笑)。もうちょっと余韻があるとよかったなぁ。
とりあえず寝る女
箱庭円舞曲
駅前劇場(東京都)
2010/04/02 (金) ~ 2010/04/06 (火)公演終了
満足度★★★★★
寝るどころの騒ぎじゃない
前説で、「とりあえず、寝ないで下さい」と冗談めいた注意事項がありましたが、面白すぎて寝るどころの騒ぎじゃない(笑)。
それぞれに語りたくない過去や秘密をかかえながら日常を過ごしています。立ち退き問題やら母親の死という重大事に際し、それらの過去や秘密が見え隠れしてくるのがとてもスリリングでした。同時に笑いの多い舞台でもあり、これは居候の叔父さん、自治会長の丹波さん、ペン友の榊千代海という第三者による笑いが多かったですね。シリアスな当事者にコミカルな第三者というのがよい。。
緊張と緩和の按配が絶妙。だから135分退屈するどころか、短くさえ感じました。
〈津山三十人殺し〉幻視行
月蝕歌劇団
ザムザ阿佐谷(東京都)
2010/04/01 (木) ~ 2010/04/05 (月)公演終了
満足度★★★★
泣かせる
時空を飛び越えたトンデモ展開ですが、ムツオの生涯のくだりはかなりまっとうな物語。希望に満ちた少年時代、家庭の事情で進学を断念、肋膜炎で兵役につけず非国民扱い...ムツオの人生、彼の心の叫びが泣かせますね。
ムツオを救うために、小説の登場人物が抜け出てくるのはファンタジックで、これも泣かせる要因。
役者さんのレベルの差が激しいのはデフォルトで、もう慣れましたが、せめて月蝕踊りだけは、全員かっこよく踊って欲しいな。
夢野久作 少女地獄
月蝕歌劇団
ザムザ阿佐谷(東京都)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/29 (月)公演終了
満足度★★★
良くも悪くも月蝕らしい
強引に月蝕歌劇団フォーマットに落とし込んいでいるので原作の風情は薄れていますが、ここまでハチャメチャにアレンジされると見事としか言い様がないです(笑)。良くも悪くも月蝕らしい作品に仕上がってました。
シャングリラ -水之城-
宝塚歌劇団
【閉館】日本青年館・大ホール(東京都)
2010/03/26 (金) ~ 2010/04/02 (金)公演終了
満足度★★★★★
小柳先生&宙組、会心の一撃!快作!
宝塚には珍しい近未来ファンタジーで、「新感線みたい」という声もあるようです。世界観や対立の構図が似ていると思います(関西から東京までの道のりがドリフのようなベタなお笑い演出なのも新感線っぽい)。大きく異なるのは、新感線では殺陣となる場面が、宝塚ではすべてダンスになるところかな。戦闘シーンをダンスで表現するのは、宝塚の伝統だもの(笑)。
宝塚だから、主役は空(大空祐飛)だけど、実質敵には美雨(野々すみ花)が主役だよなあ。
ソルフェリーノの夜明け-アンリー・デュナンの生涯-
宝塚歌劇団
東京宝塚劇場(東京都)
2010/03/26 (金) ~ 2010/04/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
大当たり
「ソルフェリーノの夜明け」
植田紳爾先生というと、時代がかった作劇がお得意で"植田歌舞伎"と言われて、最近では「古くさい」という声も聞かないわけではありませんが、今回は、その作劇が見事にはまり、感動大作に仕上がっていました。
「Carnevale 睡夢」
楽しすぎる♪
芝居とショーの二本立ての場合、たいていどちらかが良くて、一方はいまいちなことが多いけれど、今回は芝居・ショーとも大当たり。植田センセー&稲葉センセー、GJ!
死ぬ機械
虚飾集団廻天百眼
萬劇場(東京都)
2010/03/26 (金) ~ 2010/03/28 (日)公演終了
満足度★★★★
大音量
史上初のインダストリアルミュージカル!史上初かどうかはわかりませんが、騒音でまともに会話ができない工場のように、大音量の音楽でセリフが聞こえない場面も多く、これがインダストリアルミュージカルなのか。難聴ライブを聞きにきたような気分。
大音量でセリフが聞き取りにくいのは、前作も同様でしたので意図的な演出なのでしょう。聞き取れなくても、どんなこと言ってるかは大体想像できましたし、大昔のサイレントSF映画を見ていような趣がありました(いっそ、字幕スーパーにしちゃったらいいんじゃないかな♪)。
マリー役の牛水嬢、やさぐれた踊り子少女がぴったり。
クオリア役の大島嬢、"買い物籠片手におつかい"っていう姿が妙に似合ってました。
マリーvsクオリアの対決は、もっとたっぷり見たかった。
奥様役のこもだまり嬢、ドレスで片肌脱いで日本刀。やっぱり日本刀だもの、片肌脱がなくちゃ絵になりませんね♪。
音楽CD購入。もうちょいちゃんとミックスダウンして欲しい感じ
『F』
青年団リンク 二騎の会
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/01/29 (金) ~ 2010/02/07 (日)公演終了
満足度★★★★
みたー
確実に死に近づいてゆく人間と、廃棄さえない限り存在しつづけるアンドロイドという関係は、ブレードランナー(「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」)の逆バージョンのよう(ブレードランナーは、寿命をプログラミングされたアンドロイドが死に恐怖する話)。人間もアンドロイドもたいした違いはないのじゃないか、と考えさせる点は同じですね。
アンドロイドは、主人(人間)の最大の利益は"生命を守る"ことだと考えているようです(花火をしたいという女の願いを遮って、身体を休めることを主張しているから)。
治験を続ける女に対し、アンドロイドは他の治療法ならば助かるのではないかと提案します。しかし、「たとえ助かっても、今の報酬はもらえなくなり、元のひとりぼっちの生活に戻るだけと」女は、その提案を受け入れません。
命は地球よりも重いというアンドロイドに対し、そんなのはウソッパチだという女。
ここでアンドロイドがどう学習したのかは興味深いところ。主人の願いは、命を失っても今の生活を続けたいということですから。もし、女が「私を殺して」と願ったらアンドロイドはどうしただろうか?
やがて女は命つきます。切なさを感じないわけではありませんでしたが、それ以上に「看取ってくれた人がいてよかったね」という気持ちがはるかに強く生じました。一人でしんでゆくのはあまりに悲しすぎる、だからアンドロイドをそばに置いたのでしょう。
印象に残った場面がふたつ。
1.二人がキスをする場面。アンドロイドの表情が無表情だったこと。
2.女が亡くなる場面。目をあけたまま、電池が切れるように動かなくなりました。それは人間というよりもアンドロイドのようでした。
この2つがなかったら、単なる甘ったるいお話になっていたかも。
人間の望むことが、最初は理解できないアンドロイドですが、人間同士だって初対面から理解しあえるんなんて滅多にないですし、たとえ長く付き合っても、このアンドロイドのように理解してくれるとは限らないわけです。そういう意味では、この作品、ハッピーエンドなのかもしれませんね。
コエラカントゥス~深海 眠る君の声~
One on One
シアターサンモール(東京都)
2010/02/03 (水) ~ 2010/02/07 (日)公演終了
満足度★★★★
すかっとさわやか、ちょっぴり涙
凝ったコーラスは聞き応えがありました。コーラスはミュージカルの醍醐味のひとつですもんね(全員で歌うと男声部がちょっと弱かったかも)。
お話は、愛すべきアウトローたちの、歴史の裏側に隠された冒険譚で、すかっとさわやか、ちょっぴり涙な物語。
惜しかった点をふたつ。
1.疾走感。
海賊船が海を疾走してゆく姿、その自由さを感じる場面もしくは音楽があったら...
2.戦闘場面のスペクタクル感
新感線のように...とまでは言いませんが、手に汗握るスペクタル感はもうひとつだったような。
(今思えば、宝塚の「エルアルコン・鷹」の海上での戦闘シーンは見事だったなぁ)
その他
・女船長ユーリ、女医アオイともどもかっこよし。
・コックトーヤ(大津裕哉)、シイラ(岡村さやか)、ソロ歌が心に染みる。
・ミチル役の佐野まゆ香嬢とルイ役の北上智子嬢、そっくりだったけどパンフで確認したら双子でも姉妹でもなかったのねー。
次回公演は夏、中野ザ・ポケットらしい。行こうっと。
遠ざかるネバーランド
空想組曲
ザ・ポケット(東京都)
2010/02/10 (水) ~ 2010/02/14 (日)公演終了
満足度★★★★
見事
前半は、先に述べた通りファミリーミュージカル風なので「なぜ、そこで歌わないの?フツーは歌うでしょ!」と、ミュージカル好きには物足りなさもあったりして(笑)。
ミュージカルといえば、死をテーマにしたファンタジックな物語って音楽座ミュージカルの得意分野じゃないかな。「遥かなるネバーランド」、音楽座ミュージカルになったら、絶対泣いちゃうでしょうね。
ネバーランド=死の世界からの生還を、屋台崩しであらわしたのは爽快。ネバーランドのセットが崩れ、学校の屋上のセットがあらわれたとき、そしてベルが鳴った瞬間に、いままでの謎がすべて解けてました。見事。
ティンカーベルを演じた、武藤嬢が絶妙でした。カーテンコールもティカーベルとして登場したのは正しいと思います。
飛龍伝2010―ラストプリンセス【作・演出 つかこうへい】
松竹
新橋演舞場(東京都)
2010/02/03 (水) ~ 2010/02/21 (日)公演終了
満足度★★★★
熱くってよいなあ
愛原実加退団発表、つか氏入院で急遽チケット購入(笑)。
黒木メイサのかっこよさに惚れました。
舞台全体が熱くってよい。終盤、一人一人が順に散ってゆくのは定番の手法だけれど、「やはりこれしかないでしょう」ってくらいはまってますよね。
神林美智子が山崎一平に殴られ、それでも「あんたが好き」って美智子が一平にすがりつく場面(確か)、「そりゃDVだろっ」ってなもんですが、最近の、"静かな演劇"じゃないけれど、表面上は普通の夫婦なのに、実はお互いがよくわからなかったり、お互い秘密を抱えてたりなんて演劇を多くみていると、「やっぱり人間同士、ぶつかりあって初めて見えてくるものってあるよな」と思います。
現実は、夫婦関係に限らず、表面上はとても"静か"。その一瞬を切り取って見せてくれる現代演劇は、深いテーマをつきつけてくれますが、飛龍伝のような"熱さ"は現代ではなかなか見られないゆえにファンタジーでエンタテイメント。だからダンスや歌のシーンがあっても全然不思議じゃない、って思います
HAMLET!!
宝塚歌劇団
【閉館】日本青年館・大ホール(東京都)
2010/02/19 (金) ~ 2010/02/25 (木)公演終了
満足度★★★★
予想以上の楽しさ
予想以上の楽しさでした。楽しい分、原作の重厚さはあまり感じられなかったですけど(笑)
ハムレット(龍真咲)がハンドマイクにスタンドマイクで歌う場面は、真っ赤な衣装(だったよね?)のハムレットはかっこよく、ダンサー連中はゴスというかハードロックっぽい黒い衣装で踊る。これぞロックオペラな雰囲気。「To be or not to be~♪」って連呼する歌でしたねー♪
後半になると、いつもの宝塚風の音楽が多くなり、ロック色が薄れてきたのが惜しい。大劇場公演ではないのだから、全編ハードロックで押し切るくらいの冒険をしてもよかったのではと思います。
オフィーリア役は、次期花組娘役トップ内定の蘭乃はな。めちゃくちゃかわいい。ラストの総踊りの場面でシャープなダンスを見せてくれました。
原作の"言葉遊び"の面白さは、ミュージカルになったことで薄れてしまいました。もしも"言葉遊び"を歌で再現できていたなら名作ミュージカルとなっていたかもしれません。
DANCE ACT 「MATERIAL」
梅田芸術劇場
天王洲 銀河劇場(東京都)
2010/02/22 (月) ~ 2010/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
不思議世界に大満足
様々な人の手を経て骨董屋にやってきた品には、いろいろな想いが入り混じりっているのでしょう。和とも洋とも言い難い装束で登場する"想い"の醸し出す無国籍感がたまらない。
朝海ひかるは、恐らく蓮のもつ"不思議な力"の役。
映像の使用あり。原作のイラストや朝海ひかる嬢のコスプレ姿等など。"想い"のイメージ映像だと思われます。秀逸だったのは"黄金の鯛に乗ったお姫様姿の朝海ひかる"で、下に垂れたお引きずりの部分が、まるで人魚の尾。和装の人魚とは御趣向♪
後半はショー、恐らく物の"想い"をモチーフにしたショーなのでしょうね。"Tea for Two"など、スタンダードナンバーを中心に構成。
終演と思いきや「まだまだ、オマケがあります」との表示。道成寺の物語が語られ、やがて登場した蛇体はフラメンコ衣装の朝海ひかる。フラメンコ道成寺とは驚かされました。盛り上がって終幕となりました。(フラメンコ道成寺って、過去にあったそうです。見たかったな。ドラマティコ・フラメンコ「炎の道成寺~清姫伝説~」)
出演者全員、歌もダンスも上手くて気持ちが良い。男性陣は逞しくも美しく、女性陣はキュートで元気って雰囲気でした。
目を見て嘘をつけ(再演)
KAKUTA
NHKみんなの広場 ふれあいホール(東京都)
2010/02/27 (土) ~ 2010/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
泣けた
ラストで妙に目頭が熱くなりました。
真路が何度も「私は女だ!」と叫び、自信を取り戻して行く様子を見てると、こちらの気持ちも高まってきて、そして暗転、音楽が流れた瞬間にウルっときてしまいました。
筒井真理子さんを間近で見たくて、最前列に座ったところ、ソバ屋の机で出演者の顔が隠れてしまう場面あり。ま、それでも十分満足で、筒井真理子さんって前回から年取ってないんじゃなかろうか?眼福♪
いばらひめ~Sleeping Beauty~
女王陛下
OFF OFFシアター(東京都)
2010/02/25 (木) ~ 2010/02/28 (日)公演終了
満足度★★★
ファミリーミュージカル
童話・いばらひめをファミリーミュージカル化したような内容ですが、オーロラ姫が眠った後に現実世界と行き来するようになると、いばらひめ~La Belle au bois dormant~を先に見ていないと、謎が多いかもしれません。
イバラヒメ~La Belle au bois dormant~
女王陛下
駅前劇場(東京都)
2010/02/25 (木) ~ 2010/02/28 (日)公演終了
満足度★★★
サスペンスホラー
サスペンスホラーのような趣きもあって、単品で見ても面白いと思われます。
女優さんがそれぞれに個性的で、
看護士の吉田さん役の 嬢、アダルトな雰囲気。
美人。
アイドル二人は眼福。福田嬢、けっこう体育会系っぽい。
王妃役の伊藤嬢、素顔はどういう人なんだろう?
妖精メリーウェザー役のいぐちしおり嬢、インパクト大。
The Heavy User
柿喰う客
仙行寺(東京都)
2010/02/27 (土) ~ 2010/03/02 (火)公演終了
満足度★★★★
音とリズムと動きを楽しむ
まー、お客様相談センターにかかってくる電話って、マジメなクレームの電話よりも、ひまつぶしや人生相談、いたずら電話の方が多いんじゃないか(よくは知りませんが)。そんなどうでもよい電話の数々がコラージュされ、リズミカルで心地よい1時間。途中で内容追っかけるのは止めて(無意味なようなので)、音とリズムと動きを楽しませていただきました。
ケチャのように全員でひたすら喋りつづける場面、耳の錯覚でしょうけれど、セリフ以外の言葉が聞こえてきました。音に"うなり"ってありますが、多分、言葉の"うなり"効果ではなかったかと。
スイングバイ
ままごと
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/03/15 (月) ~ 2010/03/28 (日)公演終了
満足度★★★★
さわやか
人類・社員は、社員としては個人ですが、人類としてみると、ある職種の総体であり、その総体はさらにこまかな職種から成っているはずで...と、自己相似的な世界が見えてきます。
人の体のなかで、ちいさな人が働いているという絵があるじゃないですか(胃袋で食べ物を鍋で溶かしていたり、腹の中で栄養素取り出したり、エネルギーの素を体中に運んだり...っていう、アレです)。
この舞台、そんな絵を見ているような感じでした。
競技場のような舞台上で、ボールをやりとりするようにファイルを受け渡してゆくシーンは、スポーツ観戦をしているようでした。見ているだけでワクワク。
ままごと「スイングバイ」は性善説に基いているのか、全員さわやか。まあ人類史上の善悪なんて、後の世で勝手に決めつけたよーなもので、絶対的な善悪なんてないのかも。(ウイルスが悪とされるのは、たまたま人体に有害だからで、ウイルス本人には何の悪意も責任もないのと同じ)