満足度★★★★
イライラ系
あんなの嫌だ。
ネタバレBOX
嘘をついても言い訳しても、嘘だと白状してもそれに乗っかってまとわりついてくる男とつきまとわれた男の話。イライラ系不条理劇という感じでした。
追い詰められて自殺を図るような、死にきれなかったら今度は殺害を企てようとするような終盤の展開は面白かったですが、文字による説明でなく、会話で進めてほしかったと思いました。
一幕物とは言え、辞めた居酒屋の衣装のまま押し通すのも如何なものかと思います。
満足度★★★★
究極
行くところまで行くと大変です。
ネタバレBOX
人間としてあるべき理想像を満たさない者は人間ではなくひともどきと判定される随分と未来の裁判の話。
ひともどきはDNA的には人間ですが、人間とひともどきの関係は、天才と凡人、アイドルと普通の人、有名人とそうでない人といった感じで、その他大勢として劣っていると思われるのが嫌なので主役を張って人間でありたいと誰しもが思い、自分の人生を自分を中心にして描けば主人公でいられることから銘々が自己中心的になっていくようです。
自分が世間から選ばれた人間だと思うこと自体は別に悪いことではないと思うのですが、みんながそう思うと全体として協調性がなくなってしまうようで、少なくとも各自が役割を分担して協同で作業する映画製作という行為はできなくなりました。
ひともどきと判断されるとシュレッダーにかけられるのかと思いましたが、別に殺されることはなさそうでホッとしました。とりあえず人間としてのあるべき姿を満たしていたとしても、トーナメント方式でこの判定を繰り返すと、最後には人間は一人になってしまいますからね。
意訳すると、役者は監督に意見するなということかもしれません。
ところで、裁判長は客席のところに着座したため、私にとってはほとんど声の友情出演という感じしかしませんでした。
満足度★★★★
第三帝国の恐怖と貧困って
こういう構成の作品だったのかと認識しました。
ネタバレBOX
当日パンフレットによれば、ブレヒトの『第三帝国の恐怖と貧困』は、1933年から1938年にかけてのナチス政権下における人々の生活の断片を描いた27のオムニバス小編から成る作品です。全てをやると4時間を超えるそうで今回は10編が選ばれました。
突撃隊に言いがかりをつけられる怖さ、手のひらに書いた白墨の十字をさりげなく異端者の服の背中に転写するおぞましさ、そんな突撃隊員も自腹でブーツを買わされたりしていたんだとか、告げ口社会になっていて、自分の子供も信じられなくなっていたことなど興味深く観ました。
日本の軍国少年だって告げ口はしなかっただろうにと思いながらも、それだけ日本の大人は表面上も内面も忠実に暮らしていたことが窺えます。
「ユダヤ生まれの妻」は、どこかの劇団で恐らく短編としてだと思いますが観たことがありました。緊迫した状況での切ない話ですが、これがブレヒトだったのかと再認識しました。
やや早口でも2時間強、急ぐあまり噛むというより何か音声が飛ぶような台詞回しが気になりました。
満足度★★★★★
過去のこと、現在のこと
一つの言葉におやっと思いました。
ネタバレBOX
名ばかり古書店の店頭で、運動会で使う被り物のダルマを作りながら、過去の人命救助の真相や、少年野球チームを巡る現在の揉め事の内容が明らかになっていく話。地味な背景の中でのダルマは絵的に綺麗でした。
溺れかけた子供を助けて死んだ親の子供はそういうシーンに遭遇したら当然の如く人を助けなくてはいけないというプレッシャーがあって川に近付きたくないとの思いがあったということを聞いて物凄く納得しました。人命救助された子供にも、同じようなシーンに遭遇したら助けなくてはいけないというプレッシャーがあってやはり川に近付きたくないと考えていたことも知り、改めて得心し、いずれのケースも想像力を巡らすと分かるはずなのにこれまで気が付かなかったことを恥じました。
伏線が効果的でした。水泳の後のボーリングで一気に疑惑が生じました。天野古書店の主人が、万引きして逃げて向こう岸に渡ろうとした三木少年を追い掛けて川に流されたことが明らかになりましたが、少年が突き飛ばしたりしなかったことだけは幸いでした。
自分の万引きが原因で死なせたと思い苦しんできた三木でしたが、天野から父は三ヶ月に一回、川に近づくなと言っていたということを告げられました。最初は万引き犯を追い掛けていたとしても、途中からは川に入るなとの趣旨で追い掛けたのでしょう。やはり人命のことを考えていた主人だと思うと、助けた側の息子にとっても、助けられた少年にとっても多少は癒されます。
少年野球の監督をしていて、多くの父兄からチームを私物化していると批判されている天野ですが、前の監督から性的虐待を受けていた子供に野球の面白さを教えたいという思いがあることや、四番打者をひいきにしていると批判されていることも、四番までのクリーンナップと、五、六、七番のダブルクリーンナップの効果故に勝っているのも事実のようで、色々な面で真相が明らかになる奥深いストーリーでした。
満足度★★★★★
【『愛欲の乱』】観劇
小椋あずきさんのブログにオバハンチームという言葉があったので敢えて使いますが、オバハンパワー、いやあ、本当に凄かったです!!
猥雑、品のないことも多いのに後味は爽やかでした。
ネタバレBOX
驚いた、ぶっ飛んでいた、唖然とした、感動した、お茶目だった等々を基に並べると、澤田育子さん(41歳)、小椋あずきさん(45歳)、野口かおるさん(38歳)、藤田記子(41歳)さんの順ですね。
澤田育子さんはエキストラの目を剥いた表情や一円玉を張った公務員が面白く、小椋あずきさんは正装したときが市村正親さんそっくり、野口かおるさんのケーキ女体盛りの余興によくやるわー、藤田記子さんは早々に下着姿になって、ラストも危険な一発芸で締めくくるなど本当に凄かったです。
ウンチを集めるって発想もどこから来るんだか驚きました。
満足度★★★★★
ビバ!奈良時代
奈良愛が感じられました。
ネタバレBOX
基本ヘタウマ、棒立ちと言いますか、ほのぼの系の若い女優さんたちが明るく楽しく、奈良愛、奈良時代愛を表現していました。
奈良時代なのに現在を織り込んだギャグが入るなどお洒落でした。ラピュタが約2年毎に放映されるのかどうかは知りませんが、そんな感じもします。
青年風が演じられる人もいれば、お人形さんのような人もいて、さらには老け役がこなせる人もいるなど、調和の取れたメンバーのこれからが楽しみになりました。
満足度★★★★★
縁が切れない家族
家族には家族にしか分からないことがあります。
ネタバレBOX
母親の死を機に知的障害者の兄を引き取った弟は、司法試験の勉強を諦め、障害者雇用に理解のある会社に兄とともに就職しましたが、恋人の父親に結婚を反対されたことで最終的には兄を施設に入れることを決意する話。
何が正解かは言えないとか、弟の恋人から関係を疑われた弟の幼馴染の女性が、ラストで兄に結婚しようかと言うなど、何か答を明示してくれてスッキリはしましたが、少し丁寧過ぎという感じもしました。
横島裕さんは存分に胡散臭さかったです。伊藤毅さんとのゴールデンコンビは、M-1とかキングオブコントに出ればいいのにと思わせるほどですが、今回はそこまでの絡みがなく残念でした。
流し台とか奥の部屋とか舞台装置も丁寧に作られ、上演の都度ホールケーキまるまる一個を使用するなどお金が掛かっていましたが、それに見合うだけの集客が無かったように感じられたのも残念でした。
満足度★★★★★
あっと言う間の40~50分
どっぷり浸かりました。これはこれで凄い!
ネタバレBOX
持参したサンダルを履き、配られた雨ガッパを着て、荷物を預けて準備万端。
水と味噌汁の具が飛んでくる中での大音響と大胆なパフォーマンス。身体に当たると結構ズドンと衝撃を受けますが、心配していたよりは濡れませんでした。旭日模様に軍服っぽい衣装が多かったですが、最後はストッキングをはいた競泳水着姿に。舞台の隅はきちんと直角に曲がるなど押さえるところは押さえているという感じがしました。
谷田部美咲さんと宝保里実さんが可愛くて良かったです。竹田有希子さんはぬいぐるみなどでは走り回らない方がいいと思っていましたが、やっぱり本人はこういうのが好きだったのですね。
旭日模様を日本の軍国主義の象徴と把える韓国では現状絶対上演できないでしょう。私も右翼が旭日旗を手に持っているのを見掛けると今でも嫌な気分になりますが、旭日模様自体に対してはそこまで気にならなくなっていることを考えると、単にミリタリー調を表現する柄として使っているであろう若い人たちのためにも、そろそろきちんと旭日模様についての意志表示をしなければならない時期に来ているのではないかと考えさせられました。
満足度★★★
ご都合主義
論理矛盾していませんか。
ネタバレBOX
自殺志願者が多過ぎて、一人一人が描き切れていませんでした。遅くに到着した準主役クラスの可愛い女の子などは自殺の理由があるのやら無いのやら良く分かりませんでした。役者さんたちの移動範囲も狭く、立ち位置は固定気味でした。
ならば、客席は満員でしたが、もっと集客力を高めるために自殺志願者を増やして並べておけば良いのにと思ってしまいました。
旅館のオーナーの恋太郎と初音は自殺防止側だったことが判明しましたが、女子高生が刃物を持って外へ飛び出したときや、神無月が全員に毒薬を配って飲むように促したときなどにどうして止めなかったのでしょう。本当に死にたいのならもう既にどこかで死んでいるはずだというのも一理はありますが、それができなくて集団自殺に集まったわけですから、一人として薬を飲まないとは言い切れないはずです。
そもそも、女優を追い回してきた幼馴染が、知らない人でさえ知っていた盗難事件の噂を知らなかったこと自体が不思議です。で、知らなかったとして、知らなかった人が初めて噂を耳にして本人に確認することが、どうして私を信じられないのになるのでしょう。何にも話ができなくなってしまいます。
神無月という男は詐欺師だったようですが、どうせ死ぬならとか言われて、自殺志願者たちは金品を騙し取られなかったのでしょうか。全員が生きる決心をして明るく帰って行きました。ちょっと高めのツアー代金をせしめる程度だったのでしょうか。んなわけないだろうと思いました。
あーあ、色々論理矛盾を感じました。
満足度★★★★
やっぱりと、転々と
誰を中心にした話か、しばらく迷いました。
ネタバレBOX
開始前から、緑の魔女のようなキャバレーのお掃除おばさんが舞台を掃除していて、お芝居が始まると歌い手たちの登場でキャバレーの話かと思ったら、即そういうシチュエーションをしつらえての演劇療法と判明し、あっという間に現実のキャバレーからおさらばしました。今時そんなキャバレーないですからね。
最初に案内役の少女が大人ってなんだろうみたいなことを喋ってはいたものの、ナンバーワンを演じた女性患者が主役かと思いながら見ていましたが、結局はこの患者の母でもあるお掃除おばさんを演じた塔子が主役でした。
塔子は脳腫瘍か何かで治療を受けていて、それが原因か、それとも我が子を手放さざるを得なかったような過去があったことが原因か、あるいは元々大人になりきれず、育児ノイローゼ的なことがあって子供を手放したとすれば、大人になりきれなかったことが原因か、妄想の中であの少女を見ていたのでした。
なりたい大人になれた人なんていないと思います。
患者たちは退院しました。他の患者たちはももクロを歌って元気になって治りました。ナンバーワンを演じていた塔子の娘も恐らく治ったのでしょう。塔子の精神面はどうなったのでしょう。妄想の少女とは死ぬまで一緒でした。
そして、電車の中で答え合わせのペーパーを読んでまあびっくり、謎の男の子みたいなのまで多重人格的妄想だったとは。不必要に複雑でした。
ただ、ペーパーに書かれた作家さんの文章から、今後もこのような感じの作品が誕生するであろうことは窺えました。心理カウンセラーの資格を持っている、そしてその資格を取るに至った経緯を述べた作家さんの意志表明のペーパーでした。
満足度★★★★
シュール
思わぬ方向へと向かいました。
ネタバレBOX
男が三人と付き合っていることに三人が気づかないまま進行するのかなと思っていましたが、早い段階で三人の知るところとなり、争奪戦を経て、今度は完全犯罪で殺してしまおうということになったものの、最後は三年間付き合ってきた彼女が抜け駆けして男を助けようと連絡した矢先、感謝して慌てた男が道路に飛び出して交通事故で死んでしまうという話。
愛情が花火の数に比例するようなところは笑いました。
男を殺すシーンで、暗転後に男が消えている様子を見ると、如何にもシミュレーションをしているようで、空想と現実の行き来を楽しむことができました。
シュールで面白かったのですが、男を死なせるところまで行ってしまうと、しかもダンプに轢かれて顔も損傷したなんてそこまで具体的に強調してしまうと、所謂嘘に嘘を積み重ねた男がギャフンと言わせられるようなドタバタコメディの領域を遥かに超えてしまい、そこが狙いだったのだとは思いますが少々後味の悪いものになりました。
キャスト4人の他にもう一人、死神みたいな女性が登場しましたが、前説の落ち着いた暗目の口調はそのためだったのかと納得しました。
満足度★★★★
【Aチーム】観劇
タレントさんを抱える会社だけあって、女性陣が可愛いかったです。
ネタバレBOX
そんな中、おじいさん役の舩原孝路さんと大学生役の前園あかりさんが異彩を放っていました。
30万円の宝くじに当籤した話でこの後持たせるのかと思い一瞬焦りましたが、もう一丁3億円が当籤した話でした。
詐欺師には騙されずに済んだかもしれませんが、詐欺師を戦友と勘違いしたおじいさんのボケのお陰もあって詐欺師を更生させる方向に向かったのは何よりでした。ただ、太平洋戦争の影を引きずっていると、テレビで見ていて永遠の33歳である浅見光彦と登場人物との年齢的関係に矛盾を感じるように、お父さんとおじいさんの歳の差がこれでいいのか、良しとしてもそろそろ限界かなと思いました。
次男に彼女ができるシーンは、やはり男の方から言わせてほしかったです。
ラストも一瞬焦りました。当てるためにこれまで購入してきたはずなのに大半を寄付するなんて、そんないい人の話じゃ困ってしまうと思いましたが、芝浜的発想でホッとしました。
満足度★★★★★
【制作役加瀬さんの回】観劇
渋谷は分かったけど、上野はどうなのさ。
ネタバレBOX
なんだよう、辛い経験のところだけは我々に見せておいて、完成させた本当の作品は見せてくれないなんてずるいですよ。なにせ、浮気相手の夫に素晴らしい脚本だなどと言わせたくらいですから、劇中劇はさぞや経験を昇華させて芸術の域に到達した素晴らしい作品になっていたのでしょう。観たかったです。
もうこれまでの経験を切り売りするだけの劇作家ではなくなりました。大化けして、自由に創作できるようになりました。渋谷という劇作家は。
渋谷駅周辺はこれからますます発展すると思いますが、上野駅周辺は東海道線と東北本線の直通運転を考えるとちょっと心配です。
恋愛に関しても、仕事に関しても、自分に甘ちゃんで、そこそこいい男なのにクソメンで、自然に自分に都合良く事が運んでくれるのではないかと期待してしまうどうしようもない男でした。
最後の最後も、本当はタイミングを逸して失恋したはずなのに、女優の方が考えを変えて自分に惚れ直してくれるような表情にさせて終わらせるなんて、どこまで甘ちゃんなんでしょう。
そんなところが、クソメンは多分みんなそうで、大好きです!!
満足度★★★★★
まさにジゼル
Coccoさんのしなやかさに目を奪われました。
ネタバレBOX
思いの他早く『ジゼル第二幕』に移行しました。そして、幼馴染は殺すが、惚れた男は生かす、原作でもちょっと姑息な感じはするもののずっと好いてくれていた幼馴染の方が婚約者のいるイケメン貴族よりもいいのではないかと思ったりもしましたが、ティッシュ配りのバイト暮らしじゃねえ、イケメン若社長の方がいいと思うのも理解できました。
失礼ながら、バレエでは全員が美しい身のこなしをするものとの前提で観てしまっているため、特定のダンサーの所作の美しさはさほど目立ちませんが、バレエの素養のある人がお芝居の中で見せる所作の美しさには本当に感動します。Coccoさんのしなやかさは、これまた失礼ながら、日舞の素養があると記載されている傳田うにさんの動きとは雲泥の差でした。本当に素晴らしかったです。
満足度★★★
着想点は面白い
しかし、何かが足りないと思いました。
ネタバレBOX
戦争に巻き込まれると日常がどのように変化するか、そして戦争特需で忙殺されると自分たちの正確な立ち位置が分からなくなるというような話。着想点は面白いと思いました。
壁際が見易いと言われ向かって左側のブロックの壁際に座りましたが、隣国から生産管理のために来たユンサンさんが工場の方から舞台である休憩室に入って来た初登場のシーンでは背中しか見ることができませんでした。
最終的には街で暴動が起きて隣国の人たちを追い返し、さらにはレジスタンスの指導者たちが隣国に行って自由の素晴らしさを啓蒙しようとするとのことでしたが、隣国はもう一つの隣国との戦争に敗れたわけでもなく、単に緩衝地域から去っただけなのに何でそうなるのか理解に苦しみます。
そもそも、この街は両国に属していない緩衝地域です。緩衝地域に国力はありません。もう一つの隣国の存在が全く見えてこないないなんて物語としてあり得ないと思います。
山形に彼女がいないという前提の話は、みんな大して違わない顔をしているのに、どうして山形だけを引き合いに出して延々と引っ張るのか不思議でした。ミナミの夫が半音高いのも気になりました。
満足度★★★
舌っ足らず
分かった気で作り過ぎているのではないかと思います。
ネタバレBOX
クローン人間を開発している科学者が、とりあえず今現在のクローンや研究員たちに満足が行かず皆殺しして、再度やり直そうとするというような内容でしたが、良く分かりませんでした。
ドナーの記憶を入れられ、成長促進剤によっていきなり大人になり、そして10年間生かされるクローンたち、戸籍とか無いのでしょうね、恋愛禁止でした。
ダンスやバラのような花の意味も良く分かりませんでした。クローンには下の名前に数字が付くとのことでしたが、下の名を明かされたのは情報を寄せた女性ただ一人で、しかも普段は偽名で過ごしているとなるとそのような設定が必要だったのか疑問でした。
機械的な動きで統一的に小道具を移動させているのかと思えば、その脇で男性が大きな箱を一人で動かしている最中に引きずって音を立ててしまうなどどこか中途半端でした。
テレビのプロデューサーはこの後、弱小制作会社の社員が失踪したりしたことに疑問を持って動くんでしょうね。ただ怒鳴っているだけじゃ気分が悪いっす。
作演のAzukiさんが多部ちゃん似だったのが何よりでした。
満足度★★★★
【「命を弄ぶ男ふたり」「90年後のおまけ」】観劇
文化庁様々
ネタバレBOX
横浜と東京の間、東海道線の線路脇に自殺しようと来たものの死に切れない男二人の話で45分程。おまけの方は、富士山頂火口での人間と演劇の自虐的自殺談義の話で25分程でしたか、人間を描き切るまでは演劇は自殺しないとのことでした。
それにしても、90年前は、「ねえ君」って言っていたんですね。そりゃ、現代口語版で愚痴をこぼしたくなる気持ちも分かります。
包帯の男は結局顔は見せないままでした。90年間の時代の変化を表現する中で役者さんの子供の頃の写真が映し出されていましたが、ごつい顔と可愛い目が極端で、現在の顔がどうなっているのか気になりました。
満足度★★★★★
【A-ver.】観劇
舞台美術と衣装が素敵でした。
ネタバレBOX
片道350年もあれば、宇宙船内での革命や政変が起こっても確かに不思議はありません。言葉遣いも、語尾に“にった”が付くこともあるでしょう。革命後、自由を謳歌して人口爆発になるのかと思えば、宇宙シャワーという現象で回復不可能なくらいまで人口減少になったりと予想外のことが起こります。
ファンタジーで意味不明なところはありましたが、圧倒的な舞台美術の素晴らしさが特に際立ち、衣装のセンスも光っていて、心地良い気持ちになりました。丸いドアなんか開閉時格好良くて素敵でした。
農業大臣が食材管理を他人に任せるという重要事項を独断で決めたのはまだファンタジーの領域に入る前であることを考えると安直過ぎて如何なものかと思いました。
満足度★★★★★
嫉妬
大竹しのぶさんと宮沢りえさんの記念すべき二人の揃い踏みを目撃、確認しました。
ネタバレBOX
新しい才能に嫉妬することで気分が落ち込み、女を妊娠させた過去の記憶も重圧になって精神を病んだ中年俳優の悲劇。
散髪屋での出来事は一体何だろうというモヤモヤはあるものの、男がお姉さんとの関係で20年間実家に帰れなかった理由が明らかになり、オセローに始まり、オセローに終わる、男はシェークスピア俳優でしたがまさかそこまで行き着くとは思ってもいませんでしたのでラストシーンは衝撃でした。
楽屋で妻とオセローの練習をしている最中に、どうしても台詞が飛び首を絞めるシーンに早く行きがちなところから、妻から私を殺したいという潜在意識があることを指摘されていましたが、この時は全くの冗談だと思っていました。男と結婚する時に女優業を捨ててマネージャー的存在に徹しようと決め、そうしてきた妻でしたが、若いスタッフからも言われた言葉、才能は私の方があるということを言ってしまったばかりに、嫉妬に駆られた男に首を締められました。
大竹さん演じる中ノ郷の女の無表情な謎めいたところは良かったと思います。宮沢さん演じる妻の、夫よりも才能があるという点についてはそうなのかもしれませんが、圧倒的にそうだと思わせるまでの華は見えてきませんでした。
満足度★★★★
時間を拘束された中で
二番目の演目が一番好きでした。
ネタバレBOX
最初の悪魔の演目は杜子春が見た一瞬の夢のような話でした。俳優に色々な役をやらせようとする試みとのことでしたが、過去に逃げられた女ですらその他大勢で無理に出てきたという印象しか受けませんでした。グローバル社会ですからハンスと靖国もありかもしれませんが、わざわざハンスにしなくてもと思いました。
二番目の演目は緊張感がありました。女が本当に語りかけて来たように思え、えっと思って凝視するとやはり女は死体でピクリともしない、そのようなところが本当に素晴らしかったです。全ての役者さんの表情も最初のとは全く異なっていて素敵でした。
三番目のシスコンの話は前の二つと趣が異なっていて、それが狙いだったのでしょうが、親代わりの兄の気持ちは分かるものの、だらだらしていて終わり方も締りがありませんでした。兄が秋一、婚約者が周二というのも紛らわしかったですね。