すき焼きと牛鍋のあいだの観てきた!クチコミ一覧

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 wowの熱

wowの熱

南極

新宿シアタートップス(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

シアタートップスで行われる南極の公演に関する演劇。メタシアター。
しっかりした作りで、好感度は高く、人気も頷けます。
今後の一層の活躍に期待です。

ネタバレBOX

メタシアター。
シェークスピアの時代からある古典的な形式。
作り手の意図にはないかもだが、演劇の興行と劇団の深化について深く考えさせられた。
かつて前衛と思われた形式に後続者が現れていつしかジャンルを形成し、
正統といわれる存在も現出する。そういう意味では、この作品は正統
の系譜だと思うし、作りはしっかりしていて飽きさせない。
ゆるい世界線も岡崎体育のMVか、というくらい作り込んであって
しっかりPOPである。
話の構造も複雑に層を重ね、美味しい具材を全部盛り状態。
評価される理由はわかるし、異論はない。が、何かが足りない。
良く言えば伝統的だろうし、悪く言えばありふれている、という感じか。
誰がやっても、どんなストーリーを持ってきても似たようなものに
見えてしまうのがこの形式の宿命だと思うので、これは致し方ない。
個々の、オマージュを多用した映画的とも言えるショット、モチーフはセンスがあるから
形式自体はありふれたもので仕上げれば、もっと細部の個性が際立ったと思うと勿体無い。
小さな小屋で自由にのびのびとやっていた時代から
あれこれ考えて一段階成長した時に、何を得て、何を失うのか。
劇団への問いでもあるし、我々観客一人一人に対する問いでもある。
きっと、客層を入れ替えつつ、劇団は大きくなるものなのだろう。

この作品を支持する人はたぶん、たくさんいる。
客席は笑い声が絶えず、伸び盛りの劇団の熱気を感じた。
(解釈するとは対象を貧困化させること,世界を萎縮させること)
ソンタグはそんなことを言ったが、このレビューもまた然り。
作品は常にあらゆる解釈から自由である。
が同時に、
個々の観客に委ねられているとも言える。
春のお花見桃祭り

春のお花見桃祭り

桃尻犬

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2025/03/19 (水) ~ 2025/03/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「友達たち」 
「友達に戻れたことなんてない」 
「披露宴」 
 
リアルが立ち上がり、細波がたつが、それでも人生は続いていく。
作り込んでいないかのように、さらりと、流れるように作り込んである。
わずかな重さはあり、しっかり手応えを感じるが、重すぎない。
ドラマでは、この加減がとても難しいが、
笑いを交えながら軽やかに越えていく作風は花見の公演に相応しく、とても心地よい。
演技力も見事の一言。人間っていいな、と思わせる力は本物で文学そのもの。
昼なのでソフトドリンクにしたが、
とってもビールが飲みたくなった。これも、計算されたリアル。
久々にモーパッサンの短編が読みたくなって、新潮文庫を買って帰った。

ご町内デュエル

ご町内デュエル

sitcomLab

ザ・ポケット(東京都)

2025/03/05 (水) ~ 2025/03/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/03/16 (日) 12:00

ワンシチュエーション、集会所の1室、本物のシットコム。
再演を重ねているだけあり、そもそものホンの力が強い。すれ違いの連続が生む笑い。
劇中劇になっていく大きなウネリが流れるように華麗で圧倒されます。客席は大拍手。
ヤクザ役の石倉さんがウケと攻めの両方でいい味を出していてシビレました。
いいモノを観させていただきました。

電磁装甲兵ルルルルルルル’25

電磁装甲兵ルルルルルルル’25

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2025/03/13 (木) ~ 2025/03/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

失礼ながら、初書き込みさせていただきます。
この劇団は老舗ですね。
その昔、猫ニャーが解散しちゃってナンセンス界隈の若者が皆、途方に暮れていた頃、
彗星のように(?)出てきた ゆるナンセンス劇団。
いつかまた、弁当屋になっちゃうのではないかと内心ヒヤヒヤして
いましたが、今のところ大丈夫なようです。
突然ですが、この劇団が続いているのは、「なんちゃら」の力ではないかと
個人的に勘繰っています。
(「あひる」も可愛いですけどね。)
このジャンルの劇団はえてして長続きしない傾向にあリますが、
その一因には、劇団名もナンセンスに寄せてしまって、年月が経つとだんだんと
その劇団名に自分たちが飽きてくるというのがあると思うのですよ。
その点、「なんちゃら」というコトバは一見単なる軽い流行語のようなフリをしていながら、
仏教由来のエバーグリーンなゆるい単語として、時代を超えて強かった。
「あひるほにゃらら」「あひるっていうか」「あひるかもねかーもね」
だったりしたら、とっくに解散していて、今日のこの貴重な公演を
見ることができなかったと考えると、喜びも一入です。
閑話休題。

ネタバレBOX

さて、この公演ですが、文句なしの出来です。
過去にゆるさを褒め称える先人のレビューがたくさんあるので参照してください。
100%シルクのような肌触りのピュアナンセンスに力技の笑いをまぶして、
カカオ75%くらいの大人の甘さに仕上げた一流パティシエの極上スイーツ。
ホンの段階ではたぶん面白くないネタでもきっちり笑いに仕上げる匠の演出力。
客席は私含め数人のオッサンが交互に引き攣った笑い声をあげ、結果笑いが途切れない感じ。
そしてクライマックスの「歌う」が劇的。最後にこう来るか。これこそ小劇場空間、カタルシスそのものです。
ラスト余韻のボリュームも完璧。

配信でも観られるようです。便利な世の中になったものです。
金曜日から

金曜日から

排気口

千本桜ホール(東京都)

2025/03/05 (水) ~ 2025/03/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

クール。
ウェス・アンダーソンの映画のようなシックで乾燥した世界観と
演劇ならではの湿度感が奇跡的に両立した舞台。

(続きはネタバレに。)

ネタバレBOX

研究所の1室というワンシチュエーションで
装置も固定の長机と椅子4脚のみ。
照明も音響も最小限。シンプルの極み。
恋愛のすれ違いとか職場のトラブルとか定番の
シチュエーションギャグを完璧に作り込みながら、なお
孤高のクールさを保っているのは、
随所にこれでもかと仕込まれたナンセンスの純度が高く強度が
強いからに違いない。じわじわ来るタイプの笑い。
永遠に笑っていられる。
抽象演劇は観客の数だけ解釈の幅があるので楽しみ方は
人それぞれ。ドラマの断片が刺さる人もいるだろうが
私は笑っているだけでいい。それで十分幸せ。
ヨゴレピンク

ヨゴレピンク

スラステslatstick

駅前劇場(東京都)

2025/02/19 (水) ~ 2025/02/26 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2025/02/26 (水) 14:00

見えている世界は解釈で変わるかもしれない。
しかし、現実の世界はなにも変わらない。
「少し遅れて貰ったビターなバレンタインチョコなんじゃないんでしょうか。」
(野村訓市風)
渋め苦めに仕上げるのは役者の皆様の円熟した表現力があってこそ。
ヘーゲルの百科全書から漏れてしまったこういう無数の星を探して、
今年も変わらず下北沢に足を運ぶ。
ああ、やっぱり、ビターだわ。
シュークリームを買って帰ろう。

・・・前説、良かったです。安定の関西風味。

蘭獄姉妹の異様な妄想

蘭獄姉妹の異様な妄想

悦楽歌謡シアター

遊空間がざびぃ(東京都)

2025/02/12 (水) ~ 2025/02/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

横尾忠則の流れを汲むオーセンティックなアングラ風宣伝美術に誘われてお邪魔しました。
中身もしっかり正統派アングラでしたね。看板に偽り無しです。

(ネタバレ追記します)

ネタバレBOX

このジャンルはうっかり変なことをいうと怒られそうなので、あまり言葉は重ねませんが、フットライトで下から煽る系の全体的に濃ゆい演出はツボでした。私的には、悦楽歌謡シアターというネーミングから立ち上がってくるエログロナンセンス歌劇的なものをイメージしていたのですが、エロなし(?)、グロ少々、ナンセンス多め、歌劇少なめで、若干不完全燃焼でした。世界観は大好きなので次作に期待です。
香水でハモリが上手く成立していて、生ピアノとマッチして聴き心地がとてもよかったです。

(ナンセンスの魂の叫びは、このジャンルにいる人みんなが通る道。大丈夫です、意味はいりません。客席にいた人が、そうそうと、みんなうなずいていた、そんな気がしました。)
家庭教師マミヤ

家庭教師マミヤ

ライオン・パーマ

駅前劇場(東京都)

2025/02/05 (水) ~ 2025/02/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/02/08 (土) 14:00

いやあ、ベタですが、ウェルメイドという言葉が自然と思い浮かびます。
役者の皆様が本当に全員魅力的で粒が揃っていて、全てのバランスが心地よく、
あっという間の160分でした。
(ネタバレに追記します。)

ネタバレBOX

作り手の小劇場愛が随所に感じられます。みんな大好き「劇的なるもの」を巧みに配置、
ギターのカッティングによるシーンの展開、高低差を極力抑えたテンションの緩急、
キメのピンスポット、年号を被せていく迫真の二人芝居など、これ、これだよと拳を
握る大好きなシーンが多々ありました。

コメディのセンスは言わずもがなだと思いますが、ワードのチョイスは勿論のこと、
フックを最初に仕込んでからの、引っかけにいく感じがとても上手いと思います。
いろいろありましたが、一例として、小上がりの黄金の間空間にて、
ロードの歌詞をたたみこんできた時には、腹が捩れて死ぬかと思いました。
フックが単なるダジャレというのもくだらなすぎて秀逸です。

大笑いしながら、最後全部ぶち壊れて終末観漂うのかと思いきや、まさかのハッピーエンド。
最後の最後でバートバカラックの名曲。泣きそうになりました。
ありがとうございました。
『ストレイシープ』

『ストレイシープ』

ウテン結構

六本木ストライプスペース(東京都)

2025/02/04 (火) ~ 2025/02/08 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

その時、私には冷たい雨粒と水飛沫が確かに見えた。
抽象的な空間、抑制された演技の中に立ち上がる一瞬のリアル。
人それぞれ、刺さるセリフは違うと思うが、
決め台詞があって、それに向かって全てを創っていく
作劇はなんて贅沢なんだろうと。
独特の形状の会場の優しい色と空気に包まれて、そんなことを
思った観劇体験だった。

不正に集めたベルマークで

不正に集めたベルマークで

ドアとドアノブとドアノブカヴァー

OFF OFFシアター(東京都)

2025/01/31 (金) ~ 2025/02/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/02/01 (土) 14:00

今回初めて伺いました。下北沢にて第93回天狗まつりが執り行われるめでたきこの日にこのような機会を頂けて光栄です。
思い返せばかき氷がついに○○になるシーンを見ていた時あまりに時間の転がし方が天才的だったので、
その昔男子校で垢抜けない毎日を過ごしていた頃に何を思ったか廃部寸前の弱小演劇部に入ってしまい、先輩のダサい芝居に唖然としてこのままではマジで潰れると思い必死に女子高の文化祭を駆けずり回って女だらけの芝居を見まくっていた時のことを思い出しました。
それはさておき、
役者の皆様の緩急自在な顔面パワーと演技力、ベタだけどナイスな西洋音楽、カラフルメリイでPOPなライティング、ナンセンスのアウトバーンを時速65キロで駆け抜ける安定感のあるストーリーテリングなどなどを堪能させていただきました。最後になりましたが、個人的にジワジワきたポイントを3点だけネタバレに書かせていただきまして、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

ネタバレBOX


日光に徳川埋蔵金がないことを、鬼怒川で気付く。
猿3匹分の性欲。
窓閉めマイムをリフレインする。
19→

19→

劇団サンカヨウ

スタジオ空洞(東京都)

2024/12/28 (土) ~ 2024/12/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

良かったです。機会があれば、また。

ネタバレBOX

内側と思っている何かと、外側にある自分との
関係性をめぐるオムニバス3編。
友達関係と自分。
夢の中の登場人物と自分。
見えている世界と見ている自分。
最後の自分が、観客自身である点で、構成が秀逸。
(もう客席にはあなたしかいない。)

舞台上のテレビは砂嵐。つまり内側はない。
舞台と客席がフラットな空間を生かし
テレビの直接外側は観客席なので、
内側と外側の話なのね、と観ていると
ああ、外側はやはりワタシなのね、ていう作り。
森林伐採に気を取られはしますが。

客入れあたりの空気感は「旗揚げ公演」を感じましたが
内容は正統派の佇まい。演技も劇作もなかなか。
先人の足跡をいろいろ吸収されているんだろうなあと想像。
これからが楽しみです。
お経でダンスするシーンが印象に残りました。
衣装もいいですね。
君がくれたラブストーリー2024

君がくれたラブストーリー2024

シベリア少女鉄道

赤坂RED/THEATER(東京都)

2024/10/30 (水) ~ 2024/11/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

見ていなかったので再演お邪魔しました。
安定の完成度。鬼の構成力。
一連のこれとかあれを構築してこれだけの完成度で仕上げる
変態的な熱意と努力に涙が止まりません。
今年のM−1の決勝で、審査員のノンスタイル石田氏が
トム・ブラウンを評して、
普通の漫才では笑えなくなってしまった人を
救済するための避難所的な言い方をしていたけれど、
シベ少はまさにそんな感じ。お笑いでも
ナンセンス喜劇でもなく、
あえていうと「シベ少」というジャンルであり、
間違いなく現代演劇界の極北に位置し、唯一無二なのだが、
知らない人は全く知らない。それでいいのです。
それがいいのです。アートの極北って、そんな感じですよ。きっと。
これ以上人が殺到して、チケット取れなくなっても困るし。
最初に見たのは、王子小劇場、笑ってもいいと思うの再演なので、
随分昔ですが、私的には
初めて見たシベ少で受けた衝撃を超える観劇体験は未だに
ありません。もう20年も経ったのか、という感慨とともに。

デウス・エクス・マキナ 〜完璧な首相〜

デウス・エクス・マキナ 〜完璧な首相〜

げんこつ団

小劇場 楽園(東京都)

2024/11/13 (水) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

本当に楽しませてもらった。幸せな時間だった。
ベテランの味がある。
演劇についての話である点も胸熱だ。
ナンセンス。
いい響きである。
ナンセンスについて、
愛を持って語りたいが、今はナンセンス愛を
口にする人々もめっきり減ってきた気がしている。
80年代後半にナンセンスをやっていた少しだけ
顔見知りだった人々(先輩方ね)は
就職したり蒸発したりで次々と消えていった。
静かな演劇ブームが来て、居心地の悪さを感じていた。
そんなバブルが弾け飛んだ直後の90年代初頭から
この劇団が30年続いているというのはまさに偉業であり
心から敬意を表したい。

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