papamomo 老年団・サポート・センターの観てきた!クチコミ一覧

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ケレン・ヘラー

ケレン・ヘラー

くによし組

シアタートラム(東京都)

2024/12/19 (木) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/12/20 (金) 14:00

素晴らしかった。戯曲、演出(観劇素人で判ってないのかも知れないけど)、舞台美術、その配置、照明、
中井千聖さん、名村辰さん、大場みなみさん、花戸祐介さん、佐藤有里子さん、てっぺい右利きさん、柿原寛子さん、谷川清夏さん、永井一信さん、俳優の皆さんも素晴らしい!見惚れてました。大場みなみさんのサングラス姿への展開に涙!
陰と陽、笑と怒り、単純に線引きして区別出来ない世界を描き切っていた。
その結果、シアタートラムの劇場の雰囲気、舞台のサイズに負けていないくによし組をみれた。
今下書きを用意している今年のベストの原稿に「くによし組『ケレン・ヘラー』」を書き加えました!

長い正月

長い正月

20歳の国

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/12/29 (金) ~ 2024/01/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/01/06 (土) 17:00

石崎竜史さんの 100年を100分で描き切るテンポ、展開の速さにもかかわらず愛が封じ込められ、それぞれの時代のキーワードや流行語を挟み、まだ日本の伝統として1年の内でも大きな存在だった、大晦日と元旦を舞台にした、心に染み込んでくる戯曲。それぞれの時代の楽曲達と重ねて現わして行き、こまばアゴラ劇場の構造を巧みに使い、生と死を端的に現した演出が素晴らしかった。構成/展開が見事。8人の俳優に、5代にわたる家族と5代の内の3代の宮司家の人々を12人で演じることで、それぞれのキャラクターの違いを浮かび上がらせる構造になっていて、俳優達も、その 100年の年月/人々を素晴らしい演技で現わしていた。登場した人物にこれだけ愛着を感じた作品は記憶にない。

自分の70年弱の人生が、この100年間の、まだ生まれていなかった 大正12年からの30年間は、祖父祖母、父母が居た時代であって、まだ結婚していない(単に事実としてのこと)、娘と息子が家に居てと、他人事ではなかった。女の子の家に電話を掛けた時、お父さんが電話に出て来た時の絶望感は今の皆さんには味わえ無い悲劇なのだった。笑

時代に重ねてくる曲達も、昭和の懐かしい曲達で、「また逢う日まで」や「時代」がこの物語のそれぞれのシーンと重なり、感情を揺さぶって来て涙なしでは見られなかった。ワンタッチカレーって言葉など、良く探して来たなと。

そして、俳優が端的に現すキャラクターに引き込まれた。
力強く素晴らしい歌声にそれまでのシーンを大きくシフトチェンジするパワーを持たせ、流れを切り替えた菊池夏野さん。あらゆる演技が素晴らしかった。
祖母、子供からOLへと目まぐるしく演じ分ける Q本かよさん。
死の口に向う土間から2段を登る時のつま先の在り様。寿美という一人の人生を子供から老婆まで演じた田尻祥子さん。田崎宮司さんではないことを知った時の変顔のインパクト、そして八の字眉ごとでの年代の演じ分け。
恋人から母に、そして老婆へと、爆発的な演技も冴えていた櫻井成美さん。
説明的な台詞を巧みに操った山川恭平さん。「また逢う日まで」の歌の上手さたるや。

本当に素晴らしい上演を拝見出来ました。皆様ありがとうございます。宝物です。

長い正月

長い正月

20歳の国

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/12/29 (金) ~ 2024/01/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

石崎竜史さんの 100年を100分で描き切るテンポ、速いにもかかわらず愛が封じ込められ、それぞれの時代のキーワードや流行語を挟み、まだ日本の伝統として1年の内でも大きな存在だった、大晦日と元旦を舞台にした、心に染み込んでくる戯曲。それぞれの時代の楽曲達と重ねて現わして行き、こまばアゴラ劇場の構造を巧みに使い、生と死を端的に現した演出が素晴らしかった。構成/展開が見事。8人の俳優に、5代にわたる家族と5代の内の3代の宮司家の人々を12人で演じることで、それぞれのキャラクターの違いを浮かび上がらせる構造になっていて、俳優達も、その 100年の年月/人々を素晴らしい演技で現わしていた。登場した人物にこれだけ愛着を感じた作品は記憶にない。

自分の70年弱の人生が、この100年間の、まだ生まれていなかった 大正12年からの30年間は、祖父祖母、父母が居た時代であって、まだ結婚していない(単に事実としてのこと)、娘と息子が家に居てと、他人事ではなかった。女の子の家に電話を掛けた時、お父さんが電話に出て来た時の絶望感は今の皆さんには味わえ無い悲劇なのだった。笑

時代に重ねて行く曲達も、昭和の懐かしい曲達で、「また逢う日まで」や「時代」がこの物語のそれぞれのシーンと重なり、感情を揺さぶって来て涙なしでは見られなかった。ワンタッチカレーって言葉など、良く探して来たなと。そして、俳優が端的に現すキャラクターに引き込まれた。
力強く素晴らしい歌声にそれまでのシーンを大きくシフトチェンジするパワーを持たせ、流れを切り替えた菊池夏野さん。あらゆる演技が素晴らしかった。
祖母、子供からOLへと目まぐるしく演じ分ける Q本かよさん。死の口に向う土間から2段を登る時のつま先の在り様。
寿美という一人の人生を子供から老婆まで演じた田尻祥子さん。田崎宮司さんではないことを知った時の変顔のインパクト、そして八の字眉ごとでの年代の演じ分け。
恋人から母に、そして老婆へと、爆発的な演技も冴えていた櫻井成美さん。
説明的な台詞を巧みに操った山川恭平さん。「また逢う日まで」の歌の上手さたるや。

本当に素晴らしい上演を拝見出来ました。皆様ありがとうございます。宝物です。

平和によるうしろめたさの為の

平和によるうしろめたさの為の

城山羊の会

小劇場B1(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/17 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/12/11 (水) 14:00

いやーーーほんと疲れた!ほんと酷い男と女の3組、酷くて、笑い疲れた!
3組の男女、父と娘も居るのだが、6人の俳優が絶妙なバランスで、展開も絶妙。
どうしょうもなく酷い話だった!いやーーー、そしてとてつもなく良かった!

象

SPAC・静岡県舞台芸術センター

静岡芸術劇場(静岡県)

2024/12/07 (土) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/12/08 (日) 14:00

EMMAさん演出での 6人の手練れの俳優達での別役実。個人的には初めて観る別役の『象』で、この上演が個人的な『象』のベンチマークになる。

フラットに申せば、良き哉!

手練のSPAC俳優、SPACのスタッフ、舞台設備、東静岡芸術劇場の舞台を使っての上演、過ぎず、満ちていた。

舞台の高さを活かし、幅も殺すことなく小気味良かった。照明の色彩のトーンが良い。
牧山祐大/阿部一徳/吉植荘一郎/小長谷勝彦/榊原有美/渡辺敬彦の並びに何の文句が付けられますか。そこは演出のEMMAさん、ご苦労はお在りになったかと思いますが、ベテラン勢の手応えを楽しまれたのではないかと思う次第。

今日の舞台に現れていたのは傑出した結果だったと思います。

不条理劇として、重み/テーマを持つ作品ではあるけど、悲劇面だけでは無く、おかしみも在る訳で、今日の客席は総じて堅かったと思う。笑えるところで笑ってなかったのはもったいない(笑)。でもそこはその日の客席の違いなのはあるのだけど。

夫婦

夫婦

maars inc.

王子小劇場(東京都)

2024/12/05 (木) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/12/07 (土) 18:00

ハイバイでの2018年8月のシアターウエストでの公演を拝見しているが、まったく違う色彩を纏っていて、受け取ることも少し違った。抽象的だった岩井さんの演出/舞台美術のハイバイ版と違っていて、こちらも抽象的なのだけど、舞台のサイズ、客席との距離の違い、そう言ったことに加え、俳優の姿の見せ方の違いが大きいのかと感じた。ストレートに心に届く上演だった。

9人の演者の在り方に目を見張る。広いとは言えない王子小劇場を巧みに使う動線を活かし、映像を絡める演出と、インパクトを持つ色彩と意匠の舞台美術、動脈と静脈。トータルで素晴らしい上演だった。

夫婦として一緒に 40年程になるけど、カミさんのことは判ってないことの方が多い。お互い判り得ないのだ夫婦とは。こんなに近い存在なのに、それが人と言うものなのだと思う。

子供達に拳骨で手を出す大正生まれの父を見て育ち、そうはなるまいと思ってそうしてきた子育て。重ねながら見た。

ジゼル、またはわたしたちについて-Giselle or about us- 2024 TOKYO Remix

ジゼル、またはわたしたちについて-Giselle or about us- 2024 TOKYO Remix

waqu:iraz

スタジオ空洞(東京都)

2024/11/12 (火) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/14 (木) 15:00

ロマンティック・バレエの代表作!「ジゼル」をベースにしたパフォーマンス

恰好いい面白く考えさせられる!一言でいうとこうだった。
描いているのは性差、個のこと、男性社会、社会的格差。

去年12月 STスポットでの上演を拝見して「もう少し余裕を持てる、あと2、3倍のスペースでの上演を見てみたいと思った」と述べていたが、昨日、少なくともパフォーマーがひしめき合うことはない、余裕のある舞台設定となったスタジオ空洞での公演を拝見できた。
去年の横浜公演からより 6人の俳優の個々の関係性が明確に浮かび上がった気がした。

5年半前に waqu:irazの『サラバサヨナラヨカナーン』の稽古を二度拝見した。今思えばあれがディバイジングを使った創造の過程だったのだと昨日気付いたのだけど、それ故にということだと思うが、今回、この公演での 6人の在り姿が滲み出ていて、それがそれぞれの個の在り様から来ているのだと改めて思った。その意味でも面白い体験になった。客演のお三方、宮﨑悠理/金川周平/若尾颯太、waqu:irazのメンバー、小林真梨恵/関森絵美/武井希未の個性が透けて見える面白さ。

おかえり未来の子

おかえり未来の子

D地区

王子小劇場(東京都)

2024/11/02 (土) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

D地区『おかえり未来の子』
高校演劇部出身の皆さんの劇団(大阪府下の高校演劇同地区メンバーが社会人になり再集合)とのことで、なので「D地区」なのだそうだ。
大阪の高校演劇(現在大阪は I地区までの 9地区ある様です)で、D地区は枚方辺りの学校の大会の区割りで、今年だと地区大会に長尾/寝屋川/関西創価/枚方なぎさ/交野/東海大学大阪仰星/北かわち皐が丘が出演。高校演劇ウォッチャーとしては嬉しい劇団ということで、初めてなのに推し劇団(笑)!始まる前と終わってから劇団の方にあれこれ伺えました。
と言うことで、拝見して来ました。ほぼ素舞台、対面式の客席、これは演者にはかなりハードルが高い。当然と言うか、関西弁で始まる。自分が関西出身なのでしっくり来る。
「宗教二世の家族を描いた作品です」と言うことで、展開からあの宗教だなと判る。一般常識として知っていることに、演技が進み宗教の内情が粛々と重ねられる。そう言えば周りにもぽつぽつと、今となってはだけど二世が居たなと思い出す。後で伺ったけどあの曲はそう言うことなんだ。一般常識として知っていたことのイメージが変わった。
王子でここまでしっかりした会話劇を観たことはなかった。
推し劇団として確定。いくつかの言葉の選択や、テンポの配置、繋ぎ方に?って思うところもあったけど、これから大いに期待出来る劇団だと思う。

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