jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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夜が私を待っている

夜が私を待っている

パルコ・プロデュース

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2016/10/15 (土) ~ 2016/10/30 (日)公演終了

満足度★★

演出プランのミス?
1935年にイギリスで書かれた作品の本邦初演。ロンドン校外の森の外れの館に住むブラムソン未亡人と、お金のない姪オリヴィエ。料理人のテレンスとメイドのドーラが通いで仕え、オリヴィエに求婚するヒューバートもしばしばやってくるが…、という古典的な心理サスペンス劇。パンフレットでは演出の河原は当時の通りの演出を、と言っているのだが、それでは当時のイギリスの生活や人々の常識は伝わらないのではないかと感じた。物語は確実に進行しているのだが、中心にいる入江甚儀演じるダンが、どう見ても「好青年」に見えず、チャライ男に見えてしまうというのがマズイ。入江の演技力というより、演出プランのミスだという気がする。

イキザマ3

イキザマ3

RISU PRODUCE

「劇」小劇場(東京都)

2016/10/19 (水) ~ 2016/10/30 (日)公演終了

満足度★★★

勢いと熱さはあるが…
とある冴えない大学の応援団の物語。新入生歓迎会での演舞を見て入った男女と、何故か中年になってから大学に入ったオジサンの3人の新入生が、決して封建的過ぎない応援団での熱い思いの中で成長して行く。男とオジサンは、それぞれが事情を抱えているが、それを巧く乗り越える脚本が良くできてはいるものの、少し予定調和的な印象はある。体力勝負的な芝居でもあると思った。尚、私は「生き様」という言葉は好きではないので、その分、少しこのシリーズへの思いに偏りがあるかもしれない。

遠い国から来た、良き日

遠い国から来た、良き日

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2016/10/14 (金) ~ 2016/10/23 (日)公演終了

満足度★★★★

良くできている
新聞での批評などで評判が良いので観に行ったが、予想を超えて面白い作品だった。広島の中学校にイラク人の少年が転校してくることで起こる、ざわめきや軋轢、そして、広島だけで行なわれている「平和学習」の意味等が、説教くさくなく展開される面白く、良くできている舞台だった。若いといっても20代の役者陣が中学生に見えるというのも巧みだし、タイトルも予想通りだったが、2時間を楽しめた。

Shoe Cage

Shoe Cage

電動夏子安置システム

OFF OFFシアター(東京都)

2016/10/20 (木) ~ 2016/10/24 (月)公演終了

満足度★★★★

女優陣全開
ロジカル・コメディを得意とする同劇団だが、今回は「擦れ違い」系とでも分類できるタイプだろうか。一定の設定の下で、苦心して会話する、という10~20分程度の物語8編のオムニバス短編集。とは言え、設定は細かく絡み合い、最後は収束していくのだが、前作に続いて久々に登場に渡辺美弥子、前作は休んだなしお成の2人の爆発力は強烈で、新野・武川・犬井の各女優も切れ味を見せて、男優陣を圧倒する勢いを感じた。他の劇団では見られないような芝居である。

ひずむ月【本日千秋楽!当日券若干あり】

ひずむ月【本日千秋楽!当日券若干あり】

劇26.25団

OFF OFFシアター(東京都)

2016/10/12 (水) ~ 2016/10/17 (月)公演終了

満足度★★★★

珍しい
25団としては珍しく、評伝劇である。地震学の礎を築いた今村明恒の物語を、ある意味で史実に忠実に物語にする。面白いのだが、なぜ今25団がやるの、という不思議は残った。終演後、杉田氏に訊いてみたが、「やりたかったので…」という回答。珍しいタイプの作品でも、25団らしいテイストはキチンと残っていたように思う。

夜明けに、月の手触りを ~2016~

夜明けに、月の手触りを ~2016~

mizhen

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2016/10/05 (水) ~ 2016/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★

心地好い感触で終わる
東京で擦れ違った女性5人が、それぞれの物語を語る内、それら擦れ違いが何らかの関わりを持って来る。キャラクターの立て方が巧みで、それぞれの女性に共感できて、興味深く見せてもらった。

春よ行くな、

春よ行くな、

悪い芝居

テアトルBONBON(東京都)

2016/10/04 (火) ~ 2016/10/10 (月)公演終了

満足度★★★

感触は伝わる
片桐はづき出演ということもあって観に行った。具体的なようでいて、非常に抽象的な芝居だと言えそうである。起きる出来事のそれぞれは、共感はできなくても理解はできるのだが、それで何が言いたいのか、は明確ではない。しかし、奥田ワレタ等の、しっかりした役者陣の力もあって、ある種の感触は伝わる。ただし、無駄に変な動きとか、私にとっては「ちょっと…」という部分もあり、少しテイストが違うのかなという気もした。

フリック

フリック

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2016/10/13 (木) ~ 2016/10/30 (日)公演終了

満足度★★★★

面白い
面白かった。さびれた映画館で働く若者3人が、それぞれ何かの問題を抱え、それぞれの立場についての違いを抱え、ぶつかりあったり助け合ったりしながら、最後は少し切なく終わる。休憩込み3時間が一気に終わった印象である。映画のタイトルや話題がいっぱい出てくるので、実は私は映画をほとんど観ないのだけれど、映画ファンならば更に面白く観られるだろうと思って、少し悔しかったかも…。

わたしはミシン

わたしはミシン

チタキヨ

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/10/07 (金) ~ 2016/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

好きです!
米内山耀子の書く脚本は、巧妙に伏線を張って非常に面白いものになるという点で信頼しているのだが、今回はその1枚上をゆく上出来な作品だった。地方の縫製工場でオートクチュールを担当する女性3人と上司2人の巧みな関係を、実に見事に90分にまとめてあるプロフェッショナルな話で、悲しい話や感動する話では泣かない私が、唯一こういう話には泣けてしまうんだけれど、泣いてる暇がないくらいに笑わせてくれる。女優陣が巧みなのはユニットなので当然とも言えるが、客演2人を含めて、本当に面白い分かりやすい、泣けて、笑える作品だった。

篦棒 べらぼう

篦棒 べらぼう

劇団民藝

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2016/09/28 (水) ~ 2016/10/09 (日)公演終了

満足度★★★★

民藝の底力を見た
「社会派」として人気急上昇の中津留章仁が民藝に書き下ろした新作を、樫山文枝を軸とした役者陣が実に丁寧に演じる。パンフレットにあるのだが、長い時間を書きたかった、ということで70年代から2011年までの、序章・1場・2場で休憩込み2時間55分の長丁場で上演するが、飽きない。社会派と言われながら、最後には個人の感情に戻ってくるのが中津留作品の特徴だが、それがしっかりと出ている。尤も、自身の劇団トラッシュマスターズでは絶対に書かないような作品に思えて、民藝の底力を信じて書いた作品なのではないかと思う。

狂犬百景(2016)

狂犬百景(2016)

MU

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2016/10/01 (土) ~ 2016/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★

MUのダーク編
再演だが初演は観てない。狂犬がゾンビ化した東京の3ヶ所で起こる出来事を、最後にまとめる4話構成の短篇オムニバス。3話の味わいはそれぞれに違って面白く、しかし、それらをまとめる最後の4話が見事である。面白いのではあるが、好きか、と訊かれるとちょっと困る作品だと言える。

際の人

際の人

文月堂

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2016/10/04 (火) ~ 2016/10/09 (日)公演終了

満足度★★★

際なのは誰か?
中途半端で有言不実行を絵に書いたような男を添野豪が丁寧に演じているが、ドラマの中に点在する回想シーンが2010年の『夜も昼も』を想起させる。笑いもあるし、毒もあるという文月堂独特の感触の作品であるとは言える。平凡に生きているようで、実は瀬戸際にいるということがタイトルなのだろうが、そのことが分かりにくいのは難点。新大久保という設定も充分には活きていない気がするのも惜しい。

夢と希望の先

夢と希望の先

月刊「根本宗子」

本多劇場(東京都)

2016/09/28 (水) ~ 2016/10/02 (日)公演終了

満足度★★★★

リメイクだけど
2014年に駅前劇場で上演した『夢も希望もなく。』のリメイクだが、途中までは同じ展開の物語が、最終的には他の作品と同じ仕掛けで収束して、『…もなく。』ではなくて『…の先』に変わったところが見事。ただし、大きい本多でやるには、役者陣の力量が少し足りない気がする。いつも出演してる、長井・墨井・大竹あたりはともかく、メインの橋本のインパクトが序盤やや鈍い。もっとも、途中から話が乗ってくるので、最終的に悪くはないのだが…。それと『…もなく。』のエンディングが好きだったので、その分ハッピーエンドになったのは一寸ばかり不満もないことはない。でも面白いことだけは確か。

飛び火

飛び火

劇団天動虫

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2016/09/28 (水) ~ 2016/10/02 (日)公演終了

満足度★★★

面白いが冗長
飛び杼を発明したジョン・ケイの息子が、蒸気機関を発明したワットの弟子となり、さまざまな発明を続ける内に、蒸気機関を発展させた機械を発明しようとするが…、というフィクションを、新奇な発明で仕事を奪われるのではないかという不安をもつ労働者たちと対比しつつ、最後には思わぬ仕掛けも待っている。言いたい事は分かるし、興味深くのあるのだが、いかんせん、2時間20分は冗長過ぎる。同じシーンの繰り返しを排除し、説明的なセリフを思いきって切り、90分程度にまとめていたら素晴らしかったのに、と思う。

アキラ君は老け顔

アキラ君は老け顔

くによし組

小劇場 楽園(東京都)

2016/09/27 (火) ~ 2016/10/02 (日)公演終了

満足度★★★★

セリフのキレがもっとあれば…
生まれた時から老け顔の22歳のアキラと、彼を取り巻く、母・同級生・バイト先の店長や同僚など、少し不思議な人々も登場する展開は面白い。実際に67歳の大谷朗が演じるが違和感がない。ただ、國吉=セリフのキレ、と思い込んでいる私には少し不満が残らないこともなかったが、芝居は面白かった。

『OKINAWA1972』

『OKINAWA1972』

流山児★事務所

Space早稲田(東京都)

2016/09/15 (木) ~ 2016/10/02 (日)公演終了

満足度★★★★

繋がりは今一つ
沖縄返還時の佐藤-ニクソンの密約を軸に、時間的にはその前後の時期の沖縄裏社会を描く。裏社会がなぜ存在し続けたのか、本渡と何が違うのか、などを描きつつ、背景にある密約=沖縄差別を見せようとしているように思える。エンターテインメントとしても面白いが、やはり、この関係をしっかり見せてもらう方が興味深い。

チャンバラ音楽劇幕末スープレックス

チャンバラ音楽劇幕末スープレックス

劇団子供鉅人

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2016/09/17 (土) ~ 2016/09/25 (日)公演終了

満足度★★★★

エンターテインメントとして楽しい
熊川ふみ出演というので観に行ったのだが、休憩込み2時間半でも飽きない楽しさだった。明治期の見世物小屋から始まり、回想で幕末を駆け抜けた3姉妹とその周辺の人々の物語だが、ストーリー展開が重要というより、大人数の登場人物群の関係やキャラクターで楽しませてくれる。熊川は、3姉妹の長女という役で凛々しい姿を見せてくれた。

「しだれ桜」「わらい桜」

「しだれ桜」「わらい桜」

パンチドランカー

シアター711(東京都)

2016/09/15 (木) ~ 2016/09/22 (木)公演終了

満足度★★★

丁寧な群像劇
渡辺美弥子出演ということで観に行ったが、丁寧に作られた群像劇という印象だった。幕末から、それの10年後、さらに、その後、と、京都の山の中にあるしだれ桜の脇にあるうどん屋が舞台。そこに来る様々な人々の関わりを描いて、笑わせ、泣かせ、良い話で終わる。渡辺は、存在感が強烈で、濃い舞台だった。

毒と音楽

毒と音楽

あひるなんちゃら

ザ・スズナリ(東京都)

2016/09/17 (土) ~ 2016/09/20 (火)公演終了

満足度★★★★

いつもながらの
駄弁芝居と自ら名乗っているけど、その通りの面白い時間と空間が現れる。根津,篠本の貫禄もさることながら、野村が大分「慣れて」きたという印象がある。松木がこういう役割というのも珍しい、ってゆーか、面白い。

遊侠 沓掛時次郎

遊侠 沓掛時次郎

シス・カンパニー

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2016/08/27 (土) ~ 2016/10/02 (日)公演終了

満足度★★★★

股旅物の面白さは復活するか
8/30にも1回観ているのだが、時間が経って別物の芝居になっていた。この日から、病気の浅野の代役に松沢一之が立ったことも少し関係していると思う。胡散臭い役をやらせたら天下一品の松沢に代わったことで、ドサ回りの田舎芝居の雰囲気がしっかりと出て、劇中劇は笑える部分が倍増した。最後は劇中劇なのか、現実なのか、そこに謎を残したところが北村想の作戦なんだろうが、少し難しい気もした。ただし、映像系で活躍しているとは言え、初舞台の萩原みのりはなかなか立派な仕事をしていると思う。

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