jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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毒づくも徒然

毒づくも徒然

MCR

OFF OFFシアター(東京都)

2018/11/20 (火) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/12/02 (日) 19:00

 新作の『親展』を観た。パンクバンドをやってる4人と、そのそれぞれの恋人との物語。MCRらしく一筋縄ではいかない恋人たちの関係だが、そこの機微をキレ味あるセリフで紡ぐ。今回観た他の2本と少し違って、全体に温かい笑いが多く、エンディングもハッピーになってる。何となく、シンクロ少女の『LOVE』シリーズを思い出した。

間の女(再演)

間の女(再演)

めがね堂

RAFT(東京都)

2018/12/01 (土) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/12/02 (日) 14:30

 初演も観たが(https://stage.corich.jp/watch/331612/stage_comments)、また少し違った芝居になっていた。テキストはそのままなので、1人の男を巡る2人の女を永井久喜が演じ分ける、という展開で、巧みな物語と永井の圧倒的な演技力を感じさせてくれる点は変わらず。ただ、今回のラストシーンは、乱歩の「お勢登場」のお勢が永井に乗り移ったような終わり方だと感じた。演出か、永井の変化か、それとも気の所為か(^_^;)。

毒づくも徒然

毒づくも徒然

MCR

OFF OFFシアター(東京都)

2018/11/20 (火) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/30 (金) 19:30

 『リフラブレイン』を観た。ちょっと常識の壊れた、両親を亡くした姉弟の物語。今で言う「共依存」の関係を描いたと言えなくもないが、次々と襲いかかるエピソードは、どれも切なく苦い。MCRらしいセリフやら、常識外の人々の登場など、笑えるけれど笑っていいのか、という気持ちになる。エンディングのわたなべあきこのセリフは、ハッピーエンドと言って良いのだろうか。

青いプロペラ

青いプロペラ

らまのだ

シアタートラム(東京都)

2018/11/29 (木) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/29 (木) 19:30

 「らまのだ」らしい、いい芝居だった。金沢の南にあるスーパーのバックヤードが舞台の群像劇。近所に大型ショッピングセンターができるというので、対応に苦慮する店員達だが、何故か緊張感は薄い。その緊張感の薄さから、結局は…、という展開はいかにもありそうな物語である。細かいエピソードの積み上げから、過去の事情も明らかになっていくのも巧い。時計を細かく交換して時間経過を示す演出も面白い。「青いプロペラ」というのは扇風機の羽根のことだが、これが実に秀逸なタイトルだ。

ロミオとジュリエット

ロミオとジュリエット

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2018/11/20 (火) ~ 2018/12/16 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/11/27 (火) 19:00

 宮藤官九郎の演出で三宅弘城がロミオとあっては、一筋縄ではいかないかと思ったら、意外に普通にロミジュリをやってた。もちろん、ギャグを入れたり笑いを取る演出が随所に折り込められてはいるのだが、松岡訳のシェイクスピアそのもののセリフを高らかに語るシーンもあり、それが意外に前後とマッチしていて、面白く観ることができた。初舞台の森川葵は初々しくジュリエットを好演。だが、ではなぜ今ロミジュリ?、とは思った。

毒づくも徒然

毒づくも徒然

MCR

OFF OFFシアター(東京都)

2018/11/20 (火) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/26 (月) 19:30

 『櫻井さん』を観た。面白かった。最近MCRを観始めた私だが、過去の作品も面白いものがあるのだという発見があった。詩人を夢見る青年の悲しい物語で、最近のMCRとは少しテイストが違う気がするけれども、時間軸が動いたり、家族や周辺の人々の行動がシュールだったりというあたりは、最近の作品とも共通する。ちょっと切ない気分になるのは珍しい気がした。

贋作 桜の森の満開の下

贋作 桜の森の満開の下

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2018/11/03 (土) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/11/25 (日) 14:00

 ひょんなことから千穐楽のチケットが手に入って4度目の観劇。千穐楽だけに出来も良く、カーテンコールが何回も続いた。初演から観ている友人3人と終演後に少し話した。初演では、匠の技の競い合いを軸に、夜長姫と耳男の物語という面が強かったけれど、今回は国造りの物語に軸を動かした印象があるというのが皆同じ見解。そのために、印象的だった「好きなものは、呪うか殺すかしなければ…」というセリフが減っていたのだという話が出た。フランスに持っていくからだろうか、等の推測がいろいろ出た。

私のイスラム・燈・その他の短編

私のイスラム・燈・その他の短編

Ammo

SOOO dramatic!(東京都)

2018/11/22 (木) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/23 (金) 18:00

 Nヴァージョンを観た。面白かった。何と言っても組み合わせが良い。
 リーディング『私のイスラム』は、イスラムに改宗しようとするOL女子を巡る物語だが、日本人の「宗教」観が、あるある話で繋がれて、イスラムになることの特殊性と普遍性の両面が見える。
 その上での再演『兄は原理主義者になった』は、イギリスBBCのドキュメンタリーに題材を取った実話ベースの物語だが、日本でない国でのイスラムの有り様や、宗教に対する文化的差異が現れてくるようで、興味深く最後まで緊張感をもってみることができた。かつてtrashmastersでイスラム教徒の役を演じた川崎初夏が母を演じていたのは面白かった。妖精みたいな不思議な存在を演じることが多いレベッカが感情表現の激しさを見せる力量を見せ、成長を思わせた。

「実は素晴らしい家族ということを知ってほしい」(仮)

「実は素晴らしい家族ということを知ってほしい」(仮)

株式会社PFH Entertainment

新宿シアターモリエール(東京都)

2018/11/21 (水) ~ 2018/11/28 (水)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/11/23 (金) 14:00

 福澤重文,宮下貴浩がその都度劇作家を選んで公演を行なう2作目だそうだが、今回は東京マハロの矢島弘一に依頼。「いい話」が展開される。終末期の患者を入院させる病院で、患者を殺したと批難される看護師の家族の物語。当の看護師は自殺未遂で植物状態になったということで登場せず、3年半を経て亡くなるのだが、それまでに兄・看護師・妹と看護師の夫、その愛人、耐えられないで逃げ出した母と愛人、など、さまざまな人物が次から次へと逆転技を繰り出し、最後はややいい感じで終わる。矢島らしい物語とは言える。
 男優を目当ての女性客が多い中で、女優ファンとしては、女優陣の充実ぶりが嬉しい。軸になる妹役の佐津川愛美がますます巧い役者になっていたのは見事だ。母役で久々の舞台となる山下容莉枝は大事な場面での存在感は見事で、夫の愛人役もたい陽子はいつもと少し違った「いい人」の役を演じる。兄・夫の旧友である山本真由美は大事なシーンで無色な役を演じる。斎藤ナツ子も重要な役割を好演するが、2シーンしか登場しないというのは勿体ない。

誰もいない国

誰もいない国

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2018/11/08 (木) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/11/22 (木) 18:30

 ピンターの不条理劇だが、あれだけのセリフを重ねても何も解決しないのは、ピンターらしいとしか言いようがない。会話が成立しているようで、全く筋が通らない、というのがピンターっぽい、と私は思っているのだが、1幕65分の最初と後半でハースト(柄本明)のキャラクターが一変し、15分の休憩を挟んだ2幕55分でも変化する。何が本当なのか、全く分からず終わるが、不思議な感触を残すのは、個々の役者の力量と言えるだろうか。水を効果的に使った美術と照明は見事で、公共劇場らしい存在感を見せる。

そこまで言わんでモリエール

そこまで言わんでモリエール

笑の内閣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/11/21 (水) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/21 (水) 19:30

 笑える社会派と言えば、東の「チャリT」,西の「笑の内閣」と言うべきところだが、今回は、社会派的要素は若干少なくなっている。主宰で作・演出の高間が、立憲民主党から選挙に出る可能性があるということで、一定程度史実に基いたモリエールの物語を展開する。それだけの制約がありつつも、時事ネタも入れて笑わせる作品に仕上げるあたりは見事だと思う。特に、最後に高間が出てきて現実に戻す場面などは面白いのだが、やはり、社会派に徹してほしいという気はしないでもない。

『眼球綺譚/再生』

『眼球綺譚/再生』

idenshi195

新宿眼科画廊(東京都)

2018/11/16 (金) ~ 2018/11/27 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/20 (火) 19:30

 『眼球綺譚』TTSを観た。怖かった(-_-;)。綾辻行人のホラー小説を朗読用に戯曲化して朗読の上演。「言葉の楽譜」と呼ばれる独自の脚本、だそうだが、役者の言葉を聞いているだけで怖くなる、というのは、脚本の力と役者の力量の両方が必要だと思うし、それをそう感じさせるだけの仕掛けが出来上がっていたのだと思う。久々に観た(聞いた)大島朋恵を初めとして、役者陣の存在感もしっかりしていた。

贋作 桜の森の満開の下

贋作 桜の森の満開の下

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2018/11/03 (土) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/11/18 (日) 14:00

 1日置いて3度目の観劇。前から2列目という強烈な席で、役者の表情がよく見える。他の役はともかく、深津の夜長姫は遠目だと表情が見えなかったのだが、今回よく見て、しっかり演技しているのが分かる。

贋作 桜の森の満開の下

贋作 桜の森の満開の下

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2018/11/03 (土) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/11/16 (金) 19:00

 2度目の観劇だが、1回目は9月でフランスに行く前だったので、印象が大分変わった。全体にこなれてきていて、役者が役を更に自分のものにしている感じが出ている。物語の壮大さに改めて圧倒される。

四つの理由

四つの理由

よしもとクリエイティブ・エージェンシー

あうるすぽっと(東京都)

2018/11/16 (金) ~ 2018/11/17 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/16 (金) 14:30

 久々に後藤ひろひと大王の芝居を見たが、やはり面白かった。17年前に、同じキャストでやった芝居ということだが、大王の作劇は時代を超えて巧みに笑わせてくれる。血液型に関する4つのコントを巧くつなげて80分。物足りない感じもあったが、クスクス笑って過ごした。大路恵美が17年前にも出ていたということは、26歳での出演ということになるので驚いた。

サンザル、月をとる。

サンザル、月をとる。

電動夏子安置システム

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2018/11/13 (火) ~ 2018/11/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/14 (水) 19:30

 ロジカル・コメディの雄、電夏が少し新しいパターンに入ったかのように思う。とあるアパートの1室を舞台に、奇妙なツールを使った、コミュニケーションの擦れ違いを見せる、「擦れ違い」パターンだが、死者が多く出るのと、親子の話題が多いあたりは新しい。劇団員以外は「初めまして」の役者が多いが、電夏ワールドはシッカリ構築されていて、確実に笑える。むしろ、いつもより分かりやすい作品かもしれない。ちょっと切ない終わり方もいい。今回は新野アコヤが大活躍である。

The Silver Tassie 銀杯

The Silver Tassie 銀杯

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2018/11/09 (金) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/11/13 (火) 18:30

 不思議な舞台だった。アイルランドのショーン・オケーシーの作品の本邦初演で、反戦悲喜劇と書かれているが、確かに、そういう作品ではあった。4幕仕立ての戯曲を、1幕と2幕、3幕と4幕と休憩1回を挟んでの上演だが、1幕で輝いていた男たちが、2幕の戦争のシーンを経て、帰還後の3・4幕で全く違った人生を送るようになる、という、ある意味で分かりやすい流れではある。だが、時代のせいもあってか登場人物の内面の変化の要因が今一つ分かりやすくなく、そこが芝居に入り込めない状況を産んでいるのが惜しい。
 ジャニーズお決まりの3回のカーテンコールで3回目はスタンディングというような舞台ではなかったと思う(そうやっていた観客は少なくなかった)。

遺産

遺産

劇団チョコレートケーキ

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2018/11/07 (水) ~ 2018/11/15 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/09 (金) 19:00

 10月の『ドキュメンタリー』と対をなす形の、731部隊を正面から扱った快作。かつて731部隊にいた老医師の死の直前(1990年)と、敗戦を目前にした731部隊の時代(1945年)の間で、時間軸が交互に動くが、正面から扱っただけに物語が、当時の表現が重いのは確か。老医師の死で、若い医師が立ち上がろうとするが…、という物語はよくあるが、その結末を観客に委ねるというのは、ある意味で大事な選択をしたように思う。紅一点の李丹が中国人の女マルタ役で出ているが、その存在感は重要。

さよならはここにいる

さよならはここにいる

こゆび侍

王子小劇場(東京都)

2018/11/07 (水) ~ 2018/11/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/07 (水) 19:30

 2年ぶりの「こゆび侍」の本公演は、少しテイストが変わった作品だった。開演前にパンフレットを見ると、同じ「一子」の3世代を別の役者が演じ、3世代の物語だということが分かる。書道教室の先生をする母の後を継ぐことになる一子の高校時代・30代・40代の物語だが、なぜか30代の一子にだけ高校生の時に事故で死んだ少年の幽霊が現れる……。失われたもの,失われていくものへの郷愁と、新しい生活への少しの希望とが混じり合い、何とも言えない感触の舞台になっていた。初日からダブルコール。

テツガクするキカイ

テツガクするキカイ

888企劃

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2018/10/31 (水) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/11/04 (日) 14:00

 チラシに「アシモフのロボット3原則」と書かれていたので、観に行った。ちょっと残念な芝居だった。舞台中央のカーテンを開けると、ガールズバーで語る男とバーテンの女。カーテンを閉めて、近未来のAIに関わる物語が展開されるのだが、やや薄っぺらな知識で脚本が書かれている印象がある(あえてそう思わせているのなら凄いが)。AI=ロボットではないし、「哲学」と行っているのは哲学(的思索)の結果であり、方法論としての哲学でない、等、ツッコミ所がいっぱいある。暗転が多いのも気になるし、つまらないダジャレや、過剰に異常に見せる演技も邪魔に思える。着眼点は悪くないのだが、勿体ない。それでも、笑って満足する客が多いらしいのだが、そこが劇団にとっては不幸かもしれない。

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