jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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カーテンを閉じたまま

カーテンを閉じたまま

Ammo

シアター風姿花伝(東京都)

2019/02/14 (木) ~ 2019/02/19 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/02/14 (木) 19:30

 かのカンボジアの独裁者ポル・ポトの若き日を描いた、興味深い舞台だった。フランスに留学中のカンボジア学生たちが集まるアパルトマンで、新人歓迎のため『リア王』を上演することになるが、その稽古での支配-披支配の関係作りが、後のクメール・ルージュの手法と重なるあたりは面白い。インテリで後にポル・ポトの妻となる役を演じた石井舞などが、いい味を出していたが、登場人物が多すぎて、キャラクターを描き分けきれていないように感じたのがやや惜しい。タイトルは実に秀逸である。

雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた

雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた

流山児★事務所

座・高円寺1(東京都)

2019/02/01 (金) ~ 2019/02/10 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/02/10 (日) 14:00

 千秋楽に観劇。本戯曲は2009年にコクーンで蜷川演出を観たが、それとはまた違った味のある芝居になっていた。客演の松本紀保の存在感が軸になっているが、圧巻は30人のジュリエットを多様に揃えたことだと思う。ある意味でアングラテイストを濃くしたものと言えようか。優れた戯曲を優れた役者(とスタッフ)が演じれば、優れた舞台になるという典型だとも思った。

夜が摑む

夜が摑む

オフィスコットーネ

シアター711(東京都)

2019/02/02 (土) ~ 2019/02/12 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/02/09 (土) 18:00

 1974年のピアノ騒音殺人事件を扱った大竹野の作品というので、もっとシリアスなものを予想していたが、不条理劇だったのに驚いた(*_*)!。面白かった。もっとも28歳の時の作品ということなので、今までに観た大竹野の作品とは作風が違っていても、不思議はない。アフタートークによれば、ト書きが如何様にも解釈できるものらしく、演出家の解釈で多様な舞台になることが予想されるのだが、詩森はある意味、真っ向勝負しているように思った。

卒業制作

卒業制作

しあわせ学級崩壊

王子小劇場(東京都)

2019/02/06 (水) ~ 2019/02/10 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/02/09 (土) 14:30

 本劇団は初見。ハウス系ミュージックを爆音で流し、役者はマイクを使ってセリフをラップ調でしゃべる、というのは、この劇団の基本形らしい。物語らしい物語を展開するわけではなく、何となく状況からストーリーが分かる部分もあるのだが、最後まで分からないものも残る。新しいものを作ろうとしていることは分かるが、理解を超えてる部分もあるのだが、終演後、大拍手を送る観客が結構多いのに少々驚いた。

僕らの力で世界があと何回救えたか

僕らの力で世界があと何回救えたか

タカハ劇団

小劇場B1(東京都)

2019/02/08 (金) ~ 2019/02/14 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/02/08 (金) 19:00

 タカハらしい興味深い芝居だった。タカハらしい、と書いたものの、タカハらしさとは何か、良く説明できないのだが、込み入った謎が何らかの解決を見せるまでのプロセスの面白さということだろうか。高校時代、アマチュア無線部の部員だった3人が7年ぶりに部室に集まると、7年前に死んだと思われていた友人の声が、無線機から聞こえてくる…、という導入はいかにもありそうだ。しかし、新科学施設への反対運動やら女性市長と息子の対立やら、さまざまなエピソードを交えつつ、パラレルワールドまで持ち出しつつ、一定の解決を見るのは興味深い115分だった。
 「いいもの見せてもらいました」と言ったときの、主宰・高羽彩の笑顔が忘れられない。

怪童

怪童

劇団献身

OFF OFFシアター(東京都)

2019/02/06 (水) ~ 2019/02/13 (水)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/02/06 (水) 19:30

 生まれてすぐ山奥に捨てられヒッピーに育てられた少女ユリカと、その山奥の小学校で育った少女オサムの2人の生涯の物語。本劇団はいつもそうなのか、前回観たとき同様、破天荒で無茶苦茶な物語が展開するが、悪い感じではなく終わるところに救いがあるものの、回収しきれないエピソードもあったりして勿体ない印象が残る。
 この劇団は、役者の友人が観に来るケースが多いらしく、物語ではなくて、あいつがこんなことしてる、という笑いが多いのは、やや見苦しい。それと不要に長い前説も賛成できない。
 本作後、再度留学する永井久喜はあんまり目立たない役だが、若い2人を立てる役割をしっかり演じてた。

PARTY PEOPLE

PARTY PEOPLE

艶∞ポリス

駅前劇場(東京都)

2019/01/31 (木) ~ 2019/02/11 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/02/05 (火) 19:30

 笑いっぱなし、というのではない面白さだった。とある金持ちの家でのパーティシーンと、安アパートの4畳半が対置され、お金があっても、なくても、幸せになったり、不幸せになったりするんだよ、という物語だと思った。時間軸を動かすのもありだと思うが、作・演出の岸本が「異物」を演じるのはちょっと反則技という気がしないでもない。ただ、TVドラマの劇作を通じて、一歩抜けた感じがするのは興味深く見せてもらった。

わが家の最終的解決(再演)

わが家の最終的解決(再演)

Aga-risk Entertainment

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2019/01/25 (金) ~ 2019/01/29 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/01/28 (月) 19:00

 ナチスのゲシュタポのハンスがユダヤ人のエヴァと恋に落ち、家にかくまう、…、というシチュエーションコメディ。面白いのは分かるが、笑えない話題だと思った。巧妙な設定とある種無理矢理な展開は、いつものアガリスクだと思うが、当のハンスの言い訳があまりにもバカバカしく、すぐに破綻することが分かってしまう方向に展開する。そんな賢くない青年がゲシュタポになれるのか、という疑問と、序盤の「収容所に送らないでください」というセリフでいきなり萎えてしまった。結局の最終的解決も、ナチスの構造から考えて無理がありすぎる。日本人はナチスに関してハードルが低く、ちょっと無謀な展開に思えた。

帰郷

帰郷

エイベックス・エンタテインメント

俳優座劇場(東京都)

2019/01/25 (金) ~ 2019/02/03 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/01/26 (土) 18:00

 入江雅人企画による福岡県出身の役者6人での福岡を舞台にした作品だが、奇妙な面白さに溢れてた。1980年、中3だった5人組の内、向井(入江)と辰彦は東京に出るが、しげお(池田成志)ら3人は地元に残る。2011年、ヨーロッパで流行っていたゾンビウィルスが日本にも上陸し、命からがら日本を彷徨いつつ福岡に戻る向井だが、帰ってみると…。終盤30分以上を費やすドライブシーンが圧巻だが、そこでの池田の演技が物凄い。福岡愛に溢れた作品である。客席に微妙に空席が残るのが、なんとも勿体ない。

APOFES2019

APOFES2019

APOCシアター

APOCシアター(東京都)

2019/01/11 (金) ~ 2019/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/01/25 (金) 20:30

 「三好康司×永村閏」を観た。3年連続参加の常連だそうだが、興味深い舞台だった。神がハリネズミを作り、ハリネズミが人形を愛する。いわゆる「ハリネズミのジレンマ」を逆に取り、物言わぬ人形を愛したハリネズミが愛おしくなると同時に、何かの比喩ではないかとも思わせるのだが、そういうものではなかったようだ。それにしても『語彙カタルハリネズミ』というタイトルでの上演だが、「彙」という字に「ハリネズミ」と言う読みがあるとは知らなかった。

花の秘密

花の秘密

公益社団法人日本劇団協議会

赤坂RED/THEATER(東京都)

2019/01/24 (木) ~ 2019/02/03 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/01/24 (木) 19:00

 文化庁の海外研修成果公演、みょんふぁ企画による韓国コメディの上演。ドタバタながら深みもあって面白い舞台だった。夫たちが事故で死ぬが、翌日、保険加入のため医師の検査があるというので、保険金のため夫に扮装してやりすごそうとする4人の妻たちの物語。扮装のため休憩15分が必要になるのだが、その2幕の登場が見物と言える。元宝塚男役の沙央くらまがカッコイイ所を見せる等、扮装や仕種にも工夫がある。コメディなので笑いが多いのは当然だが、保険医師役の岩崎う大が独特の雰囲気で笑いを取っていたのが印象的だった。

APOFES2019

APOFES2019

APOCシアター

APOCシアター(東京都)

2019/01/11 (金) ~ 2019/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/01/21 (月) 17:30

 『ただ、独り 多田慶子×高見亮子×稲葉賀恵』を観た。貫禄勝ちというところか(^_^;)。元かもねぎショットの多田だが、現在は「ただ、独り」というユニットで活動をしており、一人芝居への慣れがあるように思う。アインシュタインの妻とエディット・ピアフの2人を25分ずつ演じた。アインシュタインの妻は後ろ向きに椅子に座って、インタビューに答える、というスタイルで背中での演技だが、これが見事だった。ピアフは、高見の書き下ろしらしいが、歌も混じって素敵なピアフ像が浮かび上がっていた。穏やかな安心して観ていられる50分だった。

Vol.1『猫ばっか』

Vol.1『猫ばっか』

ノラトピア

Salone Fontana(東京都)

2019/01/19 (土) ~ 2019/01/20 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/01/20 (日) 17:00

 ピアニストの松田眞樹の演奏を軸にした、なかなか楽しいリーディング企画。第1部は別役実の『猫ふんぢゃった』を、ピアノをバックにリーディングする70分。初めて観る(聴く?)戯曲だが、別役だけあって、分からないけど面白い不条理系なんだけど、リーディングで十分に面白さが伝わる。10分の休憩にお茶のサービスがあり、第2部は、元劇団四季の笠松はるの「猫の二重唱」という歌、松田の大胆なアレンジによる「猫、フンジャ、ダメ」、そして、佐野洋子のエッセイ「猫ばっか」を7パートに分けて、直前に抽選で読むところを決めたというリーディングで30分。心穏やかになる企画だった。
 会場はサローネ・フォンタナは、2011年6月に『Another9』を上演した場所で、いるだけで楽しくなるようなスペースだが、今回もそこで幸せな2時間を過ごした。
 今回は、片桐はづき出演ということで観に行ったのだが、構成・演出の須賀貴匡は、どこかで聴いたことある名前だと思ったら、『世紀末三人姉妹』で観ていたのであった。

APOFES2019

APOFES2019

APOCシアター

APOCシアター(東京都)

2019/01/11 (金) ~ 2019/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/01/18 (金) 20:30

 「菊池美里×國吉咲貴」を観た。母子家庭に生まれた5歳の少女が成長して、若くして母を亡くし、自分が母になり、娘を育てるまでを描く。テンポ良いセリフで次々に場面が変わっていくのは、國吉の脚本と菊池の力量の見せ所で、実に見事。いい話でちょっと泣かせるというのは國吉にしては珍しいようにも思ったが、よく考えたら國吉の脚本って、結局はいい話というのが結構多いのだと思い知らされたりした。客席に演劇関係者多数というのも頷ける。

APOFES2019

APOFES2019

APOCシアター

APOCシアター(東京都)

2019/01/11 (金) ~ 2019/01/27 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/01/18 (金) 19:00

 「鎖国ノーモア 羽吹諒×霞翔太」を観た。閉園間近で猿が一匹しかいない動物園が舞台。人間と猿のそれぞれの思惑のズレ等を扱い、いい話になってる。物語として面白いが、演者が猿と人間を描き分けきれていないのが惜しい。

陰獣 INTO THE DARKNESS

陰獣 INTO THE DARKNESS

metro

赤坂RED/THEATER(東京都)

2019/01/17 (木) ~ 2019/01/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/01/17 (木) 19:30

 metroの10年前の旗揚げ公演を再演。初演と変わらず乱歩の世界観に踏み込んでいたと思う。初演は神楽坂 die pratze というアングラテイスト溢れる会場だったのが、今回の赤坂RED/THEATERはハイセンスな劇場というわけで、構成も変わってきている。「陰獣」と「化人幻戯」を混在させた悪女2人と明智小五郎の物語だが、月船の相方だった出口が引退し、サヘル・ローズに変わったことも関係してか、ちょっと違ったテイストの作品になっていた。それは悪いことではなく、進化した、あるいは、変容した、と言うべきものだろう。それは、サブタイトルが「inside beast」から「into the darkness」に変わったことにも現れていると思う。それにしても、月船の役者としての技量の凄さと、それを10年かけて引き出した天願大介の才能には頭が下がる。

APOFES2019

APOFES2019

APOCシアター

APOCシアター(東京都)

2019/01/11 (金) ~ 2019/01/27 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/01/14 (月) 16:00

 「えんぷくまる」を観た。時代も場所も異なる3人の物語を組み合わせた脚本を、演者の円椅久美子が白い宇宙服とも防塵服とも見える衣装で、朗読するように演じる。演じ分けもなかなかだし、物語のまとまりも悪くなく、緊張して観ていられた50分。ただし、衣装に付いたLEDが明るすぎて、目に入りすぎるのは若干の欠点と言える。

深沢ハイツ302~もう一つのニュートンの林檎~

深沢ハイツ302~もう一つのニュートンの林檎~

Sun-mallstudio produce

サンモールスタジオ(東京都)

2019/01/05 (土) ~ 2019/01/09 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/01/05 (土) 18:00

 2009年に初演され、2016年に再演された作品の再々演で、2016年の再演を観ている。面白い(^_^)v。(https://stage.corich.jp/watch/285585/stage_comments)タイムスリップとパラレルワールドを題材にしたSFだが、2016年の再演に比べると、プロジェクションマッピングなどの技術を使って、スリップ感、パラレル感を増していたように思う。再演でもメインを演じた今村美乃を始め、同じ役で出ている出演者も多く、今回もしっかりした舞台作りになっている。数学や物理の専門的な立場からは若干の無理もあるのだが、エンターテインメントとして許容できる範囲で、とにかく面白く観ることができた。

鳥の市 2018

鳥の市 2018

なかないで、毒きのこちゃん

OFF OFFシアター(東京都)

2018/12/27 (木) ~ 2018/12/30 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/12/30 (日) 18:30

 Fを観た。
「夢見るあの子はまだおうちでロンリーガール」は、B・Dと同じ古着屋で上演されたようだが、物語的には全く違ってて、引きこもりの女子高生が救われる(?)話。何となく幸せな気分になる。
「さよならはじめましてちゃん」は、幸せな一生を送った女子の物語かと思わせて…、というところは巧いが、切なく終わる作品で1年を締めくくることになってしまったな、という気もした。

鳥の市 2018

鳥の市 2018

なかないで、毒きのこちゃん

OFF OFFシアター(東京都)

2018/12/27 (木) ~ 2018/12/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/30 (日) 16:30

 Eを観た。最初期の2作品をまとめて上演で、メタ演劇の回だった。
「すーぱーうーまんちゃん」は唯一過去に観た作品で、「受付演劇」と名付けた作品だが、以前に観たときには、あるアクシデントで芝居に入り込めなかったので、今回は全体をゆっくり観られて満足。
「ループ サイド ループ」はまだ早稲田でやってるときの作品で、演出家が次々に変化するというメタ演劇そのものの展開が非常に面白い。

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