「4 1/2」 「キッチンドライブ」
劇団子供鉅人
ポコペン(大阪府)
2012/03/25 (日) ~ 2012/04/16 (月)公演終了
満足度★★★★★
可能性のかたまり!
築100年にもなろうかという古い長屋の台所と玄関先で演じられる、賑やかな不条理風演劇。同居男との関係に倦み、台所に引きこもる女のもとに、突如として現れた「パーティーの客」たち。その賑やかで自由なふるまいに、彼女の心は徐々にほぐされていきます。
どうにかしてかつての仲を取り戻したい(でも相手の気持は読めてない)男と、生活に倦み、苛々を止められない女のすれ違いには、大いに引きつけられるものがありました。女のいるキッチンと男のいる部屋を隔てているのは見るからに薄い壁1枚。それなのにどうしても分かり合えないということが、せりふはもちろん、それぞれの部屋で起こる出来事、その対比を通して巧みに伝わってきました。
深海のカンパネルラ
空想組曲
赤坂RED/THEATER(東京都)
2012/04/15 (日) ~ 2012/04/22 (日)公演終了
満足度★★★
ファンタジーと現実の交差点
宮沢賢治はよく取り上げられる題材ですが、とても難しい題材でもあります。表面的なファンタジーばかりに気をとられれば浅薄に、といってシリアスなテーマにばかり関心を向ければその世界は貧しくなってしまうのです。
空想組曲は、人間の心理、その葛藤のドラマを、ダイナミックな虚構(ファンタジー)の中で浮かび上がらせることを得意としています。今回の舞台では、ひきこもりの主人公の生きる現実界と「銀河鉄道の夜」の世界とが並行して描かれます。それは空想組曲の作風とも確かに呼応するもので、宮沢賢治をただのメルヘンにしない、面白い取り組みだったと思います。
また、小玉久仁子さんや牛水里美さんの存在感も絶品でした。
くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】
DULL-COLORED POP
アトリエ春風舎(東京都)
2012/03/14 (水) ~ 2012/04/08 (日)公演終了
満足度★★★★
「お母さん」という生き物
「お母さん」という生き物は、家族の中でも人一倍「よかれ」と思って行動する人なのではないでしょうか。その頑張りには当然、勘違いもあれば、間違いもある。この作品はそんな「お母さんの頑張り」の苦さ、痛さを克明に描き出しながら、「家族の絆」のあり方を鋭く問うものでした。
ストレンジャー彼女
tsumazuki no ishi
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2012/03/28 (水) ~ 2012/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★
死者と生者が出会う場所
「いま・ここ」にはいない人々の対話、ドラマを「いま・ここ」に呼び出す演劇は、そもそも一種の降霊会のようなものなのだと思います。それは、過去と現在が、虚構と現実が、同列に扱われ、語られる場でもあります。ですから命を扱ったこの芝居が、打ち捨てられたマンション建設現場で行われる「降霊会」の形をとっていることは、とても得心のいくことでもありました。
降霊会の会場は天上と地底とをつなぐ鉄製のエレベーター。参加者たちは、子殺しの母・クマコと地底人・ポールに導かれ、過去の凶悪犯罪の被害者、加害者、その死霊や生霊との対話を重ねます。愛のあり方や暴力について……時には詭弁めいた意見も交えつつ、しつこいほどに続くディスカッション。動きも少なく、どうしてもやりとりが観念的に思え、うまく飲み込めない部分も少なくはありませんでした。けれど、振り返ってみれば、あのしつこさには、通り一遍の善悪を超えた、人間の業に触れようという強い意志があった気もします。
終幕、クマコに殺された娘(の霊)は、その母を恨みつつ抱きしめます。(むろん、それもこの会に呼び出された幻にすぎないのかもしれませんが……)やはり、愛も憎しみも暴力も、一人の人間からは生まれないのですよね。他者の存在はいつも、喜びであり、哀しみでもある。
夢!サイケデリック!!
範宙遊泳
アトリエ春風舎(東京都)
2012/04/25 (水) ~ 2012/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★
夢の強度とその先
ふわふわしない、確かに奇妙な強度のある、おかしな「夢」の時間を体験しました。
一見キッチュ&ポップにごちゃごちゃと飾っているようで、実は(舞台面は)シンプル、という空間構成の妙が、移り変わりやすく荒唐無稽な「夢」の場を、うまくリードする役割を果たしていたと思います。そして俳優の佇まいもまた、「夢」というテーマに甘えない、不思議なリアリティを持っていて、魅力的でした。
とはいえ、ほぼ全編にわたる「夢」の時間は次第に無限のようにも思え、「アレ、今のコレはなんだっけ?」と目の前で起こっていることを見失ってしまう瞬間もありました。
翔べ翔べ翔べ!!!!!バナ学シェイクスピア輪姦学校(仮仮仮)
バナナ学園純情乙女組
王子小劇場(東京都)
2012/05/24 (木) ~ 2012/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
だまし討ち!かと思いきや……
3度目のバナ学体験。客席に用意されたレインコートのあまりの薄っぺらさに、バナナ慣れした観客への「舐めてんじゃねーぞ」な警告メッセージを感じた私は、のっけからかなりの防御テンション。確かに水とワカメの量や勢いには、「後方席だからといって許されるわけではない」という気合いを感じました。しかし、「シェイクスピア」というお題があったせいなのか、全体としては実は「やや大人しい」作品だったと感じています。
【耳のトンネル】満員御礼!ありがとうございました。
FUKAIPRODUCE羽衣
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/03/09 (金) ~ 2012/03/19 (月)公演終了
満足度★★★★★
人生とママをめぐる大人の旅
羽衣といえば、汗みどろの、ちょっと粗削りな(?)パフォーマンスというイメージもあると思うのですが、今作はとても丁寧で、優しい、そう、ちょうど「ママの耳かき」的な愛らしさを持った舞台だったと思います。
作品全体が、あるミュージシャンの男が自らの記憶を題材に作ったコンセプトアルバムを紹介する……という設定になっているのも、単なる取っ付きやすさだけでなく、羽衣が一環して取り組むテーマ「生(性)と死」「記憶(と現在地)」にマッチして効果的でした。
オーシャンズ・カジノ
北京蝶々
王子小劇場(東京都)
2012/04/18 (水) ~ 2012/04/30 (月)公演終了
満足度★★★
アンコちゃん奮闘記に期待
主人公アンコの爆走キャラと帯金ゆかりさんのエネルギッシュな演技、存在感が今も鮮やかに蘇ります。(ダメな)彼氏大好きパワーで、現代社会の暗部がほの見えるヤバい場所についうっかり足を踏み入れちゃう「アンコ」シリーズもいけちゃうかもしれませんね。
女子は可愛いし、演出も賑やか。サービス精神にあふれた舞台でしたが、正直もう少し緩急が欲しかったです。カジノの場面の華やかさや時折挟まれるギャグも、あまりにも「全力投球のサービス」の気合いに満ち満ちていて、ここまで完成度を高められるならむしろ、人と人の関係を見、せりふを聞く余白も持ちたかったなと思うのです。そういうところにこそ、エンターテインメントの奥行きは現れるのではないでしょうか。
「カジノ利権と地域経済」というテーマをエンターテインメントに昇華しようという心意気は大いに買うところです。脚本の執筆前には取材もされたとのこと。であれば、(ディテールでも構わないのですが、)この問題について、もうひと息深い、オリジナルの視点を押し出して頂けると、いっそう野心的な作品になったのではないかと思います。華やかさと勢い、分かりやすさの中に、社会性が埋没してしまった感がありました。
珍しい凡人
箱庭円舞曲
駅前劇場(東京都)
2011/05/04 (水) ~ 2011/05/11 (水)公演終了
満足度★★★★★
「ニヒル」ではない、問題提起
平凡な人の平凡な生活に潜む悪意を描いて見事でした。
そしてそれは、非凡な人の平凡な悪意を嫌味なく描くことなしには成立しないものだったとも思います。
たくさんの悪意や欲望にさらされて、右往左往する主人公の兄弟。でも実は、この場で明らかになってくるのは、「被害者」風でもある彼ら自身の悪意、そして、いつでも「他者」として生きていたいという愚鈍な態度でもあるのです。
「当事者性」とはなにか。この問題は、震災直後のさまざまな議論を思い起こさせますし、その問いは今も、私達の目の前に置かれています。
ですから、この芝居に簡単に感情移入しようとすると痛い目を見る。では、だからといってこの芝居は、悪意を露呈させて笑う「ニヒル」な作品だったのでしょうか。少なくとも私はむしろ、これが「ニヒルではない」ところが好きなんですけどね。
グンナイ
万能グローブ ガラパゴスダイナモス
イムズホール(福岡県)
2011/05/28 (土) ~ 2011/05/29 (日)公演終了
満足度★★★★
ウェルメイドもダークもまだまだいける!?
噂のガラパゴスダイナモス@福岡を初観劇。
まず目に飛び込んできたのは、客席の盛り上がり具合。中ホールにいっぱいの、それも若い(10代とか)お客さんにビックリ。物販コーナーも賑わっているようだったし、これだけやれて現場のスタッフも若い、とくれば福岡の演劇にも夢があるなぁと思わざるをえません。
横広の舞台にいっぱいに組まれたセットも今どき珍しいほど本格。して「正統派コメディー」との呼び声高いカンパニーの芝居ですが……、こちらははじめのうちこそ「笑いをとりにくる」気配いっぱいだったものの、次第に狂気をはらんだ展開に。どうやら今回は、カンパニーとしては「いつもと違う」ことに挑んだようでした。
楽しかったはずの同窓会が一転、過去の過ちを掘り返し、蘇らせる場となっていく。終盤近くの野球の試合再現の場は、過去と現在をつなぐ、とても演劇的な演出で、心打たれるものがありました。
グラデーションの夜 《群青の夜》 《黒の夜》 《桃色の夜》
KAKUTA
アトリエヘリコプター(東京都)
2011/04/13 (水) ~ 2011/05/01 (日)公演終了
満足度★★★★
広がりのある企画、広がりのある客席
「黒の夜」と「桃色の夜」を観ました。
これはただ単なる「小説の舞台化(リーディング)」ではなかったようです。
「文章を読む(音読する)」ということ、「せりふを話す」ということ。この企画は、二つの違った表現が作り出す波を使って、「読書」の時間、その世界を舞台に再現しようとしていました。
小説と、それを読む時間、そしてその時読み手の脳内に広がった世界……それらが同時にそこにあるような。
だからこそ観終わった時の感覚は「体験型」に近いというか。
裸の女を持つ男
クロムモリブデン
シアタートラム(東京都)
2011/04/16 (土) ~ 2011/04/24 (日)公演終了
満足度★★★★
直線状の狂気
ドラッグにかかわる二つの事件をきっかけに、より悪く、よりおかしな方向へと地すべりを続ける物語。よくある芝居では、その様相は「アリ地獄」とか「デススパイラル」と表現されるのだろうけど、クロムモリブデンの場合はちょっと違う。ある場面は歯切れよく、しかし継ぎ目なく別の場面へと移動していき、その移動の無機質さ(とその繰り返し)が、一種の狂気を醸成する。
私は、このいわば「リニアな狂気の描き方」こそが、l今回の作品の肝だったのではないかとおもっています。
演出的にもアンサンブル的にももっとも光るシーンが、映画「サイコ」を模した逃走(移動)シーンだったこともしかり。そしてもしかしたらこれは、クロムモリブデンの表現の特色、核でさえあるのかもしれません。
湯煙の頃に君を想う 舞台写真UPしました!!!
ホチキス
テアトルBONBON(東京都)
2011/04/13 (水) ~ 2011/04/19 (火)公演終了
満足度★★★★
様式美です、これはもう。
あまりにも秀逸であほらしいオープニングに思わず声をあげて笑ってしまいました。バカだね~。
火曜サスペンス劇場的なものの、基本をきっちりおさえた配役、演技。俳優みんなが「それ顔」になっているところ、またそれとはちょっと外れたところにいる小玉さんのおもろせつない存在感に感銘すら受けました。
また、2階建てにしたセットと併せた動きの作り方をはじめ、演出の工夫も行き届いているなと思いました。
ローヤの休日
ゲキバカ
王子小劇場(東京都)
2011/03/16 (水) ~ 2011/03/27 (日)公演終了
満足度★★★★
大真面目に「ゲキバカ」
「ゲキバカ」というちょっとこっぱずかしい(?)劇団名にふさわしい、真摯な作品だったと思います。ダンスシーンについても最初は「唐突な盛り上げ?」とも感じましたが、劇の構造が分かった時点で「なるほど」と腑に落ちました(これをどこで気がつかせるかというのも難しいところだとは思いますが)。
ネズミ狩り
劇団チャリT企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2011/03/03 (木) ~ 2011/03/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
老練!? じんわり沁みる芝居
地震の翌日に観劇しました。
上演を決行するかどうかにも賛否があったと聞きましたが、避難経路の説明等も含め、丁寧な前説もなり、なにより単純に「劇場に集う」という体験を再発見する機会になりました。
犯罪の被害者と加害者、それぞれの事情やわだかまり、希望や絶望を丁寧にすくいあげる社会派ドラマ。小さな蕎麦屋の日常にある、希望や信念、諦念は、この複雑な社会をそのまま映しているのでしょう。構図そのものは比較的単純のようにも見えますが、ちょっとした笑いや生活のディテールが引力となって、最後まで存分に楽しめました。
現実社会がそうであるように、この芝居もまたやりきれない想いを残したまま終わります。ですが、少なくとも、そうした切なさと、それでも続く日常を見つめる視線には、演劇の希望があるような気もします。また、俳優の魅力もじわっと楽しく味わえる公演だったと思います。
テノヒラサイズの致命的誤謬
テノヒラサイズ
駅前劇場(東京都)
2011/03/09 (水) ~ 2011/03/13 (日)公演終了
満足度★★★
捲土重来?再上陸を期待して
明るいドタバタを通じて、ある集団に参加する人々の個人的事情を紐解き、集団における彼らの「ふるまい」を注視していく……のだけど、やっぱりドタバタもしちゃうよ!、というコメディー。キレがよく明るい演技には、このごろの口語演劇にはあまり見られないサービス精神と潔さを感じました。
レタス工場のサークルの話、のはずが、どんどんと宇宙サイズの物語へ変わっていく展開は、破天荒というかなんというか……なかなか追いつけないなぁとも思ったのですが、その飛躍自体は楽しかったです。
ボイスパーカッション、パイプ椅子をつかったフォーメーションで見せる場面も巧みです。宣伝等でもアピールされているようでしたが、似たような演出をされる他の芝居(といってもそれほど経験はないですが)と比べても、完成度は高いのではないでしょうか。
明るくて、ヒューマンなのに、「ふるまい」に着目するなんて、どこかちょっとだけ(SFらしい?)醒めた視線が入る辺りに個性も感じさせる集団。欲を言えば、で、あるからこそ、今以上に、このオリジナリティのある作風もどんどんアピールし、育てていただけるといいかも!と思いました。
公演中止で、結果的に数少ない観客の一人、になってしまいましたが、今後のリベンジにも期待しつつ、書いておきます。
サザンカの見える窓のある部屋
カムヰヤッセン
小劇場 楽園(東京都)
2011/03/03 (木) ~ 2011/03/06 (日)公演終了
満足度★★★
温かい小品
記憶を外部化し、保存・編集できるようになった近未来の物語。消去されてしまった記憶はどこへ行くのか、家族をつなぐ絆を復活させることはできるのか――。
こじんまりした空間で、劇団5人だけで挑んだ小品。
やさしい雰囲気の漂う作品で、かつ丁寧に作られているなと感じました。
「したごころ、」【満員御礼!千秋楽を無事迎えることが出来ました!】
エビス駅前バープロデュース
エビス駅前バー(東京都)
2011/02/25 (金) ~ 2011/03/20 (日)公演終了
満足度★★★
ちょっと気恥ずかしいけど、アリです
バーを舞台にした恋物語を本当のバーで。
それは正直気恥ずかしいとも思ったのです。だって、恋物語だし……ねぇ…。
ですから最初は俳優と観客の距離の近さも含め、どこに身を置いていいのか……という気もしました。が、物語の後半には「どうなるのかなぁ」などとちょっと思ってしまう自分もいたんですね。驚きました。
愉快犯
柿喰う客
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2011/01/07 (金) ~ 2011/01/16 (日)公演終了
満足度★★★★
めくるめいて愉快
ワークインプログレス公演では、温かくフレンドリーに観客を迎えつつも、「ご意見拝聴」とか「ファンサービス」よりはむしろ、「観客を入れて自分たちの芝居を確認する」ことに軸足をおいている、そのワガママで真摯な姿勢に感心しました。
そして迎えた本番。
正月らしくスコーンと突き抜けた舞台でした。
大胆かつカラフルな(かつ俳優の体力を確実に奪いそうな)セットに目を奪われ、いつも以上にテンションの高い演技に、あっという間に巻き込まれました。
ハッピーでラッキーな琴吹家を襲う不幸の連鎖の物語は、猛スピードでゴロゴロと展開していきます。その原動力となるのはもちろん、俳優。極端に力の入った濃い&キレのいい演技(セルフパロディー?)は、にもかかわらずどこかカワイイ。つまり嫌味がない。これは得がたいことだと思います。
表層が勢いよく渦を巻き、その中心は空洞で、しかしブラックホールのような底知れぬ闇を湛えてもいる――というのが私が考える柿の表現の特色です。ですが、今回はその空洞がどんなものであったのか、いまだにちょっとモヤモヤするところもあります。今回はむしろ、勢いやネタの遠心力に賭けた演目だったということでしょうか。それももちろんアリ。
でもこういう公演があったからこそ、いつかその空洞の中に、本当の「手の内」のようなものを見たいとも思いました。これだけのことができる集団ですから、そんなものが出てきたら、本当にオソロシイ。楽しみです。
露出狂
柿喰う客
王子小劇場(東京都)
2010/05/19 (水) ~ 2010/05/31 (月)公演終了
満足度★★★★
ベタの極限に現れる闇
女子高サッカー部の「チームワーク」のありようと、その栄枯盛衰変遷を描く、ハイテンション・エンターテインメント。でも、その先に表現されたのは、言い知れない「闇」のようなものでもあったと思います。
耳の中で残響が唸るほどのハリハリの発声、かえって眩暈がしそうにキレキレの身体。そして分かりやすい(気がする)ストーリーと様式美といってもよいせりふまわし、下品なイディオム……そのすべてが<完成形>に向かっていく充実感がここにはあり、私たちはついこの<祭>にのせられてしまいます。