露出狂 公演情報 柿喰う客「露出狂」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ベタの極限に現れる闇
    女子高サッカー部の「チームワーク」のありようと、その栄枯盛衰変遷を描く、ハイテンション・エンターテインメント。でも、その先に表現されたのは、言い知れない「闇」のようなものでもあったと思います。

    耳の中で残響が唸るほどのハリハリの発声、かえって眩暈がしそうにキレキレの身体。そして分かりやすい(気がする)ストーリーと様式美といってもよいせりふまわし、下品なイディオム……そのすべてが<完成形>に向かっていく充実感がここにはあり、私たちはついこの<祭>にのせられてしまいます。



    ネタバレBOX

    ですが、この「チームワーク」という祭にも終わりは訪れます。卒業という儀式(これも祭のひとつかもしれないですね)を通して、別の世界へ踏み出す時、それまで拘泥してきたコミュニケーションはどのように各々の中で継続、あるいは相対化されるのでしょう。

    舞台は、卒業の別れと変化を受け入れられない(自己愛の強い)生徒の回想とも現実ともつかぬ「入部」のシーンで終わります。彼女の笑い声が響く、ちょっと不穏なラストシーンに、コミュニケーションの病(それは決して、この、彼女だけのものではなく、現代に生きる皆の)のようなものをを嗅ぎ取ってしまうのは、ちょっとうがちすぎでしょうか。

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    2010/06/01 12:01

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