てっくぱぱの観てきた!クチコミ一覧

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悪魔を汚せ

悪魔を汚せ

鵺的(ぬえてき)

サンモールスタジオ(東京都)

2019/09/05 (木) ~ 2019/09/18 (水)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/09/12 (木) 14:00

115分休憩なし。
いろんな見方が出来る作品だと思うが、深く印象に残ったのは、三兄弟姉妹の生き方へのスタンス。場をひっかきまわしているのは、常に末っ子の佐季。でも、最後まで、どこか彼女を憎めない。むしろ、家族がどうしようもない血筋で、絶対的な「悪」であるならば、そこから逃げよう、逃れようとする行為は、実は自然なことではないか、とさえ思えてくる。そんな善悪の境界を考えさせられた。

ルイ・ルイ

ルイ・ルイ

快快

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2019/09/08 (日) ~ 2019/09/15 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/10 (火)

105分休憩なし。
どこか現実なのか、夢なのか、あるいは、過去なのか、未来なのか、どんどん区別がつかなくなっていき。劇場で「創る」事と「観る事」の区別、「演じる」事と「日常」の区別も、徐々に曖昧に。いろんなものの境界線を揺るがせるような、そんなお話。劇中のラジオ番組の「ルイルイ」と同様、観客の脳内、あるいは心に直接、語りかけてくる感覚なので、ストーリーを追いかける事にそれ程意味はなさそう。ただ、舞台で共有した感覚、感情、浮遊感みたいなのを、後々思い出せるようにスケッチ的に書き留めたくなる。そんな舞台だった。

おへその不在

おへその不在

マチルダアパルトマン

OFF OFFシアター(東京都)

2019/09/04 (水) ~ 2019/09/16 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/04 (水) 20:00

95分休憩なし。
マチルダアパルトマンの世界は、基礎体温が、基礎代謝の熱量が、とてつもなく低い、という事。少しズレた変な世界の表現なのに、熱量で押し切ってこない。演技力の確かな役者さんが集まっている事もあり、物語の骨格はしっかりと、組み立てていくものの、その熱量は常に低く、淡々と、淡々と、淡々と進む物語。しかも、その変な世界の中で生きる人々は、何だかみんな「まあ、そんなものでしょう」と、境遇というか状況を引き受けている感覚がある。不思議な作風を持っていそうだな、と感じた。
「おへそ」が何のメタファーだとか、これは暗に何を言いたい、とかいう、物語の解釈を楽しむ方法も、あるとは思うけれど。物凄く低~い熱量で、人なつっこく忍び寄ってくるので、メタファーとか、テーマとかを、真剣に考えよう、というのは何処かに吹き飛んでしまう。むしろ考えずに、感じているのが楽しいでしょ、という感覚だった。

『瓶に詰めるから果実』『プラスチックは錆びない』

『瓶に詰めるから果実』『プラスチックは錆びない』

埋れ木

北池袋 新生館シアター(東京都)

2019/08/28 (水) ~ 2019/09/03 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/08/29 (木) 19:30

『瓶に詰めるから果実』100分休憩なし。
人は優しいし、強い。強さで、戦う必要があったって、それでもやっぱり優しい。そうやって、バランスを取りながら生きて生きればいいな・・・そんな事を考えさせられながら、うっすらと涙する、芝居だった。

『瓶に詰めるから果実』『プラスチックは錆びない』

『瓶に詰めるから果実』『プラスチックは錆びない』

埋れ木

北池袋 新生館シアター(東京都)

2019/08/28 (水) ~ 2019/09/03 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/08/28 (水) 19:30

『プラスチックは錆びない』観劇。95分休憩なし。
人間がある場面にいる時に出てくる、すごく細かな「感情」を取り上げて、それを膨らませて物語を紡いでいく感じ。他の作家にはない作風。結果的には、誰が誰に惚れた腫れた、という、恋心の感情が、物語のメインのになっていく。何だか妙に予定調和的で、妙にセリフの声量がデカい、台本のある「テラスハウス 埋れ木伊豆編」を観ているような、そんな感覚に陥ってしまった。前回作で少し期待値を上げ過ぎたかな。

さよならはめざめのあとに

さよならはめざめのあとに

劇団ハッピータイム

北池袋 新生館シアター(東京都)

2019/08/22 (木) ~ 2019/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/08/24 (土) 18:30

110分休憩なし。
全編アクション、殺陣がたくさん盛りこまれていて、追いかけているだけでも迫力があり楽しい。半分くらいは、アクションシーンだったんじゃないか、という印象。舞台の狭さもあってか、1シーン1シーン細かく観ると若干の粗さは否めないものの、役者たちの拳や刀での交わりを観ているだけで、物語のラストまで運ばれてしまうような舞台だった。

ナイゲン(2019年版)

ナイゲン(2019年版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/08/22 (木) ~ 2019/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/08/24 (土) 14:00

135分休憩なし。
ミクドク版ナイゲンに続いて、二度目の本作。「ナイゲン」という脚本の、会話の要素をかなり丁寧になぞっている印象もあり、「内容限定会議」が置かれている状況は心の底からよく理解できた。開演1時間位、それぞれのキャラクターが浮き彫りになってくるあたりで、客席も、役者さんも、役者さん同士の関係も、ノッてくる。後半は、畳みかけるように展開する状況が、鮮やか。かなり会議に入り込んでしまっている自分に気が付いた。

肉体だもん・改

肉体だもん・改

劇団ドガドガプラス

浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)

2019/08/17 (土) ~ 2019/08/26 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/08/19 (月) 19:00

155分、休憩10分休。
見栄切りあり、歌あり、ダンスあり、お色気もありで、観ていてその場の雰囲気を楽しむ芝居。あー楽しかった、の、155分でした。

失われたい命

失われたい命

nagana-wa

STスポット(神奈川県)

2019/08/15 (木) ~ 2019/08/18 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/08/17 (土) 13:00

120分、途中休憩10分含む。
120分芝居で2幕あることに驚いたが、一つの物語を、1幕、2幕で、別の視点からとらえるお話の構成はとても面白い。特に2幕で、これはいったいどのようになってしまうの?という前のめりの感覚あり。
一方、物語の構造から仕方ないのか、演劇的にはちょっと刺激が少なすぎた。サスペンス要素が強いので、火曜サスペンス劇場的になってしまったのが残念。人の死に対する、非常に深いテーマを扱っているにもかかわらず、その扱いに一貫性がないのも残念。

発表せよ!大本営!

発表せよ!大本営!

Aga-risk Entertainment

駅前劇場(東京都)

2019/08/15 (木) ~ 2019/08/20 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/08/15 (木) 19:30

130分休憩なし。
・・・まあよくもこういうシチュエーション展開を考えるよなぁ、なコメディ。爆笑のコメディの中に、日本の戦争時代の愚かさをしっかり描いている。二重構造、三重構造の、笑いや皮肉がある。この多重層の笑いと感動が、キッチリと構築されているのが、アガリスクらしくて面白い。今後、コメディの傑作として、今後いろんな団体で、長く上演されていく作品になるのではないかと思う。

夢見る喜世子レヴュー

夢見る喜世子レヴュー

ピストンズ

王子小劇場(東京都)

2019/08/15 (木) ~ 2019/08/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/08/15 (木) 15:00

110分休憩なし。
戦後すぐの、パンパン・ガールを被写体として納めた写真展を見たことがあるのだが、その世界が立体化してきたような舞台だった。舞台の女優たちが生き生きとしてて、そして哀しかった。喜世子という存在のメタファーを考えると、胸が痛まずにはいられない。

キャンプ荼毘

キャンプ荼毘

ひとりぼっちのみんな

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2019/08/14 (水) ~ 2019/08/18 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/08/14 (水) 19:30

75分休憩なし。
モラトリアムを引きずっているアラサー直前の主人公の、内面の物語。舞台の流れ、テンポも良く、観ていて飽きずに観劇。自信や自己肯定感を持てない内面の吐露は、いろんな人の共感を得られるはずなのだけれど、何だかピースの足りないパズルのような、強烈な物足りなさを感じた。女性視点だと心の響く作品なのか、あるいは、作者が主役を演じている事と関係しているのか、と考えるも判然とせず。内面の吐露を、表現として提示する物語へ昇華する際の、遊びの要素の欠如、か。

かっぱのディッシュ!

かっぱのディッシュ!

アナログスイッチ

サンモールスタジオ(東京都)

2019/08/07 (水) ~ 2019/08/13 (火)公演終了

満足度★★★★

105分、途中休憩なし。
冷静に物語の設定考えると、設定はかなり下らないのだけれども。客を醒めさせないためのディティールの積み重ねが絶妙。気が付くと「カッパと皿ワールド」に否応なしに巻き込まれてしまう。全体的に、緻密な会話劇ながらも、どこか全体的にのほほんとした、暖かい舞台。強烈な個性のように思えるのだが、観終わって考えるとシチュエーションコメディの王道のようにも思える不思議な舞台だった。
会話劇を構成する、役者さんのアンサンブルが観ていて素敵で楽しい。

月がとっても睨むから

月がとっても睨むから

Mrs.fictions

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2019/08/03 (土) ~ 2019/08/12 (月)公演終了

満足度★★★★

120分休憩なし。
私は、この物語は多層の赦しの物語、であると感じた。一つは、近未来の錦糸町を、どこかコミカルに寓話的に描きながら、一般的な取り返しのつかないことに対する「赦し」。もう一つは、許されざるも、あがなう事が出来ない事への「赦し」。後者のテーマは、どんなに奇麗に描いても、ある種のおぞましさを秘めていて。ただ、その表現をストレートではなく、層状にして表現することで、観客の感じ方の幅のバリエーションに対応していたように思う。どこか、悪人正機を思わせるような内容だった。

夏じゃなくてお前のせい

夏じゃなくてお前のせい

モミジノハナ

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2019/07/26 (金) ~ 2019/07/29 (月)公演終了

満足度★★★★

80分休憩なし。
性に対して、ストレートに、深刻になり過ぎずに描くストーリーは、演劇として観ていてとても爽快だった。一方、若者だからこそ悩むという視点も多く、40過ぎた私には、迷宮の入口へようこそ、という思いも感じた。作者が、40~50代で同じテーマを描くか、劇中にシニア世代を登場させた話を観てみたいと感じた。

僕たちへ、ぬかるむ町

僕たちへ、ぬかるむ町

演劇チーム 渋谷ハチ公前

小劇場B1(東京都)

2019/07/24 (水) ~ 2019/07/31 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/07/27 (土) 13:00

105分休憩なし。
ストレートプレイ。肉屋の裏の、どこにでもあるごく普通のさびれて黄ばんだ台所が舞台。舞台美術が素晴らしい。この世界観だけでも、まずは圧倒され。そんな緻密な世界の中で積み重ねられる、濃厚な会話劇だった。題材というか、シチュエーションは、それになりシリアスなのに、どこかコメディのような視点で、観客にも、醒めた眼差しで世界を見せているように感じる。

ファントム・ペイン

ファントム・ペイン

演劇集団TEAM ZERO

池袋GEKIBA(東京都)

2019/07/21 (日) ~ 2019/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/07/26 (金) 19:15

120分休憩なし。
この作品は、ある時代の真っただ中で、劇団が(要は第三舞台が)公演することに意味のある作品であるという思いがあったのだけれど。思いのほか、TEAM ZEROなりの演出が随所に施されていて、期待以上に楽しめた。特に冒頭とラストの氷川サキの独白が効果的だった。

暴走ちゃんの暴走

暴走ちゃんの暴走

革命アイドル暴走ちゃん

王子小劇場(東京都)

2019/07/10 (水) ~ 2019/07/16 (火)公演終了

満足度★★★★

本編30分。その他30分。概ね60分前後。
30分間、この世の事は忘れていた。頭の中が空っぽになった。とにかくその場で大騒ぎして楽しむ!のがよい。
これってもはや「ショー」「パフォーマンス」「ダンス」であって、「演劇」ではないんじゃないか、と。しかし、彼らは自ら「演劇」としっかりとうたっていた。演者が近くに寄ってきたとき、息切れてているのが分かり(物凄い運動量だろうから)。30分という時間。とにかく「爆発する!」という役を、皆が「演じている」のだろうなぁ、という事をふと感じる時間だった。

煙を抱く

煙を抱く

ピンク・リバティ

シアター711(東京都)

2019/07/09 (火) ~ 2019/07/14 (日)公演終了

満足度★★

110分休憩なし。
率直に言って、全く面白くなかった。脚本と、演出と、演技とが、チグハグなのだと思う。そして何より、脚本が独りよがりだと思う。ラスト1/3は、今までの伏線の回収を装って、話に意味をつけようとしているので、軽い怒りすら覚えた。チラシとあらすじをみて、これは絶対に面白いに違いない、と確信していただけに、残念。

ハムレット

ハムレット

しあわせ学級崩壊

BASS ON TOP 中野(東京都)

2019/07/07 (日) ~ 2019/07/10 (水)公演終了

満足度★★★★

60分。途中出入可。
率直に言って、「こんな表現の仕方があるのか」という感想だった。
私は、シェークピアは苦手だ。でも、マシンガンの弾のように役者から発せられるセリフは、「ハムレット」の憎しみや情愛みたいなものを、私の受け取れるリズムに変換してくれていて、体の中にもストンと入れてくれる。気が付くとリズムに合わせて、縦揺れで体を動かしながら、ハムレットに見入っている事が何度もあった。物語を観る、というよりも、物語を知っている前提という感じだった。

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