満足度★★★★
鑑賞日2019/09/04 (水) 20:00
95分休憩なし。
マチルダアパルトマンの世界は、基礎体温が、基礎代謝の熱量が、とてつもなく低い、という事。少しズレた変な世界の表現なのに、熱量で押し切ってこない。演技力の確かな役者さんが集まっている事もあり、物語の骨格はしっかりと、組み立てていくものの、その熱量は常に低く、淡々と、淡々と、淡々と進む物語。しかも、その変な世界の中で生きる人々は、何だかみんな「まあ、そんなものでしょう」と、境遇というか状況を引き受けている感覚がある。不思議な作風を持っていそうだな、と感じた。
「おへそ」が何のメタファーだとか、これは暗に何を言いたい、とかいう、物語の解釈を楽しむ方法も、あるとは思うけれど。物凄く低~い熱量で、人なつっこく忍び寄ってくるので、メタファーとか、テーマとかを、真剣に考えよう、というのは何処かに吹き飛んでしまう。むしろ考えずに、感じているのが楽しいでしょ、という感覚だった。