1
「あの怪物の名は太陽の塔」
The Stone Age ブライアント
半世紀前を舞台に、今につながる命の選別の始まりとなった「不幸な子供の生まれない運動」を推進する者と拒む者を通して、不幸を乗り越えようとする“それぞれの善意の行方”を描く
障害者問題について深く考えさせられたが、良くできたプロットでずっと暗いままで推移することはなかった
懐かしの70年万博、しかし小学校4年生の教室のテレビで開会式を観ていた頃は、まさかこのような問題が存在するとは知る由もなかった
キャスト熱演で感情の起伏が良く表現されていた
セットの緑が素晴らしく、ああ昔はこうだったよなと思う
衣装もこだわりの極致で、ウエスタンシャツやらパンタロン(当時はこう呼んだ)ジーンズ
結論を押し付けるのではなく、観る者に判断を委ねられた形かな
2
聖なる日
劇団俳小
最初のキャスト勢ぞろいの幻想的なシーンで心をつかまれる
最初と最後で呼応する「ランプをつけとくれ、夜が近寄らないように。世界に伝えとくれ、私たちはここにいるって。世界は見てやしないだろうけど。」とともに
良く考えられた舞台美術と照明、そして音楽
その中でキャストは個性的にふるまう
2時間40分はテンポの良い舞台展開で長さを感じなかった
しかし暗澹たる気持ちになる
そう、正義などないのだ
BLM運動が展開される中、時宜を得た上演
3
崩れる
アマヤドリ
最初は正直「これで2時間持つのか?」と思ったのだが、どうしてどうしてどんどん引き込まれて、あっという間の2時間だった。
究極の会話劇と言えるが、それぞれの感情表現が素晴らしく、実に面白かった。
セットもなかなか良くできていた。
4
丘の上、ねむのき産婦人科
DULL-COLORED POP
男性キャストが女性役、女性キャストが男性役を演じた回の初日を観る
産婦人科を舞台に6組のカップルの諸相を描くことにより社会の様々な問題を抉り出す
「自分と異なる性/生を想像する」というテーマに基づく男女入替えキャストも成功していた
惜しむらくは後半少し散漫になったきらいがある
観て考えて損はない
主宰からのあいさつ文にあった生の上演へのこだわりには大いに賛同
5
神様はつらい。 ご来場ありがとうございました。
演劇ユニットG.com
アトリエ第Q藝術の狭いスペースを実に上手く使った上演
3つの出入口をフル活用、庭も使い、そこでの見えない部分は壁にプロジェクション
冒頭から鳴り響くピンクフロイドの音楽がピッタリ
照明が印象的だった
内容はなかなか面白いコメディタッチのSF
キャストの表情が良かった
記憶に残るセリフは「美は終わりの中にある」
ステージと客席の間に間口いっぱいに上下少し開けただけのアクリル板を設置しての上演は大変だったろうな
6
疚しい理由2021
feblaboプロデュース
うーん、何が真実かわからなくなった
3人の台詞と表情だけでの勝負だが素晴らしかった
スリリングでどんどん引き込まれた
しかしやっぱり女は怖い
思わず台本買った
7
カミキレ
藤原たまえプロデュース
日常とは何だろう?
ふと考えさせられる
オムニバスがうまく組み合わさっていた