202
演劇ユニットZANNEN座
OFF OFFシアター(東京都)
2017/08/24 (木) ~ 2017/08/27 (日)公演終了
期待度♪♪♪
鵜濱咲紀と廣沢愛のお2人の劇団(そういう認識でした。違ったらごめんなさい)。
今回の出演者は結構多いですよね。稽古大変じゃなかったですか。
今回はOFFOFFでの上演ということで、下北初登場とのこと。玄関口ですね、いらっしゃいませ。
「202」は部屋の番号らしいという推測が飛び交っていますが、確かにチラシの写真はアパートの2階だわ。でも、内容が読めない。(読まれたらこまるか)
4回夏が過ぎたって?舞台で首を隠すのに大変だって?役名間違える役者が出るって?
演出・脚本・主役が148cmだって!
20歳代は遥か昔。息子や娘の時代でも観る気持ちで足を運びますかね。
雨季
演劇ユニットG.com
王子小劇場(東京都)
2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
正直、チラシを見たときは少し引いた。なぜなら、濃い。びしょ濡れの髭の大男と長いマツゲのグラマラスな女の抱擁は、夕食を1回抜きたいくらいだ。
ストルガツキー兄弟の作品は読んだことがないが、原作の「みにく白鳥」は2人が共に作家として専業になったばかりの頃の作品で、プロとして広く認知されたころに当たる。
しかし、結構発禁にもなっている中、よくぞ国内にとどまり続けて創作活動を続けたものだ。当局の監視も厳しかったのだろうな。
兄は日本文学研究者、弟は天文学者兼コンピュータ技術者。
この経歴だけで食指は伸びる。親密さとSF作品としての深みを漂わせる。
さて、興味はなぜ今、このけして日本でもあまり知られていない(と思う)小説を、舞台化するのか。それが一番。小説と舞台は異なる表現なので、タイトルを「雨季」としたことに何か意図はあるのかな。単に舞台を判りやすくしたのかしら。(「みにくいアヒルの子」と間違われて、親子連れで来られても困るし、ってチラシ観たら来ないわ!)
いや、まじめに知りたい。ということなら観るしかないのか。
SFの舞台は、予算をかけないとなるとアイデアが勝負。舞台装置がせこく感じられたり空想を招かないと、もうそれだけで世界に入り込めない。
まずはSFとして、そして現代で演じる意義に期待したい。
金色夜叉『ゴールデンデビルVSフランケンシュタイン』
劇団ドガドガプラス
浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)
2017/08/18 (金) ~ 2017/08/27 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
今回は金色夜叉、いつもの刀を、新作では、何に持ち替えてくれるのでしょう。高下駄?ダイヤモンド?それとも札束???
それにしても、劇場でチラシをもらった時は、あおのドガドガの芝居だとは、思いもよらなかった。だって、メカに裸夫に薄暗いトーン。いつもの華やかさが、微塵もないじゃないですか。でも、久しぶりに東洋館に行けると思うと、ちょっと胸が騒ぐなー。金色夜叉を英語訳するなんて考えもしなかったし、フランケンシュタインって何???とにかく「VS」となっているので、また舞台狭しと暴れてくれることでしょう。
期待してまっせ!
ルート64
ハツビロコウ
【閉館】SPACE 梟門(東京都)
2017/08/05 (土) ~ 2017/08/11 (金)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
ハツビロコウの舞台が、半年たらずのスパンで観れるとは意外です。年1回公演の劇団は情報を逃さないことに気を付かうのですが、そのように思っていると、今回のようにこんな早く公演をやるわけがないとスル―しかけてしまいます。気が張りますね。
でも、この短い期間での公演というのは、前作の例の爆破事件と今作の例の宗教団体事件、どちらも実際の事件を元ネタにしていることから、何か強烈にインスパイアされたことがあったのかもしれません。1作では語りきれないということが、鐘下辰男さんと松本光生さんを突き動かしたのかな。
やはり共〇罪?根は深そうです。拝見いたしたいです。
売春捜査官
稲村梓プロデュース
サンモールスタジオ(東京都)
2017/09/05 (火) ~ 2017/09/10 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
稲村さんのライフワーク化している「売春捜査官」。(いや、梓さんもそう認識されているのかな)前回からご本人の顔と劇団名が前面(全面)に出るようなって、その色は一層強くなったようです。
「熱海殺人事件」には様々なバリェーションがあるように、演出家も役者も掘り下げてみたい作品なのでしょう(当事者になったことがないので判りませんが)。
半年程度のスパンで演り続けるというのは、まだまだ稲村さんには引き出しがあるという自負なのか、それとも進化できるという自信なのか。
前回は2チーム制にし、今回は演出を春田純一さんから間天憑さんにシフト。やはり、単なる再演ではなく、何かやってみたい感が溢れていますね。
「観たい」「観てきた」コメントも半端ないことも、梓さんの原動力なのだと推察します。期待値はただただ高いです。
トレーディングライフ
ピウス
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2017/07/12 (水) ~ 2017/07/17 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
正直、説明書きを読むだけだと、主人公の背景こそ違えども「カイジ」?「ライアーゲーム」?などとまずは思ってしまう。こうした設定では、正義感を振り回されても冷めてしまうし、あまりえげつないと後味が悪くてどうしようもないで、バランスが重要なのは言うまでもないことだろう。
こうした通俗的な比喩や、老婆心を裏切ってもらいたいなあ。抽選予約の説明書きにも、ちょっとひねくれたような底意地の悪さを感じさせるし、チラシのデジタル的なコラージュの横顔は人を別の価値に異化させるたくらみが見え隠れする。
金額に換えられる人生で獲得したもの、っていったい何なのだろう。
ほころび
スポンジ
OFF OFFシアター(東京都)
2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
何とも情報がない。劇団のHPを見ても、どこを見ても、内容が判りません。
でも、HPはかなり作り込んでいるし見せ方に捻りが効いています。過去の上演記録を見ても、内容は判らないのだけれど記録としてはきっちり残してあって、好感というか興味というか、とにかくそそられることは間違いない劇団です。
フライヤーの妊婦さんも、今回出演の役者さんにはいないうようだし(といっても、役者さんの個別フォトはきちんと顔が見えるわけではないのですけれど)、じゃあ誰なの。「妊婦」がキーワード?その上でおなかの横の水仙みたいな文様は何か意図があるの?
「ほころび」ってことは、これから穴が開いたり、破れたりするんだろうね。補修は効くのかな。
まいっちんぐマチコ先生
舞台版まいっちんぐマチコ先生実行委員会
ブディストホール(東京都)
2017/08/17 (木) ~ 2017/08/20 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
快挙を喜ぶ。同時に暴挙にならないことを望む!
ブディストホールは、会場の位置や命名から察するとかなりお堅い感じがするのですが、過去訪れた演目を振り返るに、どうも喜劇や俗劇に寛容な気がしておりました。そしたら、ついに「まいっちんぐマチ子先生」ですと!演目審査はないんですね、やはり。何が何でも観に行きますよ。
ただし、キャラ物はイメージが重要なので、期待値を下げないように宜しくお願い致します。
うはは感で期待度MAX。
「クラゲ図鑑」
えにし
「劇」小劇場(東京都)
2017/07/06 (木) ~ 2017/07/09 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
12歳という多感な時期(あらゆる感性が適応と不適応の狭間で混在する時期)に、全く新たな環境(それが母の選択ゆえ)に入れられた主人公の心情は、想像しようとしても想像しきれないのだろうなあ。「くらげ」とは何の比喩なのだろうか。水分ばかりで、実態のほとんどない?ということなのかな。何かせつないな。
西村太佑さん、主催劇団の公演も直近なので、お忙しくされているのでしょうね。
Hexagram
アブラクサス
OFF OFFシアター(東京都)
2017/07/05 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
ジャンヌ・ダルクが実はユダヤ教徒だった!というのは無しですよ。(笑)だから、異端審問を受けたとか、ユダヤ人だったとかも(苦笑)
という冗談はさておき、この場合のタイトルは、単数でHexagramなのだから、やはり「ダビデの星」ということになるのでしょうね。
ジャンヌの調査に協力しない4人は、いったい何を隠しているのでしょうか。
舞台稽古の写真を見たり、ジャンヌが死んだ20年後の設定ということを考えると、重篤な会話劇になる予感があります。
何とも予測ができませんが、ひねくれ者の私めを舞台の上から叱りつけるような芝居を見せてください。
ひねくれた私を、舞台から驚かせてください。
学ばない時間。
グワィニャオン
【閉館】日暮里ARTCAFE百舌(東京都)
2017/06/23 (金) ~ 2017/06/25 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
今回は西村太佑さん出演せず、完全な裏方なのですね。まあ出演しなくとも、西村さんの演出なしには、グワィニャオンはありえないので、やはり見に行きたいですね。
グワィニャオンの喜劇は、大団円の狂騒こそあれ、けしてバカ騒ぎせず、よく練られた間と人物配置で笑わせてくれるところが肝だと思います。だから、不意打ちを食らわせられたように、一瞬とまどって笑ってしまうんですよね。
「Teachers,be ambitious」「一人の教師の行動により、コーラスは意外な出し物へと変化していく」この教師って誰が演じるのでしょう。
「ambitious」は「野心的」と訳すのが正しいのでしょうね。「出し物」って言葉も最近聞かないしなあ。グワィニャオンの下心をまた舞台で見せてほしいな。
ビザール~奇妙な午後~
一般社団法人 壁なき演劇センター
シアター風姿花伝(東京都)
2017/06/29 (木) ~ 2017/07/03 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪
シェークスピアもイプセンもチェーホフも悪くない。でも、今のヨーロッパの演劇を観たいと思っている演劇好きはたくさんいるはずだ。セルビアという、この20年のヨーロッパの象徴とも言える国の演劇を観られることは、まさに眼福と言えよう。
杉山剛志氏が、どのように料理してくれるのか、期待に胸が膨らむ。
七、『土蜘蛛 ―八つ足の檻―』
鬼の居ぬ間に
王子小劇場(東京都)
2017/07/05 (水) ~ 2017/07/10 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
「八つ足の檻」か、8本も足がありながら自由には動けないんだね。
そもそもは、古代に中央集権に従わない土豪を怖れと蔑みを込めて「土蜘蛛」と言ったのだとか。それが、妖怪の名前へと転化したと。
このような名前の経緯を思うだに、「土蜘蛛」という妖怪は人の怨から生まれたのかなと。土の底に巣くう人間そして化け物扱い。これは世を人を恨まずにはいられないよな。
じめっとした土の匂いを、劇場で嗅いでみたい。
ドグラ・マグラ
演劇企画集団THE・ガジラ
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2017/06/04 (日) ~ 2017/06/12 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
戯曲でなくても、ある作家の小説なりを舞台化すると知ると、無条件で観たくなる。私にとってその1人が、夢野久作である。小説を戯曲にする場合には、言わずもがなセリフを作らなくてはならないし、人物描写を身体表現に転換しなくてはならない。
作品世界を劇作家の「しこう」(嗜好、志向、思考)において演劇として動態化することは、自分のイメージとの軋轢と作家との共感性の混在を招き、その混沌が一層私にその作品を愛おしいものとさせる。
「ドグラ・マグラ」は、そうした感慨を招く、極北の小説の1つかもしれない。
観たい。
-平成緊縛官能奇譚-『血花血縄』
吉野翼企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2017/06/22 (木) ~ 2017/06/24 (土)公演終了
期待度♪♪♪♪
寡聞にして知らなかった。岸田理生が官能小説を書いていたなんて。有沢美喜明名で、数冊出しているのか。すでに絶版しているようだが、アマゾンを見ると、大陸書房やフランス書院という、王道出版社から出している。中古品がかなりの高額になっている。しかし、この出版社の中古書籍が高値を出すことなどないので、岸田理生愛好者には、この事実は常識なのかな。
Wikiにも書いていなかったけれど、今回の舞台がなければ一生知らなかったと思う。
確かに「身毒丸」「草迷宮」などを観ると、そうした素養が十分にあることは理解していた。しかし、むしろ性を抑圧的に描くことで、そこから滲むような欲望の「匂い」を感じさせる作風だと感じていたので、直截な表現もしている(であろう)ことには驚かざるおえない。
とても観たいな。
緊縛師はだれがやるのだろう、有末剛さんではないだろうし、記載がないし。
裸足で散歩
コメディの会
北池袋 新生館シアター(東京都)
2017/05/17 (水) ~ 2017/05/21 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
ニール・サイモンがひたひたと来た。今年に入り「名医先生」「23階の笑い」そして、あの「裸足で散歩」だ。これだけ有名なのに、上演機会が少ないように思えるし、「おかしな2人」とこの作品以外は、題名が出てこないという不思議な作家だ。
比較的初期の作品の軽快さに比べると、後半の作品はやや重いのかもしれない。「おあなかしな」も「裸足で」も、マンハッタンの軽快さが売りだものね。
映画のジェーン・フォンダは、おそらく彼女が一番かわいかったときじゃないかな。作品自体の印象は薄いのだけれど、彼女は爪先までがピンとしていて、とってもコケティッシュでかわいかったなあ。春日亀千尋さんは、失礼ながら存じあげないのだけれど、やはり比較期待しちゃうなあ。
今年は、ニール・サイモンの当たり年になることを祈りたい!
Rは決して爪を噛まない
かーんず企画
千本桜ホール(東京都)
2017/05/03 (水) ~ 2017/05/07 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
タイトルを拝見して『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』をお思い出した。Rは「ロボット」かもしれないけれど、人間のように振舞うとなれば「Replicant」でもあるわけで。
人間の複雑さに比して言えば、そうだよなあ、「爪を噛む」はプログラミングしないよね。だって、人間のバグみたいなもだしね。そもそも、意味がない行為なんだもの。
「決して」とまで言い切る意図を観てみたいなあ。
Die arabische Nacht|アラビアの夜
shelf
The 8th Gallery (CLASKA 8F)(東京都)
2017/06/02 (金) ~ 2017/06/05 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪
予定2017/06/02 (金) 19:00
ローラント・シンメルプフェニヒの舞台は観たことがない。私より若いし、(翻訳こそ少ないようだが)多作である(それだけ、表現するべきアイデアと市場ニーズがあるということだから)、ど真ん中の現代ドイツ演劇として観てよいのだろう。
情報によれば、舞台装置を排し会話劇を書く作家だという。彼の舞台を高等数学に例えるものもあるくらいだから、かなりな言語感覚を持っているようだ。こういう脚本の傾向として、言葉の壁によって、微妙なニュアンスが生じたり、失われたりするので難しいと思う。役者も演出家も神経を使うので、大変だろうと思う。翻訳は 大塚直氏のものらしい。日本語の翻訳は彼のものしか見当たらない。既存の邦訳なのだろうか。何か怖いもの観たさが首をもたげる。
比較的王道な作品をやっているようで、それでも何か癖を感ぜざるを得ない作品選び。Shelfの会話劇を楽しませて下さい。
『あぁ、自殺生活。』4月~6月/365
劇団夢現舎
新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)
2016/12/31 (土) ~ 2017/05/29 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪
不定期公演というと、劇団鳥獣戯画の「3人でシェークスピア」が著名だけれど、こちらは不定期というか流動的というか、それでも一応は1年間限定ということらしい。
(でも、チケット予約は5/10があるけれど、下のタイムテーブルにはなくて、チケットプレゼントには5/8がある。うわ、流動的!)
さてまず目に入るのが、何とも珍妙なチラシ。図画は作品と関係ないという。裏面の朔太郎の言葉を引けるくらいだから、ライターなのか演出家なのかとても「自殺」に蘊蓄があるのだろうと思う。そして「観てきた」を読んで一層興味がそそられた、へーそうなんだ。会話劇なのか、だったらじっくりと観てみたいなあ。
唐突に「天才バカボン」で「死にたい、死にたい」と言って歩いている男の話を思い出した。(彼を殺してあげようと、ムキになるパパがギャグになっている)
この舞台では、自殺の師匠が出てくるようなので、世はそう簡単に自殺させてくれないということなのかな。
大神家の一億
劇団ハッピータイム
ブックカフェ二十世紀(東京都)
2017/04/22 (土) ~ 2017/04/23 (日)公演終了
期待度♪♪♪
座席数40の小スペース。控え目なのか、それとも、、、。
過去にも、こうした言葉遊び(まあ、題名もじりというか)をした舞台は、幾つか観てまいりました。概して元タイトルの作品とは内容が全く異なる舞台がでしたのと(これは構わないのだけれど)、タイトルの満足度を取ったがゆえ、タイトルに話を強引に引き付けようとするのか、無理な展開の舞台が多い記憶があります(タイトルに振り回されずに展開していれば、もっとよい内容になったのではないか、と思われるものも少なくなく、残念)。
「1億」というのは、身代金のことのようですけれど、ごく普通の家庭に1億円の身代金要求は無茶じゃないかな。でも「犬神家の1千万」では締まらないし。
とはいえ、創立10周年を迎えた劇団ハッピータイムさん。開場中に小芝居(前振り?)をする用意周到さからも、年季はさすがに入っていそうですね。失礼ながら初見となりますが、タイトル負けしない舞台を願います。お手並み拝見です。
追伸:1日3回の連続公演、ハードでしょうから、体力付けて乗り切ってくださいね。