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2021年度 1-10位と総評
音楽劇 百夜車

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音楽劇 百夜車

あやめ十八番

実演鑑賞

音楽劇『百夜車(ももよぐるま)』30日18時開演予定のところ、機材トラブルにて10分遅れ。途中休憩10分込み157分。

開場時、天井近くまで積み上げられたセットに圧倒され
開演後、役者達が発する歌唱に心が震えた(歌唱のレベルは千差万別?だったが、全員が唄う場面は「ココは帝国劇場かぁ~!」と錯覚する?!程、痺れた。なお、溝口悟光さん、内田靖子さんの独唱は群を抜いていたと感心)。

まだ公演中につき、詳細は伏せるが、あるいは?と案じていた主要人物それぞれの"決着"に涙。
これまで観て来た、あやめ十八番さんの作品の中で、マイ・フェイバリットな舞台だった。

【補足】
木嶋佳苗の首都圏連続不審死事件が下敷きの本作。
「週刊明朝」の「実方融」記者が「清水謡子」と獄中結婚しようとしたエピソード、実際には、週刊新潮のデスクと獄中結婚している。

【配役】
清水謡子(しみず・ようこ。千葉連続不審死事件容疑者)
…金子侑加さん(演技は文句なし! 背中が寂しい…。歌唱は、一か所だけ、声出すのキツイかなぁ?と感じた瞬間があった)
清水詠治(謡子の腹違いの弟。檜垣に依頼され、裁判の傍聴記を書くことに)
…溝口悟光(みぞぐち・ごこう)さん(前作『江戸系 宵蛍』の学生さん役の方が、これほどまでに歌えるとは!)
清水響一(謡子の父親。国語教師。妻・奏恵をSMプレイの末、絞殺。謡子や詠治に”清水家の血の定め”を負わせる)
…中山省吾さん
清水奏恵(謡子の母親)/女囚…三廻部結衣(みくるべ・ゆい)さん

実方融(さねかた・とおる。週刊明朝記者)
…浜端ヨウヘイさん(取材対象のはずだった謡子に、次第に魅入られていく様を、静かに・熱く演じられた。大らかな歌唱に好感)
松風一美(融の婚約者)
…内田靖子さん(前作『江戸系 宵蛍』の粟国奈々子役。歌も踊りも素晴らしい!)
大原御幸(週刊明朝の編集長)
…蓮見のりこさん(前作の運輸大臣役に引き続き、剛腕な人物を演ずる)
檜垣純(週刊明朝の新人記者)
…永田紗茅(ながた・さち)さん(裁判を通して人間的に成長していく純を好演。柿喰う客でお馴染みの役者さん)

三井寺康人(みいでら・やすと。妻に対して異常な支配欲を持つ精神科医)
…谷戸亮太(やと・りょうた)さん(前作に引き続きご出演。嫌な人物を好演?)
三井寺由梨(康人の妻。陪審員として裁判に接するうちに、彼女の心の中に変化が…)
…大森茉利子さん(今回、個人的に一番シンパシーを感じた役柄を好演)

善知鳥葵(うとう・あおい。謡子の弁護士。裁判中、康人との愛人関係を、由梨に悟られて…)
…服部容子さん
求塚明彦(もとめづか・あきひこ。検事。密かに大原編集長と情報のやり取りをしている)
…松浦康太(まつうら・こうた)さん

桜井絵馬(未決囚。出所後、謡子から託された手紙を詠治に届ける)
…田久保柚香さん(アレ?今日31日に観に行く舞台にも出演している気が?…w)
水無月達平(連続不審死事件・最後の被害者。黒塚の寺の檀家)…酒井和哉さん
黒塚庄司(千葉拘置所の教誨師)
…岡本篤(おかもと・あつし)さん(この2月、お隣りのシアターイーストでの『帰還不能点』に出ておられた役者さん)

女囚/刑務官、他…河西美季さん
女囚/被害者・淡路の妹、他…中野亜美さん(前作から引き続いてのご出演)
女囚/由梨のフォロワー、他…佐々エイミーさん
記者/被害者・淡路…渡邉力さん
記者/被害者・井筒…田邉将輝さん
記者/被害者・鵜飼…豊田陸人(とよた・りくと)さん
記者/被害者・江島…高村颯志(たかむら・そうし)さん

【音楽】
Pf.吉田能さん
Perc.吉田悠さん
E.B.藤野“デジ”俊雄さん
Vo. /女囚…高岡由季さん(こんにゃく座の「歌役者」さん)
Fg./裁判官…池田海人さん

ドント・コールミー・バッドマン

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ドント・コールミー・バッドマン

24/7lavo

実演鑑賞

14日19時開演の初日舞台を拝見。

3人の男性を軸にした各々のストーリーが、やがて1本の線でつながり…なんだけど、胸の奥の古傷の痕をピーラーで剥いでいくような展開に、観ていて只々心が痛い・いたい・イタイ…。
公演中ゆえ、結末については伏せますが、終演後、充足感に浸れる、見応えのある115分でした。

【追記】
初日(14日ソワレ)の舞台が心に深く突き刺さったので、19日19時開演の大楽を、おかわりもう一杯!
でっ、さすがに2度目ともなれば、精神的にキツい場面も、事前に心構えをもって臨めたので、どうにか無事に帰宅の途につけた。

本作品、大劇場でも・お洒落なカフェでもなく、シアターミラクルという小劇場演劇の小屋そのもの空間で上演されたからこそ、舞台の熱気というか情熱といったものが客席に伝わって来たんだろうな、と改めて思い知らされた115分。

【配役】
<劇団>
オシム(劇団主宰で脚・演。”オシム”の呼び名の由来は、サッカーの監督ではない)
…平井泰成さん(吉祥寺GORILLAの公演は勿論のこと、先月も「ゲンチアナ」で拝見した役者さん。今回の苦悩する役柄がすっかりハマってたなぁ)
アール(良い舞台を作るためには周囲との衝突も辞さない、うるさ型の照明)
…音峯大樹(おとみね・だいき)さん(最後まで顔がよく見えなかった、劇団いいのか・・・?の公演で拝見したことのある役者さん)
マキ(主演女優だが、細かいところで引っ掛かり・引っ掛かり…)
…鳥居志歩さん(キャットウーマンな装いがあまりに似合い過ぎて、登場時、思わず「ホー」と声が出そうになった。生真面目過ぎる女優役を好演。2年前の『天国への登り方』「平山真由」役以来の女優さん)
転売バイヤー役の男優(大らかだがマゾ)
…村松ママンスキーさん(何度も舞台を拝見しているお馴染みの役者さん。相変わらず巧いなぁ)
ハルカ(ポリシーを持った、公演の製作)
…冬野泉さん(『辺獄の葡萄』の「シキミ」役以来の役者さん)

<喫茶店、他>
ちゃんみ(高齢者介護の専門学校生)
…寺園七海さん(ベレー帽がお似合いの、この作品の裏の主人公!)
まめたろ(マッチングアプリでちゃんみと知り合う、さえない勤め人だったが、実は…)
…瀧啓祐(たき・けいすけ)さん(こわっぱちゃん家の公演でお馴染みの役者さん)

<中学時代>
ナギ先生(シマダのクラスの担任。挫折を味わって来た教師3年目)
…田中園子(たなか・えんこ)さん(演じられた”自我を守るために、すっかり醒めてしまったオトナ”、世間には大勢いますよね)
シマダ(転校時の挨拶でケチがつき、周囲のイジメの対象に)
…河西凜さん(正視できない程、痛々しい役柄を熱演)
コナカ(シマダの隣りのクラスの生徒。シマダと推しバンドが同じ)
…杏奈さん(シマダの心の支えとなる女生徒を好演。だからこそ、最後のシーンは…)

『つやつやのやつ』と『ファンファンファンファーレ!』

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『つやつやのやつ』と『ファンファンファンファーレ!』

ムシラセ

実演鑑賞

フライヤーの出演者横並びの写真に惹かれて、8日19時半開演の初日舞台(110分)を拝見。

初日なので詳細は伏すが、前半の『つやつやのやつ』・後半の『ファンファンファンファーレ!』の2本共、笑ったり・しんみりさせたり・ほっこりさせたり…と観客の感情を間断なく揺り動かす、粒よりの作品だった。
間違いなく、今年の私的ベスト10に入る充実した観劇時間を過ごせた。

それから、脚本が良かったのも勿論だが、その脚本を活かし切った熱演・好演の演技陣のうち
前半の『つやつや…』は
『ノスタルギヤ』(2018)以来の山崎丸光さん(第一声でハッとしてキャスト表に目をやったら…!)
後半の『ファンファン…』は
ここんとこ立て続けに出演舞台を観ている永田紗茅さんと
過去2回、舞台を拝見している柴奏花さんとが
とりわけ印象に残った。

【配役】
『つやつやのやつ』
吉光(売れない漫才師。プライドは高いが先輩には媚びを売る)…山崎丸光さん
津田(吉光の相方。愛想の悪い天才肌故、時代が彼の才能に追いついていない?!)…辻響平さん
安楽亭おすし(大御所芸人だが物忘れがひどい)…山森信太郎さん
カブキ姐さん(ベテラン芸人)
…菊池美里さん(『バクで、あらんことを』B班・大人モリコ役以来)
ちあき(吉光の元カノ。次は安楽亭おすし狙い?!)
…瀬戸ゆりかさん(『ツヤマジケン』(2018)前上ヒロコ役以来)
ウィスパー髙木(今の事務所では吉光の後輩芸人だが、実は芸歴は先輩)…つかてつおさん

『ファンファンファンファーレ』
チカ(亡くなった推しをひたすら追慕する)
…永田紗茅さん(『私、めんどくさい』『音楽劇 百夜車』と立て続けに拝見)
ゆかり(チカの親友)
…柴奏花(しばかなか)さん(『DGURA MAGRA-ドグラ・マグラ-』『疫病流行記』で拝見)
山口(元・漫才師。今はお笑い事務所の社員)
…鈴木研さん(先月『どうしよう 孤独だ 困ったな』で拝見したばかり)
朝海(きぬの唯一の親友)
…中野亜美さん(『音楽劇 百夜車』でも感じたが、背筋がスッと伸びた立ち姿が美しい)
きぬ(お笑い大好きな出待ち。いつまでも朝海と一緒にいたい!)
…谷川清夏さん(メガネ顔で気づかなかったが、『IN HER TWENTIES 2020』20歳役の役者さんだぁ!)
サツキ(きぬ・ゆかりとつるんでいる出待ち)
…土橋銘菓さん(今回は声の出演。『暴走ちゃんの暴走』以来)

熱海殺人事件「売春捜査官」

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熱海殺人事件「売春捜査官」

salty rock

実演鑑賞

11日19時開演回を拝見(90分)。

開演と同時に、真横の花道を駆けていった、思いがけない華奢な背中に驚く!
あの後ろ姿…2010年に初めて舞台で観た時の、伊織夏生さんなんだよなぁ。
でっ、それからの上演時間90分、出演者4名の目の前で展開された壮絶な運動量で、”華奢な背中”の理由が納得させられた。

しかし、それにしても、アノ絶叫芝居を、コロナ禍の今、客席とのソーシャル・ディスタンスを確保した上で、会場の手狭な空間で果たしてやれるの?という事前に抱いた疑念も瞬殺!
ボクシングのタイトルマッチじゃないが、ほぼ終始、コーナーサイドでの台詞の応酬は、小道具の配置(ぶら下がり戦法?!)、アクティングエリアの狭さを逆手にとった崖での李大全と大山金太郎の取っ組み合いの描写、等を含めて、密な空間での・濃密な芝居を創出させる、実に見事な着想だった。
演技陣は皆さん大熱演だったが、今回は役柄の中で、長瀬巧さん演ずる「李大全」が
ひときわ印象に残った。

【配役】
木村伝兵衛部長刑事/山口アイ子…伊織夏生さん
熊田留吉刑事…フジタタイセイさん
戸田禎幸刑事/李大全…長瀬巧さん
容疑者・大山金太郎…今村貴登さん

『水』/『青いポスト』

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『水』/『青いポスト』

アマヤドリ

実演鑑賞

『青いポスト』17日19時半開演回(139分)を拝見。

2017年の初演舞台を観ているのに…
ストーリー、大方覚えていたのに…
初演の王子小劇場より、はるかに客席から間近な新宿シアタートップスの舞台のせいか、伝わってくる熱量が半端なく、とりわけ、ラストの群舞⁈には震える程、感動した。

【配役】
ハンナ(妹。意外にも悪人選挙・予備選挙1位)…相葉るかさん
ゆき(姉。予備選挙1位の本命だったはずが僅差の2位)…相葉りこさん
ミーア(”消された”らしい姉妹の親の妹。姉妹の育ての親)…一川幸恵さん
ヤヨイ(ミーアの姉)…中村早香(なかむら・さやか)さん(舞台と客席とのつなぎ役も兼務)
リオ(双子姉妹の文通相手。アン、ロアとは友人関係)…榊菜津美さん
エリカ(リオの妹。双子姉妹と同級生。悪人選挙・管理員会の委員)…村山恵美さん
刈谷(悪人選挙・管理員会の委員。匿名作家)…菊地音々子さん
サリ(悪人選挙・管理員会の委員。スーの後輩)…星野李奈さん
スー(悪人選挙・管理員会の委員。ユキの店で働いていた)…佐藤美輝さん
ロア(悪人選挙・管理員会の委員長。町長の娘。アンとはパートナー)…さんなぎさん
アン(郵便屋さんの管理職。娘がいる)…大塚由祈子さん
パム(郵便屋さんの新人。容量が悪く、お人好し)…ばばゆりなさん

かげきはたちのいるところ

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かげきはたちのいるところ

Aga-risk Entertainment

実演鑑賞

千穐楽の25日13時開演回(途中14:18から5分間の換気休憩。終演は15:40の上演時間160分)を拝見。

2014年6月の『時をかける稽古場』から、『紅白旗合戦』『時をかける稽古場2.0』『わが家の最終的解決(再演)』『発表せよ!大本営!』と観てきたが、”寄席の観客、怒涛の大爆笑”的なウケ方の部分と、登場人物の心理描写に感情移入させられる情感の部分とのミックス具合、本作品が一番優れていたように感じられた。

それにしても、脚本の絶妙な位置に仕掛けられた笑いの爆弾を、作者の意図通りのタイミングで炸裂させる気心知れた演技陣の、他の団体・ユニットでは真似の出来ないチームプレイには、今回もまた、マスクの下で大笑いさせてもらった。こうしたアガリスクさんのテンポの良さを一度体感すると、当面、他のコメディー系の公演での笑いのハードルが上がるので、困るといえば困るんだが…w

【配役】
塩原(元中核派。「革命的反グローバル資本主義者同盟」のリーダーだが理想に走り過ぎ)
…塩原俊之さん
斉藤(塩原の大学時代の友人。真剣さと軽薄さのミックスした人格)…斉藤コータさん
鹿島(元中核派。「…同盟」のメンバーを見守る”寮母さん”的スタンス)…鹿島ゆきこさん
熊谷(元革マル派。革命と恋愛感情との板挟みで、密かに苦悩)…熊谷有芳さん
榎並(今どきの女子大生ながら、権利意識はしっかりしている)…榎並夕起さん
津和野(大麻の愛好者。組織の活動とPerfumeファンであることの間で板挟み)…津和野諒さん 
淺越(革命には興味はなく、自分の爆弾製造技術を活かすために運動に参加)…淺越岳人さん
前田(警察官の伊藤と交際していることを隠したまま、アジトでの共同生活に入る)
…前田友里子さん
伊藤(前田の交際相手で、交通部所属の警察官。当初、前田の活動を知らなかった)
…伊藤圭太さん
矢吹(アジトの大家。相当のお人好し)…矢吹ジャンプさん
25日の日替わりゲスト(NHKの集金人だがバリバリのネトウヨ)…木内コギトさん

逢いにいくの、雨だけど【4月25日東京公演・大阪公演全ステージ中止】

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逢いにいくの、雨だけど【4月25日東京公演・大阪公演全ステージ中止】

iaku

実演鑑賞

18日14時開演回を拝見(120分)。

不幸な事故から、人生の重荷を背負わされた人々を中心に、ひとつひとつのセリフから紡ぎ出される感情の発露がやがて…
許す・許さない、被害者側・加害者側の立場を超えた、心の交流の有り様に、全身が震える程の深い感動を覚えた。

なお、演じ手で印象に残ったのは…スイマセン、選べません。
この2時間の会話劇を創り上げた、8人の役者さんに感謝!

【配役】
金森君子(新人賞を獲った絵本作家だが、何か心に引きずるものが…)
…異儀田夏葉さん(どこかで舞台を拝見したことがあるはずなんだが、記憶が…)
石本智(君子の歳下の親友)
…納葉(おさむ・よう)さん(初見は「蒼いラフレシアの鼓動」らしいが、ヨハクノート「真夏の夜の夢」以来、ずっと意識し続けている方)
大沢潤(かって幼馴染の君子との間に不幸な事故が…)
…尾方宣久さん(喜怒哀楽の果ての達観なのか?…狭量な自分の理解を超えた人物像を熱演)
風見匡司(野球場の職員。大沢と同じハンディキャップを背負っている)
…松本亮さん(背景はシリアスな人物のはずながら、後半、とぼけた味わいで、緊張感の高まるドラマの中で、ひと呼吸つかせてくれた)
金森悠太郎(君子の父。起業家としては切れ者なのだろうが、父親としては、ただそこに漂っているだけに映る頼りなさ?)
…近藤フクさん(個人的には一番シンパシーを抱いた人物を好演)
小出舞子(悠太郎の亡妻の妹。君子の育ての親)
…橋爪未萠里(はしづめ・いゆり)さん(悠太郎への複雑な感情を押し殺した舞子を熱演)
大沢秀典(潤の父。日頃から和子に抱いていた不満が、事故をきっかけに爆発し…)
…猪俣三四郎さん(そりゃ、悠太郎にも和子にも激怒して当然!と思わせてくれた)
大沢和子(潤の母であり、悠太郎とは大学時代からの親友)
…川村紗也さん(リモートドラマシリーズ「親しき仲にも恋せよ淑女」以前にも出演舞台を観ているはずなんだが、記憶がぁ…)

6団体プロデュース『1つの部屋のいくつかの生活』#3

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6団体プロデュース『1つの部屋のいくつかの生活』#3

オフィス上の空

実演鑑賞

11日15時開演の【赤】チーム2本立ての前半
劇団晴天『獣道すらないぜ、令和』(60分)を拝見
(なお、10分間の休憩をはさんで、後半はハダカハレンチの60分の作品が続く構成)。

職場という日常空間を舞台に、カジュアル?なSEXの雑談から職場恋愛・パワハラ・セクハラ、果ては職業観まで、身近な素材を次々と、パワフルに・コミカルに・シニカルに、60分のコース料理に仕立てていく、そのテンポの良さと、主要人物達のある意味、吹っ切れたセリフの数々に、正直、終演後の充足感がハンパなし!
良い時間を過ごさせて頂き、感謝。

【配役】
青山大吾(男性社員の若い方。松井社長と…)
…つかてつおさん
田島友佳子(松井に「拾ってもらった」社員。子ども相手の仕事なのに、実は子どものことが…)
…白石花子さん(『KUDAN』『纏わるひとびと』以来)
松井まり(社長を辞めると言い出した。原因は青山クンとの…)
…佐藤沙紀さん(『中国の不思議な役人』以来)
井出美奈(おっちょこちょい系の社員。職場の緩衝材)
…角田悠(つのだ・はるか)さん
蜆塚栞(しっかり者系社員)
…近藤陽子さん(役柄からかもしれないが、他の方と演技の質感が異なって映った。好感)
所真純(他の女性社員が学校繋がりなのに対して、一歩離れた感覚で周囲と接している)
…鈴木彩乃さん
春見眞一(男性社員の先輩の方。実は所と…)
…荒木広輔さん

ぶれる境界

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ぶれる境界

家で出来る演劇

実演鑑賞

3日17時半開演の千穐楽を拝見(67分)。

日野あかりさんと佛淵和哉(ほとけふち・かずや)さんの、何度も舞台を拝見しているお二方による1時間強の作品。
舞台公演が終わっても、後日、動画配信があるそうなので、詳細は「ネタバレbox」に記すも、上演途中で想像した結末の、更に先の・先まで充分に練られたエンディングには驚くと同時に感動させられた。
とても良い時間を過ごせた。
姉(演・日野あかりさん)が既に亡くなっていること
その原因が弟(演・佛淵和哉さん)の高1時代のエキセントリックなカノジョと関係がありそうなこと
弟は姉の死を酷く悔い、自分は幸せになってはいけないという”戒律”で自らをがんじがらめに縛っていること
の3点は途中から薄々察せられた。

だが
弟が自殺?して”死者の国”にいる姉に逢いに来たこと
弟が、姉が持参したバナナ=”死者の国の飲食物”を奪い取って食べたり
そんな弟に、姉がコーヒー=”生者の国の飲食物”を飲ませたり
自身の運命を受け入れていたと思われた姉が、自分でもコーヒー=”生者の国の飲食物”を飲んで現世に戻ろうとしたり…
イザナギとイザナミの黄泉の国の神話のエピソードが終盤、ここまで効いてくるとは予想だにしなかった。特に姉の最後の試みは涙腺に来た。

息の合ったお二人のやり取り、日野さんの目まぐるしくキャラを変えていく演技の巧みさ、値千金の舞台だった。

溺れるように走る街

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溺れるように走る街

吉祥寺GORILLA

実演鑑賞

12日16時開演の大千穐楽の舞台を拝見。

深夜のラジオ番組がメインの舞台だということで、ノスタルジーに寄せた内容かと思いきや、これでもか!という位、作者の繊細な優しい視線に満ち満ちた90分だった。

沙弥加を苦しめる原因である、姉・真理の脳梗塞に
番組のハガキ職人と中堅芸人の妻とが同じ職場だったり
番組のディレクター&真里
構成作家&ミキサー
AD&漫才コンビ「ダブルマインド」の小林
の3組のカップル
などなど
往年の大映テレビドラマも顔負けの設定てんこ盛りには、流石に苦笑せざるを得なかった。
だが、そのてんこ盛りの設定故に「どの役者さんが良かった!」と僭越なことが言えない位、個々の役者の演じた、それぞれのキャラクターに対する思い入れが深まったのかもしれない。

ということで、作者の思惑に素直に乗って観劇させてもらったご褒美に、終演後も永らく、心の琴線でジングルを奏で続ける、余韻たっぷりの作品となった。

【追記】
作品の出来映えとしては、前公演の『誰か決めて』の方が圧倒的に上なんだが、あくまでも個人的好みを優先して、本作を2021年の私的・観劇ベスト10に入れようと思う。

【配役】
沙弥加(姉の脳溢血は自分のせいだと自らを責める女子大生)
… 山下真帆さん(兎に角、独りで佇むときの表情がいい!)
真里(沙弥加の姉。ミュージカル女優だったが、脳溢血で障害が残り…)
… 日下麻彩(くさか・まあや)さん(演じているのではなく、ご自身の"地"で振る舞っているように映った)
田中(ラジオ番組「暴走三輪車」のリスナー。沙弥加姉妹の幼馴染)
… 榎本悟さん(ハガキ職人にしては二枚目過ぎるかなぁw)
櫻井(お笑いコンビ「ダブルマインド」のボケ役)
…川上献心さん(知らない人が見たら、本職の漫才師に映る⁉︎)
小林(「ダブルマインド」のツッコミ役。コンクールで勝ち進めないことを自分のせいだと悩む)
…平井泰成さん(さすがは吉祥寺GORILLAの看板役者)

斎藤(「暴走三輪車」ディレクター。真里の彼氏)
… 岡野優介さん
小川(「暴走三輪車」AD。小林のカノジョ)
…杏奈さん(元気いっぱいフルスロットルな演技に好感)
橋本(番組の構成作家。丸井の彼氏)
…魔都さん
丸井(番組のミキサー。橋本のカノジョ)
… 一嶋琉衣(いちしま・るい)さん
佐伯(「ダブルマインド」のマネージャー)
… 長友美聡さん(声を張り上げている場面、高校の先輩役者さんと同じく、体育会系高校演劇部出身者だなぁ!とニコニコ)
美智子(矢野の妻。元・芸人?)
…髙橋紗綾さん
矢野(売れないピン芸人。ダブルマインドの先輩)
…ヨシケン改さん(個人的に一番シンパシーを感じた役柄)

総評

2021年の観劇は、特に1~4月、コロナ禍による中止・延期に見舞われたため、動画配信15本を含めて140本の観劇に留まった。
だが、その割には、例年以上に、自分にとっては良い作品に出逢う機会に恵まれたように思う。
散々考えた末、ベスト10からは漏れてしまったが、敢えて、この場で11位以下を掲載、良い時間を過ごさせて頂いたことへの感謝の意を表したいと思う。

11位:激団リジョロ『風の市』
12位:第27班『どうしよう 孤独だ 困ったな』
13位:やみ・あがりシアター『うわさにきく風2020-2021』
14位:オペラシアターこんにゃく座『森は生きている』
15位:TOKYO PLAYERS COLLECTION『IN HER THIRTIES 2021』
16位:劇団印象(いんぞう)-indian elephant- 『藤田嗣治〜白い暗闇〜』
17位:吉祥寺GORILLA『誰か決めて』
18位:兎座『牛乳の唄』
19位:ハトノス『毒の島には近づかない』
20位:ゆうめい『姿』

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