満足度★★★★★
これはスゴイ!(@@!)
旗揚げ公演第2公演。旗揚げ公演って聞くと、とにかく観てみたい気持ちになるっていうのは、歴史のアル劇団よりもまだまだ原石でその原石がこれから先、どのような形で観客や周りの人達によって光って行くか・・。
いわば未知数の芸術を見出す喜び、みたいな感覚だったのだけれど・・・。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
この劇団は未知数どころか完全な姿で出来上がっていました。いあいあ圧倒されます。とにかく素晴らしいに尽きる。。聞くと、作家は元々、30年ほど映画の監督をしているというお方。どうりで・・・舞台は映画を観ているように角度、演出、人の配置、舞台のセット、音楽など、完璧です。そうしてこの物語自体がひじょうに良く練りこんで作ってあり、松田リカの友人達や家族、その家族によってリカの運命も悪い方向に転がりながらも、リカ自身が家族を捨てられない葛藤や悩みでもがき苦しみ、そんなリカを友人達が支えるという愛と希望に満ちた作品でした。つたないワタクシの文章でレビューを書いちゃったら、物語の崇高な部分が穢れてしまいやしないか・・?と思うほどの作品でした。それからキャストが素晴らしいです。特に男女とも美形を起用しているわけではないです。自然溢れるデンキ島という場所柄、本当にこんな人達が住んでいるんだろうな・・。と思わせるキャストです。島独特の方言、飾り気のない友人達、ヤンキー崩れの役どころ、それらが加味して物語は完璧に出来上がるのです。反転反転を繰り返すストーリーの展開なので、簡単にかいつまんでのレビューです。
デンキ島で暮らす松田リカの母親は飲んだくれで博打好きの亭主に愛想をつかして出て行ってしまった。リカと兄は、親父は反省したから博打はもう辞めたと思っていた矢先、ヤクザが莫大な借金の借用書を持って松田家に現れる。またもや博打で作った借金だったのだ。ヤクザは「借金が返せないなら娘の体で返してもらう」と脅し、リカはそんな親父に愛想がつき家出しようとするが、兄から「辞めろち、家族だが!お前は家族を捨てるちか!」と詰られ、考えを変えて留まる。そういう兄は父親の同級生という母親のような年の女と付き合っている。
一方、親友のスミエとまこはリカがそんな状況になる前から卒業したら3人で東京に行こうとお互いの夢を語りながら約束していたので、スミエは最近のリカの行動を心配し借金の返済に苦しむリカにお金を渡しながら、支えていた。苦しい生活の中からリカは東京に行くための貯金をしていたが、兄のノブヒコはヤクザにコンバインを持っていくと、脅されリカの貯金に手をつけ借金の利子にあててしまう。リカは泣きながら抗議し、いよいよ本当に「家を出て行くが!東京に行くが。」と宣言するが父親は反対し「親を捨てるちか。寂しかが。」とリカに這いつくばりながら止める。リカはそれでも「辞めろち。止める理由があるがか?なかろうち。」と出る覚悟を決めていたが、ここでも情に負けて踏みとどまる。いよいよリカは決心し、ヤクザの手下となって経理を担当して働きながら借金の返済をする。
そんななか、すみえとまこの東京への旅立ちの日。約束の時間になっても現れないリカを迎えに行ったすみえは車に跳ねられて死んでしまう。リカはヤクザの手伝いをしながら段々深みに入っていくが、すみえが居なくなった今、今度はヤンキーだったエリとケンジがリカを支えるようになる。リカはケンジと生活するようになり、エリはそんなリカをみて「本当はケンジをそれ程好きでもないのは解ってるち。人に逃げ込むのはやめろち。他人をつくづく不幸にするんち・・。スミエが泣いとる。」とリカの間違った選択を修正しようとする。かたやケンジもガンを所持していたリカに捨てるように説得するが、リカは「ケンジには関係ないち。」と言った一言に傷つき、「関係ないってなかね?この野菜は半分は俺も食うけど半分はお前も食うが。この果物だって半分は俺が食うけど半分はお前のものだが。二人して飯喰ったり、布団に入ったり、一緒に暮らしてるのに関係ないってなんね?俺の事、好きでもないのは解ってるち。それでもいいと思ってたが。だけど、そんなことしているうちに二人してダメになっていくが。」といってリカの心の負担にならないようにと、出て行く。
やがてリカはヤクザたちから離れ東京に行こうと決心して親父と兄に別れを告げるがこの部分のシーンが泣けます。やっと旅立ちを決心したリカはスミエの墓参りにやって来ます。ここでの回想シーン・・・・スミエが生きてた頃の情景が甦ってきます。スミエの墓の前で「この島をでるち。東京に行ってやりたいことをゆっくり見つけていくち・・。」墓参りのシーンは冒頭にもあり、ここで伏線が繋がる仕組みになっていました。
これ程までに人間の情とか、どこか欠けた人間の表現力に長けた本に出会えた事はラッキーでした。松田ユウゾウ役の花ヶ前浩一は本当に見事です。ダメ親父役は彼の右に出る役者はいないのじゃないか、と感じるほど。その外、全てのキャストが素晴らしい演技でした。宝石を拾った気分にさせてくれる劇団でした。デンキ島のその後もあるようで、これは是非、観に行かなくちゃ!(^0^)
満足度★★★
襲名盃杯から始まって
媒酌人袴田利光の下、澤田和重の隠退を引き継ぎ5代目組長は盾幸次郎となる。
以下、ネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
元麻布ギャラリーの入り口から、ヤクザ屋さんたち数人が「本日はご苦労さんです!」などと挨拶をして、その場の雰囲気作りをしていました。
開演前、村上和彦展「任侠の世界」も見られます。
折角観劇するついでに拝観すると楽しいです。
ちなみに、通称ヤクザ屋さんたちは、極道バッチの見分けも解らず、刺青のノウハウも解りませんでした。(当然だよね。素人さんなんだから。)
そんなだから、彫り師の常識も知らず、刺青の名前も解らない状況!(当然だよね。素人さんなんだから。)
結局薬局、刺青の名称は花札からとってるとか、刺青の彫る期間とか、説明してたら「姐さん!」とか可愛げなおめめのにーちゃんから、呼ばれてしまいました。
そんなだから、まあ、それなりの迫力はあったけれど本物のヤクザ屋さんとは凄む目力が違います。(当然だよね。素人さんなんだから。)
演技は、まあまあ(^^;)というレベル。
さてさて、1ステージ目。襲名式を私達、観客が立会人という形で畳みの上に座り見守るという方法を取っていました。
「観客が座る客席」ではなく、確かに参加型でした。
ヤクザ屋さんたちはそれぞれ私達観客の中に混じったりして、なるべく観客参加型を意識出来るようにサービスしていました。
3フロアーから構成される1ステージは襲名式。
2ステージはショウータイム。
3ステージはやくざ達の闘争の経緯とシーンでした。
2ステージのショウータイムは、歌も踊りも素人レベルでした。(当然だよね。素人なんだから。)
残念ながら・・任侠の世界で生きる姐さんたちやお嬢さんと呼ばれる娘達に全く迫力がないです。もうちょっと凄めないのでしょうかね?
岩下志摩とか高島のようになれとは言わないけれど・・・それに近い迫力が欲しいです。
今回、山咲花江(香取佑奈)がひじょうに良かった!(^0^)
コミカルでポップで楽しく、それなりのボケもいい味を出してました。
いあいあ、素晴らしいです!
終演後、とっとと帰ってきてしまいましたが、その後、何かあったのでしょうか?
そっちが気になる・・・(@@!)
この劇団はとにかく観客を楽しませよう。喜ばせよう。とサービス満点でしたが、ワタクシはどちらかというと、演技力や芝居の構成、本で勝負して欲しい質なのでした。
本自体はベタなありきたりの物語でした。(ごっつぁんです!)相撲か・・・。
満足度★★
かなりたいくつ
男女を逆転させる発想と言う事で、凄く楽しみにしていた舞台だけに、落胆が酷かった。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
最初から、違和感丸出し。とにかく、滑稽。
男女が入れ替わってるのは服装だけです。髪の毛、マニュキア、横座り、手の動きなど、完璧おんな!服だけは男装なのに、他の部分では女を露出してるというまったくナンセンスな芝居でした。
男女を入れ替えるなら、最初から女性特有の話し言葉から仕草、化粧、長いロール髪を止めて、男のようにしないとね。
まるでイソップ物語を観ているようでした。
もしかしたら、ワザとこんな演出の仕方をして違和感を狙ったかのごとくなら、馴染めない違和感は当たり前の事です。違和感があるに決まってる。これで、「どーです。だから男と女の役割は・・・。」なんつー話だったら苦笑!するほかないのだ。
要するに、男・女で括るから面倒なんだよね、自分らしく生きればいいんじゃね?って思う。
オカマでもオナベでもなんでもいい。らしく生きる事が疲れない秘訣だ。
だから、今更・・。って思った。
物語の内容は、人気画家・赤熊の画の模倣をする天才画家あけびとその兄夫婦を主軸とした物語。
あけびの描いた絵で生計を立てているだろう兄夫婦と画商・矢車は、金儲けの為に赤熊の死を隠そうと企む。あけびが赤熊を殺したからだった。しかし、実際は赤熊は死んでなかった。あけびの狂言だったのだ。しかし、その狂言の本質も知っていた兄夫婦は、その騒動で血のりの付いた画は高く売れると踏んで実際、高く買い手がついていた。
サスペンスとミステリーを含んだ内容だったのに、中途半端な男女逆転劇がそれを壊してしまったように思える。
実際、ワタクシの観た回は、ため息を吐く観客も何人か居た。寝てる観客もいたけれど・・(^^;)
初見だっただけに・・・・落胆は大きい。
満足度★★★★★
4話X30分!
ひじょうに素晴らしいです。4話ともスパイスがまったく違う。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
1「教師の歌」
職員室での出来事。
四季の歌をもじって生徒が教師のパロディ替え歌を作る。生徒は教師に内緒でそれぞれの教師の評価をしていた。悪い評価をされた教師は、自分の評価を少しでも良くしようと涙がましい努力をするも、生徒の言いたい放題にぶちきれる。というお話。
とにかく面白い。
2「ぼくたち IN THE DREAM
とある劇団の練習風景。
演劇界の巨匠といわれる年配の男がある劇団に訪れるが演出家の「生徒の練習を見ていってください。」の一言に調子に乗ってやりたい放題に演出してしまう。
バカバカしくも最終的に魅せるダンスを作る。
3「まつり」
集会所での出来事。
だんじり祭りの花形を決める投票をめぐって候補者が3人いるが、そのうちの2人が票集めの為にワイロや言葉巧みに騙して獲得しようとするが、欲のない一人の男の「自分は趣味も何もないです。朝起きて働いて、帰って酒を飲んで寝るだけ。それでも1年に一回のだんじり祭りに参加できるという楽しみだけで、また1年過ごすことができる。自分は花形にならなくてもいいです。参加できるだけで嬉しいんです。」と語った男に共感票が集まり、花形となる。
それでも、残りの2人はいがみ合う。(^^;)
ブラックジョーク満載のコメディ。
4「寸劇役者に花束を」
末期がんを宣告された病棟での出来事。
明るい少女ゆうちゃんが入院してから、生きる希望を見つけた入院患者たちが元気を取り戻して変わっていくさまを描いた作品。
「人生は一度きりなんよ。今の自分に夢を持たんと。」と励ますゆうちゃん。どんな時もたんぽぽのように諦めない姿勢をみせる優しさと愛に溢れたストーリー。
どれも秀作でした。特に1番の「教師の歌」は面白くてツボった!(^0^)
楽しかった~。そうして、最後はほろりとさせる展開。
お陰で幸せな気分で帰る事ができた!
芝居は素敵です!(^^)
満足度★★★
前作の映画の部分のみ
を抽出して作った作品。
前作は榎本信とその姉は父親に対して母の仇をうつべく、その復讐心を誓うという物語だった。
その姉が出演する映画を制作するまでの物語。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
榎本葉月の為に、彼女をヒロインにして映画を完成させたかった脚本家は「タフMAX]と「黒バラ婦人」の2本を脚本する。しかし、予算の関係でどちらか1本を作る事に決めたが、監督は「タフMAX]の収録をしようとする。
これに反発した後輩達は映研を辞めると言い出す始末。
監督は「大学の映研なんて部員の会費がなかったら映画を作れないだろう。仕方がないから一人ずつの意見を取り入れて辞めさせないようにしよう。」との提案をする。
脚本家は、一人一人の意見を取り入れたらろくなもんじゃない!と言うが、監督に言い含められ受けてしまう。
ここで、優柔不断な脚本家の浅葱に対して、「蝙蝠は獣に言いました。僕は牙と毛があるから獣の仲間です。蝙蝠は鳥に言いました。僕は翼があって飛べる。だから鳥の仲間です。と。」イソップ物語からなぞった言葉を言い聞かせます。
こういうセリフ、タイミングが絶妙です。
結局薬局、浅葱は役者一人一人の意見を取り入れて作った映画は、ジブリねたや時代劇ねた、ローマの休日ねた、スパイダーマンねた、マトリックスねたが入り乱れた、どたばたコメディになってた。ついでに脚本家が葉月に愛を打ち明ける場面も隠し撮りされてた。というオチ。
相変わらずネタは満載です。
しかし今回は、笑わせようと気負ってしまったのか、はたまた、前作との上演期間が短かったせいなのか、練りが甘かったのが気になった。
舞台は一作一作が凄く大切だから、勢いだけで走らないで欲しい。
ただの劇団になって欲しくないのだ。
笑いの部分も前作の方が笑えた。
まあ、一番良かったのは、スパイダーマン模倣の、ブルマーマンが登場したときは会場が奮えました!(萌えるわ!)
満足度★★★★
説明文とは違う
芝居の内容は説明文とは微妙に違う。
たぶん、この説明では、損をしている。だって、良く解らないからだ。
良く解らないまま、観に来た。結果、来て良かった!(^0^)
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
7人の役者が、それぞれの立場に立ってその人になりきって演ずる。
アダム・スミスの「他者の人格になりきる、人と人とはシンパシーで繋がる。つまり、共感で繋がる。だから、他人の体に入って、ある程度その人の人格になれる。」
これを軸にある家庭の関わり合いや学校での友人の立ち居地関係、人間関係を表現した芝居。
ハートという題はまんま、心なのだ。
ある家族は「頑張る」事をモットーに子供に「努力しろ。」と言い続けてきた。結果、その子供が大人になっても年老いて入院している親に対して同じように「頑張れ!」と冷淡に励ます。そうして、自分の子供にも「頑張れ!」と言い続けて、その子供は壊れる。
もう一方の家族は暖かく優しい家族らしい。小学生のたかしは教室で鼻歌をしたり、おしゃべりをしたり、他の子供たちと同じように出来ない。見かねた教師が口チャックを約束させた事によって、同級生との人間関係が崩れ、たかし自身も話せなくなり、性格も変わってしまう。
学校での田中かおりらの友人の微妙な関係、はたまた、地域に住んでる奥様たちとの付き合いの難しさ、本屋の主人やそれらに関わる人達。
ちょっとした事がきっかけとなり、お互いを傷つけ追い詰め仲間外れになったり、外されたり・・。
この世に人が居る限り、問題は起こる。
たぶん、この物語は
「みんな、少しずつ人に優しくなろうよ、相手の立場に立って。」
このメッセージを含んでいるのだと思う。
全体的に優しい物語です。残酷そうだけれど、そうじゃない。最初、コメディかな?と感じたほど笑う場面も沢山あります。
物語には最初から引き込まれ、時間を感じない。
案外、淡々と進む展開だが、見終わった後はほんわか温かくなります。
そんな舞台。
満足度★★★★
愉快ですってば!
セットがドカーン!とアパートの一室を設置し、そこで繰り広げられる幽霊と人間の物語。
しっかしもって、ここの劇団って毎回、めっさ楽しいですわ。
冒頭、不動産屋の五十嵐のしゃべりからヤラレル!(^0^)
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
フリーターの太田は今までの自分を清算したくて誰にも内緒で引っ越して来たものの、アパートの礼金・敷金を払う金がなかった。
パラダイスな不動産屋と金額の交渉を始めたが、そこに現れた気の弱そうな地縛霊の小菅を利用し金額を値切ろうとする。
この部屋には小菅の他、日本兵の霊やら花子やら・・・訳の解らない霊が彷徨う。
霊たちは力を合わせて不動産屋をびびらせ金額を値切る為に協力する。
霊たちはなんだかんだいって太田に仕切られ動かされる。(^^;)
一方、太田が切り捨てたはずのウザ友、弟、劇団員、昔の女などが押しかけ、当初一人で再出発しようとした目論見があっけなく終わる。
終盤、太田はきちんとした言葉で皆に伝えていなかった事。閉じこもってた事に気づき、恋人の亜季からも逃げていた自分を反省し、きちんと伝える。
「亜季が言った一言、「ゆくゆくは結婚したい。」という言葉が・・・結婚が恐くて逃げ出した。自分に向き合っていなかった。」と。
重大な側面にぶちあたると何も考えず逃げ出したくなるような若者の気持ちを幽霊と可笑しな不動産屋でアレンジした完璧なコメディです。
幽霊のキャラといい、超丁寧な言葉遣いの不動産屋、江ノ島でナンパされた女、人間なのに幽霊と間違われる艶子(名前も霊っぽい)など、役者のキャラがハンパないです。
バカバカしいコメディが好きな方にお勧め!
笑えます!(^0^)
満足度★★★★
孤独なジャニス
本当の愛が欲しかったジャニスは最後の最後まで結婚に拘った。
たいして好きでもないセスに結婚を迫ったのは家庭という居場所が欲しかったからだと思う。
こういう種類の芝居を見せられると、ちょっとセンチになるが、幸せとは案外、家庭の中にあるのかもしれない。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
ライブハウスと化した空間は、私たちが着席する前からカウンターでドリンクを注文する時点から舞台は作り上げられていった。
最初、ジャニス独特の潰れたひしゃげた声を真似できるのだろうか?と疑問だったが、いあいあ、真似ではなく自分の歌として自分の声量で歌っているジャニスがそこにいた。
とにかく、美しい澄んだ声なのにパンチがある!流石です。素晴らしい声量です。
そうして・・・フェイクの毛皮を脱ぎ捨てて歌いまくるのさっ。(^0^)
キャッチ・ミー・ダディ
ムーブ・オーバー
サマータイム
ワン・ナイト・スタンド
を歌い、ジャニスの最後の一ヶ月の出来事を綴っていくわけだけれど、はっきり言って芝居はもうちょっとです。
とにかく硬い。たぶん、役者が緊張しまくり?
まだ始まったばかりなので、回を重ねるごとに良くなる筈。
観劇はやっぱり千秋楽がサイコーなのです。
芝居とロックンロール・ミュージック、今までの音楽劇と違ってロッカーを主軸にする事自体、面白い挑戦だと思う。その挑戦は成功だと個人的には思う。聴かせる。ストーリー性。という点では成功なのだ。
ジャニスは酒と男とドラッグに溺れながらも、本当の愛を追求しながら、孤独の淵に蹲っていたロッカーの一人だった。
「バンドも持って恋人も居て年に50万ドルも稼いでるのだから、満足している。」これが、ジャニスの口癖だったが、しかし、ジャニスの人生は悪い方へ転がっていった。
「私は何でも自分で決めるわ。自分で決める事が出来るの。」と豪語しながらも人生の駒はそう簡単には自分の思い通りにはならない。
結局のところ、プロデューサーの提案に従うほかは道がなかった。
自分では決められない。
ロッカーがカントリーを歌うという屈辱の中で恋人のセスとセフレのペギーに裏切られ、希望を失ってしまう。
そんな孤独の中、寒い!と言いながらドラッグを打ちすぎてランドマークホテルの一室で息を引き取る。
右手にマルボロ、左手に4ドル50セントを握り締めたまま。
マルボロを買いに行かされたホテルマンがジャニスの死に顔を見て帽子を取って暴言を吐く。
「きったねー顔だなー。そこらへんの浮浪児とかわんねー。」
今までジャニスに対して慇懃な態度をとっていた14歳のホテルマンが吐くセリフと仕草がひじょうに重くのしかかる。
この最後のセリフがジャニスの人生を物語っているかのごとく。
構成、歌唱力共に素晴らしい劇でした。
大切なものを両方手に入れることは難しいようだ。
一つ大きなものを手に入れる為にはもう一つを手放さなければならない。
満足度★★★★
見えないしばり
『長男』というタイトルを付けた時点で、私達観客は責任とか跡取りとか重荷とか見えない重圧感を綴った物語だろうと連想し覚悟を決める。
続きはネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
レンタルビデオ屋「月光」には、亀井静香やその母親、「ゴールデンボーイズ」という草野球チームの剣菱らが井戸端会議の様相で集まってくる。つまり、おしかけてくるのだ。
月光の店長やオーナー、アルバイトはいちいち、このご近所の人たちの相談に乗ったり、というより、のらされてしまいながら商売をする。
ゴールデンボーイズの剣菱は自分達野球チームの記録映画を撮って欲しいと店長に持ちかけ、亀井静香は学園祭で上演する舞台の主役の事でとらぶっている。
そんな折、月光のオーナーは現在の店舗をフランチャイズ化して売り上げを伸ばそうとする。
一方、店長を尋ねて九州の実家の饅頭屋を継ぐという妹とその婚約者が訪れる。
店長は自分が長男だから、実家の店を継ぐということを考えてはいたものの、やりたい事もあって避けて過ごしていた。しかし、妹の靖子が、以前の恋人との別れの理由に「実家を継ぐ」ことが原因と知らされ愕然とする。
長男と言う立場、責任を深く考えた時に、自分の為に恋人と別れなければならなかった靖子を不憫に思い、九州に帰って饅頭屋を継ぐと宣言する。
しかし、靖子とその婚約者は自分達が饅頭屋を継ぐから大丈夫だと強い意志を見せる。
やがて、店長はゴールデンボーイズの記録映画を撮ることに決めて、オーナーもそれに賛同し、記録映画のアナウンサー役をすることになった亀井静香共々丸く収まる。
長男と言う責任と重圧。
夢や希望を持って自分に素直に生きたい。という反立の想いに長男はぶれる。
たぶん、この問題は長男に限らず、男兄弟のいない長女も同様だと思う。
日本の長男の割合が75%以上となった今、この問題は殆どの男性に当てはまる。
両親が若くて丈夫なうちはまだいい。などと思いながらも世の中の長男は避けているのである。(現実逃避)
じゃあ、両親が弱くなったら?片親になったら?
そんな長男の覚悟のようなものを、この芝居で表面きってぶつけ、尚且つ近所の、地域の人情もうまく取り入れた作品だった。
今回の芝居には長男の代わりに自分の恋を諦め犠牲になった靖子が居た。この女神がいたからこそ、長男は自分の生きたいように生きる事ができるのだ。
たぶん、☆5つという評価は観劇者の立場と芝居の内容に共鳴しての満点だと思う。芝居はベタな芝居で解りやすいがプチコメディも取り入れた、人情劇なのだ。きっと観客はここでの長男に同情したのだと思う。
それにしても・・・本を書いたのは女性なのだ。草野球のこと、長男のこと、逆転ホームランのこと・・・男性諸君!立つ瀬がないではないか!?(^0^)
満足度★★★
奴隷制度
チョコレートにまつわる歴史を描いたストーリー。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
カカオ豆がひじょうに高級で金になった頃のお話。
その昔人は皆、金目のものには目がくらみカカオ豆の採集に児童強制労働もされ、人身の売買も行われた。
この物語は6つの短編ストーリーにしたものだったが、全体の印象は全てのストーリーが途中でバッサリ終わってしまう事だった。
見る人によっては今、流行のシュールさだとか、表現の仕方は色々あるが、4こま漫画さながら、こぼちゃん的終わり方とは言えない、どうもすっきりしないのだった。
・踊るアステカ人・・・3人芝居。オープニングの仕方や音楽の導入はハイテンションになるが途中、王様と家来のやりとりが中だるみだった。
・悩むイギリス人・・・3人芝居。キャドバリー社に対する奴隷制度に関してのゴシップ記事に、社員達は悩む。終わり方が中途半端で、もやもやが残る。
・遊ぶ米軍・・・4人芝居。戦争中にベトコンゲームなるゲームで遊ぶ光景。罰ゲームでの芝居で笑えない罰に観客は引き気味。
・怒るマダム・・・短編の中でこれが一番気に入った作品。5人芝居。とあるレストランで隣同士に座った女子高生と、主婦の会話。女装役の山増が好演。釜風味で光るものが・・・(^^;)
・夢見る子供・・・3人芝居。カカオ農園に人身売買された子供が何も解らないで、たくさん賃金を貰えると信じて来たものの児童強制労働で来た実態が浮き彫りにされるさまを描いた作品。これは暗くて陰湿な感じだが、心理的描写を上手く表現した秀作。
・デモる女子大生・・・3人芝居。「チャーリーとチョコレート工場」を題材にして、奴隷制度や強制労働反対!のプラカードを掲げ映画館の前でデモるが、イマドキの女子大生のいい加減さを露呈した作品。
全体的に2つの物語以外は、インパクトが薄かった。もっと爆発しても良い感じ。
コメディならもっと笑わせるくらいの意気込みが欲しいし、ポップでキッチュさを出したいなら、もっとテンポよく進めないと、満足感がでない。
以上、短編だけにスピーディーな展開が欲しいのだ。
次回に期待。
満足度★★★
解りづらいストーリー
たぶん、これは察するところ、この森は自殺した死人が住んでる森なのだと思う。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
死のうと思って森をさ迷い歩いていた若い女性・カエデが鬱蒼とした森の奥に迷い込んだ。
一人ぼっちで死ぬのは寒くて、ひもじくて怖くてみじめだったから、とうとう死ねずにふるえていました。
そこへ森の宿り人・ナエギが現れカエデに色々話しかけて仲良くなります。
同時期、強盗の四人組が、追っ手をのがれて森へ入りこみました。 彼らは逃げながらも大金を持ったばかりに仲間を疑い殺しあう結果になってしまいます。
その森で起こった出来事を、とある福祉施設にいた車椅子の老婦人がナレーターとして物語の中のカエデの気持ちを語ります。
つまり、老婦人はかつてのカエデのようです。
カエデは臆病な自分を嫌い、生きている意味がない。と日々、感じていました。生きている意味がないから終わらせる事が出来る。と思い込み、更に誰からも必要とされなきゃ、生きている価値もない・・・と。
しかし、カエデは森の中で沢山の事を経験し、森は焼かれ、いざ死んでしまう。というときに、初めて「生きたい。生きて帰らなくちゃいけない。帰って今までの私を背負って生きなければ・・・。」と考えを新たにします。
「私は臆病でうそつきな人間だったんだ。」カエデは自覚します。
こうしてカエデは生きる意味を見つめなおし、明日への希望を掴みます。
全体的に物語の表現が解りづらい。
衣装とセットにもっと工夫が必要かと思う。演出も。
作家って自分で作ってるから、物語全体の流れを解ってるけれど、観客は2時間で全てを把握しなければならない。
ファンタジーを作るにしても、観客を置き去りにした舞台の表現でなく、観客に解り易く説得する。という形をとって貰いたい。
作家は、観客の「良く解らなかった。」という言葉を聴くほど辛い事はないのだから。
満足度★★★
裸族!
毛皮族は初見だった。観る前に評価が割れたので、不思議だったが観たら納得した。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
舞台の前列を男性客で占めた客席は観る前から想像がついた。
大抵、むさい男が前列に張り付いて普段なら死んだような濁った目を爛々と輝かせ、今にも涎をこぼしそうになる状況を何とか我慢して、ハアハアしながら待ちわびている状況は「裸族!」これしかない。
ただ裸族を観る為だけにここに来た。と考えたくはないが、いつもと客層が違う事はバカでも感じるのだった。
物語はとある教師が婚約者所有の船に乗って婚前旅行をきめこむ手はずだった。
ところが教え子の11歳の子供たちが学生運動ならぬ全学連のように船を乗っ取り組織化していくのだった。。
全体の前半部分は霧島(江本純子でいいのだろうか?役柄とキャスト表の合せがないから良く解らない)の壮絶なセリフ回しなどは本当に素晴らしい!
よくもあれだけ長いセリフを早口でしゃべれるもんだ!(圧巻!)
全学連のリーダーらしく、総括!と随所にちりばめ拳を振るう。
中盤になって霧島が何のためらいもなく一瞬、脱いだ!(驚)
その後のストーリーの展開はもうはちゃめちゃで、パタリロを観ている感覚。
ぶっ飛んだ内容でもはやストーリーなんか、どうでもいい感じだ。
そして後半、小学生の全学連は分裂し暴走を始める。
終盤、アラビアンナイトの様相で役者全員が上半身裸でショーを始める。
要するに、キャバレーみたいなもんだ。さすがに女だからキャバレーには入った事がないが、まあ、大差ないだろうと思う。
何の躊躇いもなく大胆に脱ぐ脱ぎっぷりは本当にキャバレーだった。
勿論、客だしの時も露なお姿で・・。
客席の殆どが男性客という理由は、色を売りにした劇団だったからだ。
しかし・・・前半部分の物語の進み方や、展開はコメディともパロディともとれるが内容はしっかり見応えがある。
だから、ちゃんと芝居として見せる本を書けばいいのに・・。と思った。
今回の総括は☆☆☆だが、共産主義のセリフのくだり部分は☆☆☆☆☆を付けたい。
暴走ものは柿で十分なのだ!
満足度★★★★
これは愉快!
期待以上の作品でした。
これだから、小劇団って観てみないと解らない。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
新築4F建て マンション名は『ba-mu ku-hen』は建築当初、デザイナーズマンションともてはやされた。
しかし、いざ蓋を開けてみると誰も賃貸契約をしない。
見た目は斬新な作りでおしゃれだと感じたその部屋は階段が多くて使いづらいのだった。
見かねたオーナーの大家は賃貸価格を半額にして1~4Fまでを貸す事にしたが、
1Fの入居者はバーテンダーを夢見る非現実な兄弟。
まったくもってバーテンダーの経験もなければ酒も飲めない男が恐れ多くも開業しようとする。
2Fの入居者はクリニックを開業しようと計画しているカウンセラーだが、貸金業者に500万の借金を作りながらも何故か態度が傲慢なのと理屈でもって貸金業者をねじ込める。
3Fは社会からつまはじきにされたチンピラが貸金をやるも踏み倒され、挙句の果てに暴力を振るわれ虚勢だけで騒ぐ。後にその踏み倒した男が2Fに住むカウンセラーだと分かる。
4Fはオーナーの大家が住む予定。新築マンション『ba-mu ku-hen』を建てたが入居者が入らず、貸金から借金をしてしまい、返済が出来ない事を理由に貸金が3Fに住む結果に。
そんなこんなで一つの部屋を1~4Fまでのストーリーとして断片的に見せる。という手法。
とにかく面白い。
どいつもこいつも普通じゃあない。
特に大家演じるいそっぷの表情が面白い。
カウンセラー役の藤原の巧みな話術もさることながらイッチャッテル眼力はサイコーでした。
とりたてやの片岡、野球選手の棚橋、江原工務店の面々・・・。
それぞれのキャストが魅力的で、全員が主役をはってる感覚にさせられます。
バカバカしいけど言葉巧みに騙される満足感があります。
いあいあ、コメディ好きにはお勧めです。
満足度★★★
象の花子のぱくり
ぱくりがいけないと言ってるわけではない。
むしろ涙を誘う感動ものはどんどん、ぱくって欲しい。
問題は既存のストーリーにどんな肉付けをするかだと思う。
以下はネタばれBOXに。。
ネタバレBOX
上野動物園の花子は戦争の激化と共に、処分されることになる。もしも爆弾が投下され動物園に落ちたら、猛獣が檻から逃げ出して人間に危害を加えるからだ。
花子を殺す方法は餌のじゃがいもに毒を塗って食べさせて殺す。というもの。
しかし、頭の良い花子は毒入りのじゃがいもを食べない。そのうちやせ細った花子は最後のお願いをするように飼育員に芸を見せて何度も餌のおねだりをする。
芸をしながら・・・崩れて餓死してしまう。
・・・というのが象の花子の物語だった。
今回の芝居は象がカバになった。
そこに肉付けとして憲兵の飯島が昔中国に居たころ、負傷した際に介護をしてくれた中国人女性との間に出来た子供、早苗が工作員として日本に入って、北枕動物園のスタッフになったこと。
後に、工作員ということがばれて多数の憲兵に犯され舌を切られて飯島に渡される。
戦争によって人間の精神をも凶器に変えてしまった時代の膿。
動物園のスタッフは死ぬ結果となてしまう。
前半はゆるゆると芝居は演じられ、早苗(山川ひろみ)がラムちゃんのビキニ姿で2分くらい踊って客寄せパンダをする。。
ワタクシはこの手のパンダが嫌いだ。
芝居のストーリーとは何の関連性も脈絡もなく、ただただ客寄せの為にもんぺを脱いでビキニを着る。
ワタクシはこれをピンクパンダと呼んでいるが、はっちゃけたストーリーでもなく、トリッキーさもない。冒頭から飛ばし続けるお笑いでもない。
中途半端に被り物を着用し、挙句にピンクパンダだ。
笑いのネタも古い。
観客を無理に笑わせようとしてるさまが痛々しい。
よって、観客の殆どは笑っていない。
笑っていないが、観客の殆どは出演者の知り合いだから、「面白かった~。」「楽しかった~。」「良かったよ!」というはずだ。
演じた本人に「つまらなかった。」と殴られるようなセリフを吐くヤツはいまい。
今後の人間関係にもひびが入る。
つまりだ、自分を信じるならピンクパンダは使わずに実力で勝負して欲しい。
後半の本と演技が素晴らしかっただけに、惜しまれる。
満足度★★★★
ばかばかしい。
宮本ゆるみが演じるサーラが登場した時点でぶっ飛びました。そうきたか・・。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
離婚した映画監督の家でのホームドラマ。
監督の黒田良平(キム木村)は韓国マフィアのサーラと結婚するはめになる。
このサーラの登場から会場の雰囲気は一変する。
いあいあ、宮本ゆるみ、素晴らしいです。そのお水っぽいイデタチと半ば崩れたヤンキーあがりの姐さん風ドスの効いた話しっぷりぷりは、普通の素人さんじゃあないです!(@@!)
サーラの家族がまたまた動物的というか、野生の王国みたいな家族です。韓国風言葉はめちゃくちゃです(^^;)
「かるぼなーらー・・・・」とかいい加減な韓国語バージョンで飛ばします。
そんな野生家族がサーラと一緒に黒田の自宅に住み込む、なんて話しになって、黒田の娘や周りの人達はびっくり仰天しますが、「いいよ、いいよ。皆で大勢居た方が楽しいし、サーラさんの家族なら私達の家族も同然だから。」と快く受け入れてしまうおばあちゃん。
このちょっとボケた、おばあちゃんの役割が家族の中で重要な癒しとなって物語りは進みます。
そこへ、元妻が表れ黒田の結婚話を耳にすると「あんな女に盗られてたまるか。」と俄然張り切って再婚話を持ち出し、再婚話で上手く収まりそうだ。と思った瞬間、黒田は仕事のアイデアが浮かんだ、といって仕事を優先してしまい、またまた喧嘩勃発!
元妻は激怒し娘をこんな崩れた環境において置けない、教育に悪い。と主張し娘を連れて家を出ようとします。
娘は「二人とも勝手な事ばかり言って・・。私が居なくなったらおばあちゃんはどうするの?!誰がおばあちゃんの面倒を見るの!」と号泣して崩れます。
ここは涙なくして語れません。
両膝をついて崩れ、うつ伏せで泣くシーン。
健気で切ない号泣です。(TT)滝涙!
ここで、サーラが二人の仲介をして結局薬局、黒田自身も元妻をまだ愛している気持ちが浮上し、めでたしめでたし。と終演します。
いあいあ、相変わらずベタで分かり易いストーリーです。
この劇団は完璧に顧客がついてるようで、キム木村や佐土原正紀らの面々が登場するだけで喜んでいました。
長い事この劇団を観てる。という観客がいらして、「劇団の関係の方ですか?」と聞いたら、一般の方でした。こういう観客のお陰で成り立っているんですね。
今回も、相変わらず新田正継が恥ずかしそうに演じてました。彼は役者になりきれない。しかし、そんな素人っぽい演技や何処に視線を持っていったらいいのかの根本的基礎がなってないのに、やたら存在感のある役者です。とにかく彼の表情をじーー!(@@)っと見てるだけで楽しいです。
次回作を楽しみにしている皆様!次回は新田の表情を穴の開くほど見ると芝居は違った方向から楽しめます!(^0^)
ZIPANGUという劇団!まるで動物園です!
満足度★★★
シリアスはお好き?
まず冒頭から刺激の強い発言になるが、この劇団はシリアスものより、コメディもののほうが強いと思う。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
本来なら、もっと早くUPすべきだったが、結構判断に悩んだ。
何故なら、シリアスという括りからなのか、セリフの間が開きすぎて、どうも役者と役者のセリフがかみ合っていない。
練習不足なのか、テンポが悪いのか、役者同士のキャッチボールがスムーズに流れていないように感じる。
役者が緊張してセリフが上手く出てこないのか、セリフの入り間違いが見受けられた。
コメディなら、どんな間違いも笑ってアドリブでどーにかなるが、シリアスの場合はいただけない。
私達は空想の世界に入り込んでいるのに一瞬にして現実に引き戻されるからだ。
芝居の随所に笑いを少し盛り込んであったが、シリアスに強調しすぎるあまり、笑いのネタが崩れてしまっていた。もうちょっとテンポ良く進んでくれたら随分違ったと思う。
ストーリーは、ある劇団のお話。
いつものようにとある劇団が公演した後に、佐藤のところに沙織(プロダクションのスタッフ)がヘッドハンターにやってくる。「マクベス」の主役というお土産を持って。
劇団員は佐藤が居なくなってしまうと困る反面、佐藤の幸せを考えると引き止めることも迷うのだった。
佐藤と同じ劇団員のサキは佐藤に恋心を寄せていたが、佐藤のことを想い、
舞い込んだその話を受けるように薦める。
サキに薦められるまま、佐藤は別の劇団に移ったが、主役は最初だけでそのうち主役は他の役者に取られてしまう。
悩んだ佐藤はかつての先輩劇団員の由紀子に相談すると、「そんなに主役に拘らなくても、演じることが大切。」と説得される。
その気になった佐藤に今度は、かつての同劇団員の孝幸は「主役を取らなくてどーする!役者になったからには主役だろ!頑張れ!」と励まされるが、その励ましこそが孝幸の罠であり佐藤を陥れる言葉だった。
孝幸の叱咤激励の言葉に従って佐藤は主役の座に拘ってしまう。
拘るあまり、沙織とぶつかり解雇される。
元の劇団に戻ろうとした佐藤は、そこでも入団を拒否される。
サキの気持ちを知ってたのに音信不通だった佐藤を由紀子が咎め、サキも佐藤をやっと忘れる事が出来た、貴方はあの時の佐藤ではない、違う。と拒絶される。
この部分が劇中上演していた芝居と重なりリンクする。
つまり、この芝居にはもう一つ、芝居の中で劇団が芝居をしている設定なのだ。
その結末が佐藤が拒絶されるシーンと重なる。
佐藤は崩れて号泣するが、自分が孝幸にハメラレ陥れられたことに気付く。
何故、孝幸は佐藤に対してそんなことをしたのか?
それは佐藤に対する嫉妬だった。
サキに好意を持たれ由紀子にも可愛がられ、主役もこなす佐藤。
かたや、孝幸は周りから同等に扱って貰えなかったことへの嫉妬だった。
本の構想は面白いと思う。
ただただ、この本に役者のテンポがかみ合わない。役者があがってた様子。
そうしてこの人達はシリアスな芝居が苦手のようだった。
次回は面白い舞台を観たい。
前作が楽しく愉快で笑いが満載だっただけにワタクシ的には惜しい気がした。
やっぱ、舞台を作るというのは本当に難しいことなんだねっ。
満足度★★★★
盛りだくさん!
いあいあ、懐かしい面々です。
舞台に立った俳優陣を見て懐かしいと感じるということは、前作品があまりにも印象的で役者の顔をしっかり脳裏に刻まれた。ということです。
今回も涙あり、お笑いあり、シリアスあり~の、てんこ盛りで、この劇団は本当に実力があります。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
今はもう、ダムの中に沈んでしまったとある村の出来事。
榎本信とその姉は幼い頃、父親に捨てられ母親は亡くなって、孤児だった。
姉の葉月は苦労して亡くなった母親と自分達に暴力を加えた父親に母の仇をうつべく、その復讐心で今まで生きてきた。弟の信はそんな姉を気遣って一緒に母の仇をうとうとする。
ある日、友人の一人の黒沢早苗に新しいお父さんが来る事になった。それがかつての自分達の父だった。当時の父は酒癖が悪く暴力的だったのに、今は「いい人」になっていた。
これまで父を忘れなかったことや、母の仇をうつといった目標があったからこそ生きる糧としてきた兄弟は実父のあまりの変貌振りに愕然とする。
しかし葉月は仇を討とうと試みる。姉思いの弟、信は自分一人で父親を刺しに行く。
この物語は「忘却に関する物語だ。 」と説明している通り、人は色々な物を忘れて生きて行く。哀しいからこそ辛いからこそ、人は少しずつ、いろんなことを 忘れることによって、生きられるのだ。
そうやって自分自身に折り合いをつけて生きていく。
この物語はどうしようもない父親だけれど根底に「愛」がある。だからこそ、忘れられないのだ。
そんな人間の葛藤を描いた作品。
上記のような説明をすると、なんとな~くシリアスだらけのような芝居と思うでしょ。
ところがどっこい!
合間合間に相当なコネタ満載でセリフのテンポもいい。
完全に観客を眠らせない!(^0^)
とにかく、殆どコメディなのだ。コメディ調だけれど、友情や青い恋愛や家族愛をも盛り込んだ作品なのだ。
だから、笑ったり泣いたりぶっとんだり、観客は忙しい。
シリアスな演技もなんとなく笑ってしまうというストーリーの展開が絶妙なのである(うすら笑い!)
で、次回はもっと笑いどころが詰まってるという。
リピーター割引があるから次回も観に行こう!っと!(^0^)
★芝居が始まる前に、「舞台は生ものですので、役者がセリフをかんだりする事もありますが、温かく見守ってください。」と説明していました。
いい言葉です。
満足度★★★
航空ネタ
どうせならスペイン、カナリア諸島ネタでもやってくれりゃあ、東京砂漠のかたすみで、もっとパラダイスな気持ちになったかも!(^0^)
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
本日の言葉を使わない演劇は航空ネタ。
機内の座席に並んで座った3人のパフォーマンスは見事!
バカバカしいパロディだが、真ん中に座った男が気弱だった為に両サイドの男からやりたい放題にされる。迷惑だと思っているのに「NO!」と言えない切ない表情が面白かった。
他にも短編的に芝居はあったが、ネタは古い感じがした。
ユーモラスな感覚は伝わるが、日本の劇団のネタって常に進化し続けているのに対して、この劇団のネタは数年前のネタを大切に使ってる気がした。
だから、彼らのコミカルなネタは日本ではきっと古い。
観劇後、ポストパフォーマンストークで多田淳之介氏の喋りが少なかったのが残念だった。
道化師集団テアトロフィーアは劇団を立ち上げてから今回の作品は7作目で、TV,映画にも出演し、その他客演もこなしている、とのこと。
色んな劇場で今回の作品は上演しているようで、日本のように公演一回ポッキリで次の作品という公演の仕方はしない。
要は状況に合わせて、過去の作品を満遍なく回して公演し続けているのだ。
海外の殆どはこういう風に大切にいつまでも一つの作品に拘って公演する事が多い。一方で日本は新作を短期で終了という事が多いから、日本の脚本家は自分の身を削りながら書いているんじゃあないの?と案ずると、きがきじゃないんだよね。
良い作品なら、何度も公演していいんじゃないの?と感じるのはワタクシだけなのだろうか?
それとも、日本という土壌が芸術に対してまだまだ未熟で、観客が集まらないのだろうか?
いずれにしても、劇団には頑張って欲しいのだ!
満足度★★★
パロディ編「葬式ごっこ」
会場に入ると既にそこは告別式。
更に「お客様にお願いがあります。携帯電話等、音の・・・」の注意事項の声が流れてきます。
どうやら、それは目の前の黒と白のリボンが付いた写真の5歳位の男の子が話してる様子。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
家族葬の意味を取り違えてる牧野家は坊主も葬儀屋も全て自分達で行う事にしました。
そこに、レザボア・ドックス(1992年に公開された銀行強盗の映画)のような二人組みがやってきます。彼らはゆうちょ銀行から大枚を強盗して、この家に逃げ込んだところ、告別式が始まる状況にびびります。
レザボア・ドックスのように、お互いをブラック、ホワイトと色で呼び合い喪服のようなスーツを着用していた事から告別式に集まった家族は特に疑うこともなく、接待します。
そこへ表れたのが袈裟を着た坊主ではなく、少林寺拳法の衣装をまとった坊主でした。
度肝を抜かれる設定に笑いが込み上げます。
またまたキャストもいい。少林寺の衣装が妙に馴染んで際立っています。
物語は旬のネタを取り込みながら独特のトリッキーな告別式を執り行っていきます。
二人の小心者のギャング、やたら女を口説くイケメン葬儀屋、誠の同級生の不動産屋、教師の寿雅子らの独特のセリフで芝居を楽しませてくれます。
やがてこの告別式の主役・誠はまだ生きていて刑務所を出たり入ったりしているという事実が明かされ、告別式の写真は誠の一番可愛い頃の写真を使っていた事がばれてしまいます。
ですから、棺おけの中は誰も入っていません。家族は迷惑ばかりかける暴力的な誠を死んだものとし、忘れたかった。現実逃避したかった。と告白します。
物語は前半、パロディだけれどおちゃめな雰囲気で二人のギャングが上手く絡み合い、楽しく流れていきますが、後半は誠の登場辺りから会場の空気が一変してしまいます。
誠と葬儀屋の同性愛、妻がいながら寿先生とデキてた誠、誠の昔の恋人、かつて誠が苛めた葬儀屋の話など、ドロドロになっていきます。
誠の家族は誠に過去の悪行をばらされ、家族全員が罪の意識に苛まれながらも母親は誠を詰ります。
「この家族、ダメじゃん!」誠の姉は言い捨てます。
うーーん。出来たらお茶目なままで終わらせて欲しかった。
葬式ごっこも最後の家族のダメだしまでされると完璧、引きます。
この家族ありてこの子あり。なんでしょうけれど、家族の肖像を表現したかったのでしょうか?
ワタクシ、ほの暗い海での引き潮のように完全に引きまくってしまったので、マクドによってビッグマックを食べたのでしたっ!(やれやれ)
ここの劇団は吉高寿男がピンでやってるようで、ピンの良い所はその時々で役柄に合ったキャストを募集して芝居を作れる所でしょうか?
ですから今回のキャストは告別式という物語には魅力的なキャスト陣でした。
フライヤーには「第20回池袋演劇祭不参加公演」と載っていました。
余程、参加したかったんでしょか。(^0^)
満足度★★★★
相変わらずのミュージカル!
詐欺チームの次のターゲットは資産250億の資産を持つ立野雄一、60歳。
このミッションの為にチームは動く。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
5年前の航空機事故で家族を一度に失ってしまった孤独な老人、立野は仕事も退き生きる屍のごとく毎日、近所の公園で息だけを吸ってボーッと生きている。
一方、詐欺チームのメンバーになる条件は天涯孤独、友人も家族も作らずひとりである事だった。
ミッションは須藤麻美を中心に立野から250億の資産を奪い取るべく接触を始めるが、いつしか麻美は立野を愛してしまう。
元来、たおやかに人を愛する心を持った麻美は自分自身を騙して詐欺をしようとしている行為に対して良心の呵責に苛まれ傷つき苦しむ。
麻美の亡くなった父親に対する情も絡めて物語りは立野と父親への激情が交差する。
立野は麻美の言葉を信じて250億の資産を渡してしまうが、その資産全てを横取りしようとするメンバーの裏切りにあい、麻美は刺されそうになる。
麻美を庇って立野が刺され、再度、麻美は刺されそうになるところをメンバーの少年が庇って刺され命を落としてしまう。
彼らの計画は失敗に終わるが、今までに出会った事のない深い愛に満ちた立野に心を奪われた麻美は、自首する前に愛を告白する。
しかし立野は、愛する家族を亡くして心に穴があいてしまっていた。
「喜びも悲しみも怒りも憎しみもない。ただ朝が来て昼が来て夜が来て・・・ただ時が過ぎていくだけだ。自分自身を失ってしまったおいぼれをこれ以上騙さないで欲しい。」と。
それでも麻美は説得する。
「生きる事に満ちていた本来の立野に戻って欲しい。」と。
立野はその夜、麻美の夢を見る。
夢の中の麻美は他の男性に連れられていく。
そんな光景をみた立野は「ダメだ!そっちへ行ったら死んでしまう。戻れ、戻るんだ!」
その声で麻美は我にかえり、
「罪を償ってきます。そして必ず貴方の下に戻ります。待っていてください。」
こうして立野には一筋の光が満ちたのでした。
プチミュージカルです。
歌とダンスとライトに酔いしれました。
ただ2時間内に収める集約の関係でしょうか?
ストーリーのクライマックス、麻美が刺されそうになるシーンはちょっと急ぎすぎた感がありました。
それから物語自体はよくある物語かと。
10年以上前の再演らしいから、仕方ないのか・・?
立野(大越陽)の演技が見事でした。
孤独で悲しい老人の役。
その表情を見ているだけで悲壮感が漂い泣けてきます。
いあいあ、惚れるわーー。(^0^)