インディとジョーンズの冒険第二弾!「帝国陸軍と不老不死伝説!」
平熱43度
萬劇場(東京都)
2014/04/09 (水) ~ 2014/04/13 (日)公演終了
満足度★★★★
娯楽アクションのお手本的な愉しさ
表面的にはタイトルからバレバレな「アレ」を纏いながらも実は芯を貫いているのは「別のアレ」で、さらに「また別のアレ」や「ソレ」のイイトコ取りな上に笑いをまぶしてスパイスもきかせた娯楽アクション作。
元ネタがワカればワカるほど面白さが増すが、たとえ知らなくても十分に楽しめるのではあるまいか?
ぬれぎぬ
アマヤドリ
シアター風姿花伝(東京都)
2014/04/01 (火) ~ 2014/04/23 (水)公演終了
満足度★★★★
まずは3日と5日に
劇団員のみ、特徴的なダンス的表現は封印しての濃密な(とはいえアマヤドリの特色とも言える軽妙な語り口は健在)会話劇。
人物造形がしっかりしていて、登場人物それぞれに説得力あり。正しいかどうかは別にして「この人はこういう理屈で行動しているんだ」と理解できるというか。
実は最初に観た時は「どの人物も憎めない」ではないし「各人物に共感」も違うな…と思っていたが、2度目に先述の表現が浮かんでスッキリ。
1回目で全体像を観たので2回目は各シーンで極力1人の人物だけ見ようとしたりして。(おそらく今後も)
また、実際の位置関係とはズラした位置関係によって、その人物たちの「心の位置関係」を見せる(と解釈した)空間構成も巧いんだよなぁ。
楽屋より愛をこめて
劇団S.W.A.T!
「劇」小劇場(東京都)
2014/04/03 (木) ~ 2014/04/13 (日)公演終了
満足度★★★★
新型バックステージもの
バックステージものではあるが、ありがちな開演前や開演中をリアルタイムで描くスタイルではなく、初日・公演期間半ば・楽日それぞれの楽屋をスケッチすることによって「役者というもの」の描写に重きを置いた感じ。
笑いと涙、そしてお約束の「ショウ・マスト・ゴー・オン」要素を盛り込んだ95分、愉しい♪
ひきがね 引いた
ジソーキッズ
OFF OFFシアター(東京都)
2014/04/09 (水) ~ 2014/04/13 (日)公演終了
満足度★★
クセのある会話にノリ損ねる
最終的な落としどころである肉親ネタは好みのタイプなのだが、そこに到るまでがブッ跳び過ぎと言おうかシュールと言おうか、な上に登場人物の多くに「悪意」が感じられて苦手気味。
出だしから早口かつ間をあまり取らない「クセのある」会話がせわしなくてとっつきにくく感じ、こちらから「壁を作ってしまった」のが敗因か?
時々は、水辺の家で
monophonic orchestra
新宿眼科画廊(東京都)
2013/12/16 (月) ~ 2013/12/25 (水)公演終了
満足度★★★★★
24日にリピートも
ほぼ着席ままのオーソドックスな「朗読劇」で、場毎に座る位置を替えるスタイルながら衣裳が演ずる風なのでイメージがわき易い。
基本的にはユーモラスな中、終盤で親子ネタでホロリとさせるズルさ(笑)もあって好きだなぁ。
ツレがウヨになりまして
笑の内閣
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/12/19 (木) ~ 2013/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★
落とし処が巧い
若干ライトではあるかと思うがネトウヨのオカしさ(難癖のつけ方とか)を中心ににラブコメ要素やあれやこれやのパロディも盛り込んで愉快。
また、「正しい愛し方」を示して締めくくるのが上手い。
男と女はそうじゃないでしょ。
BASEプロデュース
BAR BASE(東京都)
2014/03/24 (月) ~ 2014/03/30 (日)公演終了
満足度★★★★
内容と会場の使い方の相乗効果
夫への不満をマスターに愚痴る常連客にこっそりツッ込みを入れる男性客…な状況から始まるコメディ。
従来と異なりバーの端から端、そしてカウンター内まで演技エリアとするのが内容と相俟ってここでの公演ならではの使い方で効果抜群。(とはいえ、観客が多くてカウンター席にも座らせた時には死角ができてしまったとのことだが)
ある場面を2人の主観から2度見せる手法も面白い。
はるヲうるひと
ちからわざ
ザ・スズナリ(東京都)
2014/04/03 (木) ~ 2014/04/13 (日)公演終了
満足度★★★★
ファンとしてタマらん
初演時に感じた各人物の明確な描き分け・役割分担に加えて、ある人物の表面的な部分とは相反する(?)面をチラリとのぞかせるその見せ方にも感嘆。
また、佐藤二朗主宰(脚本も)独特の味わい・間合いがそこここに漂っていてファンとしてタマらん。(笑)
美しいヒポリタ
世田谷シルク
吉祥寺シアター(東京都)
2014/03/27 (木) ~ 2014/03/31 (月)公演終了
満足度★★★★
単なる拡大模写でなく改めて描き直す
小劇場「楽園」での初演を観ていたのにグッと大きな劇場になった違和感が全くなく、それどころか初演の印象を上書きしてしまうが如し。
一度描いた絵をもっと大きな額に入れるに際して、単に拡大模写するのではなく、そのサイズ用に新たに描き直したというところか。
思い起こせば「渡り鳥の信号待ち」のサンモールスタジオ→シアタートラムの時もそうだったワケだが、今回の方が初演の味わいを残しつつ、な感が強いか?
出だしは沙翁とは全く無縁のようでありながらも次第に夏夢が浸蝕してくるような展開も巧いよなぁ。
此岸花
四次元ボックス
d-倉庫(東京都)
2013/12/26 (木) ~ 2013/12/29 (日)公演終了
満足度★★★★
中弛みあるも序盤と終盤は良い
ある意図で北海道の廃工場を訪れた少年と金の返済を迫られている男などが出逢う「先住者」たち。
中盤でその「先住者」が過去を語るところが説明っぽくて平板かつ冗長なのが惜しいが、序盤の出逢いパートと「最後の1人」が登場して以降がイイ。
出逢いパートは「先住者」たちは何者?という劇中の「来訪者たち」の疑問をユーモアを交えながら明かしてゆき、きちんと観客を芝居に引っ張り込んで見事。
ミュージカル仕立てな部分も含めて劇団四季の「ユタとふしぎな仲間たち」も想起。
また、終盤の自殺したが死んだと思っていない少年の「死んだのなら何で(まだ)こんなに毎日が辛いのさ」という台詞は秀逸。
「死ぬことで楽になると思ったら大間違い!」ってのがイイ。
ただ、さらにアイヌ差別も盛り込んだのは欲張り過ぎかも? 焦点を散らした感が無きにしも非ず。
勝式幕孝談
ソラトビヨリst.
新宿シアターモリエール(東京都)
2013/12/20 (金) ~ 2013/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★
もうひとつの幕末史
勝海舟が次女・孝子の言葉に触発されて彼女と共に考える「もう一つの幕末」。
史実はそのままでそれに至る過程をパズルの如く組み換えるアイデアが良く、争乱を経て1つになった日本のように世界も1つになれば、というメッセージにも共感。
ただ、終盤のあるシーンに現代の事件報道の音声を被せるのは、意図はよくワカるが若干唐突な感がないでもない。
とはいえ、終演時に「100分弱くらい?」と思って時計を見たら115分近く経っていたので、それだけ引き込まれた様子。
紛争地域から生まれた演劇5 -アラブ・イスラム世界の現代戯曲- リーディング&ラウンドテ-ブル
公益社団法人 国際演劇協会 日本センター
東京芸術劇場アトリエウエスト(東京都)
2013/12/19 (木) ~ 2013/12/23 (月)公演終了
満足度★★★★
包囲された屍体
アルジェリアの作家の書いた戯曲を朗読劇として上演。
冒頭のト書きから詩的…どころか抽象的で一般的な芝居としての上演はどうするのだろう?などと考えながら観る。
結局、具体的に内容をイメージすることはできなかったが、漠然とした空気のようなものは受け取った気になる。
また、同じく詩人でもあり劇作家でもある寺山修司作品を連想したりも。
さらに、戯曲には一般的な上演を前提としたものとそうでないもの(たとえば朗読劇として上演されることが前提のものとか)があるのではないか?とも考える。
もしも僕がイラク人だったら
カムヰヤッセン
東京芸術劇場アトリエイースト(東京都)
2013/10/03 (木) ~ 2013/10/06 (日)公演終了
満足度★★★★
窮状が胸に迫る
二人芝居と言うよりは変型一人芝居的スタイルで語られる10年ほど前のイラクの一般市民。
当時、リアルタイムで報道を見ていたこともあり、「想像上のこと」とはいえ窮状が胸に迫る。
また、「ある話芸」を思わせる導入部も巧み。
フェイク
劇団Ya-taro
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2014/04/03 (木) ~ 2014/04/06 (日)公演終了
満足度★★★★
芝居を続ける決意表明?
相撲や野球の賭博が横行した2010年、ある殺人と渦中のプロ野球選手、捜査を進める刑事を描いた130分。
2時間サスペンスのように展開した終盤、ある工夫によって舞台を現実に引き寄せ、芝居を続ける決意表明ともとれるラストに繋ぐのがイイ。
また、あるシーンを間をあけて違う視点で2度見せるのも効果的。
【沢山のご来場、誠にありがとうございました!】「面影橋で逢いましょう」「それではみなさん、さようなら」
ラフメーカー
JOY JOY THEATRE(東京都)
2013/09/05 (木) ~ 2013/09/16 (月)公演終了
満足度★★★★
それではみなさん、さようなら
好きな状況設定の1つである「踊り場タイプ」またの名を「待合室タイプ」、この世とあの世の合間でのオハナシ。
キャラ合戦の如き前世での行動吟味を経ての「判決」に「自殺ならともかく重過ぎないか?」と思うもその内容を聞いて納得。
それどころか、病死や事故死も含めて親よりも先に逝くのは不孝であると気付かされる。生きねば!
記者会見+爆音上映会
ツリメラ
サンモールスタジオ(東京都)
2014/04/01 (火) ~ 2014/04/01 (火)公演終了
満足度★★★★
オトナの「ホンキの冗談」
ある意味でウルトラマンにおける偽ウルトラマンの回、的な NICONICO 登場編て、「ホンキの冗談」が楽しい。
また、上映会は音質・画質とも大変良いことにビックリ。2m×3mくらいのスクリーンに映写しても非常にクリアだもんなぁ。
なお、受付で香典袋を用意して来なかったことを悔いたのは言うまでもない。
ドッグウェイ
サッソク
nakano f(東京都)
2014/03/31 (月) ~ 2014/04/02 (水)公演終了
満足度★★★★
小劇場系団体主宰えれじぃ
とある二次会が進行する中、長期間公演していない劇団の主宰でもある店長は過去を回想し…な物語。小劇場系役者裏話として「ありそー」や「さすがにそこまでは…」なネタ満載で終始ニヤニヤ。
そして冒頭のリプライズかと思わせてのラストに「そう言えば…」と気付かされる。
なお、トップシーンで階下から聞こえる山手線ゲームの「エロく聞こえる言葉」が、河西さんのツイートと関連していてワロタ。
硝子の方舟
形態ZERO
サブテレニアン(東京都)
2014/03/28 (金) ~ 2014/03/30 (日)公演終了
満足度★★★★
カルト教団っぽさに説得力あり
カルト教団に入信した恋人を救おうとする(?)男の物語。
懐かしきアングラ芝居風の台詞回しが如何にもカルト教団の修行っぽくてサブテレニアンにいるんだかサティアンにいるんだかワカらなくなりそう、的な…。
また、教祖や信者が振り回す理屈も、教団関係者が一般人を煙に巻く時に使いそうで説得力(!)があった。
なので「ある不安」を抱いた(爆)が、終演後に談笑する役者陣がフツーの若者でひと安心。(笑)
ラフレシア
白昼夢
明石スタジオ(東京都)
2013/10/16 (水) ~ 2013/10/20 (日)公演終了
満足度★★
終盤での牽引力が不足気味
この構成・様式で115分(実測)は長いな…ってか長く感じた。
冒頭の2場面行ったり来たりはクドくてもまだ出だしだから良いとして、終盤で牽引力不足みたいな。
一方、アングラ気味のトーンや会場の使い方(上部使用とか客席のとか)は◎。
さらに/ハイ・クオリティー
ナカゴー
王子小劇場(東京都)
2014/03/25 (火) ~ 2014/04/03 (木)公演終了