サイキックバレンタイン
たすいち
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/04/29 (日) ~ 2018/05/06 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/30 (月)
価格4,500円
それぞれ異なる超能力を持つ若者を集めた超能力研究所に新たなメンバー2人が加わったことから巻き起こる恋愛騒動?
14時のbitterと18時のsweetをセット券にてハシゴ。
【bitter】
登場キャラや台詞回し、そしてもちろん内容もたすいちド真ん中(演者も揃って「たすいちキャラ」になりきり)で頬が緩みっ放し。そして終盤で語られるアレはこの種の話の定番的ながら改めてそうだよなぁ、みたいな。オチも巧いやね♪
初演時同様、終盤で「七瀬ふたたび」(「家族八景」もか)を連想した他、ヴィム・ヴェンダース監督のアレも想起。
【sweet】
いやはや、オープニングからもう色が違う……いや、「アレの色(謎)」もそうだがそこではなくチームとしての色ね。そうして観ていると一部の演出やキャラも違っていてこれぞダブルキャストの醍醐味。
続けて観たのでアタマの独白に終盤に通じる部分があるのに気付いたりも。
【余談気味】
この少し前に観た高木渉監督「映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~」で一件落着に見えた後の「これってけっこう大事なことを言ってないか?」と感銘を受けた部分がたすいちっぽい気がしたし、本作のある人物の考え方に通ずるものがあるような → 「正義」とか「相手のため」とか思ってする行為でも、それが独善的なものならばむしろ迷惑行為なのではないか?
なお、観る前に予習(復習?)として初演の出演者を確認したら早々たるメンバーなことにビックリ。
ということで今回のメンバーの今後にも期待。三演の時に振り返って「なんてメンバーだったんだ!」になりますよう♪
たとえば私の人生に目口もないようなもの、あれこそ嘘の精なれ
劇団平成商品
要町アトリエ第七秘密基地(東京都)
2018/05/02 (水) ~ 2018/05/07 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/05/03 (木) 14:00
価格3,500円
北海道の幼稚園の教員たちの人間模様……チラシなどの内容説明から辛気臭系の女性の反省(←「半生」の誤変換に非ず)を描くのかと思いきや、終盤の劇中劇場面(ここの表現だけでも元が取れたと思った)を経て「ナンじゃこりゃ、○○じゃねーか!」と予想をはるかに跳び越えて怒濤の面白さに化けるトンデモ芝居(爆)、ヤられたぁ。
また、開演前に当日パンフレットの配役表を見て登場人物名にそれぞれ色が入っているのに気付いたが、開演して感服。その色が衣装に使われており、終演後に気になった役者の名前を調べるのに便利なシカケ……これは画期的!
開演直前の「お馴染みの諸注意」は録音によるもので、部分的に「ある加工」が施されていて「ナンじゃこら!」と思ったが、後半の驚愕の展開への伏線的なモノだったので「そういうことか」と納得。
未開の議場
戯曲勉強会ビオロッカ
アトリエファンファーレ高円寺(東京都)
2018/04/28 (土) ~ 2018/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/04/29 (日) 18:00
価格1,800円
やはり傑作戯曲、随所に北川さんっぽさ(私見)があり、「12人の怒れる男」、「12人の優しい日本人」、「ナイゲン」などの会議ものに共通の終盤の「アレ」など頬が緩む。
それを画期的なテーブル配置(ホント妙案)といかにもそれらしい各自の衣装と演技で見せて頂き余は満足じゃ♪
会議テーブルを演技エリアの対角に配置したのは妙案にして画期的「発明」。
カムヰヤッセンによる初演もその後2回の北区民版も対面客席の間にある会議テーブルの配置は客席と平行でどの席に座っても大半の時間は出演者の半数の顔が見えないところ、当公演は客席に挟まれた演技エリアの対角線方向にテーブルを配置することで席によってはほぼ全員の横顔が見えるという。
その意図を察して手前ブロック最前列上手端(=いわゆる「お誕生日席」の背後)を選んだσ(^-^)の席からはほぼ全員の顔が見えた。演出の井上さんに伺ったところ、過去3回の上演をご覧になって気になったのでこの配置にしたとのこと。
辺境、どこまで行っても
Minami Produce
アトリエTANTOO(東京都)
2017/05/05 (金) ~ 2017/05/10 (水)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/05/05 (金) 19:00
価格2,000円
夭折した歌人、岸上大作の遺書的なノートの朗読会の稽古をする5人の女優たちが……。好きな要素が複数含まれており、 見事にしてやられたぁ、的な。
広義のバックステージものであり、同時に女優青春群像的な感じ。奇しくも朝ドラ「ひよっこ」の当公演初日に放映された回と通ずる味わいも。
岸上大作が死に近づいてく様子をずいぶんはっきりと覚えているな、オフィス再生のプレトークで聞いたにしては細部まで知っているぞ……と訝っていたが、終演後に確認したら本編で(もちろんプレトークも)観ていたのだった。(爆) 2年半前の記憶ってそんなものか……。
老舗劇団の劇団員や卒業後はたぶん続けないと考えている学生演劇のコなど女優たちの背景/出自的なものが多岐にわたっているゆえ深みが生まれるのがまた巧いところ。
鉄とリボン
キコ qui-co.
座・高円寺2(東京都)
2018/05/02 (水) ~ 2018/05/03 (木)公演終了
満足度★★★★
超常現象あるいは「世にも奇妙な物語」的な導入部からクラッピング/ストンピングも交えたオープニング主題歌を経て展開されるのはメルヒェンチックな「生命(せいめい)讃歌」あるいは「生命(いのち)の大河ドラマ」的なヒューマニックドラマ。「受け継がれてゆく生命」とか「生まれいずる悩みならぬ生まれいずることができなかった哀しみ」なんてフレーズも脳裏をよぎる。
前半で提示されたいくつかの流れが後半のある時点で一気に結び付いて全体像が明らかになるのがえも言われぬ感覚。また多人数を活用した声や足踏みの効果もイイ。
また、タイトルにもある「リボン」が直喩・隠喩含め3つ4つの意味を持つのも巧い。
純惑ノ詩―じゅんわくのうた―
野生児童
小劇場B1(東京都)
2017/08/23 (水) ~ 2017/08/27 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/08/23 (水) 19:00
前半が冗長であまり活きていない部分があったり(例:劇団関連の部分)一部の展開(対立・和解・殺意など)が唐突だったりする一方、原典の再構成の仕方やそれによって想起するものなどが面白く、冒頭部分とリンクさせて求婚の言葉通りに最期を迎える二人という幕切れが鮮やか。
原典である東海道四谷怪談の伊右衛門は心の弱さもありつつ基本的には「悪漢/ピカレスク」な印象だが、本作の登場人物は時には悪になるものの、基本的には故意・悪意がないので物足りないような気も。あの内容・精神を現代に不自然でなく持ってくるとそうならざるを得ないのか?
一方、伊右衛門・お岩の二人の役割を複数の人物に振り分けたことで犯罪臭が薄れむしろ悲劇の色合いになってあれこれ想起するようになったのは面白い。
主人公姉妹は悲劇的な結末を迎えるが、姉の方にはかすかな沙翁的なもの、妹の方にはかなりのギリシャ悲劇的なものを感じた。脚本を執筆した有田主宰によれば特に意識した訳ではないとのことだったが、悲劇のルーツがあのあたりということか?
X-QUESTの荻窪さんが、演技に取り入れている「あること」を探すのも一興?(笑) σ(^-^)は2つ気付いたけれど、そんなものやあんなものは残念ながら気付かず……
サマデーナイトフィーバー
20歳の国
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2017/08/07 (月) ~ 2017/08/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/08/07 (月) 19:30
夏休み直前の一夜の熱狂。
「ワカる♪」「(自分の時も)あんなだったら良かったのに」など各人物に共感やら郷愁やら抱く。そしてベタ気味・あるある気味ではあるが状況やエピソードの組合せが絶妙で愉しい♪
そうして「ある映画」や「(劇中で使われる)ある歌が本来はどういう心境で歌われるか」を知っていると、より頷けるというか納得できるというかでさらに楽しめるのでは?
人物の背景・立場などが台詞・会話の中に巧みに織り込まれていて、観ているうちにワカってくるのもイイ。竜史国王、ヤるな。
なお、後方のほぼ中央という席を選んだのでラストシーンで本水を使った雨の場面のあと、ステージに残った水に兄弟が「逆さ富士」のように映っていて画的にも美しかった。
Paranoia Papers
劇団パラノワール(旧Voyantroupe)
サンモールスタジオ(東京都)
2017/05/31 (水) ~ 2017/06/06 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/06/02 (金) 15:00
価格7,000円
最終日のぶっ通しを観劇。
エロ、グロ、バイオレンス、ハードボイルドとお馴染みの要素ア・ラ・カルトながら従来比で笑いの要素も大幅増量(エロも増量気味か?)。
黝の章・赭の章を通しで、さらにアフターイベントまであって休憩を含め6時間近い尺でありながら思ったほど長く感じなかったのは短編集であることに加えて案じたほどダークではなかったこと、そしてその笑いで緩和していたことなどが要因か?。
「血糊が飛ばない虚飾集団廻天百眼」的でもあったか?(笑)
殺しの神戯
虚飾集団廻天百眼
ザムザ阿佐谷(東京都)
2018/02/25 (日) ~ 2018/03/04 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/02/26 (月) 19:00
それを手中に収めれば強大な力を得るという赤子→幼女→少女→乙女と急成長する禍々しいナニカを護送する業界ナンバー4の女殺し屋・サロメに次々と襲い掛かる同業者たち……な内容は昭和中期・映画全盛期の日活無国籍・無時代アクションと東映の妖術なども使う時代劇を混ぜ合わせて貸本漫画の胡散臭さ(笑)も加えて現代(?)テイストに仕立て上げたような感覚(既視感多数なるも具体的に思い当たらず)、これぞ21世紀のアングラ芝居!神道・キリスト教・仏教方面の雑学があるとより楽しめるかも?
登場人物たちが地獄らしき所など複数のヘンテコな世界を巡るので次第に「ココハドコ?」状態に陥るとともに、フト「もしかすると観終わって劇場から出たら以前と違う世界に出るのでは?」などと思った。
また、ヘンテコな世界を巡ることで地獄から逃れ出た先もまた地獄、を表し、地獄とは何か?現世もまた地獄ではないか?と問うているような気も。
他に自分に馬乗りになり腹を裂いて内臓を引きずり出す相手を体内に取り込み、赤子として産み出す(!)場面の装置のギミックや、サロメが地獄(?)から脱出する「切れない蜘蛛の糸」のような場面などが印象的。
なお、いつもより血糊が控えめと思ったら、久しぶりにポンプを使わなかったそうで……(笑)
【勝手にキャッチコピー】
「殺し屋たちのドグラ・マグラ」
「ニッポン黙示録」
渦中の花
room42
王子小劇場(東京都)
2018/04/24 (火) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/28 (土) 18:00
事前に目にした感想に「暗い」「重い」「救われない」などが頻出している中、乞局、elePHANTMoon、角角ストロガのフなどと近いというものがあり「あっちの系統か」と思って臨んだのはラッキー。
確かにそれは言える一方、あちらは鋭角的でこちらは面取りが施されている、あるいは片や鋭利な刃物、片や鈍器のような違いもあるな、などと考えながら観ることの愉しさよ♪
また、実在の事件をモチーフにしているところやダークな味わいは鵺的やJACROWに通ずるものがあるが、やはりどこか違うし。
また、やはり目にした感想の中にあった登場人物が全員憎く感じたというのも認めつつ、逆にそれぞれ理解できる……というよりそういう立場になったら「それを言っちゃあ/やっちゃあオシマイだよ」なものも含めてああいう言動をしてしまいそうとも思う。
そんな風に思わせるのがまた上手いんだな。
技巧的にはある2人の人物の互いへの言葉遣いで関係を観客に推測させてから第三者にその関係を問わせる「説明台詞排除」やギャラリーの使い方が印象的。いや、面白かった。
君のナニは。
Peachboys
シアター711(東京都)
2018/04/24 (火) ~ 2018/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/24 (火) 20:00
価格2,200円
年に1度の明るい下ネタ祭り♪(爆)
いつもにも増してネタが盛り沢山でシッポまでアンコが詰まった鯛焼きどころか鯛の形のアンコに粉が付いているレベル、もはやネタの隙間にストーリーがある、的な?(爆) しかしそのストーリーが一応体を成しているのがまたスゴいしヒドい(笑)(褒めてます)
本作に限らず毎回のことだが下ネタ、エロネタを前面に押し出しながら、照れや後ろめたさなど微塵もなくイキオイで突っ走る(しかもそのイキオイが全く衰えない)ことで潔さや爽やかさ(ホントか?)を感じさせる「確信犯的犯行」がここの魅力か? ポップンマッシュルームチキン野郎の開演前パフォーマンスがお好きな方はハマるかも?ってか、ポップンマッシュルームチキン野郎をナンセンスな部分とハートウォーミングな部分に分けるとPeachboysとはらぺこペンギン!になるのではないか?(笑)
思い返すとネタの大半は30年くらい前のもので、中には40年近く前のものもあり、20代の観客にどれだけ通じたの?という疑問は残る。ま、σ(^-^)は9割がた拾えたからイイけれども。(爆)
わたくしごと2本立て[はくちょうたちの、/ closets]
waqu:iraz
神奈川県立青少年センター(神奈川県)
2018/04/26 (木) ~ 2018/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/27 (金) 15:00
価格2,500円
女子高生とアラサーという一回り違う世代を描いた2作品を(休憩を挟んで)続けて見せることでその違いがくっきり浮き上がった感じ。
【はくちょうたちの、】
「小林ムーブメント」に彩られたモノローグ中心の高校生活、いかにも女子高生な感じに宮藤官九郎脚本のドラマ「ごめんね青春」を連想。
また、美術教師の描写に某芝居のN田先生を想起したりも(笑)
【closets】
女子高生の振付は創作ダンス風だったがこちらはダンサーっぽいし、白主体の照明に対しカラフルなど対比させて描くアラサーのライフスタイル。一回り上の世代はそんなにトウが立つの?な感覚も。(爆)
あと、オープニングで搬入されるハンガーラックのキャスターのガーッという音が「始まる!」な感じでワクワク。
空観
ヒンドゥー五千回
座・高円寺2(東京都)
2018/04/25 (水) ~ 2018/04/26 (木)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/25 (水) 19:30
座席H列15番
価格4,000円
実験的演劇……と言うより「演劇表現実験室」なオモムキ。
これまたワカろうと思ったり読もうと思ったりせず舞台上の出来事を観て感じればヨロシイ、的な。ふとEテレの未就学児童対象の「何かをやっているところを見せて興味を持たせる知育番組」のオトナ向け版?な考えもよぎる。
また、これは扇田主宰の心の中のもの(=「観」)を表現しているのどは?などとも思う。(冒頭で仏教用語としての「空」の説明があったのでなおさら?)
結果、面白い表現や美しい場面が生まれたのか、的な。「面白い」と言うより「興味深い」公演だった。
【勝手にキャッチコピー】この作品に決まった「正解」はありません、あなたが感じ取ったもの、それが正解です
オカルト・ミステリー・アワー
サムゴーギャットモンテイプ
ギャラリーしあん(東京都)
2018/04/25 (水) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/04/26 (木) 20:00
価格2,300円
日本家屋である会場の構造を活かし客席と壁1枚隔てた廊下などでの声やS.E.によって観客にあれこれ想像させるのが巧み。
また、昨年6月の「おうちにかえる・オブ・ザ・デッド」同様「このテのハナシ」のセオリーを忠実に踏襲して見事。「このテのハナシ」が好きな上に出来が良い(私見)ので内容と裏腹に嬉しくて頬が緩みっ放し♪
最前列のお客さんが音などに反応して時々ビクッとするのが見えたのも頬が緩んだ要因の1つであるが、それはつまりコワさの証左。
そしてそれは「マイルドな呪怨」なオモムキとも換言できるかも?(そう言えば最後の場がビデオ版「呪怨2」と通ずる手法だし)
なお、会場のトイレの場所(客席背後上手側の外)を知っていると、より楽しめると言うか後で台詞にも出てくるが、何の音か先に気付けるので有利。開演前に場所だけでも確認しておくことを推奨。
また、会場は靴を脱いで入るスタイルなので脱ぎやすい靴、穴が空いていない靴下を推奨。
「舞台を初めて観る方に」を「お薦め!」にするとコワいものに弱い方から恨まれるおそれがあるので「どちらともいえない」にせざるを得ないのがツラいところ?(笑)
逃げぬれて、夜
くちびるの会
調布市せんがわ劇場(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/23 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/23 (月) 14:00
座席H列5番
価格3,400円
かつて絵本を出版したがその後がなくスーパーで7年間働いている幸子と、新聞配達に加えてコンビニエンスストアでのアルバイトも始めた伸夫を中心に進むので現代労働事情的な群像劇かと思いきや、その二人が邂逅した場面で「え、つか風味?」となり、以降はファンタジックあるいはシュール系に踏み外してゆき、その味わいは昭和の懐かしきワカモノ芝居。
で、つかのみならず唐を感じたお客さんもいらしたと伺い、そう言えば微かに漂っていたアングラ臭は唐か、なるほど……と得心がいく。
シンプルながら中心部分の向きを変えて様々な場を表現する装置も(どこか懐かしさがあって)○。
クライマックスは舞台上の幸子と客席最後部に登場した伸夫が縦通路を絆的なものに見立てて対峙する演出で、予約時に備考欄に書いた「後方通路際の席がイイ」というワガママが功を奏したのだった。(もちろんそういう演出とは知らなくて、「個人的に見易い席」を望んだのだが)
【余談】
「バットで壊す」はつい最近もあったと思ったら、この2日前に観た映画だった。しかも出る前にテレビでバットを使うシーンの撮影裏話を聞いたという……。(OM-2のハムレットマシーンもバットを使っていたっけ)
また、某コンビニの来客音をわずかに変えたメロディが使われていて、その元ネタの変奏を使った芝居を思い出して頬が緩んだのだった。
R老人の終末の御予定
ポップンマッシュルームチキン野郎
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/04/19 (木) 14:00
価格4,000円
そんなものも!?なものまで擬人化するナンセンスさとギャグ満載な一方、哲学的だったり心温まったりなテーマも謳うのはPMC野郎の得意とするところだが本作はその真骨頂にしてロボットSFに挑戦。よってそちら方面の知識があるとより楽しめるし深読み・誤読の余地もたっぷり。
もちろん衣装(貴ぐるみ?)の完成度やギャグのクオリティも高く、現時点での最高傑作かも。
魂-ココロ-推理士 心弦真
teamACT
要町アトリエ第七秘密基地(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/20 (金) 14:00
価格3,500円
類型的だったり作為的で「そんなにうまくいくかーい!」だったりなツッ込みどころもあれど、総じて言えば巧みな作劇の心理カウンセラーもの。序盤とクライマックスなどそちらの本業の方が書いたの?な部分さえあってビックリ。
さほど長くないのにそれ1つで「背後」を察知させる台詞が複数あるのにも感心。
また、アヴァンパートの心弦がヒロインに名刺を出したところでオープニングクレジットとなり、名刺風のデザインで出演者名・役名・役の肩書きを投射するのがスマートで膝ポン。
台詞の1つにスピンオフ……ってか前日譚を作れそうなものがあったが、本作の反響によっては実現もアリか?(笑)
「ハムレットマシーン」フェスティバル
die pratze
d-倉庫(東京都)
2018/04/04 (水) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/22 (日) 14:00
五組目:劇団シアターゼロ/IDIOT SAVANT theater compan
最終組は「まだこのテがあったか!」な2団体?
【劇団シアターゼロ】
狂言まわし的な人物と白塗りのハムレット、オフィーリアという3人によるほぼ無言劇。装置・小道具もなくひたすら演技のみによる表現なので最もヒントが少なく「難解」?
そういう意味ではもしかしてこれが本来のカタチか?(笑) ← 当戯曲は不定形なものにつき「本来のカタチ」などという概念は存在し得ません(私見)
【IDIOT SAVANT theater compan】
序盤はテキスト要員1名に応援団または一世風靡セピアのような6人(男5女1)のコロスによる絶叫型アングラ風味。その刷り込みか演者3名が加わってのパフォーマンス(立てた黒い板に各国語で言葉を書き込みアジテート立て看板のようにすつとか、椅子に座った人物に白く細い布を巻きつけてゆくとか)もアングラチックに見えてしまう。
また、ラストのルンバに「上海バンスキング」のラストシーンの家鴨を想起。
ところでダンスの犬ALL IS FULLに続いてヴィヴァルディ「四季」の冬・第3楽章(?)を使っていたが、終末だの廃虚だののイメージがあるのか?
新宿コントレックスVol.19
Aga-risk Entertainment
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/04/20 (金) ~ 2018/04/21 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/20 (金) 19:30
価格2,000円
それぞれ色合いが異なる5団体のコント合戦、各団体とも個性がよく出ていた印象(エンニュイのみ今回初見)。
そして通常より1団体増えても105分に収めるというテンポの良さは快感。団体間の転換も効率的だった。
エンニュイ「角度の授業」、卒業式の1コマ。登校拒否生徒の母の教師への批判からの教師の逆襲で大笑い。しかしメディアの利用が大きな要素になっているコント、未来だよなぁ。
くによし組「ななめ島」、お得意の(?)シュールな設定。「壁を背負って生きていく」が比喩でなくそのまんまで、壁ドンの際に黒子的な人物が裏から支えるのが個人的にツボ。
なかないで、毒きのこちゃん「キミはボクの光くん。」、伝説の「新宿眼科画廊事件」(笑)の応用編にして照明スタッフ版、なオモムキ。しかしバックステージものを短編とはいえ二人芝居で複数創るとは、鳥皮ささみ、おそるべしっっ!!!
劇想からまわりえっちゃん「おもろいフェスティバル」、そこまで演じられていた出来事が実は絵本の内容であったというオチは前回公演に通ずるものがあり、前作を観た観客への目配せかな?と思ったり。
Aga-risk Entertainment「エイジ」、津和野さんがテンパるというのは得意なパターンの1つではあるが、本筋部分はアガリクスに今までになかったもので「新型」と言えるのではなかろうか? そして、序盤の雑談的な部分が実は本筋への振りになっているのが巧いよね。
で、その序盤から「AGE」かと思ったら「EIJI」だったという……(笑)(しかし現実ではその内容からやはりAGE、みたいな?)
青春超特急
20歳の国
サンモールスタジオ(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/04/19 (木) 19:30
価格3,000円
卒業公演と銘打つだけにラグビー大会とか文化祭とかの個別行事ではなく「これが20歳の国的3年間の高校生活だ」と言わんばかりの内容で、冒頭からアオさとアツさ満載、青春真っ盛りな様子に胸がアツくなる。
以降、そんなコトあったな、あんなコトあれば良かったな、と観客に思わせたり、過去公演を想起させたりする行事が話題に出てくるのはズルい……もとい巧いし、劇中でも演劇同好会のメンバーが「卒業公演」について話すので本作とのリンクまで感じるんだな。
あと、学校用の机と椅子の組み合わせでいろんな場を表現する美術もステキ。
卒業、おめでとう!
さて、次回以降はどんな作品を見せてくれるのかしら?それもまた楽しみ♪