はなと5つの願い
劇団やったるDAY!
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2007/03/28 (水) ~ 2007/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
主人公と周囲の人々を丁寧に描いて
突然の弟の出現に戸惑いながらも次第に打ち解けてゆく主人公と、それを温かく見守る周囲の人々を丁寧に描いているのがジワジワ効いていて、クライマックスでは積もり積もった涙で堤防決壊、みたいな。
カバディ
劇団Peek-a-Boo
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2007/03/28 (水) ~ 2007/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
カバディの試合シーンが圧巻
終盤のカバディの試合シーンが圧巻。冒頭で基本的なルールの説明があるので初めて観てもわかるのはもちろん、レイダー(攻撃)・アンティ(防御)それぞれが様々な実戦テクニックを使っているところまでちゃんと見てとれるという…
なんでも正式の選手から手ほどきを受け、しかも劇団内のチームで大会にも参加したということなので、その本格ぶりは推して知るべし。
しかも、張り出しステージをうまく使って、コートを俯瞰しているように見せているのがナイスアイデア。
SOUL FLOWER
ACTOR’S TRASH ASSH
ザ・ポケット(東京都)
2007/03/28 (水) ~ 2007/04/01 (日)公演終了
満足度★★★
Neo Genesis
富裕層とそれ以外の居住エリアが分かれているという、近未来ものではお馴染みの設定の下、主人公側の白い歌姫(ヒロイン)と黒いケガレ(ヒーロー)、敵役のジョーカーなどのキャラクターがなかなかに魅力。
歌姫の失踪を発端に、やがて富裕層と下位層の確執が見えてきて…というストーリー、クライマックスでの911テロ肯定的な部分がちょっとひっかからないでもないけれど、「新創世記」的な感覚は好き。
ラーメン物語
カートエンターテイメント
ブディストホール(東京都)
2007/03/28 (水) ~ 2007/04/01 (日)公演終了
満足度★★★
若干「喰い足りない」かも?
基本はグルメ系ながら、生き別れた三姉妹の再会ネタなどもありつつ、比較的予定調和的に話が進み、もう一波乱くらいあっても良いのでは?と多少の「喰い足りない」感なきにしもあらず。
とはいえ、劇中でのラーメンの味の表現の仕方とか、序盤で試作メニュー的に出てくる(しかもスライドで画像を投影する)トマトラーメンとかマヨネーズラーメンとか、なにかにつけて食欲を刺激される。
なつのしま、はるのうた
椿組
「劇」小劇場(東京都)
2007/03/28 (水) ~ 2007/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★
ジワジワと心に沁みる
戦争を直接は描かず、がしかし戦争によって影響を受ける一家を描くことで間接的に反戦を訴える手法がジワジワと心に沁みる。
また、終盤で歌われる「寿歌」がやさしくて、ちょっぴりホロリ。
実は鄭義信作品って、映画も含めてどちらかと言えば苦手だったのだけれど、コレは良かったわぁ。
妻の家族
ラッパ屋
紀伊國屋ホール(東京都)
2007/03/24 (土) ~ 2007/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★
ラッパ屋の真骨頂?
池のある中庭を囲んだ日本家屋(設定では三鷹市下連雀なんだそうで)という装置を見ただけでもう「あぁ、ラッパ屋の世界!」な感じ。(初めて観たのが『凄い金魚』初演版(96年5月)だけになおさら?)
物語が始まると、ややフクザツな関係の兄弟姉妹たち(とその末娘と結婚して間もない夫)を中心に進むストーリーにその感はますます強まり、実に巧みな語り口によってグイグイ引きこまれて、あは、あは、などと笑っているうちに2時間が過ぎてしまう。
前回公演『あしたのニュース』も良かったけれど「ラッパ屋らしい」という点ではこちらの方に軍配か?(←あくまで私見)
女体カーニバル
柿喰う客
王子小劇場(東京都)
2007/03/21 (水) ~ 2007/04/01 (日)公演終了
満足度★★★
『サバンナの掟』
ホントに不道徳で乱暴な作品なのだけれど、抑えきれないナニカがほとばしり出てしまいました、な感覚が不思議な魅力。
なんでも、中学・高校時代は “模範的演劇部員”(本人談)であった中屋敷法仁が、初めて1人でプロデュースを任せられた(と同時に柿喰う客の旗揚げ公演でもある)作品だそうで、それまでおさえつけられていたものが一気に噴出したってところ?
青春荘の人々
ペテカン
新宿シアタートップス(東京都)
2007/03/24 (土) ~ 2007/04/03 (火)公演終了
満足度★★★★
下宿・雑居系にハズレなし?
住人たちのダメっぷりに共感したり身につまされたりしつつ、その一方で「今ひとつまとまりに欠けるのでは?」と思っていたら、終盤にちゃんと山場を持ってきてキチンと落としどころに着地させているのはさすが。
このテの所謂「下宿屋系(もしくは雑居系?)」って、どこか懐かしさや憧れがあって好きです。
雲丈郭
ひげ太夫
麻布DIE PRATZE(ディ・プラッツ)(東京都)
2007/03/23 (金) ~ 2007/03/27 (火)公演終了
満足度★★★★
装置や背景まで役者が表現
「装置や背景まで役者が表現する」手法は他の劇団もやっているけれど、これに組体操(ハンパじゃないんだ、これが)も加えて見せる(魅せる?)のがスゴいやね。
千歳月
アップフロントワークス
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2007/03/24 (土) ~ 2007/04/04 (水)公演終了
満足度★★★★
既視感があることは否めない
時空超越&輪廻転生型めぐり逢い系ストーリーとして既視感があることは否めないが、だからといって悪いワケではなくむしろ好きな傾向であった上に、目当ての邑野みあがヒロインで予想した以上に出番が多く…ってかほとんど出ずっぱり状態だったので満足度高し。
TOMMY
キョードー東京
日生劇場(東京都)
2007/03/12 (月) ~ 2007/03/31 (土)公演終了
満足度★★★★★
思い入れのある身にとってこれは嬉しい
ザ・フーのオリジナル・アルバムを多感な(笑)17歳の初夏に聴き込み、その夏にステージで8曲ほど歌い、当然ケン・ラッセル監督による原色使いまくりの毒々しい映画版(75年)も観ているし、その前の豪華キャストによるロック・オペラ版アルバムまで聴いているという思い入れのある身にとってこれは嬉しい。
おそらく20年以上聴いていないし観ていないのに、曲のごく一部、アタマの部分を聴いただけで記憶の底から歌詞だのオリジナル版の音だの、映画版でのティナ・ターナーやエルトン・ジョン、エリック・クラプトンなどの姿が瞬間解凍されたかのように鮮やかに蘇ってくるという。
そんな状態なので「ストーリーが分かりにくい」的な不満は個人的には全くなく、むしろ映画版よりも原典に忠実(だと感じた)なこともあって、非常に満足。
ただ、客観的な立場で言うならば、特に後半の展開が急で分かりにくいかも。それは、もともと見せるためのストーリーではないところに起因しているのでしょうが。
おたのしみ
ラックシステム
ザ・スズナリ(東京都)
2007/03/23 (金) ~ 2007/03/28 (水)公演終了
満足度★★★★
使い込まれた白木製品の肌触り
リアルに作りこまれた装置の中で描かれる昭和の庶民伝、今回は終戦直後から5年ほどを描いて。
途中から井上ひさしの『闇に咲く花』的な方向に持って行くことができたり、終盤で悲劇のニオイを漂わせたりすることもできるのだけれど、敢えてそうせずにハッピーな流れにしたのはいかにもここの芝居だなぁ。
女体カーニバル
柿喰う客
王子小劇場(東京都)
2007/03/21 (水) ~ 2007/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★
『他人の不幸』
前日に観た『口だけの女』の5年前という設定なので、「この人物は将来あんなことになるのに…」とか「あの状況の原因はこれだったのか」などと “神の視点” で観るような感覚。
リュケイオン
innocentsphere
青山円形劇場(東京都)
2007/03/21 (水) ~ 2007/03/26 (月)公演終了
満足度★★
題材、手法とも苦手なタイプ
引きこもりの更生施設での静かな群像劇ということで、題材、手法とも苦手なタイプではあったが、客席にもスピーカーを設置してのサラウンド音響(芝居では珍しい)や、“あの名曲” の生演奏などが良かった。
女体カーニバル
柿喰う客
王子小劇場(東京都)
2007/03/21 (水) ~ 2007/04/01 (日)公演終了
満足度★★★
『口だけの女』
一言で表現すれば「ダークでピンクな悲恋もの」?
風俗関係、暴力団関係、それに警察関係の登場人物たちが地方都市で繰り広げる物語、映画であれば少なくともPG-12、おそらくはR-15 な表現を含みつつ…(以下ネタバレへ)
また、タイトルの意味(いやもう、序盤でそれは想像に難くないのだけれど)が劇中人物によってハッキリ告げられる場面以降の言葉遊び(「リトマス試験紙」関連やナマで披露されるラップ)がなかなか。
さらに、女性刑事・二歩(コロ)のイッちゃってる目つき(ホント、ヤバいんだこれが(笑))と、尾管弔介(村上誠基)の独特な台詞回し(鳳啓介のモノマネ風?)が印象的。
There is...そこにあるもの
SORAism company
ウッディシアター中目黒(東京都)
2007/03/16 (金) ~ 2007/03/19 (月)公演終了
満足度★★★★
これぞエンタメ
オープニングでいきなりダンスだし、前半にはかなり笑いもあるし、アクションまで盛り込まれていて、クライマックスでは(読むのに難くないけれど)親子の情で泣かせるし、これぞエンタメ。
取調室
U-1グランプリ
新宿シアタートップス(東京都)
2007/03/13 (火) ~ 2007/03/21 (水)公演終了
サボテンの花
演劇集団キャラメルボックス
シアターアプル(東京都)
2007/03/14 (水) ~ 2007/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★
原作を読んだのは5年以上前で…
…オチしか覚えていなかったので帰宅後ザッと目を通したら、やはりかなり膨らませており、観ていて「いかにもキャラメル」と思ったエピソード2つがオリジナルだったのにニヤリ。
BLUE
30-DELUX
シアターサンモール(東京都)
2007/03/15 (木) ~ 2007/03/21 (水)公演終了
満足度★★★★
シンプルかつストレートな勧善懲悪系近未来アクション
随所に得意のアクション(平家の落人絡みだけに殺陣主体)がちりばめられているのはもちろん、個人的には「異色顔合わせ(笑)では?」と思われた IKKAN(オフィス★怪人社)を中心としたお笑いもほど良いアクセントになっていて、2時間弱の上演時間がアッと言う間。
狂想のユニオン
イキウメ
吉祥寺シアター(東京都)
2007/03/16 (金) ~ 2007/03/21 (水)公演終了
満足度★★★★
リドルストーリー的結末
不可解・不条理な状況の真相が次第に判明してゆき、いよいよ解決か…というところで振り出しに戻るかのようなドンデン返しがあって、最終的には観客の判断に委ねるリドルストーリー的結末がニクい。
心の奥底にある不安を呼び覚ますような作風健在!