じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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沈黙の自治会

沈黙の自治会

演劇ユニット象さんのふかづめ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2007/07/25 (水) ~ 2007/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

必見! 伝説の名作、復活
団地自治会への無関心なんてところから始めて、団地を日本から独立させるという突飛な展開を通じて日本が抱えている諸問題を痛烈に皮肉るという構造が非常に見事。

ほとんど初演時のままでの上演なので、一部ピンと来にくい部分もあるが、逆に初演から15年(再演からでも14年)経っているのに日本は根本的に何も変わっていないということもさらに皮肉に感じる。

また、序盤で語られるある一家の家庭内状況が、後半での国家的状況とシンクロするあたりも巧い。

さらに、終盤の父の台詞にはかなり泣かされる。やはり齢を重ねた結果そのテのことに弱くなったのか?(爆)

ただ、音楽で心情などを説明しすぎるのは玉に瑕。そんなに音楽を流さなくてもわかるところはわかるのになぁ。

犬目線/握り締めて

犬目線/握り締めて

tsumazuki no ishi

ザ・スズナリ(東京都)

2007/07/19 (木) ~ 2007/07/23 (月)公演終了

満足度★★★

長めなのはちとキツいが、観た甲斐はアリ
ひねくれた愛、ねじ曲がった愛、いびつな愛の博覧会的様相を呈しつつ、笑える部分も少なくないのは意外で、特に某有名アニメの名台詞集のようなシーンでは大笑いしたが、やはり休憩なし155分はちょっと長い。

一方、旧い集合住宅独特の入口近辺での残響を表現した音響効果、パースを強調したエイムズの部屋か騙し絵のような装置、最後のシーンで2人が手にした2通の手紙の由来の見せ方などはさすがで、観た甲斐はあったというもの。

おんわたし

おんわたし

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2007/07/20 (金) ~ 2007/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

以心伝心
大きな事件や劇的な展開はなく、言葉少なで静かな演劇だというのに、登場人物の心情や考え方、あるいは劇中では詳しく語られない背景などが手に取るように伝わって来るのがフシギ。
まさに心を以って心を伝える演劇という感じ。

また、初演に近い星組を観ながら「この役をあの人が?」などと思いながらもいざ月組を観たら「それもアリ」どころかしっくりハマっていることに感心。

がしかし、薄味ながら良い食材を使って一流の職人が仕上げた味の如く、しっとりした旨味がじわじわしみ出てくる、というスタイルなので、中・上級者向けかも?

小さなお茶会

小さなお茶会

空想組曲

王子小劇場(東京都)

2007/07/13 (金) ~ 2007/07/17 (火)公演終了

満足度★★★★

苦手意識克服か?
一通り流れを見せてから別の人物の視点(複数)でそれを描いてコトの真相を徐々に明らかにするというシカケで描く「届かない想い」「伝わらない気持ち」「すれ違うベクトル」、時に笑えて時に切なく時にはコワく(?)面白かった。
『アリスの愛はどこにある』とこれでほさかよう作品への苦手意識はやっと克服できたか?

ネタバレBOX

同じ平面状に1階と2階を配して、それを階段でつないだ騙し絵のような装置も見モノ。
歌姫

歌姫

東京セレソンデラックス

シアターサンモール(東京都)

2007/07/11 (水) ~ 2007/08/05 (日)公演終了

満足度★★★★

東京セレソンDXの真骨頂
昭和30年代前半、高知市内からやや離れた漁師町の映画館・オリオン座を舞台にしたちょっと切ない人情噺系ストーリー、笑いと涙のブレンド具合とか、レトロなムードとか、ここの真骨頂と言っても過言ではあるまい。

ネタバレBOX

クライマックス前の即興場面によって流れが途切れはしないまでも滞った感があったのは微妙だが、導入部分である現在から物語の中心となる昭和30年代前半への場面転換とか、下手壁に貼ってある「上映中/次回上映」の映画ポスター(それ自体もけっこうツボだったり)による暗転前後の時間経過表現とか、演劇的表現がイイ。
花火、舞い散る

花火、舞い散る

椿組

花園神社(東京都)

2007/07/13 (金) ~ 2007/07/22 (日)公演終了

満足度★★★★

テント小屋ならではの味わい
煙火業を営む一家とその従業員(=花火師たち)や周辺の人々の人間模様を時には笑わせ時には泣かせつつ描き、決して少なくない登場人物たちもそれぞれキッチリ個性を際立たせて描き分けられた脚本と、この野外劇ならではの豪華顔合わせなキャスト陣、さらにこれまたテント小屋ならではの演出がガッチリ噛み合って相乗効果をあげて見せるし魅せるし。

民宿チャーチの熱い夜5

民宿チャーチの熱い夜5

劇団The NeetniK

タイニイアリス(東京都)

2007/07/13 (金) ~ 2007/07/16 (月)公演終了

満足度★★★

沖縄訛りに心和む
今の沖縄が抱えている問題から始まり、意外にもシリアスか?と思ったら勘違い系コメディになり沖縄風人情噺を経て、反戦や、最近の教育問題、命の重さにも触れて、うちなんちゅー的解決法を示すという構成が巧み。

また、「いちゃりばちょーでー」「ぬちどぅたから」など聞き覚えのあるうちなーぐちの使い方も効果的で、そもそも沖縄訛りって、どこかのどかで気持ちが和む。

ゼイラム THE LIVE

ゼイラム THE LIVE

カプセル兵団

笹塚ファクトリー(東京都)

2007/07/11 (水) ~ 2007/07/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

文句ナシ、完璧!
原作である映画(OVAは未見)の設定や世界観をキチンと活かしているのみならず、新たな設定・登場人物も違和感なく溶け込んでストーリーにより深みを与えており、内容的にもアクション一辺倒ではなく、兵器開発合戦への批判あり、泣かせる部分ありで素晴らしい。

ショコレ!!!

ショコレ!!!

ACTOR’S TRASH ASSH

しもきた空間リバティ(東京都)

2007/07/13 (金) ~ 2007/07/15 (日)公演終了

満足度★★★★

今まで観たことのなかった面も
作・演出が3人で7本のショートストーリーオムニバスというスタイル。昨年3月の『キスと半島と残酷』からとASSH歴の浅い身としては、今まで観たことのできなかった面を観ることができたのが嬉しい。

特に言葉遊びや皇室ネタで笑わせた「高湿アルバム」「匿名係長POO」の「おバカ系」具合(笑)と、そこに至るまでの経緯を劇中の会話からシッカリ想像させ、儚さ、切なさの漂った「芥河」が印象的。

BELL SEARCH

BELL SEARCH

KALAMA WAIOLI appearing 工場

ザ・ポケット(東京都)

2007/07/12 (木) ~ 2007/07/15 (日)公演終了

満足度★★★★

一言で表現すれば「上出来の闇鍋」(笑)
そのココロは、単品なら美味いけれど鍋には合わない、どころか煮ても焼いても食えない具もあるけれど、「こんなものまで入っているんだぁ、しかも意外と合うじゃん」な具が多い。

ただ、序盤が粗くモタつく上に登場人物が多くて関係や背景をのみこむまでしばらく芝居内の世界に入り込めないのは玉に瑕。
当日パンフに人物相関図か勢力図を載せて世界観を事前に観客に知らせておけばもっと良かったのではあるまいか?

ネタバレBOX

客席に入って装置が目に入った時点で、サブタイトルと結びつけて「あぁ、アラジンか」とすぐに推測できるが、まさか出だしが竹取物語でオチがシェークスピアだとは、お釈迦様でも気が付くめい、みたいな…(笑)

それどころか、ダンス、ミュージカル、歌舞伎、アクションなどいろんな要素を詰め込み、オリジナルを知っていればいるだけ楽しめる小ネタの数々を無節操に見境なく(爆)ごった煮の如く欲張って取り入れて、サービス満点。
神様の夜〜プログラムD「さようなら」

神様の夜〜プログラムD「さようなら」

KAKUTA

ギャラリーSite(東京都)

2007/07/07 (土) ~ 2007/07/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

有終の美
こちらにも新手法が取り入れられていて「基礎編のA、B」「応用編のC、D」という感じ。

ネタバレBOX

原作アリのパート(「草上の昼食」)とオリジナルパート(「さようなら」)が一部「同じ時空でニアミスする」などという秘策を隠し持っていたとは…!
大ニンゲン展

大ニンゲン展

モノヅクリズム ソラトビヨリ。

荻窪メガバックスシアター(東京都)

2007/07/04 (水) ~ 2007/07/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

ほぼ完璧な秀作
卓越したアイデアの戯曲と個性豊かなキャストがガップリ四つに組み合って相乗効果をあげており、ほぼ完璧な秀作。

ネタバレBOX

中央司令室か操縦室のような「脳」から擬人化された左脳・右脳などが体内各所に指令を出すなんてことに始まり、その身体の主(とその恋人)も見せるばかりでなくクライマックスで闘病の描写として癌に冒された細胞と本人が戦うアイデアなんざ白眉。

他にも白血病・癌に関する医学知識が出てきたり、かつての部下・同僚と戦わざるを得なくなった細胞なんて状況があったりアイデア満載。さらに、泣かせたままでなく、最後に笑わせて終わるのもイイ。
神様の夜〜プログラムC「魅せられる」

神様の夜〜プログラムC「魅せられる」

KAKUTA

ギャラリーSite(東京都)

2007/07/07 (土) ~ 2007/07/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

さらに進化した後半戦
往きの電車内で原作を読んでいたら「春立つ」のカナエさんの台詞が麻生美代子の声と言い回しで脳内再生されて、この手法の術中にまんまとハマっている自分に気付く。

前半のプログラムA、Bにはなかった新手法がいくつか取り入れられていることやベテランが参加したことによってさらに進化した、という感じがステキ。

ネタバレBOX

また、オリジナルの「魅せられる」の終盤では父親の娘に対する愛情が感じられてホロリ。
サムシング・スイート

サムシング・スイート

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2007/06/17 (日) ~ 2007/07/03 (火)公演終了

満足度★★★

「終わり良ければ…」の逆?
15年の付き合いになる女性2人の無意識的な相手への依存や甘えも含んだ結びつきを描いた脚本(中谷まゆみ)及び演者(星野真里・辺見えみり)が見事だが…(ネタバレに続く)

ネタバレBOX

ラストの「電飾」が何とも興醒め。
音響と照明による表現で十分だろうに何故あんなチープな花火をわざわざ見せるかなぁ?
「桐の林で二十日鼠を殺すには」「ラストシャフル」

「桐の林で二十日鼠を殺すには」「ラストシャフル」

劇団6番シード

新宿シアターモリエール(東京都)

2007/06/30 (土) ~ 2007/07/08 (日)公演終了

満足度★★★★

「桐の林で二十日鼠を殺すには」
前半には笑いもありつつ次第にサスペンス調に転じて描かれるマッドサイエンティスト系ストーリー、終盤で免疫学の権威という伏線が活きてくるのと、けっこう重い結末を迎えながら、最後に救いを見せて終わるのは巧い。

あと、紗幕の前で演技している間に換装して客間(ホール?)と実験室を同じ装置を使って見せるのも芝居の面白さだぁね。

ネタバレBOX

ただ、「もう1人さらわれていた」というのはちょっとズルい?(笑)
「桐の林で二十日鼠を殺すには」「ラストシャフル」

「桐の林で二十日鼠を殺すには」「ラストシャフル」

劇団6番シード

新宿シアターモリエール(東京都)

2007/06/30 (土) ~ 2007/07/08 (日)公演終了

満足度★★★★

「ラストシャッフル」
中心となるパートはあたかも創作落語の人情噺というオモムキでやさしくてあたたかく、一件落着の後に明かされるもう1つの真相も(漠然と予測できるものの)好きなパターンで満足。

ネタバレBOX

『俺たちは天使じゃない』(『俺たちは志士じゃない』の元ネタ)や『カレッジ・オブ・ザ・ウインド』を想起させるって、もしかしてキャラメルっぽい?
enter on the DIARY

enter on the DIARY

シネマ系スパイスコメディAchiTION!

シアターブラッツ(東京都)

2007/06/28 (木) ~ 2007/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★

複数のエピソードを紡いで織り上げる
複数のエピソードを紡いで織り上げる手法にますます磨きがかかったことに加えて、てんこ盛りの小ネタがどれも大笑いできて楽しい。
ただ、終盤のパラドックス関連の説明が、事前に「ルールブック」を読んでいないとわかりにくそうなのが惜しい。

碧玉路

碧玉路

ひげ太夫

ザムザ阿佐谷(東京都)

2007/06/27 (水) ~ 2007/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★

巧みなストーリーテリング
観始めてから初の現代劇で「あんなものやこんなもの」まで例の手法で見せることにウけ、同じ高さに揃った樹の喩えなど深いモノも含んでいながら説教臭くならないストーリーテリングの巧みさに感心。

ネタバレBOX

まさかビリヤードまで演じてみせるとは…(笑)
八人目の侍

八人目の侍

演劇集団アーバンフォレスト

「劇」小劇場(東京都)

2007/06/28 (木) ~ 2007/07/01 (日)公演終了

満足度★★★

オチが弱い
侍役として集められたのが小劇場系の役者たちという設定で、劇団裏事情などが(誇張・戯画化はあると思うが)妙にナマナマしく、プロデューサーの役者蔑視的発言ももしかすると実体験に基づくのでは? などと思わせるあたりは(自虐的でもあって?)楽しい。
ただ、オチが弱いというか、ちょっと締まりがないのは残念。

神様の夜〜プログラムB「ひとりじゃない」

神様の夜〜プログラムB「ひとりじゃない」

KAKUTA

ギャラリーSite(東京都)

2007/06/23 (土) ~ 2007/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★

誰かがそばにいるシアワセ
コミカルな「オトナの童話」という感じのAに対して「誰かがそばにいるシアワセ」がテーマの2編で、生演奏のピアノ(Bプロのみ)や終盤でフィーチャーされる映像がやさしさ・あたたかさをさらに引き立てており、感動。

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