じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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ヘンシン

ヘンシン

リブレセン 劇団離風霊船

ザ・スズナリ(東京都)

2009/04/16 (木) ~ 2009/04/22 (水)公演終了

満足度★★★★

コミカルのちシリアス
カフカの「変身」をモチーフに、前半は大いに笑えて、しかし真相が明らかになる中盤のヘアピンカーブ的切り返し以降シリアスに転じ切ない結末を迎える90分の作品。
モチーフとなった「変身」は概略しか知らなかったもののさほど支障はなく、むしろ某有名ミュージカルネタに大笑いでき、さらに、「そっちの方の変身(かのヒーローも考えてみれば広義で「虫に変身」するワケだ)」まであって前半はもうほぼコメディ。
が、「お母さん」以降展開されるテーマは老いることへの不安や心細さあるいは恐怖。
「家族から毒虫の如く嫌われているのではないか」とか「マンションという虫カゴに閉じ込められる」とか「虫」もキチンと使っているのは上手いし「私の記憶がなくなってゆくとその中のものも消えてゆく」なんてあたりは身につまされる。

でたらめライブラリー

でたらめライブラリー

春の日ボタン

小劇場 楽園(東京都)

2009/04/15 (水) ~ 2009/04/19 (日)公演終了

満足度★★★★

前作よりも込み入った構造
初見であった前回は複数のエピソードが最後の一編で関連付くスタイルだったのが、今回は基本的に同様ながらもう少し込み入って、たて続けにかすかにリンクした複数のエピソードを見せ、先に進むにつれてそれらのリンクが強くなり、最終的にメインのストーリーに収束してゆく構造。こういうの(も)好きなんだよなぁ。
また、ボケとツッコミの要素も交えながらテンポ良く進む会話や、メインのストーリーのヒロインであるイマドキ珍しい(ってかもはや絶滅種?(笑))純正箱入りムスメ・まどかの暴走(妄想?)ぶりも楽しい。

烈 -双頭の幻-

烈 -双頭の幻-

プロペラ☆サーカス

相鉄本多劇場(神奈川県)

2009/04/15 (水) ~ 2009/04/19 (日)公演終了

満足度★★★

「娯楽時代劇」として楽しい
徳川幕府八代将軍誕生をめぐる秘話的ストーリー、そのあたりの歴史に疎い身として、史実を知っていればフィクションの配分具合などがわかってより面白かったろうに、という気もしつつ、また、一部、伏線を張りながら結実しないままのシーンや、回想あるいは過去の出来事であると即座にわからないシーンなどがあるのは惜しいが、「娯楽時代劇」として楽しい。
また、前説の後に物語のバックグラウンドとなる徳川家第六代~第八代についての紹介があるのも親切だし、綱吉・家宣・家継を同一人物が演ずることでそこまでの「血の濃さ」を表現するとともに一瞬にして時を隔てたシーンに移ることを可能ならしめるアイデアがイイ。
さらに、殺陣にSEをつけないのも好み…ってか、このサイズの劇場にはその方がしっくり来る感じ。

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

アトリエ・ダンカン

東京グローブ座(東京都)

2009/04/03 (金) ~ 2009/04/15 (水)公演終了

満足度★★★★

「東マジック」、さすが
やはり2時間半(休憩込み)程度にまとめるためにダイジェストっぽくなった部分あり、舞台表現の限界もあり、という感は免れないものの、そんな部分もありながらあの「幻想文学」(笑)を舞台に上げるとは大したモノ。
舞台表現で苦しい部分は、原作を読んだ時に浮かんだイメージで補っていたのが幸いしたのかもしれないが、いずれにしても「東マジック」、さすが。

赤い城 黒い砂

赤い城 黒い砂

松竹

日生劇場(東京都)

2009/04/11 (土) ~ 2009/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★

無時代・無国籍風仕立て
ジョン・フレッチャーとウィリアム・シェイクスピアの合作とされる『二人の貴公子』を、無時代・無国籍風に仕立て、中近東風の衣装でありながら主要人物の武器が日本刀(兵士たちはカービン銃)だったりするものの、第一幕は原典(ごく大まかなあらすじしか知らないが)に比較的忠実、一方、第二幕はかなりメッセージ性が濃くアレンジされた印象。
主演トリオの一角、黒木メイサは王女の気高さと強さ(特に終盤)の表現がとても良く、まだ経験が浅いにもかかわらず中堅(ベテランか?)歌舞伎役者2人に引けを取らない好演(どころか名演?)であることは認めるけれど、苦手意識を克服するには至らず。
また、目当ての一方である南沢奈央は予想外の大役で、しかも初舞台とは思えないほど堂々としており今後の期待大。
もう一方の目当てであった馬渕英俚可はある意味ハマリ役的なポジション(笑)なこともあり、いつもながら見事。

ネタバレBOX

終盤、ジンクに「戦争の元凶となる魔物」でも憑いていたかのように「俺が死んでも必ず蘇る」的なことを言わせたり、ラストで青の国が攻め込んで来たりするのは「束の間の平和が訪れたようであっても侵略戦争の火種は尽きない」という反語的な反戦メッセージか?(幕切れのカタリとジンクの姿はストレートな反戦メッセージだし)
桜ドリフターズ

桜ドリフターズ

さるしげろっく

劇場MOMO(東京都)

2009/04/08 (水) ~ 2009/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★

終盤の3場が秀逸
カゲの(?)主人公・雅人の四十九日法要(の前日・当日)と、その生前、彼の幼馴染みである女性・南の父の通夜の日の出来事を併行して描いたハートウォーミングストーリー、終盤の3場(2場+エピローグ?)が秀逸。
雅人と南の会話シーンはそれでなくとも名場面なのに、雅人がその後亡くなるということを観る側はわかっているだけに余計切ない…。(卑怯と言っても過言ではあるまい(笑))
また、その次の場で判明する雅人の真意が優しいのだが、さらに実は、なエピローグが画竜点睛を打つ。
あと、納屋にある各種アイテム(ガンプラの箱とかアイドルのポスターとか)や客入れ時のBGM(80年代アイドルポップス)にもツボを突かれたし、2つの時期を舞台となる納屋の窓の外に見える桜の枝(とSE)によって瞬間的に識別できるようにした工夫もナイス。

シンクロニシティ

シンクロニシティ

劇団偉人舞台

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2009/04/10 (金) ~ 2009/04/15 (水)公演終了

満足度★★★

好みのスタイル
筆が進まず悩んでいる女流作家のもとに瓜二つの女性が現れ…という、一見サスペンスのようでいながらコメディ色も濃く、しかも多重入れ子構造というのは好みのスタイル。
劇中小説(以下「小説」)の内容も舞台で演じられ、そこに劇中現実(以下「現実」)の人物も入り込み、小説の主人公が最後に立ち向かうものが現実の主人公の境遇と合致している(作家が自分を小説に反映させるのだからフシギはないんだが)なんてのが上手いし、実はそれらがすべて現実の主人公の幻想(あるいは夢)だというのが面白い。
夢野久作の「ドグラマグラ」もちょっと連想したりして。

義弟の井戸

義弟の井戸

黒色綺譚カナリア派

シアタートラム(東京都)

2009/04/10 (金) ~ 2009/04/15 (水)公演終了

満足度★★★

「モダンホラー」と銘打たれていたが…
…いわゆる「ホラー」のテイストは終盤のみで、どちらかと言えば人の心のコワさ・醜さを描いたサイコ・サスペンス…いや、その言い方もちょっと違うか?
で、昭和中期~前期を思わせる設定にフジ系列の昼帯ドラマを連想。(笑)
また、丈の短めな着物と小柄な女優のキャスティングによって4人の町娘がちゃんと少女に見えることに感心。
タイトルにもなっている「井戸」が上手にあり、その地下の部分を舞台中央奥で見せるのが面白く、終盤、埜鈴が落とされるシーンでどちらが現実なのか迷わせるあたりは好み。(落とすのが幻想でその後井戸の縁に埜鈴が腰掛けているのを見て「あぁ、落とさなくて良かった」と安心するの図、かと思った)
なお黒子ではなく、グレ子・ピン子・水子・白子などカラフルだったことにニヤリ。

鬼桃伝  -oni-momo-den-

鬼桃伝 -oni-momo-den-

おぼんろ

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2009/04/09 (木) ~ 2009/04/12 (日)公演終了

満足度★★★

若さゆえ(?)のイキオイあり
近未来寄りの無時代もの、かつて桃太郎のお供で鬼退治をしたイヌの「ズタボロ」が変わり果てた桃太郎と再会し…というストーリーに彼の生い立ちや鬼退治時代のエピソードも絡ませた「リアルタイプ桃太郎」。
105分の上演時間にあれこれ盛り込んだ上にひねりすぎてゴチャゴチャした感があるのは否めないが、若さゆえ(?)のイキオイあり。
また、クライマックスで昔と現在の桃太郎一味をクロスさせて見せるのとハードボイルドな幕切れがカッコイイ。
その直前、段ボール箱と「紙の壁」を舞台前面に並べたシーンも面白かったな。
さらに、吊りがあったり、出動する消防隊員よろしく(この頃は使っていないそうだが)装置に組み込まれている鉄パイプを使って下りたりなんて見せ方はダイナミック。
野田秀樹を想起させる言葉遊びが時折出てくるので「お好きなんですか?」と末原主宰に尋ねたら野田作品は2回しかご覧になっていないそうで、それも「そのテの言葉遊びだったらこんなのがあるよ」と教えられてだという…。
あと、オープニング曲の前半が現在ブレイク中のテクノポップ系女性3人組を思わせるのにニヤリ。

偽伝、ジャンヌ・ダルク

偽伝、ジャンヌ・ダルク

アロッタファジャイナ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/04/07 (火) ~ 2009/04/14 (火)公演終了

満足度★★★★

ポップでカジュアルなフランス史の1ページ
タイトルの通り「オルレアンの乙女」の生涯(後半が中心)を描いた作品。
一言で表現すれば「ポップでカジュアルなフランス史の1ページ」、事前に予習していたことに加えて、当時のフランスの国内事情(江戸時代の日本に喩えるのも巧い)や対イグランド関係についても劇中で解説があり、予習で疑問に思った部分までカイケツとは…
そのポップでカジュアルな表現に『ジーザス・クライスト・スーパースター』を思い浮かべていたら、終盤、悩むジャン・ピエールのもとに処刑されたジャンヌが現れるなんてところがあり、これまた首をくくったユダが登場して磔前のジーザスに疑問をなげかける「スーパースター」のシーンのようで、もうこれはトドメ?(笑)
欲を言えば、劇中に登場する地名がすべて舞台後方に掲げられた地図にあればよりとらえやすかったかもしれないけれど、漠然と知っている気になっていたジャンヌ・ダルクについて改めてキチンと(←予習した部分も含む)知ることができたのは有難い。

ザ・バトルドクター伝説

ザ・バトルドクター伝説

いれずみベービー

池袋小劇場(東京都)

2009/04/08 (水) ~ 2009/04/12 (日)公演終了

満足度★★★

昭和のニオイ
2度目の東京オリンピックを目前に控えた新宿歌舞伎町か池袋を思わせる繁華街で開業するアウトローな女医を主人公にした物語、弱者切捨ての国家政策への批判などというヤバいネタもありつつ、終盤では今より数年先の設定だというのに時は変われど人は変わらずと言わんばかりに昭和の人情的なエピソードのてんこ盛り。往年の日活映画やら松竹映画やら、そんなニオイがプンプン。(笑)
客入れ時から劇中まで、使用曲のほとんどが70年代後半のポップス歌謡(ほとんど知っていた…(爆))なのがそれに輪をかけているか?
女医と好敵手(?)である公安の刑事が互いに相手を理解していながら安易に譲ったりせず、最後まで自らのポジションを保つのも「あの頃」の映画、あるいはフィルム・ノワールっぽいか。

こじゃれた はるいちばん

こじゃれた はるいちばん

円盤ライダー

代官山RGBギャラリー(東京都)

2009/03/27 (金) ~ 2009/04/12 (日)公演終了

満足度★★★

劇中設定と公演会場が見事にマッチ
撮影スタジオでのダブルブッキング?な物語、複数の勘違いがうまくかみあってしまうという王道コメディ、今回も劇中設定と公演会場が見事にマッチして臨場感たっぷり。(音響的には響き過ぎて台詞が聞き取りにくいことが時たまあったが…)
また、そんな騒動の中、かつての恋人に対する微妙なキモチが見え隠れするあたりは胸キュン系?(笑)
あと、劇中のモデル役(2人)に現実のモデル・グラビア出身の女優(もちろん舞台経験が複数あり、σ(^-^) も以前観たことがある)を起用したキャスティングもナイス…ってか、これも内容と会場のマッチングと同様、狙っているのか?

さとがえり

さとがえり

KAKUTA

ザ・スズナリ(東京都)

2009/04/04 (土) ~ 2009/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★

日本の田舎の夏
桑原主宰の処女戯曲にして01年上演の『とまと2001』(未見)の再演改訂版で、夫を亡くしてから肉体が若返り始めた女性とその子供たちや周辺の人々の物語、『Bンジャミン・Bトン』を想起させる特異な設定もありつつ、それよりも「日本の田舎の夏」がシッカリ描かれていてなんとも懐かしい。(子供の頃の旅行先や学生時代の夏合宿などの思い出が蘇りまくり)
また、そんな不条理な出来事を何とか受け入れ、しかし(親類も含めて)他者には隠そうとする家族の姿がどちらかと言えばユーモラス。
家族が隠そうとしているのに本人は開き直りか「いーじゃん、別に」みたいな状況なので、ご家族のご苦労、お察しします、みたいな。(笑)
さらに、交互上演のもう一方である『帰れない夜』と骨格は同一ながらかなり趣を異にする装置にも感心。
あと、開演前に劇中人物が持ってきたラジカセから前説が流れるという趣向も楽しい。

45歳の地図

45歳の地図

劇団宇宙キャンパス

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2009/04/02 (木) ~ 2009/04/06 (月)公演終了

満足度★★★★

満足感アリ
妻・息子と3人暮らしの45歳の会社員を主人公にした「ホームコメディ」、良くも悪くもベタ気味で、どこか「借り物」感があるのは否めないが、飼い猫・タマの使い方(冒頭で口上を述べるほか、劇中随所でツッコミを入れたりする)や「チェンジされてしまうデリヘル嬢」と「隣の奥さん」に男優を使う(!)というキャスティング、それに電話に出ようとして座卓に足をぶつけるなどの細かい演出が利(効?)いていて、なかなかに楽しい。
また、若い頃(と少年時代←この配役&出し方も巧い)の自分に叱咤された主人公が「立ち上がる」終盤がよく出来ていて軽い感動すら憶えるほどだったので満足感アリ。
正直なハナシ、中盤あたりまでは次回公演を観るかどうかは微妙だったのが、このクライマックスによって観に行くことが確定、みたいな。

風景、あるいは壁の絵を窓と思い込みそこで目撃した物語を語る女の、幽かな震え

風景、あるいは壁の絵を窓と思い込みそこで目撃した物語を語る女の、幽かな震え

楽園王

タイニイアリス(東京都)

2009/04/04 (土) ~ 2009/04/05 (日)公演終了

満足度★★★

サスペンス風味の幻想譚
出だしから約30分間の(演出された)ウォーミングアップの間、まるで夕方から夜に変わるようなゆったりした速度で客電が落ち、現実界から虚構世界に潜行する感覚の後に繰り広げられるのはサスペンス風味の幻想譚。
少なからず比喩的な部分があり、8日前に観た劇団再生と同様に解釈の余地が大きい(終盤の紙袋と紙ヒコーキは911?とか)が、全体の手触りは、再生が「鋭角的」なのに対してこちらは「やわらかくてふんわり」みたいな?

蜉蝣峠

蜉蝣峠

劇団☆新感線

赤坂ACTシアター(東京都)

2009/03/11 (水) ~ 2009/04/12 (日)公演終了

満足度★★

「悪くはない(しかし良いとも言えない)」レベル
品のないネタ2連発の出だしで「あ、やっぱりハズレ…」と思ったものの 「観てきた!」コメントで「2作続けてダメ」のようなコメントを目にしていたことに加えて、クドカン監督映画のダメさ加減からほとんど期待せずに観たことといのうえひでのり演出だったことが幸いして、「悪くはない(しかし良いとも言えない)」レベルに踏みとどまったのは幸い?
で、幕切れは切なさもあって悪くないが、前日に「復讐の連鎖を断ち切る」系を観ているのでそれとの落差もあってストーリー全体の収束としては「安易なんじゃね?」な気が…。
あと、右近健一と木村了は出番が少なく、もったいないと言おうか何と言おうか…。

帰れない夜

帰れない夜

KAKUTA

ザ・スズナリ(東京都)

2009/04/04 (土) ~ 2009/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

タイプの異なる「コワさ」5編
いわゆる「ドラマリーディング」と一般的な「芝居」の両方の特色を併せ持った「朗読の夜」シリーズ第5弾(かな?)で、今回はテーマがホラー。
それぞれタイプの異なる「コワさ」のある作品(原作もの4編+書き下ろし1編)をチョイスして、コワいばかりでなく笑いや感動と組み合わせたその構成・演出がとても見事。

トリプルグロス

トリプルグロス

東京モンスター

荻窪メガバックスシアター(東京都)

2009/04/03 (金) ~ 2009/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★

アリ的娯楽活劇
「核戦争後の未来」との設定を免罪符に(笑)、ヴァンパイアや「加速からくり」などというムチャなネタ、「歴史は繰り返す」系の幕末ネタ、シリアス気味で好みでもある「復讐の連鎖を断ち切る」まで盛り込み、タイトルがタイトルだけに(客入れ時BGMも含めて)エンニオ・モリコーネヒットパレードな音楽で彩った(女ガンマンの名前も「ジャン子」だし(笑))「なんでもアリ的娯楽活劇(?)」、なかなかに面白い。

炎炎炎炎(えんえんえんえん)

炎炎炎炎(えんえんえんえん)

劇団コスモル

OFF OFFシアター(東京都)

2009/04/02 (木) ~ 2009/04/06 (月)公演終了

満足度★★

表現方法に目を瞠る
「観たい!」コメントに「家族ネタ+戦時中の物語という弱点2点責めに耐えられるか?」などと書いたが、いざフタを開ければ泣けるどころかホロリともせず(爆)、ただただ表現方法に目を瞠るばかり。
その思いっきりポップで戯画化され、キッチュでさえある表現は独特で概ね面白く、125分という尺を感じさせないが、その反面「死」「戦争」「家族の縁・絆」といったものの重みが軽減されてしまった感が否めないのは残念。
が、これだけハチャメチャだと戦時中にS&W M29が出てこようが、アーマライト M16が出てこようが全く気にならず…(笑)

悪戦

悪戦

今井事務所

吉祥寺シアター(東京都)

2009/03/27 (金) ~ 2009/04/05 (日)公演終了

満足度★★★

程よくユーモラス
上海マフィアと繋がる結婚詐欺組織に騙された男2人がそんな背後関係を知らず抗議に事務所へ押しかけるところから始まる物語。黒を基調に主演3人のアップを載せたチラシからは重たそうな印象ながら、実際は程よくユーモラス。
特に渡辺哲がなんとも可愛らしいと言おうか何と言おうか、あのいかつい顔つきとギャップのある演技で大いに笑いを誘い、しかもオイシイ役どころで◎。

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