満足度★★★
若さゆえ(?)のイキオイあり
近未来寄りの無時代もの、かつて桃太郎のお供で鬼退治をしたイヌの「ズタボロ」が変わり果てた桃太郎と再会し…というストーリーに彼の生い立ちや鬼退治時代のエピソードも絡ませた「リアルタイプ桃太郎」。
105分の上演時間にあれこれ盛り込んだ上にひねりすぎてゴチャゴチャした感があるのは否めないが、若さゆえ(?)のイキオイあり。
また、クライマックスで昔と現在の桃太郎一味をクロスさせて見せるのとハードボイルドな幕切れがカッコイイ。
その直前、段ボール箱と「紙の壁」を舞台前面に並べたシーンも面白かったな。
さらに、吊りがあったり、出動する消防隊員よろしく(この頃は使っていないそうだが)装置に組み込まれている鉄パイプを使って下りたりなんて見せ方はダイナミック。
野田秀樹を想起させる言葉遊びが時折出てくるので「お好きなんですか?」と末原主宰に尋ねたら野田作品は2回しかご覧になっていないそうで、それも「そのテの言葉遊びだったらこんなのがあるよ」と教えられてだという…。
あと、オープニング曲の前半が現在ブレイク中のテクノポップ系女性3人組を思わせるのにニヤリ。