【終演しました!】母をたずねて三人で
ふつつかもの
王子小劇場(東京都)
2012/11/01 (木) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★
自分は逆に前半が面白く、後半が良く分からなかったような・・
東大とかというと、役者の人がいろいろ考えるせいか、
みんなとても器用で、なんか変わった人(俺が言うなよ
といった印象が・・。
今回もそうだった。
一人ひとりが凄く器用。
独特の味もあって。
ネタバレBOX
ただ、一人ひとりが非常に器用にそれぞれの役をやりぬいた結果、
最後のぼんやりとした結論?にぼんやりとなだれ込む、
というのは、演技の器用さに比べれば
ちょっとキレに欠けるかなぁ・・(実はこのような舞台は、都内の割と偏差値の高めの高校で(自分は)よく見かけた(汗
もっとキャッチーだったり、身体能力を生かしてたり・・
頭で考えるより飛び跳ねて勢いのある作品を観たいな・・。
・・あ、鉄道ネタはとても好きです。
鉄道旅行とか好きなんで(笑
どうせだったら、もっと電車のセットとかを作り込んで、
温泉やら駅弁やら紅葉やらを車窓から楽しんだりというのを本気でやってくれたら・・(観てると結構鉄道好きそうだもんなぁ・・
逆にまったりめでも相当気に行ったかも(笑
それでさらに時代設定を明治とか大正でとかにして、
いろんな歴史・事件と絡めてみれば・・
結構観客をひきつけると思うんだけどな・・。
わざわざ現代の、母親探しというありふれた題材にしなければ、
小道具や演技の器用さを見ていると
なんかもっと全然ドラマチックな作品にできたんじゃないかと思うだけに・・惜しいなぁ・・。
隣人ジミーの不在
岡崎藝術座
あうるすぽっと(東京都)
2012/11/02 (金) ~ 2012/11/06 (火)公演終了
満足度★★★★★
勝手に解釈するが吉・・?
気付いたら何故か何回か観ていて、
自分も(勝手な)見方が分かってきたような気がする。
まず、この岡崎藝術座の舞台、
他の人はどう思うか分からないが
自分はとてもコミカルだと思う。
・・なんかよく分からないけど、どことなく不思議だ。
今回は、ほんのちょっと・・-・・だけ、似た感じの舞台を最近京都で(飴玉エレナの短編のひとつ)観たばかりだったので、
非常に特異な物語を観たという印象も無く、
一部凄く分かりやすいパートを得た気分にもなったので(苦笑
それ以外の大部分が分からなくても
何となくわかったような気になってみたりしたものであった(しみじみ・・
ネタバレBOX
この舞台、当日パンフにも載っているけど、
キリストの受胎をモチーフにしている。
それを、岡崎藝術座ではおなじみのテーマ「混血児」と絡めているので、
余計に分かり易く感じられた。
(もちろん作者の意図と全く同じとは限らず、自分で勝手に分かった気になっていただけだが
ちょっと考えれば、物語の中で、
近所に全く黒人がいないのに、夫婦に黒人の子供が生まれるということ自体、
よく考えれば宗教的な設定のはずだ。
ただ、それが黒人であるため、
夫婦にも観客にも全くそれが伝ってこない。
(そもそもキリストは白人ではないようだし黒人?の可能性もある
「飴玉エレナ」では、種無しの夫に浮気の可能性の無いらしい奥さんとの間に生まれた子供(岡崎と同じ設定!)が軽く奇跡を起こしまくるというのをとてもコミカルに描いていたのだが、
そのことを思い出しながら、ひょっとしたら生まれたその黒人の子供が
今頃は神さまになって奇跡を起こしまくってるのかもしれないというのに(笑
そのことにまったく気付かない父親は、
沖縄の国際通りで保険の調査会社の人に
万引きされたiPone24S(だっけ?)の被害状況を子細に報告するうちに
何の落ちもない無い落語(これは辛い(苦笑
に30人くらいの外国人?と一緒に観劇に巻き込まれて
話が終わっていくというフシギなエンディング(笑
これは教会の説教をパロっているのだろうか?
息子が本土か韓国?で教祖になっていることを暗示しているんだろうか?
『聖☆おにいさん』のように立川でアパートをシェアしながら暮らす
クロマティ(神?)のお父さんが、
こんな風にダメダメな感じで、失業して国際通りをうろつきながら
iPone24Sを盗難されていたら・・?
切なくなるねェ(苦笑
・・寒ぐねぇが・・・?
思わず、何弁かもわからない言葉が咄嗟に口を出て心配してしまいそうだ(涙
・・まぁ、自分の解釈の仕方があっているのか全く分からないが、
岡崎藝術座の、ゆるふわで(ここ重要
なんかメッセージっぽいものあるっぽいんだけど、
それがいつも観客に全く伝わってないっぽくて、
でもなんかよく考えると際どい題材が取り上げられてる雰囲気があるというのは、
なかなか特殊で面白いのではないかと思ったり。
アミール・レザ・コヘスタニ [イラン]『1月8日、君はどこにいたのか?』
フェスティバル/トーキョー実行委員会
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2012/11/02 (金) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
洗練と検閲
何より、素晴らしく洗練された舞台だった。
11/4追記
アミール氏はシーラーズの出身だったのか・・。
それでハーフィズの話が講義で出てきたんだと、最後になって納得(笑
シーラーズはサァディーの出身地でもあるし。
どんな所なんだろうか・・(19世紀の旅行記じゃたいしたことないところみたいだけど(苦笑
ネタバレBOX
キアロスタミなどのイラン映画に見られる、
シンプルだが非常に洗練された手法で人生の滋味を感じさせてくれるのと似たやり方で、
監視社会のなか、
現代的な技術である携帯電話やビデオカメラによって
分断され、脅迫され、お互いを欺き合い利用されつつ、
(言葉の)暴力的な様相を際立たせていく
テヘランの若者たちをクールに切り取っていく。
最早、自分がイランや台湾などの映画を通してみた、
人間味溢れる表情豊かな人々という世界は、消え去ってしまったのかもしれない。
携帯電話などの普及によって
相手の顔を見ずに平気で嘘を言えるということ。
ビデオカメラによって
前の交際相手の人生を簡単に破滅させる力を手にすること。
それらは、現代的な技術によってもたらされたものだが、
同じように更に昔、西洋によってもたらされた銃のように、
ある種の力を持って
イランに生きる人たちの人生を別の形で変えつつある。
日本でほんの少し前に起こったのと同じような社会の変化が、
イランでは現在進行形で生み出されている。
ひょっとしたら、
かつては日本映画などの中にあったある種の洗練、
近代以前の日本文化にあったと思われる均整とでもいうべきものの残り香、
それに似たものがイラン映画の中にもあったような気がするのだけれど、
その最後のペルシャ文化の光芒を今、自分は目にしているのではないかという気がしていた。
ペルシャ人にとって、
検閲というのはさほど問題ではないように見える。
考えてみれば、
サァディーの「薔薇園」の時代から、
王様の機嫌を取りながら社会を風刺する美しい詩を吟じる話など、後を絶たない。
英国人や日本人に比べれば、
どうやら遥かにそれらの検閲を見透かす術に長けたペルシャ人を観客にもったイランの作家たちは、
検閲を逆手にとって、
見た目の刺激に流されることを免れながら、
裏に多くの意味を含んだままシンプルだが力強い作品の制作に専念できているようで、
それは一見、検閲から免れて自由を謳歌しているように見える西洋や日本にくらべ、
遥かに自由な創作環境を得ているようにも感じられる。
たぶん、
イランの作家たちにとって、
創作の本当の危機というのは検閲などではなく、
携帯などのコミュニケーション技術の発達によって、
人間が依然持っていた表情の変化を失い、
代わりに声だけで嘘をつくときにみせる
探るような表情が顔に張り付いて、
他の表情が欠伸の出るような、詰まらない、味もそっけもないものになることなんじゃないかという気がする。
(嘘をよくついている人というのは大抵シケた顔をしている気がする。
それは、シケた顔をした人が皆嘘つきという意味では勿論ないけれど、
嘘つきの人はどんどん自分の顔をつまらなくさせているのだと気づいてほしいなぁ・・
もし検閲というのが文化の芽をつむものなのだとしたら、
ペルシャや中国などでの、当時の日本からしたら目もくらむばかりの
眩い文化というのは説明がつかない。
一見、自由を謳歌しているようにも見える日本だが、
良く考えてみれば、メディアにはスポンサーになったグローバルな企業群が好む
パッケージ化された情報が垂れ流されている。
みんな(男も女も)、AKBみたく自分もうまくパッケージ化されようと、
特に若い人ほど必死になっているように見えるんだけど、
それこそが生きづらさの根源で、
まぁ、上手くパッケージ化されたフリをするのは別に人生の余興程度にとどめて、
もっと大事なことは別にあることにもっと気づいてほしいなぁ、
と、特に若い男子について思う。
(女子はみんなそんなことにはとっくに気づいているのでクールだろうけど(笑
バラバラ姉妹に憐れみを
水素74%
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/10/31 (水) ~ 2012/11/07 (水)公演終了
満足度★★★★★
なるほど
一見、ストレートな舞台のようで、
どんどん雰囲気が変わっていくあたり。
70分にその流れをきっちりまとめてくるあたり。
非常に素晴らしい。
これは登場人物たちのダメっぷりがそのまま作品の評価につながらない
良い例のような気がする。
シンプルで、ちょいゲージュツで、寂しさと、ちょっとした優しさがあって。
「東京っぽい」というと語弊があるのかもしれないけれど、
自分が最近ようやく認識しつつある漠然とした東京っぽさを体現しているような気もする。
これが春風舎でなくて中心地のアゴラに投下されるあたり、
しかも週末を挟んで1週間近くで上演されるあたり、
アゴラの方向性が水素に向かっていることを示しているような・・。
ネタバレBOX
登場人物はみんなバラバラ。
言ってることがくるくる変わり、よく殴られる女性。
その女性のことなんかちーとも見てないのに、
自分のことだけは見てろ、全面肯定しろと言って殴る小太り氏。
何も信じてないのに、どこかに真実の愛的なものがある気がして内心少し焦っているっぽい?女性。
女ににりたい、というよりかは、男のままでいたくない男。
逃げた男の子供を引き取りながら、育児放棄をしてるような女性
これらの表現が適切かは分からないが、
登場するのは、なんだかこんな感じの、
ダメな感じの男女。
しかもお互い会話がまったく噛み合わず、
お互いに自分の思い込みを押し付け合っては、
結局は誰の言うことも理解しているようには見えない。
なんだかなー、と、思って見ていると、
最後でそれぞれがひとつにつながってくる。
それは、たぶんみんなの死んだ(殴り殺されたと思われる)
母親の想い出みたいだ。
お互いの対話が全くかみ合っていないのにも関わらず、
どうやら、母親への愛憎っぽい感情で、
この子たちの心は実は一つに結びついているみたいだ。
生きている人間同士では決して分かり合うことはなく、
ただお互いに孤独なままに、
死んだ母親の想い出に、想像の世界の中で癒されいていく様は
非常に寂しく見える。
そういえば、きのうお袋とニュースを見ていたら、
息子をエレベータの事故で失った母親が、
それ以後ずっとエレベータを使えないで階段を使いながら、
こどものことを忘れないでいる場面があった。
水素のハナシは、それの逆バージョンだ。
きっと、その息子は、そんな特別な子じゃなかったんじゃないかな。
クラスにいたとしても、クラスメートとしてどれだけ印象に残っていたか。
でも、その母親にとっては特別で、
そのニュースを見るお袋の目は、
そんなことは母親にとっては当たり前のことで、
死んでもいつまでも忘れないのは当然であるかのようだった。
それが親子逆だったとしたら・・
このわりとハードな現代社会で、
そんなんで子が生きていけんのかね、と、思ったりもするが、
この作品で描いているのは、まさにそこだった。
恋人に暴力をふるっていた小太り氏は、
シューマイにグリーンピースをのせるためだけに生きる、
何も考えないマシーンになってでも生きていくため、
殴り殺された想い出の母親に、
自分が言ってほしい言葉をしゃべらせることで、
命をつないでいくようである。
ふと思う。
母親との思い出がなかったら、この子たち、もうとっくに死んでたかもしれないな。
母親は死んだかもしれないけど、
この子たちの中に生きてるから、
子供たちも、自分の中の母親を消さないために、
苦しくても生きて行こうとするのかもしれない。
母親は死んじゃったけど、どうもこの子たちをしっかりと支えてくれてるみたいだぜ、と気付いたら、どうもそんな悪い話じゃないな、と、ふと気づいた(笑
アンドロイド版『三人姉妹』
青年団
吉祥寺シアター(東京都)
2012/10/20 (土) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
ちょっとトラブル?もあったようだけど・・
自分も最初出たときは『をっ!?』
と思ったけど、すぐ慣れてしまった。
アンドロイドが有りか無しかと言われたら、
別にあっても特に違和感は無かった(登場することに対して)し、
逆に非常に巧く、考えられて使っていたように思う。
ジエン社×アシモフな三人姉妹?
これでもっと人間じみてくれば、人手が足りない地方の劇団なんかにはありがたいんでないかと思ったり。
ネタバレBOX
それにしても風変りな登場人物ばかりだった。
ロボットの方が逆に人間臭く感じるくらいだったけど、
どうもそれが作者たちの狙いなんではないのかと、
最後のほうで思った。
それと、断片的ではあるのだけど、
暗く描かれている未来の社会情勢がなかなか見応えがあるようにも思った。
今現在は、無人のステルス戦闘機など、
戦争の無人化が進みつつあるようにも思われたりもするのだけど、
教師までロボットがやるようになる未来では、
就職先が軍隊くらいしか無いようにも見えた描写は
なかなか面白いとも思ったり。
・・そうだよな、SFじゃないけど、
なんでもロボットが出来るようになったら、
戦争までロボットに任せたてたら
いつ寝首をかかれるか分からないから、
最後に人間に残された仕事の聖域は戦争だけなのかもしれないな、
とも、ふと思ったり。
ロボットはお互いを壊し合わず、
人間だけが、人口調整のためとか金持ちの娯楽のため、
洗脳され、憎しみ合わされて、お互いに殺し合う未来・・・とか?
COSMOS
空∞羽
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2012/10/26 (金) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
力作
この週は東京でも観たい公演もあって(リンクス含む
関西でも観たかった公演で行けなかったものがいくつもあって
本当に観る公演を選ぶことが苦しかった。
(・・ほんの1週間前まではまさか自分がASA-CHANGやスクエアやピンク地底人を外すとは思わなかった。この選択は、結局、前作など直近で自分が観た所は外す、という基準だったので余計に苦しかった。つまりそれだけどこも甲乙つけがたいと想像できた。
そんな中で観れた関西の公演は、正直、そのどれもがとても素晴らしかった。
かといって観れなかった公演が、自分が観ることにした劇団などに比べて劣っているとは全く思っていない。
ただ、自分が目の当たりにした人々は、その誰もが非常に前向きで
熱意にあふれていたということは確実に言える。
そのため観劇後に、☆3つとか4つつかの中途半端な評価が
自分の中には全く思いつかなかった。
そもそも、東京以外で公演するだけでも
(集客の面などで)大変なのに、
さらにその上、東京でも観たことが無い作品を上演している、
というだけで、
どこもどれだけ純粋な情熱に基づいた公演なのか、というのが分かるように思う。
(今回関西で観た舞台はどれも東京で観た記憶のない種類だと思う
それを観るだけでも、十分に関西に来る価値はあるように思う。
(あとでもう少し書き足せれば・・(汗
TOMATO
--
京都人間座スタジオ、同志社大学寒梅館クローバーホール、ZAZAPOCKET´S(京都府)
2012/10/25 (木) ~ 2012/10/29 (月)公演終了
満足度★★★★★
実は力作
一人芝居なので軽めかと思いきや、
まさかの一人二時間弱公演・・最近関西の一人芝居凄いね(汗
公演に行く前に軽くアンデパンダンで
サーモンとクリームチーズのバケットサンドを食べたからかな?
(多分エレナのチラシを初めて見つけたのもここの店なんじゃないかな・・
ちょうど一週間前にボロフェスタが終わったばかりで、
音楽好きな人たちがみんなやり遂げた、見遂げた充実感が店内(≒街)にあふれている気がして
(こういうの敏感なので良いお祭りだったんだなとすぐ気づいてしまう自分が憎い(苦笑
その満ち足りた雰囲気とサーモンとクリームチーズの味覚とが、
この公演の雰囲気とぴったり合っているようにも思えて(笑
自分にはとても素敵な公演であったように思えた
(他の街だとこんなことはまずないんだけど、
京都の場合、街がコンパクトなのと、
季節感を中心に全てが回っているようにも見え、
舞台に向かう途中のいくつかが相乗効果を与えて、
舞台をより楽しませてくれることが非常に多いように思う
京都の場合、ユリイカがetwで公演をやったりして、
特定のカフェの雰囲気と舞台のイメージが一致すると
自分にも印象深い公演になることが多いのだけれど、
エレナの場合、自分にとってはそれは今のところアンデパンダンだった
(会場は違うけれど
エレナがアンデパンダンをイメージしてるのかは分からないけど、
少なくとも自分の中でそれは一致した。
ユリイカを経て分かったのだけれど、
こういう場合、あまり作品の内容について細かく言う必要は無いように思う。
ただ、自分の知っているお気に入りの場所に流れているのと同じ雰囲気が
舞台の上にもあるように感じた。
それだけで十分なのかな、と。
もう少ししてまた観たら、舞台の内容をもう少し掘り下げてみようかと・・。
ジャム瓶
西村朋恵プロデュース・こまち日和
FOLK old book store(大阪府)
2012/10/25 (木) ~ 2012/10/31 (水)公演終了
満足度★★★★★
大阪の舞台というと・・
お笑いなんかの影響か、コテコテ?なものを連想しがちなような気もするけど、
最近気づいたのだけれど、
ちいさなカフェ公演とか、
一見ちょっと軽めの作品に凄く良いものが多いように思う。
そして、それらの作品というのが、
作品を発表する会場の雰囲気とかと密接なつながりがあるようにも見え、
東京に完全に同じ形で持ってくることはほとんど不可能なのが感じられて
また、余計に残念な気もしたり。
ネタバレBOX
この会場も、開演前に何気なく地下室のトイレに行ったら、
裏の川べりの景色がフシギな高さで
その地下室の窓から目に入ってきて、
なんだか秘密基地を地下に抱えた不思議なカフェの面持ちで自分も舞台に向き合えたから(笑
公演中に会場のあちこちから鳴り響く効果音や演奏、
それに途中で上映される絵本めいたアニメーション、
そしてチャーハン・ラモーン氏の、
名前が中華風の割に
恐ろしく洒落た台詞のいくつか(笑
に胸を躍らせる準備はもうできていた(笑
・・・あと、自分がときめいたもの(苦笑
にもうひとつ足すとするならば、
おなかぺこぺこになってる子供のプライドを傷つけないように細心の注意を払いながら、
気付いたら子供がいつの間にかパンを食べているという魔法
(石をパンに変えられる魔法には別に憧れないけれど、
子供の心を見通せる優しさと想像力には憧れる(笑
を使えるおじさんの死というロマンティック?な展開かな(秋らしく
劇中には、メッセージというか、重そうな何かは特に無いのだけれど、
河にふく秋風に気付けば吹き飛ばされそうな(笑
軽いスノビズムとしっとりとしたセンチメンタリズムとでも言えばいいのかな・・?
それらが、とてもスマートに、オモチャみたいな遊び心と溶け合って、
カラフルな模様を描いていた。
前日(金曜)観た隕石少年などもそうなのだけれど、
東京の公演の場合、もう少しアートっぽくなるところが、
大阪だと遊び心がもう少し前に出る感じと言うのか。
どちらが優れているとかではなく、
全く別の雰囲気があって、
自分は両方とても好きです。
アールパード・シリング [ハンガリー]『女司祭―危機三部作・第三部』
フェスティバル/トーキョー実行委員会
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2012/10/27 (土) ~ 2012/10/30 (火)公演終了
満足度★★★★★
そんなに難しく考える必要は
無いのかもしれない。
会場で売っていたパンフに載っていた、
舞台に参加した子供たちの言葉を見ながら、そう思った。
トランシルヴァニアの話は、
ジプシー音楽なんかに興味があることもあって、
何年か前からたびたびあちこちに聴きに行っている。
最初は、「トランシルヴァニア」なんて聞くと、夢のような所なんじゃないかと思っていた。
別にそれは昔も今もそんなに変わっていないのかもしれない。
夢のように恵まれた土地もあるかと思えば、
山を少し隔てたところでは、そうでないところもある。
ネタバレBOX
特に、最近のグローバリズムとでも言うのか、
経済の混乱状況の中では、
そうしたしわ寄せがジプシー(ロマ)の人たちの住む山間の村に大きく行ってしまい、
夏の間は割合に食糧に恵まれていても、冬に飢餓状態になって殺し合いになって、
白い雪に赤い血が飛び散っているところもあった、などと聞くと、
東ヨーロッパのそういった村のすべてがそうとは限らないまでも、
かつて自分が抱いていた「貧しくとも歌声の溢れるのどかな山村」
という、日本では非現実的に見えても、ヨーロッパでは実現しそうな(勝手な)イメージとは、
大きく隔たってしまっているのではないかと思ったりもした。
子供たちの出身の村のことは詳しくは知らないが、
自分の体験に似通ったという話をある子供が語るとき、
近くで悲しそうに目を伏せる別の子どもの姿を認め、
映像で見る美しい村の冬を自分なりに想像してみる。
子供たちに自分の力で考えることを教える女優が正しいのか、
神を信じて、理想的な共同体の一員を目指すことを教える牧師が正しいのか、
作品の中では見えない。
子供たちを残してきたことを悔やむ女優の姿も、
トランシルヴァニアに比べればはるかに恵まれて見える
ブダペストの雑踏の映像を後ろにしては、
説得力が無さすぎる。
あの村の冬は、
コミュニティの存在を心の支えにして耐えられるほどのものなのだろうか?
失業などによって、
子供たちの家庭が次々と崩壊しているように見える中で、
演技を教えることがどんな救いになるんだろうか?
色んな考えが頭の中をよぎる。
あの女優のしたことはただの自己満足なんじゃないか?
牧師や体育教師の言うことが正しいのではないか?
そんな(現実社会と同様の(苦笑))混乱のなか、終演後に
公演のパンフの中に、
子供たちの驚くほどに前向きなコメントを見つけ、
ようやく気づけた気がする。
・・・暗闇の中に光を見つける、というのはこういうことなのかもしれない(苦笑
大人が「これが正しい」と言って、子供たちに結論を押し付けること。
これが一番無意味なのかな、と思う。
同時に、大人の考える仕組みを、子供たちにムリに押し付けて、
子供たちの可能性を潰すべきではないようにも思う。
子供たちの言葉を見る限り、
子供たちは、この公演に登場するどの大人より、
また、ほとんどすべての大人より、
賢明であるように感じられる(もちろん自分より(苦笑
子供たちは直感により近く、生命力により溢れている。
情報を与えすぎて混乱する心配は杞憂だと思う。
例え失敗したとしても、彼らは大人よりずっと早く立ち直るだろう。
父親を早くに亡くした子供も、
こうして舞台を他の子供たちと一緒に作り上げることによって、
世界の人びとからより多くを吸収するに違いないと思う。
クレタクールにとっての何よりの成功は、
自分たちが世界的な評価を得ることではなく、
この子供たちが自分たちの力で舞台に立ち続けることによって、
美しいが貧しいあるひとつの村で作り上げたものを世界にもたらして拍手を得、
成長(という言い方が適当なのかは分からないけれど
していくことなのではないかとも思う。
ただ一つ、何か自分も建設的な質問をして、
彼らの成長に加われなかったことが悔やまれる(苦笑
冷凍カプセルと流星群【公演終了!ご来場誠にありがとうございました。】
隕石少年トースター
Cafe Slow Osaka(大阪府)
2012/10/24 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
お昼の回にぶらり観劇・・
きっちりまとまっているだけじゃなく、
いろんな感情が詰め込まれていて素晴らしい作品に仕上がっていました。
以前の公演を見た時にも感じたことだけど、
最初、十三というと南側のイメージが強くて
なんだかどうなんだろ、
という気もしましたけど、
道道の雰囲気と会場と、公演内容がぴったり合っていて
素敵な小品(今回は2時間を超える作品でしたが
に仕上がることようで、
良い会場だな、と、改めて思いました。
夢の星
玉田企画
アトリエ春風舎(東京都)
2012/10/17 (水) ~ 2012/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
超満員とフワチェイス
・・あれ?小竹向原ってこんなに人いたっけかな?
と、思わず思ってしまう位何故か?満員で、
夢か?と、思ってたら、内容も観客席に負けず劣らず?
夢のような舞台でした。
フェリーニの「8 1/2」を徹夜明けで観て5分で沈んだら・・・
こんな風に・・なるわきゃないか。
ネタバレBOX
劇中劇は、
どこにでもある普通のハナシ・・かと思いきや、
どうも演出家もそれを分かっているらしくて、
昨日まではどうも確信を持っていたと思われる指導内容も、
今日はどうも全てが陳腐なもののように見え、
演出家としての威信?を
かなぐり捨てて、
色々とチンプンカンプンな演出をしてみるものの、
どうもまったく噛み合わず、
(劇中劇のほうの)主人公の
「猫がニャーと言っただけでキャット飛び上がる」
小心・優柔不断・首尾一貫しない、
まるで落語の主人公のような
おっちょこちょいキングっぷりが
際立つばかり。
でも、それに追いつけ追い越せとばかりに
熱血だが羅針盤の向きも定まらず迷走に迷走を重ねる演出家もまた、
栄養の不足と相まって
ふわふわさ加減に磨きをかけるばかり。
主人公→フワ
演出家→フワフワ
主人公→フワワ
演出家→フワフワヮ・・
(ちなみに主人公を演じる役者は全然フワフワしてませんでした
息をもつかせぬフワフワの応酬、カーチェイスぶり(略してフワチェイス!(って言うほどのことでもないか・・
に、観ているこちらも観客席から浮かばんばかり(フワッ
ただ、どうも劇中劇の内容は何のひねりも無く陳腐なようだが、
ラストシーンで主人公が、
青森出張を断るシーンで、
理由を聞かれて
「(奥さんが)寂しいって言うから」
とか弱弱しく言うあたりで、
話としては面白みに欠けても、
主人公の人となりが良いのではないかというのがようやく伝わってくる(遅(笑
それと同時に、
ドジでオッチョコチョイでいい加減?と思われる演出家の愛される人となりも
ようやく分かってくる。
そのさじ加減が、とても巧い(笑
もし、演出家が、有能ではあるが厳しい
劇中劇の会社の上司のようであったとしたら、
会社の売り上げと同様、
劇中劇の興業も上がったかもしれない。
ただ、それが人間味のある優しさのある舞台であったろうかと思うと、
そうでなかった可能性の方が高いと自分は思う。
完全に巧く作って共感を妨げるより、
あえて巧みさを隠して
共感を得る方法を、作者は良く知っていると感じた。
そういう意味で、
この作品は、巧さばかりが際立つ舞台よりは
味わい深い作品になったように思った。
KENTARO!!「雨が降ると晴れる.2」
Crackersboat
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/10/17 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
初日
凄く難しい動きをしたかと思えば、
あえて誰にでもできそうな動きを入れてみたりするあたり、
逆に若手には難しい?
自信に満ちたつなぎだな、と、思ってみたり。
確実に色んなダンス、動きを取り入れているんだな、
というのは、足の高速の動きなどをみていると分かるんだけど、
全体としてHIPHOPや持って生まれた?身体能力から来るのか、
足首から手の指先までバネでできているみたいな、
柔らかでリズミカルな動きが貫いているのがまた素晴らしい。
このバネや動きのユーモア、顔芸(笑
が、どんな動きを取り入れても、
全体として統一感を失わない理由なのかな?
硬質でパワフルなダンサーたちとは対極をなす
柔らかくて、水色やピンクが良く似合う(笑
KEATARO!!さんのダンスは、
やはり素晴らしい
(自分が(面識もないのに)思わず「さん付け」してしまうのは、千葉さんとKENTARO!!さんくらいなんじゃないかな、などと(苦笑
living
自由迷子
早稲田大学学生会館(東京都)
2012/10/18 (木) ~ 2012/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
「物語る」ではなく・・
先日観た菅間馬鈴薯堂とは対極をなすような(笑
物語っていない舞台。
どっちかというと、
観客席は鳥の目で。
どこかの地方都市を俯瞰するような。
「きょうは少し風が強いから、軒先で羽を休めていよう」
「とてもいい風だから、高くまで飛んでみよう」
そんなふうに風のなかに浮かびながら、
ふと目に入る道や公園やどこかの景色。
・・ああ、これは現代的な劇画なのかもしれないな、と、ふと思う。
思えば、自分の好きな劇画や映画の多くには、
確実な物語が無い。
「物語など必要ない」
と言えば、語弊があるのかもしれない。
敢えて言うなら、
「一人一人に物語があるなら、あえて第三者が舞台のそでに立って物語る必要はない」
とでもすればいいんでしょうか?
ジエン社を生んだ?(たぶん
早稲田meets藤田貴大氏と言えば、
ほかの観客たちは
「そんなんじゃないよー!」
と言うのかもしれない(苦笑
自分も次何かの機会で見れば、全く違う感想を抱くのかもしれない。
でも少し、
「若い人たちは、もう少しリラックスして、物語ることの重圧?(あれば
から、解放されてもいいのではないか(演劇界の重鎮?たちはそういうのみるとすぐやいのやいの言いそうだから?」
と常々思ってる自分には、
胸のつかえの取れる作品だったのかな、などと思ってみたり。
天空への途
菅間馬鈴薯堂
王子小劇場(東京都)
2012/10/17 (水) ~ 2012/10/22 (月)公演終了
満足度★★★★★
自分はとても面白いと思った・・
今週は気のせいかキャッチーな感じの舞台が
梅棒やシベ少くらいで、
東京近辺の人は行楽に集中してるのかな?
とか思ったりしていたのですが、
観客は少ないなりに
力作・良ライブは探せば結構あるような・・。
この舞台も、最初は古めかしい感じもして、ちょっと水が
合わないのかな、とも思ったりしたのですが、
じっくりじっくり観ていくと、
最近気のせいか若手の公演で印象的なものが多い王子にしては
下町風味の風が逆にいい刺激になって(笑
なかなか滋養になりました。
好ききらいは分かれるようにも思うので、
初見の人には
無星か☆5つになるのかな、
とも思ったりするのですが
自分はどちらかというと
良作なのかな、とも思いました。
『サン=テグジュペリ』 -「星の王子さま」になった操縦士(パイロット)-
宝塚歌劇団
東京宝塚劇場(東京都)
2012/09/14 (金) ~ 2012/10/14 (日)公演終了
満足度★★★★
自分も思い入れのある作家だけに・・
色んなエピソードや作品世界を詰め込み過ぎて、
その割にはなぜか薄くて、
ちょっと今回は物足りなかったような・・。
同じ花組の「復活」などが素晴らしかっただけに、これはちょっと残念かも。
ただ、ドラマ色は薄まったものの、
ダンスはこっちの方が凄いような。
ネタバレBOX
特に、コンスエロがサン=テックスの生還を願って踊るダンスなど、
凄く躍動的で、
成程、こういう描写の仕方があったのか、
と感心することしきり(笑
ちなみにこの作品は、ダンスなどが凄い人たちの演じるための作品であるようで、
常人が演じると大怪我をしかねないものであるような・・。
「作品」として評価する、というよりかは、
サン=テックスをラテンやアフリカンのリズムにのせて、
なおかつ夢見がちに描くところに注目したいような。
・・そう、皆さん忘れてるかもしれないけれど、
サン=テックスはラテンの国のひとです。
そして砂漠を愛していて。
・・ああ、砂漠行きたい(笑
水をめぐる2/水をめぐる3
劇団こふく劇場
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/10/11 (木) ~ 2012/10/15 (月)公演終了
満足度★★★★★
面白かった
・・ただ、気のせいか会場がとても暑かったような・・。
いつも思うのだけれど、
上演時に空調を切るのなら、
事前にHPなりに書いてくれると助かるのにな・・。
特にここ最近、上演時に空調を切る劇団が非常に少ない・・
というか、自分自身そういう劇団・公演は避けるようにしている
(仕事で疲れて蒸し風呂に入るほどの気力は無いので・・
空調が効きすぎているのはしょうがないと思うんだけど、
最初から切るのはちょっと、なぁ・・
長く観劇を続けるには無理しないに限る。
実際、いくら素晴らしい公演でも、
会場が辛ければ、
何年かして覚えているのは
辛い思い出だけだったりする。
会場に着くまで分からないのはしょうがないが、
避けられるものは極力避けたい(苦笑
ので、ふいにそういう公演に出逢うと、
凄く体力を消耗してしまう・・(苦笑
特にこれからの季節、外が寒くて中が蒸し暑いと、
眠いし暑さでベトベトになるし、
とても辛い。
これから公演に行く方は、
今日のような状態が続くのかはよくわからないが、
調節できる服装で行くことをおススメします・・。
とりあえず、
公演前の自分に公演後の自分が出逢ったら
一番伝えたいと思うことを書きました(苦笑
ことほぐ
intro
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/09/29 (土) ~ 2012/10/01 (月)公演終了
満足度★★★★★
幸せとは相対的な物なのかもしれない
一見、不幸せのように見える。
ただ、よくよく考えてみると、不幸せとばかりも言えないように思う。
幸せは相対的なものだから、
一見、不幸せにも見えるが、それを外から羨ましがっている存在も、
きちんと存在する。
また、過去の筆者の作品を観た感想から、
この作品が単純な
『幸せ・不幸せ』
の構図ばかりでないことも分かる。
登場する女性は、一見、3人。
ただし、冷静に観察すれば「女性」がもう一人存在する。
ネタバレBOX
実際の同性愛者の心理と言うのは、自分には不明だ。
ほとんど接点が無いからだ。
(仙台貨物の「芸スクール漢組」にでも入学すれ分かるのかもしれないが死んでも入らん(笑
ただ、筆者はこの物語に登場する一人の同性愛者に、
女性の心を持った男性を配置したと自分は受け止めた。
そういう意味で、登場する女性は4人だ。
つまり、女性の心を持った人が4人。
また、男性の体を持った人が4人。
登場人物は7人(ややこしいな
一見、男性4人の女性3人で男性が多いように見えるが、
実は(ほぼ)同数だ。
女性(の体を持った)3人は、妊娠している。
一見、不幸なようだが、
冷静に考えてみれば、
妊娠できない男性の体を持った女性(の心の持ち主)のほうが不幸だと思う。
女性3人は、それに気づかないふりをして、
自分たちの不幸に集中している。
そのことを認めると、
「自分たち妊婦こそが最も不幸である」
という共感の前提が崩れてしまうからだ。
女性たちというのは、
自分たちの共感を妨げるものに対しては、残酷である。
ただ、その同性愛者の男性も、
女性のその本質に対し、おそらくは女性たち以上に敏感であるため、
深くは追求しない。
女性である筆者は、
まずその特質を描きたかったのではないかと思う。
即ち、自分たちの大きな幸福に気付かず、
目の前の不幸に集中する妊婦たちをだ。
考えてみれば、
お金持ちの旦那を見つければ幸福か、といえば
そんなはずはないことに気づく。
つい先日も、家の近所の金持ちの家で、
母親が小さな子供を虐待して殺したばかりだ。
子供を一人きりで苦労して育てなければいけない、
というのは、
一見不幸にも見えるが、
良く考えれば逆に、
子供に一生懸命自分が頑張っている姿を見せられる、
ということでもある。
本来は二人で分かたなければならない子どもの感謝が、
自分一人に向けられることを考えれば、
それを絶対的な不幸と捉えるのは早計だと思う。
経済的に恵まれた中で子供だけに愛情を向けるより、
ご飯を食べさせるために一生懸命に外で働く姿を見せる方が、
子供の心には良いのかもしれない(学力はともかく
幸せ・不幸せというのは、相対的なものだと思う。
自分が不幸せだと思っても、
きっと近くでそれを羨ましいと思う人間も存在する。
別に、母子家庭は意外と幸せである、と呑気に考えている訳ではない。
自分は昔見た景色が忘れられない。
学生の頃、どこかの施設に見学に行ったとき、
隣の建物の窓から無邪気な顔が覗いていたのにふと気づいた。
でも、窓の中は真っ暗でほかにひと気も無い。
自分は、その子に似合わない部屋の冷え切った荒涼とした様子にびっくりして、
表に出たときそこが母子家庭の人の入居している施設だと知った。
自分の先入観などもあるのかもしれないが、
その時(あくまで自分が勝手に)感じた寂寥感と、
舞台の上の風景は、似ていても全く違ったものであるように思う。
舞台上には、ぶっきらぼうな口調で実は心配している、
近所のオッサンや兄や、心配してるのかなんだかわからない
アパートの隣の住人や、
これはたぶん母親じゃなくて子供だけ心配してると思われる
暴力夫などがいる。
お金はないかもしれないが、
とりあえず今日のご飯は食べられた。
(食欲がキーワードになるのが筆者の脚本の特徴であると思う
おなかの中には幸せがあるのだけれど、
一人では不安で、
支え合って、
自分たちは不幸だと大声で言って、
おなかが空いて、
ご飯をたべて。
・・・あ、これって女性だね。
女性たる筆者が眺める、
ずるくてわがままで早とちりで自分勝手で、
でもおなかがいっぱいになれば結構何とかなりそうな気がする、
男性よりずっと逞しいっぽい、
女性たちの姿なんだろうね。
きっと筆者は次また生まれ変わっても女性が良いっていう気がする(笑
・・まぁ、自分は女の人たちは本当すげぇなって思うけど、
次生まれ変わった時も
気ままに虫捕まえたりしていたいから絶対、男のままが良いけどね(笑
(最近舞台見ても頑張って全部感想書く時間が無いから今回は特に頑張って書いてみた(笑
団長のビバリーヒルズコップ
男肉 du Soleil
シアター711(東京都)
2012/09/27 (木) ~ 2012/09/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
Fly Me to the Moon
「・・俺、ちょっと飛んできたよ・・」
「え?お前、劇場行ったとか言ってなかったっけ?」
「知んないの?最近の舞台じゃ、飛べるんだよ。月まで行ったかもしんない」
「クレーターあったか?」
「あったあった、ウサギもいた。餅ついてたよ」
・・・なんだ、こんなことなら、せめてヒゲくらい剃っときゃよかったな(苦笑
秋の夜長は、月いくに限る。
・・もし、深夜のクラブで、退屈なDJの間に端で休んで、
疲れた足をほぐしながら
ウサギ図鑑を紐解いている奴がいるとしたら
それは、月世界旅行から帰還したばかりの宇宙飛行士です(笑
・・I Can Fly?
You Can Fly.
偏差値0でも力一杯、飛び跳ねられることの方が、
偏差値80あることよりずっと重要だ。
イケメンとか金持ちとかそんな基準は、俺は知らん。
ただ、目の前で力の限り飛び跳ねている奴が一番偉いと思う。
顔を崩したくなくて端っこでシケたカオしてるイケメン氏などを見つけると、
素直に『・・可哀想に、お人形さんか?』と思う(別にイケメン君たちに敵意は無い
(その顔で「変な動きとかしたくねーなー」とか言うんだったら、
千葉さんのメイクなどを参考にすれば良いんじゃないかとか思ったり、
・・まぁ別にどうでも良いけど(苦笑
偉そうな顔をしながらふんぞり返っている暇なんて人生には皆無。
昔演劇を少しやっていた同級生の将来政治家などをニュースで見つけると、
正直、ちょっと可哀想な気になってしまう(金銭的には向こうの方がはるかに恵まれているが(苦笑
速く足が動かせるようになったとしても、それは結果。
誰よりも目いっぱい飛び跳ねてたら、そりゃ、足も速くなるわ(笑
別に速いから偉いって訳じゃない。
力の限り音楽を楽しんでいたから、偉い、というよりはむしろ、
「面白いヤツだね、アイツ」な人生(笑
ネタバレBOX
男は赤フンとばかり思っていたら、マサカの青ファーフン、
団長、お見それしや↓(した(笑
ちょっぴりスパイシー
ゴキブリコンビナート
木場公園 多目的広場(東京都)
2012/09/28 (金) ~ 2012/09/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
・・という夢を見た
毎回行こうと思いつつ行けないが、また、今回も行けなかったが、
夢枕にゴキブリが立ったので、ここに記す。
(あくまで(悪)夢の中での話だが)
今回は大分水分多めだった。
それと塩分が少々。
たまにドラム缶と何か良く分からないものが降ってきた。
(ちなみに、あくまで地図で調べただけだが)
会場の木場公園は、一見駅から遠そうだが、
東京スカイツリー駅や新橋からわりと頻繁にバスが出ており、
現代美術館前あたりで降りれば、近くにローソンもあり、
慣れれば割と便利だ。
あと、役者たちの服装に合わせて作業着などを持って行って現地で着こむと、
舞台と溶け込め、汚れも気にならず良い。
むしろ作業着のほうがカッコいい位である。
ビーチサンダルなどは
不測の事態に備えやめておいた方が良いと思われる。
地下足袋(田植え足袋)など理想的だが、
石ころが転がっている場合もあるため、注意が必要だ。
タオルを持っていけば、観劇(生還)後に顔くらい洗えて便利。
(野外なのでやはり多少埃がつく
また、ミュージカルではあるが、
オペラグラスなどはまったく必要なく、
役者と至近距離で触れあえる(たまに落ちてくる)
理想的な舞台である。
開場を待つ間、
近所のサッカー少年たちが劇団の名前に多少テンションが上がり
「ゴキブリだってよー」
と言いながら羨望の眼差しを向けるのを、
オトナになった優越感(←勘違い
に浸りながら月見酒(もちろん安いワンカップ
を味わえるという特典もある
(大江戸温泉物語の露天風呂より多少気分よく月が観れる
・・・以上はあくまで自分の夢のハナシだが、
もし観に行くとしたら、台風前夜のきょうがラストチャンスかもしれない。
立場上、あまりキャッキャ言いながら観に行けず、
厳粛な面持ちで
月夜の三文オペラを
冷徹に観察・分析しているような顔つきをせざるを得ない人もいるかもしれない。
そういう人は早寝して観に行った夢を観てみるとよい。
もし誰かが「お前に似た奴が観客席で踊っていた」
と主張したとしても、
一笑に付し、
「その日は早寝したので僕の魂がそこに辿り着いたのでわないかな?
・・・エクトプラズムというヤツだよ。知らないかね?月夜の夢だ」
と満足そうな笑みを浮かべながら
ちょび髭(禿げ頭でもよい)を撫でる位余裕である。
もう何年も毎回行けていない。
非常に残念だ。
登美子with トカチェフ最高(あくまで噂で聞いただけだが
鉄の纏足
東京タンバリン
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/09/20 (木) ~ 2012/09/24 (月)公演終了
満足度★★★★
脱原発、脱BL!
・・かどうか分からないけど。
by BL不拡散条約加盟国(アイヤー!
(続きます)
ネタバレBOX
イキナリそのケもなさそうな男子二人が
抱き合ってキスしたりすると、
女性たちは「キャー(喜」
かもしらんが、
ストレート系男性紳士は
「アイヤー!(これってそういう話だったの?(役者じゃなくってよかった・・」
という感じでかなりびっくりして
(ちなみに「突然→BL♨」狄(てき)展開は、一般的な物語に混ぜるには核並の破壊力では・・?(苦笑
鞭髪でもしていれば(纏足なだけに←うまいこと言った!
ぶん回して
尖閣諸島に過剰に反応する人民並に驚きの意を表現したいところだが。
ちなみに、これがどうも
未来の図書館従業員の読んでいる本の内容なのか、
それとも従業員が読みながら妄想しているだけなのか、
それともそれ以外なのか・・?
良く分からないところが、
劇薬でありながら、ぼんやりと
物語全体の構造の中にふんわりと組み込まれている由縁ダロヵ?
決して女性の観客たちの
「キャー(喜」←実際にはそういう声はありませんでした(笑
に反応して
「なんかよく分からないけどとりあえずヨイショしとっか・・!」
とか思ったわけでは有りませんです(汗
最後の方、ちょと流れがつかめなかった気が・・。
あと、ちょっと疲れました(苦笑
土日でなければもっと疲れたかも・・。
演出的には結構テクニカルでした。
ただ、ビデオ屋の店員の話が本のなかの世界なのだとしたら、
もう少し波乱万丈な話(ネッシーを探す探検家のハナシとか(笑
のほうが良いな(そこにBL脳とか入るとどうなるか良く分からんが
・・でも、それじゃ片方が本の世界だとすぐわかっちゃうし、
妄想するほどのゆとりもないからダメなのかな・・?
ちなみに、未来の図書館のハナシが逆に
DVDの中のハナシ、という可能性ももちろん残されています
(ふたつの世界のカラミははっきりとは描かれていないのです