ぱち太の観てきた!クチコミ一覧

341-360件 / 601件中
冷凍カプセルと流星群【公演終了!ご来場誠にありがとうございました。】

冷凍カプセルと流星群【公演終了!ご来場誠にありがとうございました。】

隕石少年トースター

Cafe Slow Osaka(大阪府)

2012/10/24 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

お昼の回にぶらり観劇・・
きっちりまとまっているだけじゃなく、
いろんな感情が詰め込まれていて素晴らしい作品に仕上がっていました。

以前の公演を見た時にも感じたことだけど、
最初、十三というと南側のイメージが強くて
なんだかどうなんだろ、
という気もしましたけど、
道道の雰囲気と会場と、公演内容がぴったり合っていて
素敵な小品(今回は2時間を超える作品でしたが
に仕上がることようで、
良い会場だな、と、改めて思いました。

夢の星

夢の星

玉田企画

アトリエ春風舎(東京都)

2012/10/17 (水) ~ 2012/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

超満員とフワチェイス
・・あれ?小竹向原ってこんなに人いたっけかな?
と、思わず思ってしまう位何故か?満員で、
夢か?と、思ってたら、内容も観客席に負けず劣らず?
夢のような舞台でした。

フェリーニの「8 1/2」を徹夜明けで観て5分で沈んだら・・・
こんな風に・・なるわきゃないか。

ネタバレBOX

劇中劇は、
どこにでもある普通のハナシ・・かと思いきや、
どうも演出家もそれを分かっているらしくて、
昨日まではどうも確信を持っていたと思われる指導内容も、
今日はどうも全てが陳腐なもののように見え、
演出家としての威信?を
かなぐり捨てて、
色々とチンプンカンプンな演出をしてみるものの、
どうもまったく噛み合わず、
(劇中劇のほうの)主人公の
「猫がニャーと言っただけでキャット飛び上がる」
小心・優柔不断・首尾一貫しない、
まるで落語の主人公のような
おっちょこちょいキングっぷりが
際立つばかり。

でも、それに追いつけ追い越せとばかりに
熱血だが羅針盤の向きも定まらず迷走に迷走を重ねる演出家もまた、
栄養の不足と相まって
ふわふわさ加減に磨きをかけるばかり。

主人公→フワ
演出家→フワフワ
主人公→フワワ
演出家→フワフワヮ・・
(ちなみに主人公を演じる役者は全然フワフワしてませんでした

息をもつかせぬフワフワの応酬、カーチェイスぶり(略してフワチェイス!(って言うほどのことでもないか・・
に、観ているこちらも観客席から浮かばんばかり(フワッ

ただ、どうも劇中劇の内容は何のひねりも無く陳腐なようだが、
ラストシーンで主人公が、
青森出張を断るシーンで、
理由を聞かれて
「(奥さんが)寂しいって言うから」
とか弱弱しく言うあたりで、
話としては面白みに欠けても、
主人公の人となりが良いのではないかというのがようやく伝わってくる(遅(笑

それと同時に、
ドジでオッチョコチョイでいい加減?と思われる演出家の愛される人となりも
ようやく分かってくる。

そのさじ加減が、とても巧い(笑



もし、演出家が、有能ではあるが厳しい
劇中劇の会社の上司のようであったとしたら、
会社の売り上げと同様、
劇中劇の興業も上がったかもしれない。

ただ、それが人間味のある優しさのある舞台であったろうかと思うと、
そうでなかった可能性の方が高いと自分は思う。

完全に巧く作って共感を妨げるより、
あえて巧みさを隠して
共感を得る方法を、作者は良く知っていると感じた。

そういう意味で、
この作品は、巧さばかりが際立つ舞台よりは
味わい深い作品になったように思った。

KENTARO!!「雨が降ると晴れる.2」

KENTARO!!「雨が降ると晴れる.2」

Crackersboat

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/10/17 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

初日
凄く難しい動きをしたかと思えば、
あえて誰にでもできそうな動きを入れてみたりするあたり、
逆に若手には難しい?
自信に満ちたつなぎだな、と、思ってみたり。

確実に色んなダンス、動きを取り入れているんだな、
というのは、足の高速の動きなどをみていると分かるんだけど、
全体としてHIPHOPや持って生まれた?身体能力から来るのか、
足首から手の指先までバネでできているみたいな、
柔らかでリズミカルな動きが貫いているのがまた素晴らしい。

このバネや動きのユーモア、顔芸(笑
が、どんな動きを取り入れても、
全体として統一感を失わない理由なのかな?

硬質でパワフルなダンサーたちとは対極をなす
柔らかくて、水色やピンクが良く似合う(笑
KEATARO!!さんのダンスは、
やはり素晴らしい
(自分が(面識もないのに)思わず「さん付け」してしまうのは、千葉さんとKENTARO!!さんくらいなんじゃないかな、などと(苦笑

living

living

自由迷子

早稲田大学学生会館(東京都)

2012/10/18 (木) ~ 2012/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

「物語る」ではなく・・
先日観た菅間馬鈴薯堂とは対極をなすような(笑
物語っていない舞台。

どっちかというと、
観客席は鳥の目で。
どこかの地方都市を俯瞰するような。

「きょうは少し風が強いから、軒先で羽を休めていよう」
「とてもいい風だから、高くまで飛んでみよう」

そんなふうに風のなかに浮かびながら、
ふと目に入る道や公園やどこかの景色。

・・ああ、これは現代的な劇画なのかもしれないな、と、ふと思う。

思えば、自分の好きな劇画や映画の多くには、
確実な物語が無い。

「物語など必要ない」
と言えば、語弊があるのかもしれない。

敢えて言うなら、
「一人一人に物語があるなら、あえて第三者が舞台のそでに立って物語る必要はない」
とでもすればいいんでしょうか?

ジエン社を生んだ?(たぶん
早稲田meets藤田貴大氏と言えば、
ほかの観客たちは
「そんなんじゃないよー!」
と言うのかもしれない(苦笑

自分も次何かの機会で見れば、全く違う感想を抱くのかもしれない。

でも少し、
「若い人たちは、もう少しリラックスして、物語ることの重圧?(あれば
から、解放されてもいいのではないか(演劇界の重鎮?たちはそういうのみるとすぐやいのやいの言いそうだから?」
と常々思ってる自分には、
胸のつかえの取れる作品だったのかな、などと思ってみたり。

天空への途

天空への途

菅間馬鈴薯堂

王子小劇場(東京都)

2012/10/17 (水) ~ 2012/10/22 (月)公演終了

満足度★★★★★

自分はとても面白いと思った・・
今週は気のせいかキャッチーな感じの舞台が
梅棒やシベ少くらいで、
東京近辺の人は行楽に集中してるのかな?
とか思ったりしていたのですが、
観客は少ないなりに
力作・良ライブは探せば結構あるような・・。

この舞台も、最初は古めかしい感じもして、ちょっと水が
合わないのかな、とも思ったりしたのですが、
じっくりじっくり観ていくと、
最近気のせいか若手の公演で印象的なものが多い王子にしては
下町風味の風が逆にいい刺激になって(笑
なかなか滋養になりました。

好ききらいは分かれるようにも思うので、
初見の人には
無星か☆5つになるのかな、
とも思ったりするのですが
自分はどちらかというと
良作なのかな、とも思いました。

『サン=テグジュペリ』 -「星の王子さま」になった操縦士(パイロット)-

『サン=テグジュペリ』 -「星の王子さま」になった操縦士(パイロット)-

宝塚歌劇団

東京宝塚劇場(東京都)

2012/09/14 (金) ~ 2012/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★

自分も思い入れのある作家だけに・・
色んなエピソードや作品世界を詰め込み過ぎて、
その割にはなぜか薄くて、
ちょっと今回は物足りなかったような・・。

同じ花組の「復活」などが素晴らしかっただけに、これはちょっと残念かも。

ただ、ドラマ色は薄まったものの、
ダンスはこっちの方が凄いような。

ネタバレBOX

特に、コンスエロがサン=テックスの生還を願って踊るダンスなど、
凄く躍動的で、
成程、こういう描写の仕方があったのか、
と感心することしきり(笑

ちなみにこの作品は、ダンスなどが凄い人たちの演じるための作品であるようで、
常人が演じると大怪我をしかねないものであるような・・。

「作品」として評価する、というよりかは、
サン=テックスをラテンやアフリカンのリズムにのせて、
なおかつ夢見がちに描くところに注目したいような。

・・そう、皆さん忘れてるかもしれないけれど、
サン=テックスはラテンの国のひとです。

そして砂漠を愛していて。

・・ああ、砂漠行きたい(笑
水をめぐる2/水をめぐる3

水をめぐる2/水をめぐる3

劇団こふく劇場

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/10/11 (木) ~ 2012/10/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

面白かった
・・ただ、気のせいか会場がとても暑かったような・・。

いつも思うのだけれど、
上演時に空調を切るのなら、
事前にHPなりに書いてくれると助かるのにな・・。

特にここ最近、上演時に空調を切る劇団が非常に少ない・・
というか、自分自身そういう劇団・公演は避けるようにしている
(仕事で疲れて蒸し風呂に入るほどの気力は無いので・・
空調が効きすぎているのはしょうがないと思うんだけど、
最初から切るのはちょっと、なぁ・・
長く観劇を続けるには無理しないに限る。
実際、いくら素晴らしい公演でも、
会場が辛ければ、
何年かして覚えているのは
辛い思い出だけだったりする。
会場に着くまで分からないのはしょうがないが、
避けられるものは極力避けたい(苦笑
ので、ふいにそういう公演に出逢うと、
凄く体力を消耗してしまう・・(苦笑

特にこれからの季節、外が寒くて中が蒸し暑いと、
眠いし暑さでベトベトになるし、
とても辛い。

これから公演に行く方は、
今日のような状態が続くのかはよくわからないが、
調節できる服装で行くことをおススメします・・。

とりあえず、
公演前の自分に公演後の自分が出逢ったら
一番伝えたいと思うことを書きました(苦笑

ことほぐ

ことほぐ

intro

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/09/29 (土) ~ 2012/10/01 (月)公演終了

満足度★★★★★

幸せとは相対的な物なのかもしれない
一見、不幸せのように見える。

ただ、よくよく考えてみると、不幸せとばかりも言えないように思う。

幸せは相対的なものだから、
一見、不幸せにも見えるが、それを外から羨ましがっている存在も、
きちんと存在する。

また、過去の筆者の作品を観た感想から、
この作品が単純な
『幸せ・不幸せ』
の構図ばかりでないことも分かる。

登場する女性は、一見、3人。

ただし、冷静に観察すれば「女性」がもう一人存在する。

ネタバレBOX

実際の同性愛者の心理と言うのは、自分には不明だ。

ほとんど接点が無いからだ。
(仙台貨物の「芸スクール漢組」にでも入学すれ分かるのかもしれないが死んでも入らん(笑

ただ、筆者はこの物語に登場する一人の同性愛者に、
女性の心を持った男性を配置したと自分は受け止めた。

そういう意味で、登場する女性は4人だ。

つまり、女性の心を持った人が4人。
また、男性の体を持った人が4人。
登場人物は7人(ややこしいな

一見、男性4人の女性3人で男性が多いように見えるが、
実は(ほぼ)同数だ。

女性(の体を持った)3人は、妊娠している。

一見、不幸なようだが、
冷静に考えてみれば、
妊娠できない男性の体を持った女性(の心の持ち主)のほうが不幸だと思う。

女性3人は、それに気づかないふりをして、
自分たちの不幸に集中している。

そのことを認めると、
「自分たち妊婦こそが最も不幸である」
という共感の前提が崩れてしまうからだ。

女性たちというのは、
自分たちの共感を妨げるものに対しては、残酷である。

ただ、その同性愛者の男性も、
女性のその本質に対し、おそらくは女性たち以上に敏感であるため、
深くは追求しない。

女性である筆者は、
まずその特質を描きたかったのではないかと思う。

即ち、自分たちの大きな幸福に気付かず、
目の前の不幸に集中する妊婦たちをだ。

考えてみれば、
お金持ちの旦那を見つければ幸福か、といえば
そんなはずはないことに気づく。

つい先日も、家の近所の金持ちの家で、
母親が小さな子供を虐待して殺したばかりだ。

子供を一人きりで苦労して育てなければいけない、
というのは、
一見不幸にも見えるが、
良く考えれば逆に、
子供に一生懸命自分が頑張っている姿を見せられる、
ということでもある。

本来は二人で分かたなければならない子どもの感謝が、
自分一人に向けられることを考えれば、
それを絶対的な不幸と捉えるのは早計だと思う。

経済的に恵まれた中で子供だけに愛情を向けるより、
ご飯を食べさせるために一生懸命に外で働く姿を見せる方が、
子供の心には良いのかもしれない(学力はともかく

幸せ・不幸せというのは、相対的なものだと思う。

自分が不幸せだと思っても、
きっと近くでそれを羨ましいと思う人間も存在する。

別に、母子家庭は意外と幸せである、と呑気に考えている訳ではない。

自分は昔見た景色が忘れられない。

学生の頃、どこかの施設に見学に行ったとき、
隣の建物の窓から無邪気な顔が覗いていたのにふと気づいた。
でも、窓の中は真っ暗でほかにひと気も無い。
自分は、その子に似合わない部屋の冷え切った荒涼とした様子にびっくりして、
表に出たときそこが母子家庭の人の入居している施設だと知った。

自分の先入観などもあるのかもしれないが、
その時(あくまで自分が勝手に)感じた寂寥感と、
舞台の上の風景は、似ていても全く違ったものであるように思う。

舞台上には、ぶっきらぼうな口調で実は心配している、
近所のオッサンや兄や、心配してるのかなんだかわからない
アパートの隣の住人や、
これはたぶん母親じゃなくて子供だけ心配してると思われる
暴力夫などがいる。

お金はないかもしれないが、
とりあえず今日のご飯は食べられた。
(食欲がキーワードになるのが筆者の脚本の特徴であると思う

おなかの中には幸せがあるのだけれど、
一人では不安で、
支え合って、
自分たちは不幸だと大声で言って、
おなかが空いて、
ご飯をたべて。

・・・あ、これって女性だね。

女性たる筆者が眺める、
ずるくてわがままで早とちりで自分勝手で、
でもおなかがいっぱいになれば結構何とかなりそうな気がする、
男性よりずっと逞しいっぽい、
女性たちの姿なんだろうね。

きっと筆者は次また生まれ変わっても女性が良いっていう気がする(笑


・・まぁ、自分は女の人たちは本当すげぇなって思うけど、
次生まれ変わった時も
気ままに虫捕まえたりしていたいから絶対、男のままが良いけどね(笑

(最近舞台見ても頑張って全部感想書く時間が無いから今回は特に頑張って書いてみた(笑
団長のビバリーヒルズコップ

団長のビバリーヒルズコップ

男肉 du Soleil

シアター711(東京都)

2012/09/27 (木) ~ 2012/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

Fly Me to the Moon
「・・俺、ちょっと飛んできたよ・・」
「え?お前、劇場行ったとか言ってなかったっけ?」
「知んないの?最近の舞台じゃ、飛べるんだよ。月まで行ったかもしんない」
「クレーターあったか?」
「あったあった、ウサギもいた。餅ついてたよ」

・・・なんだ、こんなことなら、せめてヒゲくらい剃っときゃよかったな(苦笑

秋の夜長は、月いくに限る。

・・もし、深夜のクラブで、退屈なDJの間に端で休んで、
疲れた足をほぐしながら
ウサギ図鑑を紐解いている奴がいるとしたら
それは、月世界旅行から帰還したばかりの宇宙飛行士です(笑

・・I Can Fly?
You Can Fly.

偏差値0でも力一杯、飛び跳ねられることの方が、
偏差値80あることよりずっと重要だ。

イケメンとか金持ちとかそんな基準は、俺は知らん。

ただ、目の前で力の限り飛び跳ねている奴が一番偉いと思う。

顔を崩したくなくて端っこでシケたカオしてるイケメン氏などを見つけると、
素直に『・・可哀想に、お人形さんか?』と思う(別にイケメン君たちに敵意は無い
(その顔で「変な動きとかしたくねーなー」とか言うんだったら、
千葉さんのメイクなどを参考にすれば良いんじゃないかとか思ったり、
・・まぁ別にどうでも良いけど(苦笑

偉そうな顔をしながらふんぞり返っている暇なんて人生には皆無。
昔演劇を少しやっていた同級生の将来政治家などをニュースで見つけると、
正直、ちょっと可哀想な気になってしまう(金銭的には向こうの方がはるかに恵まれているが(苦笑

速く足が動かせるようになったとしても、それは結果。
誰よりも目いっぱい飛び跳ねてたら、そりゃ、足も速くなるわ(笑
別に速いから偉いって訳じゃない。
力の限り音楽を楽しんでいたから、偉い、というよりはむしろ、
「面白いヤツだね、アイツ」な人生(笑

ネタバレBOX

男は赤フンとばかり思っていたら、マサカの青ファーフン、
団長、お見それしや↓(した(笑
ちょっぴりスパイシー

ちょっぴりスパイシー

ゴキブリコンビナート

木場公園 多目的広場(東京都)

2012/09/28 (金) ~ 2012/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

・・という夢を見た
毎回行こうと思いつつ行けないが、また、今回も行けなかったが、
夢枕にゴキブリが立ったので、ここに記す。

(あくまで(悪)夢の中での話だが)
今回は大分水分多めだった。

それと塩分が少々。

たまにドラム缶と何か良く分からないものが降ってきた。

(ちなみに、あくまで地図で調べただけだが)
会場の木場公園は、一見駅から遠そうだが、
東京スカイツリー駅や新橋からわりと頻繁にバスが出ており、
現代美術館前あたりで降りれば、近くにローソンもあり、
慣れれば割と便利だ。

あと、役者たちの服装に合わせて作業着などを持って行って現地で着こむと、
舞台と溶け込め、汚れも気にならず良い。
むしろ作業着のほうがカッコいい位である。

ビーチサンダルなどは
不測の事態に備えやめておいた方が良いと思われる。
地下足袋(田植え足袋)など理想的だが、
石ころが転がっている場合もあるため、注意が必要だ。

タオルを持っていけば、観劇(生還)後に顔くらい洗えて便利。
(野外なのでやはり多少埃がつく

また、ミュージカルではあるが、
オペラグラスなどはまったく必要なく、
役者と至近距離で触れあえる(たまに落ちてくる)
理想的な舞台である。

開場を待つ間、
近所のサッカー少年たちが劇団の名前に多少テンションが上がり
「ゴキブリだってよー」
と言いながら羨望の眼差しを向けるのを、
オトナになった優越感(←勘違い
に浸りながら月見酒(もちろん安いワンカップ
を味わえるという特典もある
(大江戸温泉物語の露天風呂より多少気分よく月が観れる

・・・以上はあくまで自分の夢のハナシだが、
もし観に行くとしたら、台風前夜のきょうがラストチャンスかもしれない。

立場上、あまりキャッキャ言いながら観に行けず、
厳粛な面持ちで
月夜の三文オペラを
冷徹に観察・分析しているような顔つきをせざるを得ない人もいるかもしれない。

そういう人は早寝して観に行った夢を観てみるとよい。
もし誰かが「お前に似た奴が観客席で踊っていた」
と主張したとしても、
一笑に付し、
「その日は早寝したので僕の魂がそこに辿り着いたのでわないかな?
・・・エクトプラズムというヤツだよ。知らないかね?月夜の夢だ」
と満足そうな笑みを浮かべながら
ちょび髭(禿げ頭でもよい)を撫でる位余裕である。


もう何年も毎回行けていない。
非常に残念だ。
登美子with トカチェフ最高(あくまで噂で聞いただけだが

鉄の纏足

鉄の纏足

東京タンバリン

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/09/20 (木) ~ 2012/09/24 (月)公演終了

満足度★★★★

脱原発、脱BL!
・・かどうか分からないけど。 
                   by BL不拡散条約加盟国(アイヤー!

(続きます)

ネタバレBOX

イキナリそのケもなさそうな男子二人が
抱き合ってキスしたりすると、
女性たちは「キャー(喜」
かもしらんが、
ストレート系男性紳士は
「アイヤー!(これってそういう話だったの?(役者じゃなくってよかった・・」
という感じでかなりびっくりして
(ちなみに「突然→BL♨」狄(てき)展開は、一般的な物語に混ぜるには核並の破壊力では・・?(苦笑
鞭髪でもしていれば(纏足なだけに←うまいこと言った!
ぶん回して
尖閣諸島に過剰に反応する人民並に驚きの意を表現したいところだが。

ちなみに、これがどうも
未来の図書館従業員の読んでいる本の内容なのか、
それとも従業員が読みながら妄想しているだけなのか、
それともそれ以外なのか・・?

良く分からないところが、
劇薬でありながら、ぼんやりと
物語全体の構造の中にふんわりと組み込まれている由縁ダロヵ?

決して女性の観客たちの
「キャー(喜」←実際にはそういう声はありませんでした(笑
に反応して
「なんかよく分からないけどとりあえずヨイショしとっか・・!」
とか思ったわけでは有りませんです(汗

最後の方、ちょと流れがつかめなかった気が・・。

あと、ちょっと疲れました(苦笑

土日でなければもっと疲れたかも・・。

演出的には結構テクニカルでした。

ただ、ビデオ屋の店員の話が本のなかの世界なのだとしたら、
もう少し波乱万丈な話(ネッシーを探す探検家のハナシとか(笑
のほうが良いな(そこにBL脳とか入るとどうなるか良く分からんが
・・でも、それじゃ片方が本の世界だとすぐわかっちゃうし、
妄想するほどのゆとりもないからダメなのかな・・?

ちなみに、未来の図書館のハナシが逆に
DVDの中のハナシ、という可能性ももちろん残されています
(ふたつの世界のカラミははっきりとは描かれていないのです
仏にイナズマ

仏にイナズマ

ハリケーンディスコ

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2012/09/13 (木) ~ 2012/09/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

ブル
やっぱりブル(レッドブルではない方
が出てくる舞台は燃えるなぁ・・(木場公園といい(←独り言

当日券とれました(母親も調子良さそうだったので

あと、火花もが飛び散るのも良いね!

やっぱり役者の目から火花が飛び散るのも良いけれど、
実際に目の前で本物が飛び散ると、
焦げた匂いが実際にするから
テンションも上がる(笑

ネタバレBOX

俳優が血を流しながらDJなんてのもオツだ(笑

やっぱりハリケーンディスコなだけに。

痺れるね。
たけしの挑戦状【ご来場ありがとうございました!!】

たけしの挑戦状【ご来場ありがとうございました!!】

劇団東京ミルクホール

ウッディシアター中目黒(東京都)

2012/09/12 (水) ~ 2012/09/17 (月)公演終了

満足度★★★★★

別にどこかの劇団の贔屓というのはあまりないつもりなんだけど・・
東京ミルクホールの舞台は、本当にいつも自分好みで、引き込まれる。

今回も、本公演一年ぶりというのもあってか、
役者の目を見ても、
どのシーンも本当に本気。

時に刺すような目をしたかと思えば、
次の瞬間には
本当に泥臭い(褒めてます(笑
目をしてシメる!

カッコつけて一つのシークエンスをまとめることもできるはずなのに、
あえてそれをしないで、
大昔のコロコロコミックの少年漫画でも見るかのように(笑
泥んこの少年みたいな顔つきで
決めのポーズを決めたりする。

このギャップに凄くしびれるし、とても気に入っている。

題材が入り混じって、凄くカオスなのに、
役者の顔つきが、全くブレない。

画面構成がどうのとか言うつもりは全くないのだけど、
正直、現在の東京の劇団で最も洗練された
(題材は役者が自分と同じ30代が多いせいか少し古いかもしれないけど(苦笑
劇団は、東京ミルクホールなんじゃないかな、と思う。

20代の劇団やダンサーの多くは、
趣味(音楽などの題材とか)は現代的かもしれないが、
場面と場面の結びで
ここほど緩急がついていない
(まるでなだらかな山のようだったりする

これほどカオスで、時に泥臭いようにみえて、
実は洗練された語り口の、
人を食った舞台、というのは、
本来、自分が大阪でもっとも観たい種類の作品だったりする(笑

ただ、気のせいか大阪の人たちは、
東京の人ほどは確信が無いせいか
(本当は東京でもてはやされている作品も、そこまで常軌を逸したものはなく、
本当に常軌を逸した作品のほとんどは外国人が東京に持ち込むもののように思われる
ここまでの語り口の緩急は無いように思う
(そこが、題材は本当に(←ここは強調したい(笑)素晴らしくても、
一本調子な作品が関西に多い理由のように思う(汗

そういう意味では、
別にこの作品が大阪公演をするからという言うだけではないけれど、
関西(特に大阪
に最も必要なもの(ストーリーテリングの上手さと多少の下世話さ(笑
を持っているのは、
やっぱり若手の劇団じゃなくって、
東京ミルクホールなんじゃないかな、と思うんだけど。

インディペンデントとウッディシアターは、
会場の大きさも似てるから、
たぶん大阪で観ても違和感はあんまりないと思う
(会場の大きさが全く違うと、結構違和感があったりする。関西で大きくて東京で小さい場合、小さい劇場で見ると印象がだいぶ変わる。今回は、東京を大阪に合わせたのか、キャパが同じ位(たぶん)なので、逆に大阪で観ても違和感が無いと思う

本当の「洗練」と言うのは、
見かけや雰囲気のことを言うのではなく、
この作品のような語り口をこそ言うのであって、
東京も含めた多くの地域の劇団に見習ってほしい要素なんじゃないかな、
と、自分は思うのだけど・・(笑

フリル

フリル

アマヤドリ

王子小劇場(東京都)

2012/09/08 (土) ~ 2012/09/17 (月)公演終了

満足度★★★

何が足りなかったのかな・・
と、考えてみる。

印象に残る台詞はあったし、
世界観みたいなものも魅力的な部類だったように思う。

だからこそ余計に惜しいのかな、と、思ってしまう。

ネタバレBOX

魅力的な台詞の大半は後半に集中しているように思う。

前半は、それぞれの物語がどう絡むか分からない
4つほどの登場人物群の会話が交互に進行する。

全体像がまったく見えてこないまま前半が過ぎる。

これは辛いと思う。

逆に、後半は、うっすらとだけれど、
それぞれの人たちのかかわりが見えてくるようで、
実はそれらの会話の大半が、
蝉たちの見る白昼夢なのかもしれないとさえ
ふと思えるような、
フェリーニの8 1/2のような苦悩と幻想が、
砂漠の幻想譚か何かのように強烈な夏の日差しに時に照らされながら、
初演のヒラカタ・ノートのように
物語同士が交互に入り組みつつ進んでいくようでもある
(初演のヒラカタ・ノートほどは入り組んでないのかもしれないけど

そういう意味で、後半は非常に魅力的だった。

ただ、そこに辿り着くまでの前半が非常に苦しかった(汗

そういう意味では、当日パンフに書いてあった、
説明をしないことを目指して作られたハズの物語の、
骨格を形成すると思われる部分が
非常に退屈になってしまい、
逆に想像力の翼を広げたと思われる
幻想的な後半部に面白さが凝縮されてしまったとも言えるかもしれない。

この舞台は、
退屈ではあるが、分析には有益と思われる前半部によって、
全体として
幻想と現実とのバランスがうまく取れ
(最終的には幻想に大きく傾くようではあっても
ひょっとしたら解析好きの批評家には受けが良いかもしれない。

ただ、盛り上がりに欠けた前半部は、
仕事帰りに疲れきって観劇に来た多くの人にとってはどうなんだろうか?
と、思ったりする(もちろん自分もそうです(苦笑

正直、物語は後半だけで良かったように思う。

もしすべてを詰め込むつもりなら、
時系列に従って退屈になることを避けるため、
順序を逆転するなど、
色々と方法はあったように思う
(ようは面白いところを先にしたり、退屈な部分の前後に面白い会話をサンドイッチ的に挟み込んだり・・ふつうに行われていることで

また、登場人物がこれだけ必要だったのか?
という疑問も残る。
印象に残らないキャラクターが多すぎる
(これは多くの劇団に言えることだけれど、物語に流れが無いと余計に感じてしまう

今回が第0回公演で、
次回に登場する人物たちの紹介と言う意味での
配置なのだとしたら、
今回の演劇祭をピークに持ってきた
他のいくつかの劇団と比べてどうなのか、
という気もする。

世界観は魅力的で技巧的だが、
力強く物語ってはいない、
というのは、ライトノベルに良く見られる傾向のように思う。

ただ、ライトノベルの魅力的な部分を演劇に
置き換える過程で、
語りの弱さまで写し取る必要はないと思う(そういうところを目指しているように自分には感じられる

世界観さえ魅力的であれば
語りの弱さに堪え切れるのは、
物語に出てくるような
「いわゆるオタク」な男性だけだと思う。

・・自分としては、砂漠の曠野の焚火に照らされた影の中で踊るような、
生命力にあふれた語り口こそ、演劇には
もっとも相応しいように思うのだけれど・・。
ハイカラ狂イ

ハイカラ狂イ

早稲田大学演劇倶楽部

早稲田大学学生会館(東京都)

2012/09/07 (金) ~ 2012/09/08 (土)公演終了

満足度★★★

最近
B203に行ってないことに気づいて、なんとなく勢いで飛び込んでみた・・・
ところ、危うく入れなくなるところだった
(B203とはそういうところだった
入れなかったら、代わりにキッチン南海にでも飛び込もうかとおもっていたが、すんでのところでその晩餐が実現するところだった、危ない危ない(←この「危ない」はカロリー的な意味です

ネタバレBOX

出演する役者は、たった5人しかいなかったものの、
舞台上たった一人で人形相手に延々としゃべるなど、
それぞれが新人にしては過酷なノルマをきっちりこなしていて
正直「すげえ!」と思った。

役者が皆割と個性的で、
なかでも少し眉毛の濃いめの男優の方が面白いな、と、思った(主に眉毛

かつてはお笑い芸人を目指して、ウルトラマン人形で喋りながら
バルタン星人人形を使う相方にツッコまれていたころの優しさを
謎の草「笑い草」中毒になって忘れ、
やがてその草に憑りつかれて、新世界の神になり、
溢れんばかりの力を得るが、
相方のツッコミの力に弾き返され、
元の優しさを取り戻す、という難しい・・というか意味不明な役を、
キッチリなのかなんなのか分からないが、
持ち前の眉毛をイカしながらキッチリと演じてみせた(ような気がした
(ちょっと説明しただけでは何が何だか分からない。これだけの変遷のある役は、あの眉毛だからこそ演じられたのではないかと思ったりもする(こち亀的な意味で

「こんなくるくる変わる役柄をイキナリ大多数の前に飛び出して
演じ、納得させて見せるなど、
普通のソフトな劇団では考えもつかないようなスパルタクス実習?(やはり早稲田はアテネではなかった

でも、物語自体は、
どっかトリコっぽい気がしないでもないが、
割と理にかなっていて(細部がカオスなだけで
冷静になって整理してみると、理解しやすかったりもする。

ちなみにせんとくん?は出てきませんでした(ガチャピンに似た人は出ました

また同じ役者の人たちが出たら観てみたいです(特にあのナイス眉、つながんないカナ・・
14の夕べ / 14 EVENINGS

14の夕べ / 14 EVENINGS

東京国立近代美術館

東京国立近代美術館(東京都)

2012/08/26 (日) ~ 2012/09/08 (土)公演終了

満足度★★★★★

「ツァイトゲーバー」
一見シンプルだけど・・・素晴らしい!

同じ京都のピンク地底人なんかを観たときにも思ったのだけれど、
東京の若手劇団などに一番欲しいのが、
こんな、愚鈍なまでに真っ直ぐな作者の視線であったりするのでは
ないかな、などとも思ったりするのです。

京都は手作り市なども盛んなせいか、
劇研などのセットでも、
シンプルながら東京では想像もつかないような(豪華さという意味ではなく
精緻で作り込まれたものが何気なくあったりする。

作品それ自体についても、
今回の作品のように、
一見非常にシンプルでどこにでもありそうな概要でありながら、
詳細に分析してみると
全くどこにもない作者の視線のようなものがひっそりと反映されていたりする。

このような、
地味ながらも
愚直なまでに真っ直ぐな姿勢の作品が、
多くの(普段は演劇に足を運ばなさそうな)人の前で
(あの人たちが観劇好きなら、とっくに劇研などは人であふれかえっていることだろうから
上演される機会を得るというのは、
とても素晴らしいことだと思います。

HEEL DOWN↓

HEEL DOWN↓

深夜練(木皮成+喜多真奈美)

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/09/05 (水) ~ 2012/09/06 (木)公演終了

満足度★★★

荒削りだけど
・・いいんじゃないかな。

折角のアゴラなんだからもうちょいカッコつけてまとめた感じを出してみても
良いんじゃないカナ、とも思ったり。

喜多さんという人は初めて見たんだけど、
なかなかにブチ切れていて、面白いな、と、思ったり。

・・たぶん逆に繊細なのかもしんないですね(なんとなくだけど

あんまり現時点での評価を気にするのもアレですけど。

・・でもなんで、ミカン箱からミカン星人的なカッコで飛び出すっての、
やらなかったんだろ?(自分だったらかなり「イケてる!」と思ったかもな・・(残念

キョウトノマトペ/Kyotonomatopee

キョウトノマトペ/Kyotonomatopee

青年団国際演劇交流プロジェクト

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/08/29 (水) ~ 2012/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

凄い
本気で騒いでた(ちなみにフランスバージョンです

ヴィラ九条山に滞在していたときに制作したみたいですが、
面白い人多いですね、ここ・・。

夜空に戻すべき月があるように

夜空に戻すべき月があるように

白米少女

こった創作空間(東京都)

2012/08/27 (月) ~ 2012/08/30 (木)公演終了

満足度★★★★★

死神公務員・・
憧れはしないけれど、なかなかに詩的な設定(笑

子どもが一度は夢見る(かもしれない?)職業、殺し屋。

しかもゴルゴのように何も言わずに人を殺すのではなく、
「・・・殺しに来ましたよ」
と言ってから、殺す。

死ぬ前の人の眼をみたことがある。

そのどれもが、まるで子どもに戻ったみたいにキラキラしてた。

人は、目の中に星を宿して死ぬのかもしれないと思った。

・・だとすれば、覚悟した人を殺す殺し屋は、
いつも星を眺めて暮らしているようなものなのかもな・・(天文学者のように

そして、殺した人の家族に恨まれて、いつか自分も殺されることを
覚悟している(待っている)コロシヤの目にも、
星は宿っているのかもしれない。

殺された人たちはやがて煙になって、
雲の水蒸気の中のきらきらに溶けてゆくだろう。

ネタバレBOX

いつか殺される時を待つ殺し屋を、
靴を磨きながら直しながら待つ
その男に母親を殺された少女。

ふたりが巡り会うのも、
きっと星や月や雲のきれいな荒野なんだろうね。

少女は、
男がまた自分のところに戻ってくるように、
「(あなたに母親を殺されて)殺したいほど憎んでいる」
と言う。

男は、少し照れながら?も(変態ではない(笑
少女に靴を贈る。

やがて男は旅立ち、
少女もその靴を履いて
(雲と同じくらいきらきらしているであろう海に)
旅立つ。

・・もうこの荒野のどこかで
二人がめぐり会う事は無いのかもしれないな、などとぼんやり思う。

この話のその後がどうなるのかははっきりとは描かれないが、
その方が自分は好みだから(笑

自分は、男に自分を重ね合わせてみて、
荒野のどこかで、少女が立派に成長したことを
風のうわさで聞く夢を見る。

・・アフリカに旅立ったランボーなんかも、
荒野の上でこんな甘い夢をみたんだろうかな、なんて思いながら。
ゴミくずちゃん可愛い

ゴミくずちゃん可愛い

ぬいぐるみハンター

王子小劇場(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/08/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

Love & Bitter ?
割と素直に観てしまうとなんてことも無いのかもしれないけれど、
あれだけのシンプルなセット(真ん中に丸い地球のセットがちょんとあるだけ)
で、近未来ディストピアのなかの銃夢的なゴミ山ユートピアを
夢みさせるのって、結構すごい。

物語自体も、
意識しているのかどうかは良く分からないけれど、
最近のデモの広がりから生まれてくる、
平和とかを求める空気に合っている気がしてとても良かった。
(何故か舞台芸術ではこういう描写は一般的ではないようだけれど、
こうした公共劇場では難しいかもしれない物語こそ、
王子のような小劇場でやってほしい作品だったりもする

ネタバレBOX

2時間強の舞台だったけれど、長さを感じなかった。

物語のそこここで頻出する強弱とでも言えばいいのか、
明るさの裏での悲しみ、
絶望の中での喜劇
(一ノ瀬 泰造の『地雷を踏んだらサヨウナラ』が出てくるあたり、まさにそんな感じだ
とか、
実際の兄妹のようにして育った幼馴染での理知と天性との対比とか、
若さゆえに強烈に惹かれるであろう(自分も良く分かる
こうしたある種の強烈なコントラストが、物語にメリハリをつけてくれていた。

強いて要望があるとするならば、
妹のような女の子が18で死んだあとの男の子が、
出来の良くて賢明な男とかではなく、
もっと野卑で粗野な天才に成長していったら面白かったかな、と思ったり。

全体的に女性陣の元気さ、切実さに比べて、
男子がちょっと大人しくて物わかりが良すぎな気がするので、
馬鹿でも良いからもっと粗野で元気で無鉄砲な方が良かったんじゃないかな、とも思ったりする。
(自分自身、死んだ父親から貰ったものでいちばん大きいのは、
どう考えても脳ミソとかではなくて元気さだと思うから。
男は元気が一番!あとは全部オマケです(笑

ちなみに自分の感覚ですが・・
男にとって、馬鹿というのは勲章でこそあれ、悪口ではないと思う。

逆にお洒落だと言われるのは、「今日は良い天気ですね」
と言われる程度の意味でしかない。
重さが違うのだ。

このページのQRコードです。

拡大